人事管理入門の全体像が分かる!おすすめの4冊と基礎知識を徹底解説
- 【入門】人事管理とはどんな仕事?
- 人材管理の具体的な業務内容
- 労務管理の具体的な業務内容
- 人事管理は何のためにやるのか?
- 人事管理業務に役立つスキル
- 人事管理に向いている人
- 人事管理入門で勉強しておくべき知識
- 人事管理に関連する資格
- 人事管理の入門書は?おすすめの本
- 人事担当者が知っておきたい、10の基礎知識。8つの心構え。
- 人事担当者が知っておきたい、8の実践策。7つのスキル。
- 「労務管理」の実務がまるごとわかる本
- 人事管理入門(日経文庫)
- まとめ
「人事部に配属されたけど、人事管理入門で押さえておくべきポイントはある?」
「そもそも、人事管理ってどんなことをするの?」
このようなお悩みをお持ちではありませんか?
「人事管理」という言葉自体は、聞いたことがあるかもしれません。しかし、いざ言葉で説明しようと思うと難しいのも事実です。
このページでは、人事管理の入門時、最初に知っておきたい内容をまとめています。初心者にも分かりやすく説明しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
「紙やExcelで行う業務が多く、煩雑な労務手続きがなかなか削減できない」
「従業員からの労務手続きにおける問い合わせ対応で業務が中断されてしまう」
など、お悩みの方も多いのではないでしょうか。
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【入門】人事管理とはどんな仕事?
一般的に、人事管理とは「人材管理」と「労務管理」の総称のことです。
人事部の仕事には、大きく分けて二つの業務があります。人の育成や、採用などを行う人材管理と、給与管理や福利厚生などを担う労務管理です。これらをまとめた人事部の仕事が、人事管理と呼ばれています。
ただし、人事管理は業務の幅が広く、企業によって社内の役割分担に差があることから、言葉の定義はあいまいです。
例えば、企業によっては人材管理の業務だけを人事管理と呼んでいたり、労務管理だけを指していたりと、意味する内容はまちまちです。
人事管理は、人事部が担当する仕事のことだという認識で問題ないでしょう。
人材管理の具体的な業務内容
人事管理業務には、人材管理と労務管理があると説明しました。では、それぞれの具体的な業務内容を見ていきましょう。
まずは、人材管理の具体的な仕事を紹介します。人材管理は、従業員や入社希望者と直接の関わりが多い業務です。
■ 人材管理の具体的な業務内容4つ
- 採用
- 教育
- 評価
- 配属・異動
採用
採用とは、企業に新しい人材を採用する業務のことです。
イメージしやすい仕事としては、面接や企業説明会の企画・運営などがあります。
その他にも、企業が求める人物像の可視化や、理想の人材を確保するための計画立案、内定者の対応なども採用の仕事に含まれます。採用は、企業の経営目標達成に大きく関わる仕事です。
教育
教育とは、従業員を育成する業務のことです。
代表的な業務は、採用した人材を企業にふさわしい従業員へ育てるために、研修を企画・実施します。具体的には、新入社員研修やOJT、コンプライアンス研修などがあります。各人材に適切な教育を行うことで、従業員の能力開発が可能です。
評価
評価とは、人材の能力やスキルなどを評価する業務です。人事評価や人事考課とも呼ばれています。
人材を様々な角度から総合的に評価し、下された評価は従業員の給与や役職に反映されます。評価には公平性が求められるため、各部署の管理者による報告をまとめるだけでなく、積極的に従業員と関わりを持つことで、管理者ごとの評価に大きな差がないかを確認することも大切です。甘辛調整などで、社内の評価のぶれを均一にすることもあります。
甘辛調整などは、人事評価クラウドなどのツールを使うことがあります。
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配属・異動
配属・異動は、従業員を適切な部署に配置する業務のことです。
採用した人材の能力を最大限引き出すために、配属や異動は必要不可欠です。また、従業員の高いモチベーションを維持することにもつながります。適切な配置・異動を決定するには、各人材への正しい理解が必要です。性格やスキルなどを総合的に評価し、判断しましょう。
労務管理の具体的な業務内容
次に、人事管理の仕事のうち、労務管理について説明します。
人材管理が人と関わる仕事であるのに対し、労務管理は数字や法令と向き合う業務です。
■ 労務管理の具体的な業務内容
- 社会保険
- 給与
- 健康診断
- 福利厚生
社会保険
従業員の社会保険に関する手続きは、労務管理の一環です。
社会保険とは、健康保険や雇用保険、労災保険、厚生年金などを指します。どの制度も、従業員が安心して生活するために必要な制度です。一方で、行政手続きが発生するため、特別な知識がなければ正確な処理ができないものもあります。労務担当者は、このような手続きを正確かつ円滑に進める対応力を求められます。
給与
労務管理には、給与計算や、支給額の決定に関する業務が含まれます。企業によっては、人事部以外の部署が担当していることもあります。
具体的には、勤怠管理や交通費などを加味し、各従業員の給与支給額を計算します。従業員それぞれ、手当や控除項目が異なるため、細かい注意力を要するでしょう。賃金は、従業員の生活に直接関わるので、正確な処理能力が求められます。
健康診断
健康診断に関する業務は、労務管理の仕事です。
事業者は、従業員に健康診断を受けさせる義務があります。時期や年齢によって検査項目が異なる場合があり、検査項目も法律で決まっています。従業員が正しく健康診断を受けられるよう、問診票を用意したり、手続きをしたりと、細かい作業が必要な仕事です。
福利厚生
労務管理には、福利厚生に関する業務が含まれます。
福利厚生とは、従業員のモチベーション向上や、社内のコミュニケーションを円滑にする目的で設けられる制度です。具体的には、食事補助や家賃補助、リフレッシュ施設の割引優待などがあります。従業員からの申請を処理したり、福利厚生の内容を変更したりといった業務は、福利厚生担当者の仕事です。
人事管理は何のためにやるのか?
人事管理は、会社や組織の目的実現のために必要不可欠です。とはいえ、人事管理は、売上や利益など、分かりやすい数値目標とのつながりが見えにくい業務とも言えます。
経営資源がヒト・モノ・カネと言われるように、会社の経営には、人材が必要です。たとえ、多額の資金や最新鋭の機械があっても、人が居なければ組織は成り立たないということです。つまり、人事管理担当者が、人材・労務管理の面から、従業員の能力開発やモチベーション管理を行うことは、組織の目標達成に直結しているのです。
また、昨今では「戦略人事」の観点を取り入れる企業が増えています。戦略人事とは、人事管理を経営戦略の一部として扱う考え方です。
このように、人事管理は企業の将来を左右する重要業務です。誇りを持って取り組みましょう。
人事管理業務に役立つスキル
人事管理で求められるスキルは、以下の3つです。
説明力
傾聴力
読解力
(職業の内容や就業方法、求められる知識・スキルなどが総合的に分かる「職業情報提供サイト」を参考にしています)。
各能力について、スキルが役立つ場面を挙げながら説明していきます。
説明力
説明力とは、他者に情報を正しく伝える能力です。
人事管理では、従業員に難しいことを分かりやすく説明しなければならない場面が多々あります。
特に、労務管理では、従業員に制度や申請書類などの説明をしなければなりません。労務に疎い従業員を相手に、スムーズな処理をするには説明力が問われます。
また、人材管理の採用業務では、社外の人に会社情報を説明する場面があります。新卒採用では、学生が理解できるような言葉に言い換える必要があるなど、人事管理には正しく情報を伝える力が求められます。
傾聴力
傾聴力は、人の話を上手に聴く力です。具体的には、話を遮らず注意深く聴き、要点を押さえた質問ができる能力です。
人事管理は、採用面接や評価に関する面談など、人の話を聴く業務があります。採用で良い人材を見極めたり、従業員の正当な評価をしたりと、人材のポテンシャルを正しく評価するには、傾聴力が求められるのです。
読解力
読解力は、業務に関連する書類を読んで理解する能力です。
人事部の仕事は、行政関係の書類や、社内の就業規則などの固い文章を読む機会があります。難しい日本語で書かれている書類を理解する能力があると、円滑に仕事が進むでしょう。また、読解力が高まれば、難しいことを分かりやすくする説明力の向上につながります。
人事管理に向いている人
人事管理の仕事に向いているのは、以下のような人だと言われています。
- コミュニケーションが好きな人
- 好奇心がある人
- 多様性を理解・想像できる人
- 口が固い人
- スケジュール管理ができる人
コミュニケーションが好きな人
人材管理は、人と接することが多い仕事です。そのため、会話が苦手な人には苦痛に感じるかもしれません。
誰とでも自然に会話が楽しめるタイプの人であれば、採用や教育、評価などに積極的に取り組めるでしょう。
好奇心がある人
人事管理で、採用や教育をするとき、好奇心があると業務を楽しめるでしょう。
人事の仕事は、営業職のように自分の成果がはっきり見えません。自分以外のことに興味が持てないタイプの人には、やりがいが感じられない可能性があります。
多様性を理解・想像できる人
人事管理に向いている人物像として、多様性を想像し、理解できる人が挙げられます。
従業員や応募者には、人それぞれ事情があります。人事管理担当者は、ライフワークバランスの相談を受ける立場でもあるため、予想外の相談が来る可能性を見越し、多様性を理解した対応ができると良いでしょう。
口が固い人
どの職種にも言えることですが、口が固い人は人事管理に向いています。
人事管理では、従業員や採用応募者の個人情報を扱います。家族構成や給与、ライフステージの変化など、仕事で知り得たプライベートな内容を口外することは許されません。秘密を守る自信がない人は、トラブル回避のためにも人事管理を行わない方が無難です。
スケジュール管理ができる人
面談や面接の機会が多い人事管理担当者は、細かいスケジュール管理が求められます。
多忙な中でも、アポイントが重ならないように調整する力は、人事管理で役立つでしょう。反対に、時間に縛られず自分のペースで仕事がしたい人には、窮屈な仕事かもしれません。
人事管理入門で勉強しておくべき知識
人事管理の担当者として活躍するために、勉強しておくと良い知識を紹介します。人事管理で扱う業務分野は多岐にわたるため、まずは各分野の基礎を網羅的に勉強しておきましょう。基礎知識があると、実際に仕事を引き継いだときの理解度が上がります。
法律の知識
人事管理には、法律の知識があると良いでしょう。労務管理では、法律に則った正確な業務を求められるからです。労働基準法や労働安全衛生法などの基礎知識を事前に勉強しておくと、実務で役立ちます。
会計の知識
人事管理担当者として、会計の知識があると役立ちます。会計知識は、給与や雇用保険料などの計算に必要だからです。実務では、会計ソフトで自動計算をする場合が多いですが、基本的な計算方法や仕組みを理解しておくと、応用が利くでしょう。
心理学の知識
心理学の知識は、人と接する機会が多い人事管理の仕事に役立ちます。人の心や行動との向き合い方を知れば、採用や評価のための面談を上手に進められるでしょう。
マネジメントの知識
従来の日本型人事から一転、人事管理は、経営マネジメントの一環として捉えられるようになりました。人材は、経営資源の一つだと考えられているからです。ヒューマンリソースマネジメントの領域について知識があると良いでしょう。
人事管理に関連する資格
人事管理は、特別な資格がなくても従事できる仕事です。とはいえ、関連する資格が無いわけではありません。関心がある資格があれば、自己啓発も兼ねて取得してみても良いでしょう。
キャリアコンサルタント
キャリアコンサルタントとは、働く人の職業選択や仕事における人生設計のアドバイスができる国家資格です。採用や配属、異動に関わる人事担当者の仕事と関わりが深いといえます。相談を通して、どのような職業に適性があり、どのようなことに関心があるのかなどの気づきを与えられるでしょう。
産業カウンセラー
産業カウンセラーは、働く人の悩み相談に応じ、職場環境の改善や能力開発、メンタルヘルスを防止する役割を担っています。従業員が快適に働けるよう、様々な角度からサポートする立場である人事管理担当者は、産業カウンセラーの資格があると役立つでしょう。
ビジネスキャリア検定
ビジネスキャリア検定の「人事・人材開発・労務管理」の分野は、人事担当者の仕事に役立つ知識を学べる資格です。労使交渉の方法や、労働紛争の対応、法律に則った就業規則や賃金の決定など、専門知識が身につくでしょう。
社会保険労務士(社労士)
社会保険労務士の資格を持っていると、健康保険や厚生年金の手続きなどを代行できます。これらの手続きは社労士の独占業務です。人事労務担当として、キャリアアップを考えている人は、目指したい資格です。
コーチング資格
コーチングとは、人の目標達成を促すコミュニケーションの方法のことです。人材教育や能力開発など、人材マネジメントの手段としても注目されています。コーチングの資格は、いくつか種類があり「日本コーチ連盟」と「国際コーチ連盟」が主流です。
人事管理の入門書は?おすすめの本
最後に、人事管理入門時におすすめの本を紹介します。どこから勉強すれば良いのか分からないという方向けに、人事管理の入門書を選定しました。
人事担当者が知っておきたい、10の基礎知識。8つの心構え。
「人事担当者が知っておきたい、10の基礎知識。8つの心構え。」は、業務の知識だけでなく、人事の仕事への向き合い方も学びたい方におすすめです。一冊で、人事の仕事の全体像が把握できます。通称「人事の赤本」と呼ばれています。
https://www.amazon.co.jp/dp/4845203111/
人事担当者が知っておきたい、8の実践策。7つのスキル。
「人事担当者が知っておきたい、8の実践策。7つのスキル。」は、実践的なスキルを身につけるのに適した本です。データ分析や労働法など、実用的な内容が解説されています。「人事の赤本」と同じシリーズなので、セットで読んでみると良いでしょう。https://www.amazon.co.jp/dp/4845203219/
「労務管理」の実務がまるごとわかる本
「労務管理の実務がまるごとわかる本」は、初めて労務を担当する人にも分かりやすく書かれた実用書です。著者は、実績のあるベテラン社労士5人が担当しています。労務管理の実務について、体系的に知りたい方におすすめです。https://www.amazon.co.jp/dp/4534057245/
人事管理入門(日経文庫)
「人事管理入門(日経文庫)」は、歴史、環境条件、国際比較の観点から、人事管理について分かりやすく説明している本です。「人事担当者が知っておきたい、10の基礎知識。8つの心構え。」でも紹介されている、定番の入門書です。https://www.amazon.co.jp/dp/4532111900/
まとめ
人事管理入門について説明しました。人事管理の担当者の業務内容は多岐に渡ります。その中でも共通するのは、どの業務も人をサポートする役割であることです。書籍や資格の勉強を通して、人事管理に役立つ知識を会得しましょう。
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