#人材管理
2024/08/26

タレントマネジメントシステムの課題とは? 目的・導入の課題と成功事例まで

目次

タレントマネジメントとは

タレントマネジメントのアウトラインを解説

タレントマネジメントとは、人材活用の最適化・最大化を行うために、従業員の個々の能力などをデータ化し、企業全体で共有・活用する仕組みのことです。従業員のスキルなどが一元管理されることで、配置転換や長期的な人材育成といった業務が、より効率的に行えます。働く側としても、自分の能力にあった配属や研修が受けられるため、会社へのエンゲージメントが高まる可能性があります。

タレントマネジメントのメリットをまとめると以下のようなことが考えられます。

  • 従業員エンゲージメントの向上

  • 従業員の離職防止

  • 長期的キャリア育成計画の実施

  • 人材の適材適所配属による組織パフォーマンスの向上

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【完全版】タレントマネジメントとは?基本・実践、導入方法まで解説

タレントマネジメント導入時の課題とは

タレントマネジメントシステム導入時の課題を解説

タレントマネジメントは優れた手法ですが、導入にはいつくかの課題を解決する必要があります。以下それぞれ必要な対策とあわせて紹介します。 

課題1:ゴールが共有されていない

タレントマネジメントは人事部だけで行えるものではありません。マネジメント層のコミットメントとトップの強い思いを、従業員全員と共有することが大事です。

何のためにデータを取集するのか分からずに、入力だけ、情報収集だけしている状態では、従業員側の不信感を募る結果になります。

タレントマネジメントによるゴールを明確にし共有することと、実際に運用して成果を感じてもらうことが成功のための重要な鍵となるでしょう。

 課題2:自社の課題の洗い出しができていない

自社の人事戦略の課題自体が明確でないと、タレントマネジメントの導入によるベネフィット享受のイメージがつきません。まずは人事戦略を明確化し、長期的に解決すべき人事的課題を洗い出すことから始める必要があります。人事部だけでなく、経営層と方向性を作り課題を抽出します。その課題解決のためにタレントマネジメントで何ができるか、検討するといいでしょう。

課題3:自社にあったサービスが選べない

タレントマネジメントに関して、サポートシステムを提供するサービスは、現在多数存在します。それぞれに強み弱みがあるので、導入の際は自社が求めるものは何か、優先順位をつけて選ぶことが必要です。その中でも必ず確認しておきたいサービス項目は以下の通りです。

  • どのような機能があるか:タレントマネジメント、1on1、労務管理、人事評価の一元管理化など

  • セキュリティが万全か

  • コストパフォーマンスがあうか

  • 使用者が使いやすいか

  • 柔軟性があるか

  • サポート体制はどうか

特に1つ目の機能に関しては、自社が目指したいゴール設計と合わせ、必要な機能が備わっているか確認するといいでしょう。タレントマネジメントだけでなく、それに付帯する1on1や人事評価のフィードバックが連動しやすいか、労務管理と紐づけられるかなども重要です。逆に自社に必要がない機能はその分コスト高ですので、最初のゴール設計から優先順位を確認することが大事になってきます。

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タレントマネジメントシステム15選!導入メリットや選定ポイントを解説

タレントマネジメント実践時の課題とは

タレントマネジメント実践にあたっての課題を解説

クラウド人材管理システム「HRBrain」を提供する、株式会社HRBrain(本社:東京都渋谷区)が行った「タレントマネジメント導入」に関する企業向け調査(2020年:サンプル数500:複数回答)では、以下がトップ3の導入後の課題として浮き彫りになりました。さらにこの3つを詳しくみてみましょう。 

  • 業務フローへの組み込み・定着化:34%

  • 人事評価の運用がやりづらい:33%

  • データ不足で分析ができない:29%

(※参照)HRBrain:「日本企業のタレントマネジメントシステム導入の実態に迫る!約30%が「人事評価の運用」を導入後の課題として回答」より

課題1:業務フローへの組み込み・定着化

タレントマネジメント運用のためには人材データの更新が必須ですが、人材データは常に動きます。人事による一元管理で更新する個人の基礎情報に加え、人事評価などは、各マネージャーの評価入力がそのままタレントマネジメントシステムへ反映されるなど、二度手間にならない業務フローになっていないと、工数が増えるだけになります。

タレントマネジメントの導入では、業務フローにどう取り入れ、全体の工数が削減されるかまで設計できている必要があります。初期の設計が重要になるので、経験値の蓄積されたサポート企業を選ぶのも、長期的な運営では大事なポイントです。

 課題2:人事評価の運用がやりづらい

課題1と共通することですが、タレントマネジメンと、人事評価が別管理の場合は、運用工数が増えるだけでなく、紐付けが難しくなります。課題1と同じく、タレントマネジメントの導入は、人事評価の設計とあわせて考える必要があります。

課題3:データ不足で分析ができない

タレントマネジメントを運営するには、人材情報を取りまとめ、一元管理することから始まります。しかし社内のどこにどれだけの人材がいるのか、スキルやノウハウなどがあるか特定できないと、分析そのものができません。スプレッドシートを用いた人事管理は、タレントマネジメントには向きません。専用のツールを用い、人材情報の収集と可視化がおすすめです。

また情報は登録だけでなく、抽出が簡単なことも運営では大事な要素になります。経歴や能力などの登録情報が検索しやすいツールを利用し、顔写真や評価ごとに図解で表示されるなど、視覚的にも使いやすいシステムを使うと、人材の発掘・活用がよりスムーズになります。 

タレントマネジメント定着フェーズ時の課題とは

タレントマネジメントシステム定着フェーズ時の課題を解説

タレントマネジメントの最大の課題は、定着フェーズでしょう。システムを導入しても使いにくい、評価ときちんと連動されないなど利用しにくい場合は、段々と宝の持ち腐れになってしまいます。ここでは、スムーズな定着のための課題を解説します。

課題1:人材データ管理を怠らない 

人材の適材配置には、従業員の基本的な個別属性データに加え、経歴・経験・スキル・評価のデータが必要になります。さらに本人のキャリアの意向なども汲み上げたデータ管理および配置が可能になれば、従業員の会社へのエンゲージメントを高めることができます。それには人材データが常に最新になっている必要があります。

この課題解決には、アップデートしやすいインターフェースを選ぶとともに、データ更新を業務フローに確実に取り入れることが重要です。

課題2:ゴールを再確認し手段を目的化しない

タレントマネジメントは、配置転換時だけでなく、長期的な人材育成プラン作成時にも力を発揮します。ただ人材の育成プランでは、5年、10年といった長期的な視点での運営が必要になり、最初に設定したゴールからずれても、当初の計画通りにただ研修をこなし記録を残すだけになりかねません。

生きたシステム運用にするために従業員の成長速度や、企業のゴールと常に照らしあわせ、変更・調整していく必要があります。計画的なキャリア育成実現のために、人事部だけでなくマネジメント層も状況がモニタリングでき、課題を解決しあう仕組み作りが必要になるでしょう。

課題3:PDCAを回し継続する

タレントマネジメントは、継続し改善を続けないと意味がありません。企業ごとにゴール設定は違っても、人材の能力を最大限に発揮してもらいたい、という大きな運用目的は同じです。従業員も自身の能力が発揮できている場合は、やりがいを感じ成長速度も速くなります。このため短期的では退職率を下げるだけでなく、長期的には後継者を育てていくという視点でも運営できます。

タレントマネジメントは長期に運営する必要があり、PDCAを回し改善をしていく必要があります。よって人事にただ追加される業務ではなく、現存の人事評価や労務管理と上手く融合させることで、無理なくPDCAを回せる仕組み化が大事です。

またシステム導入の際、自社開発の場合は、固定のシステムになってしまい、最新のインターフェースへのアップデートなどが遅れる可能性があります。タレントマネジメントは10年スパンでの利用が必要になります。よってクラウド型で柔軟にシステムのアップデートがあるパートナーを選ぶのも対策としておすすめです。

【まとめ】成功するタレントマネジメントシステム導入のために

タレントマネジメントシステムに関して、課題を中心に解説してきました。現在注目されているタレントマネジメントシステムですが、成功する導入には経験豊富なパートナー選びが重要です。

HRBrainは、タレントマネジメントシステムはじめ、従業員の労務管理・人事評価などのオペレーションの全てをクラウド上のソフトウエアで効率化するサービスです。人事評価においても工数の軽減を図ることができます。またMBOやOKR、1on1などの最新のマネジメント手法をカンタン・シンプルに運用を可能しにし、国内でも2,500社以上※のサポート実績があります。 

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※2023年9月時点

HR大学編集部
HR大学 編集部

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