#人事評価
2024/07/29

HRコンサルタントとは?選定のポイントや依頼するメリットについて

目次

HRコンサルタントとは?

HRコンサルタントとは、クライアント企業が理想とする組織体制や人事体制を実現するために、「課題分析」や「解決策の立案」などを通じてサポートを行う「人事領域の専門家」を指します。

HRとはHuman Resourceの略で、日本語では「人的資源」と訳されます。

またHRコンサルタントの日本語訳として「人事コンサルタント」と呼ばれることもあります。

これも、HRコンサルタントと同じ意味で考えて問題ありません。

HRコンサルティングの種類

「HRコンサルティング」と一口に言っても、各コンサルタントによって得意領域は異なるため、依頼する際は自社の課題により深くアプローチできるコンサルタントを選ぶことが大切です。

ここでは「HRコンサルティング」における、代表的な3つの領域について紹介していきたいと思います。

人事組織コンサルティング

組織診断や組織の構造改革、評価制度・報酬制度の構築や見直しを行うことで企業の最適化を目指すのが「人事組織コンサルティング」です。

特に最近では、労働人口の減少にともなう「人手不足」が各企業の大きな課題となっており、効率的な業務フロー設計や、生産性が高い従業員の確保を急務とする企業も少なくありません。

「評価制度や報酬制度を理由とした人材の流出」「業務の生産性が上がらない」といった課題に対してコンサルティングを依頼する場合は、「人事組織コンサルティング」の領域になります。

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人材育成コンサルティング

従業員の能力開発や意識改革を行うことで、モチベーションの向上や生産性の向上、リーダーの育成などを目指すのが「人材育成コンサルティング」です。

新人研修や役職者研修といった研修プログラムの企画立案だけでなく、実際に講師として研修を行う場合もあります。

経営目標や業績目標を達成するためには、従業員ひとりひとりの意識の高さが重要です。

「次世代のマネジメント層が育たない」「自走できる従業員が少ない」などの課題を解決したい場合は、「人材育成コンサルティング」の領域になります。

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採用コンサルティング

採用戦略の立案やターゲット選定などを通じて、企業の採用活動をサポートするのが「採用コンサルティング」です。

コンサルタントがクライアント企業の人事担当者に代わって選考~入社までの業務を代行する場合もあります。

採用においては、組織風土とマッチした人材や、募集職種に合ったスキルを持つ人材を確保することが大切です。

「採用した人材の定着率が低い」「応募が多すぎて人材の見極めができない」「そもそも応募者が目標採用人数に到達していない」といった課題については、「採用コンサルティング」の領域になります。

HRコンサルタントを選ぶ上で、チェックすべき資格は?

HRコンサルタントになるために、必要な資格はありません。

また、HRコンサルタントに限らず「コンサルタント」領域において、なくてはならない必須の資格はなく、無資格のまま活動しているコンサルタントも存在しているのが現状です。

人事コンサルタントの業務で必要になる知識に含まれる「社労士」「労務士」と呼ばれることが多い「社会保険労務士」といった国家資格などは存在しますが、事務手続き等などの業務はHRコンサルタントの業務内容ではないため、資格を保有している必要はないと言えるでしょう。

そのため、社会保険や労務領域の知識を深めるために社会保険労務士の資格をHRコンサルタントが取得するケースが多いとされています。

必要なのは資格よりも実績や経験

HRコンサルタントに求められるのは社労士としての資格や事務手続きではなく、実務経験や実績になります。

HRコンサルタントとしてのさまざまな経験や業界に関する知識など、組織の経営に関わることに対して提供するコンサルテーションの価値を提供できるかどうかが焦点になります。

一般的には40〜50社程度の実績がある企業であれば、十分な実績があるということができます。

そのコンサルタントやコンサルティングファームの実績社数をみて、実際にどの程度の経歴があるか調べてみるのもおすすめです。

HRコンサルタントに依頼するメリット

HRコンサルタントに依頼することで、人事業務の効率化やレベルの向上が見込めますが、コンサルタントを選定する手間やコストなどの観点から、依頼するかどうか迷うこともあるのではないでしょうか。

ここでは、HRコンサルタントに依頼した場合に得られるメリットについて紹介したいと思います。「自社内で解決する場合との違いが分からない」という方は、ぜひ参考にしてみてください。

中立的・客観的な意見が得られる

HRコンサルタントは、企業の内情やしがらみに囚われることなく中立的な立場で問題を分析し、解決策を提示することができます。

また、自社の社員だけで話し合っていると視野の狭い議論になりがちですが、さまざまな企業の課題解決に携わってきたコンサルタントが介入することで、他社の前例などもふまえた多角的な議論が可能です。

従業員の立場としても、社外からの指摘であれば受け入れやすかったり、経営層や人事部に言いにくい意見も伝えやすかったりするため、その点はメリットになるのではないでしょうか。

ただし、上記のメリットを享受するためには、コンサルタントが企業理念や組織風土を理解していることが前提となります。

依頼が決定した場合は、担当コンサルタントと意識をすり合わせて認識のズレが生じないよう注意することが大切です。

戦略や解決策のクオリティ向上

コンサルタントは、さまざまな企業の問題と向き合い、多くの成功例や失敗例を見てきています。

他社の前例をふまえたうえで解決策を提示してもらえる点や、課題解決までにかかる時間の短縮、提案内容の質の高さといった点ついては期待できるでしょう。

特に自社のノウハウが不足している場合、「解決策がどれもフィットせず、なかなか問題が解決しない」といった悩みをかかえることは少なくありません。

コンサルタントの力を借りることで、社内では考えつかなかったアイディアや発想に触れることができ、人材育成・ノウハウ蓄積にもつながる点はメリットになります。

トレンドを反映できる

HRコンサルタントは日常的に多くの企業課題に触れているため、企業ニーズだけでなく、その時々のトレンドに合った「制度設計」や「制度の見直し」を提案することができます。

評価制度や報酬制度、採用手法などは、時代の流れや社会情勢によって少しずつ変化していますが、各企業における「制度構築」や「制度見直し」の機会はそう多くありません。

「人事担当者に制度設計の経験がない」「経験はあるがだいぶ前になるためトレンドに合った構築は難しい」といったケースも多く、その場合は改めてトレンド調査を行う手間が生じます。

HRコンサルタントに依頼することでそういった手間を省くことができ、効率的に時代にフィットした制度を取り入れられる点はメリットになるでしょう。

HRコンサルタントを選ぶ際のポイント

HRコンサルタントの手を借りることで、スムーズな制度設計やノウハウの蓄積が可能になりますが、わざわざコストをかけて依頼するからには、良いコンサルタントと巡り合いたいものです。

ここでは、HRコンサルタントを選ぶうえで注目したい5つの選定ポイントについて紹介していきます。

得意領域と課題のマッチング

自社がかかえている課題や問題点と、コンサルタントが得意としている領域がマッチしているかどうか確認しましょう。

人事組織の制度設計が得意な場合や、採用活動の支援が得意な場合など、コンサルタントによって得意領域は異なります。

課題にフィットしたコンサルタントを選ぶために、まず解決したい問題を洗い出し、目指すゴールを明確にするようにしましょう。

十分な支援実績やノウハウがあるかチェック

同業他社、または同等規模の企業に対する支援実績があるかどうか確認しましょう。

業界や企業規模特有の悩みについて深い理解があるコンサルタントに依頼することで、より的確なアドバイスを受けることができるだけでなく、自社にも適応しうるさまざまなアイディアに触れることができます。

豊富な前例から自社の課題に合った解決策を探し出したり、前例をベースに新たな解決策を導き出したりすることが可能になるのです。

逆に、コンサルタントの実績が豊富であっても、その実績が自社とは異なる業界や企業規模のものであれば、提案される制度や戦略がフィットしない可能性もあるため注意しましょう。

コンサルタントとの相性

コンサルティングの依頼をする際、つい支援実績や成功事例にばかり目が行ってしまいますが、意外と重要なのがコンサルタントとの相性です。

説明の分かりやすさ、意見の伝えやすさなどにも問題がないかどうか確認しましょう。

コンサルタントとの間では、課題のヒアリング・解決策の提示・効果検証など、課題解決に向けた話し合いが何度も行われます。

「コンサルタントの話が分かりづらい」「分からないことがあっても聞きづらい」といった状態は、認識のズレを生み、誤った方向に進みかねません。

場合によっては、コストが余計にかかる可能性もあります。

対等にスムーズなコミュニケーションがとれるコンサルタントを選ぶことが大切です。

コンサルティングの料金体系

コンサルティングの料金体系は、主に成果報酬・定額報酬・プロジェクト報酬の3つに分かれます。

依頼内容やコンサルタントのグレードによって費用は大きく変動するため、詳しい料金は各社ホームページのコストシミュレーションを活用すると良いでしょう。

ここでは、先述した主要な3つの料金体系について紹介していきます。

成果報酬型

業務工数の削減や、コストの削減など、依頼した内容の成果に応じて料金が変動する料金体系です。

クライアントの立場からすると、成果が期待値を下回った場合の費用リスクを軽減できるメリットがあります。

ただし、「成果」について明確な定義づけができていないと、後々トラブルに発展する可能性もあります。

一般的には、完全成果報酬型ではなく【基本報酬+成果報酬】という形で契約する場合が多くなっています。

定額報酬型

月1回や週1回など定期的にコンサルタントに来社してもらい、月額や年額で報酬を支払う仕組みで、企業側は来社日程に合わせて相談事項などをまとめておく必要があります。

この場合、コンサルタントはアドバイザーのような立ち位置で、解決策や改善策の運用や効果測定は企業が主導して行うことが多くなります。

プロジェクト報酬型

プロジェクトに携わった作業時間と、コンサルタントのグレードによって料金が算出される仕組みです。

業務量が多い場合や、スキルや経験が豊富なコンサルタントに依頼する場合は、その分コストが上がるようになっています。

「経験豊富なコンサルタントはコストが高い」などマイナスに捉えられることもありますが、基本的に経験豊富なコンサルタントであれば、通常より短い作業時間で課題を解決することができます。

逆に、安いからという理由だけでグレードや経験を考慮せずに依頼してしまうと、作業時間が長くなりコストがかさんでしまう可能性もあるので注意しましょう。

HRコンサルティング会社をピックアップ!

HR分野のコンサルティング会社は数多く存在するため、かかえている課題や企業規模にあったコンサルティング会社を選ぶことが大切です。

また最近では、専任のカスタマーサポートが併走してくれるクラウド型の人事システムを採用する企業も増えつつあります。

ここでは、HR分野のコンサルティング会社と、業務を効率化する人事システムをいくつかピックアップして紹介していきたいと思います。

HRBrain(人材管理システム+専任担当者)

HRBrain コンサルティングは業界トップクラスの2,500社以上※のHRBrainシリーズ(タレントマネジメントシステム、組織診断サーベイ、労務管理など)の運用実績を誇るHRBrainが提供するコンサルティングサービスです。

業種・規模・目的に応じた柔軟な人事評価制度構築を可能にし、制度の構築だけでなく制度の浸透・定着までを中長期的にサポートすることで、理想の人事評価制度を形します。

また、タレントマネジメントシステムであるHRBrainを併用することで、人事評価・スキル管理・目標管理といった業務を一元化し、人事制度の見直しや構築から運用までワンストップで実現します。

さらに、専任のカスタマーサクセスが課題解決に併走してくれるサービスも無料となっているため、困ったときに気軽に相談できる点もメリットとなっています。

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※2023年9月時点

HRMOS(採用管理システム+専任担当者)

HRMOSは、株式会社ビズリーチが提供している採用管理システムです。求人票の作成や求人媒体との連携、選考管理など、募集~採用に至るまでの業務をシステムで一括管理することができます。

また、GoogleMeetやZoomとも連携が可能なため、オンライン採用に対応することが出来る点もメリットになるでしょう。

専任の担当者と一緒に、導入目的や課題に合わせた振り返りも可能なためサポート面についても安心です。

アクセンチュア

アクセンチュアは、51カ国 200都市以上に拠点を構える世界有数のコンサルティングファームです。

人事領域のみならず、幅広い分野のコンサルティングを行っており、包括的なソリューション提案に優れています。

世界の総収益上位100社のうち91社がアクセンチュアのクライアントであることからも伺える通り、豊富な経験やノウハウ、実績を持つコンサルタントが多数在籍しています。

リンクアンドモチベーション

リンクアンドモチベーションは、「モチベーションエンジニアリング」という独自の基幹技術によって、従業員エンゲージメントの向上をワンストップで支援するコンサルティング会社です。

社員のモチベーションを源に企業が成長する、「モチベーションカンパニー」の創出をテーマに、組織診断・組織改革・人材育成などの領域におけるソリューション提供を行っています。

モアコンサルティング

モアコンサルティングは、「会社を元気に、経営を面白くする」をテーマに、人事制度や評価制度の設計を行う人事コンサルティング会社です。

成長期のベンチャー企業向けに「人事制度-zen-」という、シンプルで直観的な運用ができる人事制度の提案も行っており、支援実績は、IT・アパレル・広告代理店・専門商社など多岐の業界にわたっています。

制度設計や制度の実装にあたっては「ユーザビリティ」と「費用対効果」を非常に大切にしています。

リブコンサルティング

リブコンサルティングは、「100年後の世界を良くする会社を増やす」という使命をかかげ、主に準大手・ベンチャー企業のクライアントを多く持つコンサルティング会社です。

人事戦略のみならず、経営戦略や営業戦略、DXコンサルティングなども行い、徹底した「現場主義」のもと、戦略の立案だけでなく現場への落とし込みにも力を入れています。

顧客満足度が90%以上と評価が非常に高く、外部環境の変化に強い人事評価制度の構築に力を入れています。

ネオキャリア

ネオキャリアでは、新卒採用に特化したコンサルティングサービスを提供しています。

中小企業、大企業問わず10,000社以上の支援実績を誇り、採用戦略の構築から内定者フォローに至るまでのプロセスを最適化することに力を入れています。

多様なコンサルティングプログラムが用意されており、採用プロセスの中で強化したい箇所にのみスポットで依頼することも可能です。

中途採用の領域においては、採用代行やアウトソーシングサービスを行っています。

ジーズコンサルティング

ジーズコンサルティングは、主に採用コンサルティングや採用代行、採用プロモーションといったHRサービスを提供している企業です。

新卒・中途採用問わず、採用戦略の立案・ターゲット設定・内定者フォローなどの採用支援をワンストップで行っています。

新卒向けに「PRE BIZ」と呼ばれる就活予備校の運営も行っており、連携することで企業が応募者からフィードバックを受けることが出来る点が特徴的です。

まとめ

自社だけでは解決しきれない人事領域の課題をかかえている場合は、HRコンサルタントの力を借りるというのもひとつの手段です。

ただしその分コストもかかるため、コストに見合った効果が得られるようにリサーチは十分に行いましょう。

また、人事評価や人材管理の業務工数に課題を感じている場合は、「人材管理システム」の導入もおすすめです。

HRBrainは、あらゆる人材データを一元管理するクラウド型の人材管理システムです。クラウド上で目標管理・スキル管理・人事評価などを行うことができ、人事業務の公平性や透明度を高めることができます。

「従業員の評価に対する納得度が低い」「適材適所の人材配置ができているか不安」といった悩みがある場合は、ぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。

これまで1000社以上の導入支援を経て培ってきたノウハウを活かし、あらゆる業種・業態・目的にあわせた制度構築をサポートすることができます!

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HR大学編集部
HR大学 編集部

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