#人材管理
2024/08/15

スラッシュワーカー(スラッシャー)とは?意味やメリットとデメリットについて解説

目次

スラッシュワーカー(スラッシャー)とは、スラッシュキャリアを実践している人のことで「複数の肩書や仕事を持つ人」のことを指します。

新しい働き方や副業の浸透に伴い、注目されているスラッシュワーカーという働き方ですが、メリットとデメリットがあります。

この記事では、スラッシュワーカーとは何か、意味や語源、スラッシュキャリアについて、スラッシュワーカーが増加した背景、スラッシュワーカーとパラレルワーカーとの違い、スラッシュワーカーを採用するメリットとデメリット、スラッシュワーカーとして働くメリットとデメリットについて解説します。

スラッシュワーカーのスキルの「見える化」に

スラッシュワーカー(スラッシャー)とは

スラッシュワーカー(スラッシャー)とは、スラッシュキャリアを実践している人のことで「複数の肩書や仕事を持つ人」のことを指します。

スラッシュキャリアとは

スラッシュキャリアとは、複数の肩書や仕事によってキャリアを形成していくことで、2007年にアメリカのジャーナリストである、Marci Alboher(マーシー・アルボハー)氏が著書「One Person / Multiple Careers」の中で「スラッシュキャリア」という言葉を用いたことが始まりです。

スラッシュワーカーの語源

スラッシュワーカーの語源は、「/(スラッシュ)」から来ています。

例えば、「人事/WEBライター/フォトグラファー」のように複数の仕事を「/(スラッシュ)」で区切ることから「スラッシュワーカー」と呼ばれるようになりました。

スラッシュワーカーは「スラッシャー」とも呼ばれます。

スラッシュワーカーが増加した背景

スラッシュワーカーが増加した背景について確認してみましょう。

スラッシュワーカーが増加した背景

  • 働き方の多様化

  • 副業の解禁

  • 価値観の変化

働き方の多様化

スラッシュワーカーが増加した背景には、「働き方の多様化」があげられます。

残業規制やリモートワークの導入などにより、企業の従業員の働き方の多様化が進んでいます。

また、企業に属さずフリーランスとして働く人も増加し、働く形も多様化した中で、働く形の1つとしてスラッシュワーカーがあります。

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副業の解禁

スラッシュワーカーが増加した背景には、「副業の解禁」があげられます。

収入の増加や雇用不安の解消を求め、副業をしたいと考える割合が増加したことを受けて、これまで許可されていなかった副業を各企業が解禁し始めています。

企業に勤めながらも他の仕事をすることが可能になり、スラッシュワーカーが生まれやすくなりました。

価値観の変化

スラッシュワーカーが増加した背景には、「価値観の変化」があげられます。

世代による価値観の変化もスラッシュワーカーが増加している背景の1つで、特に「ミレニアル世代」と呼ばれる2000年以降に成人、就業した人たちは「1つの仕事への執着が少ない」という特徴があります。

そのため、複数の仕事に興味を抱き、実際に仕事にしていく場合が増えています。

スラッシュワーカーに似ている言葉と意味の違い

スラッシュワーカーと近い意味で使われる言葉として、「副業」「兼業」「複業」「パラレルワーカー」があります。

それぞれの言葉の意味とスラッシュワーカーとの違いについて確認してみましょう。

スラッシュワーカーと副業との違い

副業とは、本業を持っている人が、本業とは別の収入を得るための仕事を指します。

スラッシュワーカーは複数の仕事を行う働き方をしている人を意味することから、副業は仕事、スラッシュワーカーは働く人を指すという違いがあります。

スラッシュワーカーと兼業との違い

兼業とは、本業となる仕事を複数掛け持ちしている状態を指します。

副業との違いは、本業となる仕事を複数持っている点で、スラッシュワーカーと意味は近いですが、兼業は状態を指し、スラッシュワーカーは人を指すという違いがあります。

スラッシュワーカーと複業との違い

複業とは、複数の仕事を持つことを指し、スラッシュワーカーと意味は近く、一般的に複業している人はスラッシュワーカーである場合が多いです。

スラッシュワーカーとパラレルワーカーとの違い

パラレルワーカーとは、パラレルキャリアを実践している人を指します。

パラレルキャリアとは、本業を持ちながらもう1つのキャリアを築くことで、経済学者のピーター・ドラッカー氏が提唱しました。

スラッシュワーカーは本業を特定せずに複数のキャリアを同時に進めていくことに対して、パラレルキャリアは本業を特定しているという違いがあります。

スラッシュワーカーと働くメリット

企業がスラッシュワーカーを雇用、または業務を委託することによって得られる、メリットについて確認してみましょう。

スラッシュワーカーと働くメリット

  • 幅広い知識を持つ人材の視点が得られる

  • 採用競争力が高まる

幅広い知識を持つ人材の視点が得られる

スラッシュワーカーと働くことで得られるメリットは、「幅広い知識を持つ人材の視点が得られる」ということです。

スラッシュワーカーは、複数の肩書や仕事を持った人材のため、複数の分野にわたる知識や経験を有しています。

1つの分野内だけで物事を考えていると、視野が狭くなりがちですが、スラッシュワーカーがいることによって多分野からの視点を得ることができます。

多分野からの視点を得ることは、イノベーション創発にもつながる大きなメリットで、複数の分野に渡って専門的な知識を持つスラッシュワーカーと働くからこそ得られるメリットです。

採用競争力が高まる

スラッシュワーカーと働くことで得られるメリットは、「採用競争力が高まる」ということです。

複数の仕事をしているスラッシュワーカーの活用は、企業が副業や多様な働き方を認めることになり、優秀な人材の採用につなげることができます。

また、働き方の多様性を認めることは従業員の待遇改善にもつながり、離職防止など人材の流出を防ぐ効果も得られます。

企業がスラッシュワーカーを活用する上では、副業規程などの人事制度の整備が不可欠です。

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スラッシュワーカーと働くデメリット

企業がスラッシュワーカーを雇用、または業務を委託することによって起こる、デメリットについて確認してみましょう。

スラッシュワーカーと働くデメリット

  • 人材が流出する恐れがある

  • 専門家に比べ専門性は低い傾向がある

人材が流出する恐れがある

スラッシュワーカーと働くことで起こるデメリットは、「人材が流出する恐れがある」ということです。

スラッシュワーカーは複数の仕事を持っていて、1つの仕事に対する執着が比較的少ないため、仕事にやりがいを感じなくなったり、待遇が悪化すると退職や契約の解除につながる恐れがあります。

人材の流出を防ぐためには、仕事のやりがいの創出や待遇改善を行うことが重要です。

専門家に比べ専門性は低い傾向がある

スラッシュワーカーと働くことで起こるデメリットは、「専門家に比べ専門性は低い傾向がある」ということです。

スラッシュワーカーは1つの分野に特化した専門家に比べると、専門性が低い傾向があるため、非常に高い専門性が求められる仕事でスラッシュワーカーを活用すると、期待していたパフォーマンスが得られない場合があります。

活用する人材に対して何を求めるのかを明確にしたうえで、依頼を行うようにしましょう。

スラッシュワーカーとして働くメリット

複数の仕事を持ち、スラッシュワーカーとして働く際のメリットについて確認してみましょう。

スラッシュワーカーとして働くメリット

  • 多様な専門性を持つことができる

  • 収入の安定性を高めることができる

  • 好きなことを仕事にできる

多様な専門性を持つことができる

スラッシュワーカーとして働くことのメリットは、「多様な専門性を持つことができる」ということです。

スラッシュワーカーは、複数分野のスキルや知見を持っているため、それらを駆使して多面的に企業に貢献することができ、企業内で替えの効かない人材になることも可能です。

また、フリーランスとして企業に関わっている場合、複数分野での業務受注もできるため売上向上につながります。

収入の安定性を高めることができる

スラッシュワーカーとして働くことのメリットは、「収入の安定性を高めることができる」ということです。

複数の仕事を持つことは複数の収入源を持つことです。

つまり、どれか1つの収入源を失ったとしても、他の収入源があることで収入を失ったり、大幅に落とすことを避けることができます。

さらに、収入源の数を増やせば増やすほど、安定性を高めることが可能でしょう。

好きなことを仕事にできる

スラッシュワーカーとして働くことのメリットは、「好きなことを仕事にできる」ということです。

スラッシュワーカーは、複数の仕事の中から好きな仕事を選ぶことができるため、好きなことを仕事にしやすいでしょう。

また、収入の安定性を得ることができるため、新しいことに挑戦しやすくなり、挑戦の結果、新たに仕事の範囲を広げる事も可能です。

スラッシュワーカーとして働くデメリット

スラッシュワーカーとして働く際のデメリットについて確認してみましょう。

スラッシュワーカーとして働くデメリット

  • 各分野の専門性を高めることが難しい

  • ワークライフバランスの確保が難しい

  • 専門性が低いとみなされる可能性がある

各分野の専門性を高めることが難しい

スラッシュワーカーとして働くことのデメリットは、「各分野の専門性を高めることが難しい」ということです。

スラッシュワーカーは、複数分野のスキルや知識を得る必要があります。

しかし、1つの分野の専門性を高めるためには時間がかかるため、携わるすべての分野で高いレベルでの専門性を身に着けることは難しく、特定分野の専門家に比べ、専門性は低くなってしまう可能性があります。

ワークライフバランスの確保が難しい

スラッシュワーカーとして働くことのデメリットは、「ワークライフバランスの確保が難しい」ということです。

複数の仕事を行うことで労働時間が長くなってしまう場合があり、プライベートの時間を確保することが難しくなってしまいがちです。

また、携わる分野が多くなるほど、各分野の勉強時間も必要になるため、ワークライフバランスを取ることが難しくなるでしょう。

体調や家族への配慮などのプライベートの管理ができるよう仕事の調整は欠かさず行いましょう。

▼「ワークライフバランス」についてさらに詳しく
ワークライフバランスを推進するためには?具体的な取り組みまで解説

専門性が低いとみなされる可能性がある

スラッシュワーカーとして働くことのデメリットは、「専門性が低いとみられる可能性がある」ということです。

複数の肩書や仕事を持つため、1つの分野に関する専門性は低いとみなされる可能性があります。

実際に、1つの専門性を高めている専門家に比べると専門性は低くなりがちです。

スラッシュワーカーは、複数の分野を掛け合わせて、専門性だけではなく独自性を出すことが重要になります。

スラッシュワーカーのスキル管理に

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スラッシュワーカーを活用することで企業の業績向上を目指す

スラッシュワーカー(スラッシャー)とは、スラッシュキャリアを実践している人のことで「複数の肩書や仕事を持つ人」のことを指します。

新しい働き方や副業の浸透に伴い、注目されているスラッシュワーカーという働き方ですが、メリットとデメリットがあります。

スラッシュワーカーには専門家にはない強みがあるため、スラッシュワーカーを上手く活用することで企業の業績向上につなげることも可能です。

スラッシュワーカーをはじめとした、さまざまな働き方をする従業員が増えるにつれて、重要になるのが人材管理を行うシステムです。

「HRBrain タレントマネジメント」は、スラッシュワーカーをはじめとした、さまざまな従業員のスキルや業務の「見える化」と業務進捗の把握を、シンプルで使いやすいデータ管理で実現します。

さらに、従業員のスキルマップや、これまでの実務経験、育成履歴、異動経験、人事評価などの従業員データの管理と合わせて、OKRなどの目標管理、1on1やフィードバックなどの面談履歴などの一元管理も可能です。

HRBrain タレントマネジメントの特徴

  • 検索性と実用性の高い「データベース構築」を実現

運用途中で項目の見直しが発生しても柔軟に対応できるので安心です。

  • 柔軟な権限設定で最適な人材情報管理を

従業員、上司、管理者それぞれで項目単位の権限設定が可能なので、大切な情報を、最適な状態で管理できます。

  • 人材データの見える化も柔軟で簡単に

データベースの自由度の高さや、データの見える化をより簡単に、ダッシュボードの作成も実務運用を想定しています。

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HR大学編集部
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