ホーソン実験とは生産性の実験!工場での実験から判明した結論を簡単に解説!
- ホーソン実験とは生産性の実験
- ホーソン実験とは生産性の実験
- 生産性とは
- ホーソン実験を行った背景
- ホーソン実験を行った人物
- ホーソン実験の内容と結果
- 照明実験
- リレー組み立て実験
- 面接実験
- バンク配線作業実験
- ホーソン実験の結論
- 得られた結論
- インフォーマル・グループの重要性
- ホーソン効果
- ピグマリオン効果との違い
- ホーソン実験の結論を活かす方法
- コミュニケーションの場を作る
- インフォーマルな活動を企画する
- 【まとめ】人材管理・タレントマネジメントをカンタン・シンプルに
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ホーソン実験とは生産性の実験
ホーソン実験とはどういった内容の実験だったのでしょうか。はじめにホーソン実験の概要を解説します。
ホーソン実験とは生産性の実験
ホーソン実験とは1924年から1932年に生産性向上の要因を調査するために実施された実験の総称です。アメリカのウェスタン・エレクトリック社のホーソン工場で実施されたため、ホーソン実験と呼ばれています。
生産性とは
ヨーロッパ生産性本部(EPA)によると、ビジネスの現場における生産性とは「生産要素の有効利用の度合い」と定義されています。
物を作るという行為には、材料や設備、携わるスタッフなどの投資・投入が必要です。それによって生み出された産出物が、投入したコストに比べてどのくらい増えているかを示す割合が生産性です。
生産性は、「産出(output)÷ 投入(input)」の式で表すことができます。
では、この生産性を向上させる要因を探るためのホーソン実験が行われた背景とはどのようなものだったのでしょうか。
ホーソン実験を行った背景
ホーソン実験が始まった1920年代はアメリカは第一次世界大戦後の好景気下にあり、自動車産業をはじめ生産が拡大していました。この頃の主要な人材管理法はフレデリック・テイラーが提唱した科学的管理法が主流でした。この管理法を発展させ、さらに生産効率を上げるためにどうしたらよいのかを調査するために始まったのがホーソン実験です。
ホーソン実験を行った人物
ホーソン実験が行われた工場を所有していたウェスタン・エレクトリック社は電話・通信機の製造企業で従業員は4万人を超えている大企業でした。そのためホーソン実験開始前から生産性の向上や心理学的研究に関心を持ち、度々研究を行っていました。その中で始められたのがホーソン実験の1つ目の研究である「照明実験」です。はじめの1年はマサチューセッツ工科大学のメンバーが実施していましたが、途中からハーバード大学の心理学者エルトン・メイヨーや同大学の経営学者のフリッツ・レスリスバーガーらが参加し実験が進められました。
ホーソン実験の内容と結果
ホーソン実験は1924年から1932年にかけて4つの実験が行われました。それぞれの目的と内容、そして結果について解説します。
照明実験
1つ目に行われたのが「照明実験」です。
実験の目的と内容
目的は「労働環境と生産性の関係」の調査です。この実験では、照明環境の違いによって生産性の変化を測りました。
実験結果
実験の結果、照明の明るさと生産性の間には明確な関係性を見出すことはできませんでした。むしろ、照明を暗くした方が作業効率は高くなるという現象も確認されました。
リレー組み立て実験
次に行われたのが「リレー組み立て実験」です。
実験の目的と内容
目的は「労働条件や待遇と生産性の関係」の調査です。継電器という機械の組み立て作業を労働条件や待遇を変えて行い、条件ごとの生産性を測りました。
実験結果
実験の結果、労働条件と待遇の変化と生産性の変化には一定の関係を見出すことはできませんでした。むしろ照明実験と同様に、条件が悪い方が生産性が上がる現象もみられました。
面接実験
3つ目が「面談実験」です。
実験の目的と内容
目的は「個人の感情と生産性の関係性」の調査です。この実験では、2万人以上の従業員を対象に現場の状況を把握するためのインタビューを行いました。
実験結果
実験の結果、従業員のモチベーションには労働環境や待遇よりも、職場における人間関係や仕事への適正・興味が重要であるということがわかりました。つまり、外部環境ではなく個人の内的感情が重要な要因であるということです。
バンク配線作業実験
4つ目が「バンク配線作業実験」です。
実験の目的と内容
目的は「集団での作業に人間関係が影響するか」の調査です。職種ごとに、配線、ハンダ付け、検査のグループに分けて、電話交換機(バンク)の配線作業を共同で行わせ成果を調べました。
実験結果
実験の結果、3つのことがわかりました。
労働者は場面に応じて労働量を調整している。
生産性は労働者の能力よりも意識に左右される。
上司と良好な人間関係を築いている方がミスが少ない。
また、生産性に関わることだけではなく、対内的・対外的機能を有したインフォーマル・グループの存在が明らかになりました。
ホーソン実験の結論
一連のホーソン実験の結果からどのような結論が導かれたのでしょうか。ここではホーソン実験の結論を解説します
得られた結論
ホーソン実験が行われるまで、人間関係や感情は生産性と関連性がないと考えられていました。しかし、ホーソン実験によってその考えは覆り、「外部環境ではなく、人間関係が生産性に影響する」という結論が得られたのです。その結果、これまでの科学的管理法から、人間関係を重視した管理法が考えられるようになりました。
生産性についてさらに詳しく知りたい方は「人事が知るべき”生産性”とは?計算式・上げる方法・失敗要因・役立つ制度とは」をご覧ください。
インフォーマル・グループの重要性
ホーソン実験によって、インフォーマル・グループ(非公式組織)が仕事のモチベーションや生産性に好影響を与えているということもわかりました。
インフォーマル・グループとは、部や課などの会社によって決められたフォーマルなグループではなく、友好関係から自然発生的に生まれるものです。そのため、意図的に作ることが難しいグループです。しかし、インフォーマル・グループが生まれやすい環境を作ることで発生を促すことは可能であり、そういった環境を作る取り組みはモチベーションや生産性を上げるために重要だと言えるでしょう。
ホーソン効果
ホーソン効果とは、「注目されることで、成果を上げようと力を発揮すること」を指します。ホーソン実験から得られたため、ホーソン効果といわれています。
ピグマリオン効果との違い
ホーソン効果とよく似たものに「ピグマリオン効果」があります。ピグマリオン効果は「期待を受けることで、より良い成果を出すことができること」を指します。提唱者や導かれた実験が違うのはもちろん、大きな違いは要因にあります。
ホーソン効果の要因は「注目」
ピグマリオン効果の要因は「期待」
となっており、ピグマリオン効果では注目以上に期待されることが重要です。
ホーソン実験の結論を活かす方法
ホーソン効果で得られた結論を現代の人材マネジメントに活かすにはどういった方法があるのでしょうか。ここでは具体的な施策を紹介します。
コミュニケーションの場を作る
仕事のモチベーションや生産性を上げるためにはインフォーマル・グループの存在が重要です。そこでインフォーマル・グループが生まれやすい環境を作ることが効果的な施策となります。その1つとして上げられるのが「コミュニケーションの場を作る」です。例えば
部署横断の懇親会
経営層と一般社員の対談企画
全社対象のイベント企画
等が挙げられます。また、オンライン上にコミュニケーションの場を作ることも有効でしょう。仕事の話だけではなく、日常の会話ができるチャットルーム等を儲けることも効果的です。
インフォーマルな活動を企画する
インフォーマル・グループが生まれやすい環境を作る施策の2つ目として「インフォーマルな活動を企画する」が挙げられます。1つ目は会社内のコミュニケーションの場でしたが、会社外での活動の企画になります。例えば、サークル活動です。同じ趣味や興味があることに全社から人が集まることで、役職や部署の関係ないインフォーマル・グループが生まれやすくなります。また、仕事から離れた場所でのコミュニケーションによって、既に知っている人の新たな一面を見る事にもつながります。その結果、従業員同士がより深いつながりを得ることもできるでしょう。
【まとめ】人材管理・タレントマネジメントをカンタン・シンプルに
今回は、ホーソン効果について解説しました。100年近く前に行われた実験ですが、その結論は現在の人材マネジメントにも大いに役立つものです。従業員のやる気を引き出し、人間関係のよい職場にすることで生産性向上を目指しましょう。
そのためには従業員の得意不得意や個性の把握や納得性の高い評価制度の構築が欠かせません。そこで役立つのがタレントマネジメントシステムです。
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