キーポジションの後継者育成計画とは?人事がやるべき施策を解説
- 後継者育成計画とは
- キーポジションの後継者育成計画が重要な理由
- 後継者不足が深刻化
- 後継者育成計画とタレントマネジメントの違い
- キーポジションの後継者育成計画を立てる方法
- ミッションやビジョンを明確化する
- 経営課題を洗い出す
- 人材要件を設定する
- 必要な育成と評価を実施する
- キーポジションの後継者育成計画に役立つツールと手法
- 後継者育成計画に役立つツール:タレントプール
- 後継者育成計画に役立つツール:タレントマネジメントシステム
- 後継者育成計画(サクセッションプラン)を成功させる秘訣
- キーポジションの後継者育成計画の事例
- 後継者育成計画事例:オムロン株式会社
- 後継者育成計画事例:ゼネラル・エレクトリック
- 後継者育成計画事例:株式会社良品計画
- キーポジションの後継者育成計画は企業存続のカギ
後継者育成計画は、次世代に事業承継をし、将来的な組織の存続とさらなる成長を目指す多くの企業にとって、重要な課題の1つです。
しかし、後継者育成の重要性を感じつつも、思うように後継者育成計画が進められず、危機感を抱く企業が多いのも確かです。
この記事では、人事がすべき後継者育成計画(サクセッションプラン)について解説します。
サクセッションプランを成功させる秘訣とは
後継者育成計画とは
後継者育成計画とは、「サクセッションプラン(Succession plan)」とも呼ばれ、社長や経営幹部と言ったキーポジション人材を、次世代の後継者としてどのように育成するかの計画を立てる一連の施策を指します。
中長期的な事業継承を考える多くの企業が、後継者育成計画を課題に感じている状態です。
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サクセッションプランとは?事例・導入方法から便利ツールまで解説
キーポジションの後継者育成計画が重要な理由
従来の日本では、「同族経営」と言う言葉があるように、組織の事業承継を親族や近しい身内間で行うのが一般的でした。
しかし、少子高齢化や労働人口の減少、働き方改革による柔軟な働き方が普及したのを皮切りに、企業の経営状況はより厳しい状況となり、組織が10年、20年と生き残り成長し続けるためには、より優秀な人材を後継者として育成し、事業を継承しなければならなくなりました。
そのため、「後継者育成計画」が注目されるようになりました。
後継者不足が深刻化
大企業から中小・零細企業まで多くの企業が、後継者問題をに課題を感じています。
帝国データバンクの「全国企業『後継者不在率』動向調査(2022)」によると、全国全業種約27万企業の「後継者不在率」が57.2%で、60歳以上の経営者のうち約50%超が廃業予定と答え、そのうち後継者難による廃業予定が約3割となっています。
また、2022年の代表者の就任経緯は、企業買収や出向などの「M&Aほか」の割合が20.3%で全体の2割を超え、後継者不足への対策が十分に行われていない事が分かりました。
経済産業省の「中小企業・小規模事業者におけるM&Aの現状と課題」によると、後継者問題が解決しなければ、2025年頃までに最大約22兆円分のGDP(国内総生産)と650万人の雇用が無くなる言われています。
後継者問題に取り組まなければ、組織を始め日本経済が大きなダメージを受けることになるでしょう。
(参考)株式会社 帝国データバンク「全国企業『後継者不在率』動向調査(2022)」
(参考)経済産業省「中小企業・小規模事業者におけるM&Aの現状と課題」
後継者育成計画とタレントマネジメントの違い
タレントマネジメントとは、従業員のスキル、経験などを、人事戦略として人材配置、異動、育成に活用して組織成長や業務効率化を目指す人事マネジメントのことです。
キーポジションの後継者育成計画は、将来の社長や経営幹部のような「優秀な人材を育成し定着させる点」では、タレントマネジメントと同じ意味をもっていると言えますが、タレントマネジメントは全従業員や特定の従業員が対象なのに対し、後継者育成計画は幹部候補と経営者候補のみが対象という点で違いがあります。
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キーポジションの後継者育成計画を立てる方法
将来の社長や経営陣交代を見据えて、後継者に対してどのように育成計画を立てれば良いのか、キーポジションの後継者育成計画を立てる際のポイントについて確認してみましょう。
後継者育成計画のポイント
ミッションやビジョンを明確化する
経営課題を洗い出す
人材要件を設定する
必要な育成と評価を実施する
ミッションやビジョンを明確化する
キーポジションの後継者に、まず一番に承継すべきなのは組織の基盤である「ミッション」や「ビジョン」です。
また、今まで築き上げてきた、経営理念、戦略、組織文化を明確にできれば、どのような人材が後継者としてふさわしいか、選定の基準や育成方法の判断軸ができます。
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経営課題を洗い出す
自社が現状抱えている、もしくは将来起こりえると予想される経営課題を洗い出します。
経営課題を洗い出すことで、キーポジションの後継者候補にどのようなスキルや経験を求めるべきかが分かります。
また、キーポジションと言っても、求めるポジションは社長、副社長、幹部候補と企業によって異なります。
例えば社長であれば、強いリーダーシップや先見性を、営業本部長であれば営業力やマネジメント力が求められるでしょう。
どのポジションに、どのような役割や成果を求めるのか、組織の成長に必要な課題を洗い出すようにしましょう。
人材要件を設定する
後継者にふさわしい条件とは何か、能力、スキル、マインドセット、コンピテンシーと言った人材要件を定義します。
定義した人材要件をもとに、人材の選定、育成計画の詳細が決定するため、人材要件は人物像がイメージできるほど具体的に設定するようにしましょう。
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必要な育成と評価を実施する
定義した人材要件をもとに、後継者候補を選出し、育成と評価を実施します。
育成方法として、自社の社長や経営幹部が直接教育を施す場合がありますが、外部研修として経営学の受講やアクションラーニングを行う企業も多いです。
キーポジションを始め、優秀な人材の目標設定や評価管理、育成方法としては、計画的な育成や定着に効果があるとされている「OKR」を導入すると良いでしょう。
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キーポジションの後継者育成計画に役立つツールと手法
後継者育成計画の実行や、人材管理、採用活動に役立つツールについて確認してみましょう。
帝国データバンクの「事業承継に関する企業の意識調査(2020年)」によると、企業の67%が「事業承継を経営上の問題として認識している」と答え、約40%の企業が「事業承継の計画がある」と答えたものの、その内の半分の企業が「後継者育成計画を進められていない」と回答しています。
後継者育成計画に役立つツール:タレントプール
タレントプールとは、優秀な人材を「データベース化」し、中長期的に管理することを意味します。
「とても優秀な人材だったが、条件が合わなかったので見送った」という場面も、採用活動では珍しくありません。
しかし、一度見送った応募者であっても、将来的にタイミングが合えば自社で活躍してくれるかもしれません。
優秀人材とコンタクトを取って繋がりを保っていれば、将来の後継者育成計画を立てる際に、ピッタリの条件である場合もあります。
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人材データベース管理入門
後継者育成計画に役立つツール:タレントマネジメントシステム
タレントマネジメントシステムとは、従業員のスキル(スキルマップ)などを一元的に管理できるシステムです。
特に、キーポジションを担う後継者候補には、今までどのように業務にあたってきたのか、スキルと実績が重視されます。
そのため、システムを活用し、従業員のデータを見える化すれば、客観的な根拠やデータ分析に基づいて後継者候補の選定と育成計画が立てやすくなります。
例えば、クラウド人材管理システム「HRBrain」は、簡単にデータ登録ができるため、従業員の管理を始め、後継者の選定に役立ちます。
▼「タレントマネジメントシステム」についてさらに詳しく
タレントマネジメントシステムの課題とは? 目的・導入の課題と成功事例まで
▼「スキルマップ」についてさらに詳しく
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後継者育成計画(サクセッションプラン)を成功させる秘訣
この資料で分かること
サクセッションプランとは
サクセッションプランの重要性
サクセッションプランの効果と課題
サクセッションプラン立案のために準備すること
サクセッションプランの実施手順
サクセッションプラン成功の秘訣と押さえるべき3つのポイント
サクセッションプランとは、企業を経営する後継者を育成する施策で、後継者育成計画を意味します。
サクセッションプランの導入によって、企業にどのような効果や課題が生じるのかを、さらに詳しく解説します。
また、サクセッションプランを実施する際の実施手順や、サクセッションプランを成功させるために押さえるべき3つのポイントをご紹介します。
キーポジションの後継者育成計画の事例
後継者育成計画について、実際に企業はどのように取り組んでいるのか、後継者育成計画に取り組んでいる企業の事例を3つを確認してみましょう。
後継者育成計画事例:オムロン株式会社
日本の大手電機メーカーである、オムロン株式会社は、「コーポレート・ガバナンス」において「社長指名諮問委員会」を設置しました。
「取締役会の監督機能を強化するため、人事諮問委員会、社長指名諮問委員会、報酬諮問委員会、コーポレート・ガバナンス委員会を設置しています。人事諮問委員会、社長指名諮問委員会、報酬諮問委員会の委員長はいずれも独立社外取締役とし、委員の過半数を独立社外取締役としています。」
この委員会は、社長選びの透明性と客観性を目的としており、社外の人材で形成されている点が特徴です。
(参考)オムロン株式会社「コーポレート・ガバナンス」
オムロン株式会社
後継者育成計画事例:ゼネラル・エレクトリック
アメリカのコングロマリット企業である、ゼネラル・エレクトリック(GE)は、後継者育成計画のために「9ボックス」と呼ばれる評価を定義づけました。
9ボックスは、縦軸にパフォーマンス、横軸にポテンシャルの指標を各3段階に置き「3×3 =9」のブロックから構成されるものです。
また、「Growth Valueの定義」として「外部志向」「明確な思考」「想像力と勇気」「包容力」「専門性」の5つを定めて、ポテンシャルの定義を活用しました。
後継者育成計画事例:株式会社良品計画
「無印良品」を展開する、株式会社良品計画は、ゼネラル・エレクトリック社の「9ボックス」を参考に、自社オリジナルの「5ボックス」を作りました。
横軸を潜在能力、縦軸をパフォーマンスの指標とし、後継者として一番ふさわしいグループから「コア・パフォーマー(合格範囲)」を選びます。
プロフィールシートを作成し、従業員の社歴、業績、行動、海外経験の有無を管理する事で、人材育成のために活用しました。
▼「人材育成」についてさらに詳しく
【実践編】人材育成って何やるの?これを読めば基本的考え方と具体的な企画方法がよくわかる
キーポジションの後継者育成計画は企業存続のカギ
キーポジションの後継者育成計画の必要性や、次世代のために人事がやるべき事について解説しました。
事業承継に悩む企業は多いものの、社長や幹部候補の選定や後継者の育成方法に課題を感じ、思うように後継者育成計画を進められない企業が多いのが現状です。
しかし、組織の中長期的な存続のためには、優秀人材を早期に確保し、育成計画を立てる事が必要です。
後継者育成計画を立てる際、自社内に候補となる人材がいるのか、またどのように育成すれば良いのかの判断軸を作るためにも、従業員のスキルや評価といった人材データを管理することが求められています。
「HRBrain タレントマネジメント」は、後継者育成計画を立てる際のキーポジションの選定や育成、目標に必要な人材データを一元的に管理し、優秀人材の確かな成長をサポートします。
また、従業員の目標設定から評価までのオペレーションの全てをクラウド上のソフトウエアで効率化することが可能です。
MBOやOKR、1on1などの最新のマネジメント手法をカンタンかつシンプルに運用することができます。
HRBrain タレントマネジメントの特徴
検索性と実用性の高い「データベース構築」を実現
運用途中で項目の見直しが発生しても柔軟に対応できるので安心です。
柔軟な権限設定で最適な人材情報管理を
従業員、上司、管理者それぞれで項目単位の権限設定が可能なので、大切な情報を、最適な状態で管理できます。
人材データの見える化も柔軟で簡単に
データベースの自由度の高さや、データの見える化をより簡単に、ダッシュボードの作成も実務運用を想定しています。
▼「タレントマネジメント」お役立ち資料まとめ
【人事担当者必見】タレントマネジメントに関するお役立ち資料まとめ
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