#人材管理
2024/08/20

人材マネジメントとは?特徴や目的と実施時に大切なことについて解説

目次

人材マネジメントとは、企業のビジョンの達成や実現のために、経営資源である「ヒト」の管理と活用をする人事戦略を指します。

企業成長のためには、「ヒト」のパフォーマンスを最大限発揮させる事が重要です。

人材マネジメントでは、業種や職種によって目標管理や目標設定が異なるため、従業員とのコミュニケーションを通じ適切に管理する必要があります。

この記事では、人材マネジメントとはどのようなものなのか、人材マネジメントの目的や大切なこと、人材マネジメントでの課題と対策について解説します。

人材マネジメントを効率化する「人事管理システム」

人材マネジメントとは

人材マネジメントとは、企業のビジョンの達成や実現のために、経営資源である「ヒト」の管理と活用をする人事戦略を指します。

人材マネジメントでは、従業員の採用・教育・異動・評価・報酬など、人事業務のフレームワークを一体的に取り扱う事が重要です。

人材マネジメントのサイクルを回すことで、業務問題の改善や生産性アップなどの効果が期待できます。

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人材マネジメントと人事労務の違い

人材マネジメントと人事労務は、同じ人事業務でも明確な違いがあります。

人材マネジメントは、従業員の就労(採用・研修・定着など)自体を対象とし、管理する業務です。

一方、人事労務は、従業員が働きやすいよう、制度整備や社内調整を対象に管理します。

例えば、労務管理の具体的な業務は、「給与計算」「保険手続き」「福利厚生の整備」「就業規則や労使協定の管理」「入社や退社の手続き」などの業務を、会社の規定や労務基準法などの法律面に基づいて実施します。

このように、人材マネジメントと労務管理は、「個人」と「制度(環境)」のどちらを対象に管理するかという点に違いがあります。

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人材マネジメントの目的

企業成長のためには、いかに「人的資源(HRM)」を効率よく活用できるかがポイントです。

つまり、企業成長のために、企業や人事は、従業員ひとりひとりのパフォーマンスを最大限引き出さなければなりません。

人材マネジメントは、人的資源に投資をする意味合いを持っており、これからのグローバル化や多様な顧客ニーズへの対応、労働人口減少など、さまざまな社会情勢に備える目的があります。

※人的資源管理(HRM)とは、人を経営資源の1つとみなし、活用する制度を設計し運用することです。

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人材マネジメントのメリット

人材マネジメントは企業成長のためには必要不可欠です。

人材マネジメントのメリットについて確認してみましょう。

人材マネジメントのメリット

  • 企業の組織力アップ

  • 従業員へのポジティブな効果

企業の組織力アップ

人材マネジメントを実施することで企業が得られるメリットとして、「生産性の向上」「企業イメージのアップ」「適材適所の人員配置」「採用活動がスムーズにできること」があげられます。

採用から研修や定着まで、組織力の大幅な成長や効果が期待できるでしょう。

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従業員へのポジティブな効果

人材マネジメントを実施することで従業員が得られるメリットとして、「エンゲージメントの向上」「モチベーションの向上」「離職率の低下」があげられます。

従業員のエンゲージメントが高まれば、自主性や向上心があがります。

そして、フレキシブルなアイディアが出やすくなり組織の活性化に繋がります。

人材マネジメントは、従業員のスキルアップ以外にもメンタリティーにも効果があるため、実施する価値があります。

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人材マネジメントの方法と大切なこと

人材マネジメントの方法と人材マネジメントを実施する際に大切なことについて確認してみましょう。

人材マネジメントの方法と大切なこと

  • 目標達成したい課題を明確化させる

  • 自社の現状と不足部分を確認する

  • フィードバックを行う

目標達成したい課題を明確化させる

企業と従業員がともに達成したい課題を明確にしましょう。

企業が掲げるビジョンや経営計画と、従業員の目標課題に一貫性を持たせることが大切です。

従業員側から見ても、ビジョンと目標課題に統一性がなければ、やるべき事を見失いやすくなってしまいます。

従業員が一貫性のある目標を持っていれば、明確な判断基準ができるため、高いパフォーマンスを発揮することができます。

事業部やチーム単位で目標設定をするようにしましょう。

目標を設定や目標管理をする際は、OKR(Objectives and Key Results)を導入するのも良いでしょう。

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自社の現状と不足部分を確認する

目標と課題の設定ができたら、現状との不足部分を照らし合わせましょう。

例えば、現在の従業員の人数や業務スキルを考慮して、目標達成ができるかを判断します。

マンパワーになっていたり、スキル不足などのギャップがあれば、人員補充、人事異動、人材育成などによって組織内の業務適性化に努めるようにしましょう。

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フィードバックを行う

従業員の目標と課題の設定と実行が終わったら、フィードバックを行いましょう。

適切なフィードバックは、エンゲージメントやスキルアップ向上などの効果が期待できます。

フィードバックは、タイミング、場所、目的など伝え方を誤ると逆効果になる恐れがあるので注意しましょう。

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大企業での人材マネジメントで大切なこと

大企業は、ベンチャーや中小企業と比べて、従業員数や企業規模が大きいため、人材マネジメントの業務をいかに効率よく回せるかがポイントになります。

しかし、膨大な人数の従業員を管理することは、難しいと悩む担当者も珍しくありません。

人材マネジメントを行う際は、人事管理システムを導入すると良いでしょう。

人事管理システムを導入することで、従業員が多い大企業でも、組織図を俯瞰して把握できるツリー構造や、従業員のデータを一目で把握し、適材適所の人員配置が可能になります。

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人材マネジメントの課題と対策

人材マネジメントの課題と対策について確認してみましょう。

人材マネジメントの課題と対策

  • 多様な働き方に適応する

  • 従業員のモチベーションを向上させる

  • 情報を一元化させる

多様な働き方に適応する

グローバル化、デジタル化、少子高齢化へと経済環境が大きく変化するに伴い、人材マネジメントも、従業員ひとりひとりのプライベートや事情に配慮した働き方に適応していく必要があります。

日本企業・個人を取り巻く社会・経済環境は大きく変化

(引用)経済産業省「人材マネジメントの在り方に関する課題意識

さらに、近年では新型コロナウィルス感染症の影響もあり、テレワークの浸透など多様な働き方が急速に広がっています。

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従業員のモチベーションを向上させる

人材マネジメントの課題として、従業員のモチベーションがあげられます。

いくら素晴らしい制度を構築しても、従業員が人材マネジメントを実施する必要性を認識できなければ、想定した効果は期待できません。

従業員のモチベーションを向上させるためには、目標と評価を一元的に管理し連携させ、人材マネジメントの重要性を伝えると良いでしょう。

モチベーションを効果的に高める方法として、1on1を導入するのも良いでしょう。

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情報を一元化させる

人材マネジメントを実施する際、目標管理が明確でない、課題への進捗状況が分からないといった問題が発生することも珍しくありません。

マネジメント対象者と該当部署や人事部との連携が十分に取れてないことが原因です。

専門的な知識や技術が必要な部署であるほど、現場部署に人材マネジメントを一任するかたちで、管理やマネジメント体制を取っている企業も少なくないでしょう。

しかし、部署内のブラックボックス化が発生するリスクもあるため注意が必要です。

人材マネジメントの事例

人材マネジメントの事例とあわせて、人材マネジメントを導入した際に起こりうる課題と対策について確認してみましょう。

人材マネジメントの事例:楽天グループ株式会社

楽天株式会社は、さまざまな国籍の従業員を採用し「グローバル化」への取り組みを行っています。

従来は、日本人の採用が中心でしたが、今では従業員のうち1/3が日本以外の国籍です。

企業が目指すビジョンと照らし合わせ、求める人材を育成しています。

楽天グループ株式会社

人材マネジメントの事例:株式会社オリエンタルランド

株式会社オリエンタルランドは、日本国内最大のテーマパーク「東京ディズニーランド・リゾート」を運営する企業です。

キャストと呼ばれる従業員の、おもてなしと接客技術の高さの秘訣は、人材マネジメントの1つである「ファイブスター・プログラム」の制度が大きく影響しているでしょう。

「ファイブスター・プログラム」とは、キャストが何か良い行動をした時に、上司がキャストにその場でカードを渡して褒め称える制度の事です。

カードを渡されたキャストは、頑張りを認められた事でモチベーションがアップし、結果として、お客様に良い接客やおもてなしをすることができます。

他にもファイブスタープログラムと似た制度として「スピット・オブ・東京ディズニーリゾート」「サンクスデー」などが挙げられます。

株式会社オリエンタルランド

(参考)オリエンタルランド「OLCグループ CSR REPORT 2018

(参考)オリエンタルランド「企業風土とES活動

人材マネジメントのための情報を一元管理

人材マネジメントとは、企業のビジョンの達成や実現のために、経営資源である「ヒト」の管理と活用をする人事戦略を指します。

企業成長のためには、「ヒト」のパフォーマンスを最大限発揮させる事が重要です。

そのためには、従業員の採用・教育・評価など人材マネジメントを実践し、問題の改善やエンゲージメントを高める必要があります。

人材マネジメントでは、業種や職種によって目標管理や目標設定が異なるため、従業員とのコミュニケーションを通じ適切に管理する必要があります。

そのため、従業員の採用・教育・異動・評価・報酬など、人事業務のフレームワークを一体的に取り扱う必要があります。

「HRBrain タレントマネジメント」は、人材マネジメントに必要な従業員ひとりひとりの目標や評価管理のプロセスなど、あらゆるデータを一元管理し可視化します。

従業員のスキルマップや、これまでの実務経験、研修などの育成履歴や、異動経験、人事評価などの従業員データの管理と合わせて、1on1やフィードバックなどの面談履歴、OKRなどの目標管理とマネジメント業務をクラウド上で一元的に感知できるため、人事業務の効率化が期待できます。

従業員データをもとに、適材適所の人材配置や、自社と従業員の目標に不足しているスキルや人材のピックアップも可能です。

HRBrain タレントマネジメントの特徴

  • 検索性と実用性の高い「データベース構築」を実現

運用途中で項目の見直しが発生しても柔軟に対応できるので安心です。

  • 柔軟な権限設定で最適な人材情報管理を

従業員、上司、管理者それぞれで項目単位の権限設定が可能なので、大切な情報を、最適な状態で管理できます。

  • 人材データの見える化も柔軟で簡単に

データベースの自由度の高さや、データの見える化をより簡単に、ダッシュボードの作成も実務運用を想定しています。

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HR大学編集部
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