ノーレイティングとは?評価制度のメリット・デメリットや報酬と給与の決め方
- ノーレイティングとは
- ノーレイティングの導入背景と評価制度の変化
- 時代の変化による従来の評価制度の問題点
- ノーレイティングの導入による評価の納得感の向上
- ノーレイティングのメリット
- 外部環境の急激な変化に対応できる
- 人材の確保や育成につながる
- ノーレイティングのデメリット
- 上司に高いマネジメント能力が求められる
- 定期的に面談を行う必要がある
- ノーレイティングと給与
- ノーレイティングを成功させる方法
- ノーレイティングに必須の「1on1」の質を上げる方法
- 1on1面談の記録をクラウド上で管理
ノーレイティングとは、人事評価における従業員のランク付け(レイティング)を廃止し、数値や記号を使わないで評価する方法のことで、有名企業が導入している評価制度としても注目を集めています。
この記事では、ノーレーティング制度での評価と給与の決定方法、ノーレイティングのメリットとデメリットについて解説します。
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ノーレイティングとは
ノーレイティングとは、従業員の業績を「Sランク、Aランク、Bランク、Cランク」などのランクづけによって行う評価制度を廃止する動きのことをいいます。
業績をランクづけしない代わりに、上司がフィードバックを行い、評価をしていく形をとる企業が多く、上司と部下が1対1で定期的に面談を実施する「1on1面談」を通して部下の評価と育成を行います。
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ノーレイティングの導入背景と評価制度の変化
ノーレイティングが導入されるようになった背景には、目まぐるしく変化する社会状況があります。
時代の変化による従来の評価制度の問題点
従来の日本企業の評価制度では、主に四半期ごとに面談を行い、上司と部下が目標の達成度を確認しランクづけをして、判断材料にしていました。
しかし、この手法では、激しく変化する社会状況について行けなくなってきたのです。
ノーレイティングの導入による評価の納得感の向上
ノーレイティングの1on1面談は、月に数回実施され、上司と部下がお互いに自然体で話し合い、コミュニケーションを図ります。
面談を繰り返すことで、部下と上司の信頼関係が構築され、上司が部下にアドバイスをしたり、部下が上司に相談事を持ちかけたりすることが自然とできるようになります。
また、リアルタイムのフィードバックや、目標設定の再確認を実施することによって、評価に納得感が生じます。
四半期に1回ほぼ一方的に評価を突き付けられるのと、月に数回フィードバックの場を設けたうえで評価を伝えられるのとでは、部下にとっても納得の度合いが大きく変わってくるのは当たり前のことです。
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ノーレイティングのメリット
ノーレイティングを導入することによって、得られるメリッ
トについて確認してみましょう。
ノーレイティングのメリット
外部環境の急激な変化に対応できる
人材の確保や育成につながる
外部環境の急激な変化に対応できる
ノーレイティングでは月に数回1on1面談を行い、変化とともに生じるズレをタイムリーに微調整できるため、急激に変化する社会や経済環境、テクノロジーの変化に柔軟に対応することができます。
IBMやアドビシステムズといったグローバル企業が相次いでノーレイティングを導入しているのは、めまぐるしく変わる情報社会のスピード感に、臨機応変に対応していく必要があるため、といえるでしょう。
人材の確保や育成につながる
ノーレイティングは人材の確保や育成にもつながります。
従来の評価方法は、上司からの一方的なものが多く、上司から見た場合と部下の自己評価に乖離が生じ、部下が評価に納得できない場合もありました。
しかし、ノーレイティングでは月に数回フィードバックを行うため、上司と部下の認識のズレが解消できます。
上司と部下との緻密なコミュニケーションこそが、評価への納得感につながります。
評価の納得度が高いと、モチベーションが上がり、さらなる飛躍を求める従業員が多くなるため、企業としても人材の育成につながります。
また、優秀な人材が育成される企業には、優秀な人材が集まり、結果として競争力の高い集団が形成されます。
ノーレイティングのデメリット
ノーレイティングを導入することによって生じるデメリットについて、確認してみましょう。
ノーレイティングのデメリット
上司に高いマネジメント能力が求められる
定期的に面談を行う必要がある
上司に高いマネジメント能力が求められる
管理職である上司のマネジメント能力が低ければ、部下からの信頼が失われてしまいます。
公平に昇給や昇格の判断を下すことができない上司や、部下が納得できるよう丁寧に話し合いを行うことができない上司では、そもそもノーレイティングを導入する意味がありません。
上司にとって都合の良い部下だけが高く評価されるのもよくあることです。
ノーレイティングでは、上司の裁量がかなり大きくなるので、上司自身の自律性も強く求められます。
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定期的に面談を行う必要がある
時間の確保こそが、ノーレイティングを導入するにあたって、もっともハードルが高いかもしれません。
月に数回上司と部下が面談を実施しなければいけないということは、複数名の部下を抱えている上司への負担が大きくなり、時間コストが膨大になってしまいます。
プレイングマネジャーが一般的になった現在では、上司はすでにその他の業務で多忙である可能性が高く、その時間をやりくりして面談時間を設定するというのは、現実的に難しいケースもあるでしょう。
このように、自社にノーレイティングを導入する際は、「月に数回の面談時間を設ける余裕はあるのか」、「ノーレイティングを行う人物として管理職は適性か」というポイントを慎重に判断しなくてはなりません。
ノーレイティングと給与
ノーレイティングを導入した場合の給与について確認してみましょう。
ノーレイティングでは、人件費予算をマネジャーに提示し、その予算を部下にどのように分配するかはマネジャーの裁量となります。
そのため、ノーレイティングでは給与の決定という点からも、上司にかかる負担や裁量が大きくなります。
従来の人事制度では、上司が部下を評価してSランク~Cランクのランク付けを行い、給与はそのランクによって決定されます。
これに対して、ノーレイティングでは点数によって給与額を決めません。
評価のランク付けがない分、マネジャーが自らの裁量で提示された人件費予算を配分するしかないのです。
このため、ノーレイティングの導入をためらう日本企業も少なくありません。
ノーレイティングを成功させる方法
ノーレイティングを成功させるためには、管理職の高度なマネジメント能力や、自律性が必要になります。
そのため、評価制度をいっきにノーレイティングに切り替えることは、現実的ではないかもしれません。
まずは、1on1面談の実施回数を増やすなど、導入できるところから、少しづつノーレイティングを導入していくという選択肢もあります。
ノーレイティングのメリットとデメリットを十分考慮したうえで、自社に適したものかどうか見極めていきましょう。
ノーレイティングを導入し、成果が出ていると報告しているグローバル企業もあるので、決して夢物語というわけではありません。
ノーレイティングに必須の「1on1」の質を上げる方法
ノーレイティングには「1on1面談」の実施が必須となります。
1on1面談を通して、上司と部下がコミュニケーションを図り、目標の進捗確認や業務に対する課題について率直に話し合うことで、評価への納得感や、部下の成長を促すことが可能になります。
効果的な1on1面談を効果的に実施するための方法について、確認してみましょう。
1on1面談の記録をクラウド上で管理
ノーレイティングで1on1面談を実施することは、上司に時間的なコストが多くかかってしまうことになります。
また、1on1を実施しても、形骸化してしまったり、意味のない1on1を実施してしまうと、1on1が本来持つ「人材育成」や「離職防止」「上司と部下との相互理解」などのメリットを得ることができないどころか、多くのデメリットが発生し、円滑な組織運営やマネジメントの障壁となってしまいます。
効果的な1on1を実施するためには、「1on1の目的を上司と部下の双方で理解すること」や、「事前にアジェンダを決めること」など、1on1をしっかり管理し、運用することが大切です。
「HRBrain タレントマネジメント」は、1on1の支援機能も備えた人事評価クラウドです
1on1の記録をクラウド上で共有することで、1on1の実施内容の見える化や、上司によるバラつきを防止することができます。
また、1on1を通して、従業員のコンディションチェックが行えるため、従業員の状態をリアルタイムで把握することも可能です。
1on1の他、人材評価から人材データの活用、タレントマネジメントまで確かな成長につなげる人事評価クラウドです。
MBOやOKR、1on1などの最新のマネジメント手法をカンタンかつシンプルに運用することができます。
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