【イベントレポート】HRBrain座談会〜エンジニアの評価・育成編〜
- ファシリテーター
- 登壇者
- 1.「評価編」
- 1−1.エンジニアに特化した評価方法
- 1-2.納得しやすい評価の作り方
- 1-3.ゼロからの評価制度の構築の仕方
- 1-4.リモートワークにおける1on1の重要性
- 2.「育成編」
- 2−1.マネージャーよりハイスキルなエンジニアに対する接し方
- 2-2.エンジニア出身マネージャーのチームの作り方
- 2-3.評価者に対する研修と教育
- 3.まとめ
2020年7月22日(水)、HRBrain主催によるウェビナー「HRBrain座談会〜エンジニアの評価・育成編〜」が行われ、弊社取締役の川田、弊社カスタマーサクセスの川島(ファシリテーターとして)が登壇いたしました。
今回のイベントでは、株式会社アンチパターン代表取締役の小笹様、株式会社ビザスクVPoEの鶴飼様をお招きし、様々な企業が悩みを抱えているエンジニアの評価・育成について、リアルタイムで寄せられた質問に答えていくという形で座談会を行い、ゆるく・濃く語り合いました!
ファシリテーター
株式会社HRBrain カスタマーサクセス 川島舞
新卒で総合人材サービスに入社。求人広告担当の後、人事(組織開発・人材開発領域)を担当。その後、現職である株式会社HRBrainに入社し、カスタマーサクセスを担当。カスタマーサクセスだけでなく、ウェビナーの登壇や採用にも関わっている。
登壇者
株式会社HRBrain 取締役 VPoE 川田浩史
新卒で株式会社サイバーエージェントに入社し、エンジニアとして6年半在籍。その後、2017年12月に株式会社HRBrainにエンジニアとして入社し、2018年10月頃から現職であるVP of Engineeringとして組織づくりに従事している。
株式会社アンチパターン 代表取締役 小笹佑京さま
新卒で株式会社イノベーションに入社し、マーケティングオートメーションの開発に従事。2019年7月「日本のソフトウェアエンジニアを憧れの職業へ」を理念に掲げ、株式会社アンチパターンを創業。
株式会社ビザスク VPoE 鶴飼吉行さま
専門学校卒業後、エンジニア、プロダクトマネージャーとして独立系Slerを複数社経験。その後、株式会社ウィルゲートにて開発執行役員に就任し、組織マネジメントを中心にプロダクト開発に従事。2020年1月に株式会社ビザスクを参画し、同年5月にVPoEに就任。
1.「評価編」
1−1.エンジニアに特化した評価方法
川島:まず、エンジニアに特化した評価の具体的な制度及び運用方法を教えてください。
川田:弊社の場合は、HRBrainを使って目標を立ててもらい、毎月の1on1でそれに対する状況を確認し、期末に会社としての評価をつけて給与を決めています。
売り上げのような数字は置かず、エンジニアメンバーが解決できる課題の不確実性さが大きいほど評価のグレードが上がると定義しています。プロジェクトの最初の段階になればなるほど不確実性が高い状態であり、それを解決できればできるほど優秀であり、高いグレードになります。
小笹さま:弊社では市場からの評価、経営に紐づく目標設定と評価、バリューに基づく評価を現在設計しています。一人一人の給与や経営の数字をオープンにしているというのが特徴的なところです。
川島:弊社でもグレードを公開していますよね。
川田:他の人のグレードを知って、グレードによって求められる役割を理解することが重要です。
川島:鶴飼さまはいかがですか?
鶴飼さま:前職では、エンジニア用のミッショングレードを10段階で設け、それぞれのグレードに何を求めるか、自社のバリューをどれくらい叶えるか、ということを設定していました。
私は、エンジニアもできるだけ数値目標にしてあげたいと思っています。たとえ数字が達成できなくても、プロセスや結果も評価しています。
川田:レスポンスのスピードやバグを潰した数などの数値を追い求めることとももちろん大事だと思うんですが、リファクタ等の数値化しづらい課題もあると思います。安全でかつ高速にものづくりをするためのというエンジニアが本来やるべきことの折り合いはどのようにつけているのですか?
鶴飼さま:短期業績に紐づく数値目標をプロセスごとに評価していくことと、長期成長目標(キャリア)の二軸を考えることが大事だと思っています。ビジネスとしての目標から施策を考え、期間などを上長と一緒に細かく設定していきます。
川田:そうすると、ある程度ビジネス上の数字も紐づくということですね。
1-2.納得しやすい評価の作り方
川島:エンジニアの評価には、力量の評価と業績の評価があると思います。どのように納得しやすい評価を作っていますか?
川田:ベースの給与と賞与を別にして考えています。力量はグレードで決められたベースの給料として評価し、業績のような一時的な成果は賞与で評価します。
鶴飼さま:前職では短期の業績はボーナス的なものとして賞与は与えるが、能力が上がったわけではないのでベースの給与は上がらないといった感じです。能力が上がれば、短期業績はクリアしやすくなるので、これがうまくはまると、納得しやすい評価になると思います。
小笹さま:わたしは、ビジネス上成功したかどうかがないと納得感は生まれないと感じています。ビジネスの数字に落とすとかそれに対する理解を作るということが大事だと思います。
1-3.ゼロからの評価制度の構築の仕方
川島:これからチームを立ち上げる場合、どのように評価制度を構築していくとよいと思いますか。
川田:最初の人数が少ないうちは評価制度への考えを共有してさえいればなんでもいいと思います。
小笹:誰が何をしているか分からないという状態になってきたら評価制度が必要という感覚がありますね。
鶴飼:新しいチームでは、指標がないため個人の目標設定が難しいと思います。その中で評価をしなければならないため、チームの目標が必要です。それを細分化して個人の目標を決めていくべきだと思います。
1-4.リモートワークにおける1on1の重要性
川島:現在、新型コロナウイルスによってリモートワークをする企業が多いと思います。エンジニアとコミュニケーションを取るためにどのような1on1を行っていますか?
小笹:現在はフルリモートで、出社した方がパフォーマンスを出せるという人は出社するという形ですが、1on1を週に30分は設けるようにしています。健康状態含めてモニタリングをしています。
川田:フルリモートでできるだけうまくやる方法を模索しています。月1かそれ以上の回数1on1を行っていますが、特に入社して日が浅い方とはコミュニケーションの問題が発生しています。1on1をたまにリアルに会って行うと急に関係性が近づく感覚があり、効果的だなと思い始めています。
鶴飼:リーダーとは週1で、メンバーとは月1でするかしないかです。リーダーにしっかり話して、リーダーからメンバーに話してもらう方がいいと思っています。リーダーとは月1で目標設定する時間やメンバーに関する話をする時間を設けています。
2.「育成編」
2−1.マネージャーよりハイスキルなエンジニアに対する接し方
川島:ご自身よりもハイスキルなエンジニアに対する評価・フィードバックはどのように行っていますか?
鶴飼:基本的に自分よりも能力の高いエンジニアしかいないと思っています。エンジニアがやりたいことを理解し、能力が使えそうなところに当て込んであげると、正しくフィードバックすることができると思います。ハイスキルなエンジニアを生かす場所をどれだけ与えてあげられるかがポイントだと思います。
小笹:私もメンバーにどれだけバリューを発揮してもらうかが大事だと思います。目標に対するフィードバックを素直にできる関係性を作っていくことも大切です。
川田:技術力が低くても、どれくらいのことができるということは把握できるので、評価はしやすいです。特定の領域に特化したコアな能力を持っているから、評価が上がるわけではなくて、どれだけ事業に結び付けられているかが重要です。
鶴飼:持っているスキルを事業に当てることがマネジメントの仕事ですよね。
2-2.エンジニア出身マネージャーのチームの作り方
川島:皆さんは元々エンジニアでしたが、エンジニア出身のマネージャーとしてどのようなチーム作りをしていますか?
鶴飼:自分がエンジニアの時に叶えられなかったいい組織や、能力を伸ばす仕組みを作れることに価値を感じています、
川田:確かに。私も自分だったらこのチームにいきたいというチームを作るようにしています。
2-3.評価者に対する研修と教育
川島:評価者に対する研修や教育は行っていますか?
小笹:まだ研修らしいものはないですが、プロジェクトに混ぜて世話をする人をつけるということは意識して、フィードバックを必ず得られる状況を作っています。マネジメントはしているという感覚です。
鶴飼:前職ではいくつか研修をしていました。目標設定とか評価は重要なので、どういう基準で評価するのか、どのような目標を立てさせるのか、ということの研修をプロジェクトマネジメント研修、マネジメント研修として行っていました。
川島:ありがとうございます。ではそろそろお時間ですので、本日はこちらで締めたいと思います。登壇してくださった皆さんのご協力もあり、貴重なお話をたくさん聞くことができました。今後もこのような会をやっていきたいと思いますので、ぜひご参加いただければと思います。本日は本当にありがとうございました。
3.まとめ
今回の座談会では、リアルタイムで質問を募集することで、エンジニアに対する評価、育成に関する様々なことをお話することができました。
また、エンジニアのチームは掛け算であり、チームを乱す人がいるとゼロになってしまうというお話もあり、印象的でした。
参加してくださったみなさま、ありがとうございました!
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