人事評価サービスとは?組織を成長させる評価システムの最適化について
- 人事評価サービスとは
- そもそも人事評価とは
- 年功序列制度に見る、今までの人事評価制度
- 成果主義に見る、今後求められる評価基準とは
- 【Tips】最近注目の効果的な評価手法
- 人事評価サービスで実現できること
- 公平な人事評価
- 適切な人材配置
- 従業員満足度の向上
- 人事コスト削減と効率化
- テレワーク推進
- 導入する際の注意点
- 人事評価サービスの選定ポイント
- ポイント1:人事評価基準のマッチング
- ポイント2:操作性と汎用性
- ポイント3:運用コスト
- ポイント4:サポートとセキュリティ対策はバッチリか
- 【おすすめ】人事評価サービス3選!
- HRBrain
- MINAGINE
- Resily
- 人事評価サービス導入事例
- 柔軟な設計で“システムにとらわれない”組織に合わせた制度運用を実現 寒川町役場
- おわりに
人事評価サービスとは
近年、システム上で従業員の評価を行う「人事評価サービス」が注目されています。
「評価項目の策定」「エクセルや紙で評価シートを作成」「各評価者からシートの回収」「集計・分析・管理」など、評価決定の時期になると担当者は大忙しです。
人事評価サービスは、これらの業務を一括管理することで工数を削減し、データの有効活用、効果的な人材育成を支えるサービスです。
この記事では、「従業員と向き合う時間」を作る人事評価サービスについて紹介したいと思います。
そもそも人事評価とは
人事評価は、企業の行動指標や個人の目標に対して、「従業員がどのような取り組みで、どれくらい貢献したか」を評価することです。
一般的には、四半期・半年・一年など、期間を定めたうえで定期的に行うことが多く、人事評価を行うことで、「組織全体が同じ方向へ進めているか」「従業員が適材適所でパフォーマンスを発揮できているか」を知ることができます。
従業員にとっては、これまでの取り組みが他者から判定される機会です。今後のモチベーションに大きく左右する可能性もあります。
年功序列制度に見る、今までの人事評価制度
これまでは、一般的に「年功序列制度」が多くの企業で採用されてきました。これは、勤続年数や年齢に応じて給料や役職がアップする制度のことです。
能力や生産性の差など、「年齢」の垣根を超えた評価が行われることがないため、シンプルな評価制度といえます。
従業員に「同じ企業に居続けるだけで賃金が上がる」という安心感を与えることができるほか、転職意欲の抑制につながり、社内にノウハウが蓄積され業績向上のために活かすことができていました。
しかし、近年の少子化にともなう労働人口の減少や、IT技術の飛躍的な進歩によって、制度の維持が難しい状況になりつつあります。
労働人口が減少することによって、ひとりひとりの生産性向上が課題となり、若い世代は低い給料で今までより高い生産性を求められることになります。
また、IT技術の発展によって、人手が必要な業務にも変化が現れています。今まで蓄積してきたノウハウも、IT技術の出現によって簡単に替えがきくようになり、「年齢」が必ずしも賃金・能力に見合ったものではなくなってきているのです。
成果主義に見る、今後求められる評価基準とは
最近では、自分のスキルや頑張った分だけ給与や待遇に反映される「能力主義」や「成果主義」をかかげる企業が増えてきています。
成果主義では「年齢」や「勤続年数」に左右されず「過程」と「結果」が重要視されることから、入社直後でも保有スキルや実績によっては高い賃金を得ることができたり、頑張りが給与に反映されたりする仕組みになっています。従業員にとっては高いモチベーションと生産性を維持することができるシステムと言えます。
また、「いくら頑張っても給料が上がらない」「時がたてば自然と昇給するから、今の給料に見合った仕事だけする」といった、年功序列制度のマイナス的な側面をカバーすることも可能なのです。
ただし、成果主義は「年功序列制度」のシンプルな評価軸とは異なり、評価項目を評価者側で設定する必要があります。評価者には評価基準の「透明性」「公平性」「妥当性」が求められます。
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関連記事:社員のエンゲージメントを高めるには?明日から実践できる方法も
【Tips】最近注目の効果的な評価手法
「従業員が評価に納得して、次の頑張りへつなげるにはどうしたらいいのか」、評価者にとっては永遠のテーマです。
「全員、全項目で100点を取ってください」というのであれば簡単ですが、「評価を決定する」というのは、そこまでシンプルではありません。
ここでは、より適切な人事評価を実践するための、一般的に有名な3つの評価手法を紹介します。人事評価サービスはこれら3つの評価手法に適応している場合が多く、効果的な評価軸として活用されています。
・MBO評価
MBOとは、Management By Objectivesの略で、「目標による管理」と訳されます。1950年代にピーター・ドラッカー氏が提唱した、マネジメント手法です。
個人(またはチーム)と組織の目標をリンクさせ、目標達成のために「何をすべきか」「どんな行動を起こしていくか」「いつまでに達成させるか」を明確化し、その達成度合いを人事評価と結びつけます。
上司から一方的に目標を押し付けられることとは異なり、目標設定時には従業員の「主体性」を重視します。
そのため、同じ役職であっても目標は異なり、評価者は「行動過程」と「達成率」を加味して評価を行います。
評価者の負担が大きくならないよう注意が必要ですが、上手く機能すれば「個人の成長」が「組織の業績向上」につながり、従業員のモチベーションや役割意識の向上も期待できます。
▽MBOについてさらに詳しく知りたい方は、こちらからご確認ください。
関連記事:MBOとは?目標管理におけるメリットやOKRとの違いを解説
・360度評価
従来、「評価は上司が行うもの」とされてきましたが、360度評価は部下や同僚など、立場や部署の垣根を越えて1人の従業員を評価する手法です。
1人の上司が複数の部下を評価する場合、部下ひとりひとりの仕事ぶりを、正確に把握して評価を決定することはきわめて困難です。
360度評価では、社内で関わりがある様々な従業員から評価を受けます。そのため、評価に対する納得度を高めることができるのです。
また、評価に様々な視点が加わることで、新たな発見に繋がることがあります。「実はこんな長所があったのか」「ここをもっと伸ばせる役割や環境を与えてみよう」など、上司の人材マネジメント意識向上も期待できます。
ただし、評価経験が少ない従業員が携わることで、主観が左右する恐れもあります。人間関係の悪化や、馴れ合いにならないよう注意が必要です。評価者のマインド育成も必要と言えるでしょう。
▼360度評価についてさらに詳しく知りたい方は、こちらからご確認ください。
360度評価(多面評価)とは?メリットとデメリットや評価項目とフィードバック方法を解説
・コンピテンシー評価
優秀な実績を上げている従業員の「考え方」「価値観」「行動特性」をロールモデル化し、その基準に則った評価を行う手法のことです。
コンピテンシー評価では、仕事ぶりを高く評価されている人物が「何を考え、どのように行動し、どんな実績を上げたか」、思考~実績に結びつくまでのプロセスを、評価項目や基準として可視化します。
ロールモデルを設定することで、従業員は成功までのプロセスをイメージしやすくなります。そのため、ズレが生じた際も軌道修正しやすくなるのです。
また、結果だけでなく、プロセスについても評価基準となります。仮に自分ではコントロールできない突発的な事象や不確定要素によって、実績に結びつかなかったとしても、行動において評価を受けることができます。
コンピテンシー評価においては、「ロールモデルとなる人物」の思考や行動の分析が必要です。ヒアリングを行ったり、期間を設けて行動観察を行うなどの準備が必要なため、人材の流動性が高い企業では、転職などにより十分な分析が難しい場合もあるでしょう。
▽コンピテンシーについてさらに詳しく知りたい方は、こちらをご確認ください。
コンピテンシーとは?活用メリットやデメリット、導入の流れを解説
人事評価サービスで実現できること
公平な人事評価
人事評価サービスは、システム上で評価を行うだけでなく、評価項目を細かく設定したり、評価に至るまでの過程や目標達成率を管理できるものが多いです。
従業員としては、目指す行動や数値の見える化がされるため、達成状況を把握しやすかったり、逆に課題を発見しやすくなります。また、どれくらいの達成率でどれくらいの評価を受けたのかが明確になります。
評価者としては、誰が・どのデータを基に・どんな評価を下したか、管理者同士で共有が可能なため、「見られている意識」が強まります。評価に関係ない個人の好き・嫌いなどで左右されるリスクを抑制し、実績と評価のズレを減らすメリットがあります。
適切な人材配置
人事評価サービスでは、評価データの蓄積と保管が可能です。
「どういう人材が活躍しているのか」「過去の評価と比べてどれくらい成長したか」など、保管データから分析することができ、適切な部署への配置転換に活かすことができます。また、活躍している人材の特性を知ることで、採用活動にも活かすことができます。
面談だけでは決定打にかけていた人材配置の決定も、過去の実績データや評価データの分析結果を使うことで、より納得性のあるものになります。
適切な人材配置は、従業員本来の力を発揮させ、業務の生産性を向上させることにつながります。
従業員満足度の向上
先述した「公平な人事評価」や「適切な人材配置」を実現すると、従業員は「正当に評価されている」「最適化された環境で働けている」と感じることができるようになります。
ひとりひとりのモチベーションが保たれることで、生産性も上がり、組織としても一体感をもって目標に向かうことができます。
もし正当に評価されない状況が続くと、モチベーションの低下だけではなく、離職につながるケースもあります。そのため活躍に見合った評価決定を行うことは、従業員の定着率をあげるためにもとても重要です。
人事コスト削減と効率化
人事評価サービスでは、評価にまつわるあらゆるデータの一元管理が可能です。
人事評価サービスを利用すると、各デスクをまわって評価シートを回収したり、評価項目ごとにリスト化して集計したり、分析することが不要になり、1つのシステム上でデータの回収・集計・分析が可能です。
紙の評価シートを作成している場合は、ペーパーレス化にもなり、保管場所がいらなくなるメリットがあります。
テレワーク推進
主にクラウド型の人事評価サービスは、インターネット環境があればどこからでもアクセスが可能なので、テレワークに最適です。
これまで、評価業務は重要な社内情報を取り扱うことから、あまりテレワークに適さないとされてきましたが、最近ではセキュリティ対策が充実している人事評価サービスも数多く提供されています。
人事評価サービスを活用することで、評価のための出社は不要になります。
▽テレワークにおける評価方法を詳しく知りたい場合は、こちらをご確認ください。
関連記事:テレワークの評価が不安!在宅勤務に適した人事評価制度と事例とは
導入する際の注意点
人事評価は「ヒト」対「ヒト」で行われます。システムを導入しても実際に評価を下すのは、システムではなく「ヒト」です。
評価項目や運用方法がしっかり定まっていないと、システムを導入しても評価のブレを生むきっかけになります。
導入するシステムの品質が高くても、基盤となる評価者や評価項目の育成・精査が不十分だと、期待した効果は得られないかもしれません。入念な準備のうえで導入を進めましょう。また、短期的にそのような準備が難しい場合は、コンサルタントなどを導入するのもおすすめです。
HRBrainの人事評価制度コンサルティングで、自走型組織へのアップデートを | HRBrain
人事評価サービスの選定ポイント
人事評価サービスと言っても種類が多く、導入時にどれにしようか迷ってしまうといったこともあるのではないでしょうか。
ここでは、導入後のミスマッチを防ぐ4つのポイントについて紹介していきます。
HRBrainの導入事例は、こちらからご確認ください。
ポイント1:人事評価基準のマッチング
人事評価サービスは、導入すれば立ちどころに問題が解決するものではありません。自社の評価制度や、改善したいと思う箇所にマッチしたシステムの導入が必要です。
自社でどのような人事評価を実現したいのか、どういう機能を重点的に使いたいのか、それによって検討するべきサービスは大きく異なります。
MBO評価や360度評価など、すでに社内の評価軸が決定している場合は、その評価軸に適した機能が搭載されているかどうか、確認を行ったうえで比較をしましょう。
ポイント2:操作性と汎用性
実際に使用する従業員が「使いやすい」と思えるかどうかも重要です。
機能としては申し分なかったとしても、使いづらいと感じてしまうとは「以前の方が良かった」となりかねません。実際の画面が見やすかったり、操作がシンプルだったり、使用感がなじみやすいものを選ぶようにしましょう。
また、幅広い評価制度に対応しているかどうかも1つのポイントとして見ることができます。「今まではコンピテンシーが軸だったけど、MBOへの移行も考えている」「MBOと360度評価を併用している」と言った場合は、システムの汎用性にも注目してみましょう。
また、勤怠管理や労務管理など、既にほかのシステムが導入されている場合は、互換性もチェックポイントの1つです。
ポイント3:運用コスト
人事評価サービスには、自社でネットワーク環境整備や運用・保守を行うオンプレミス型と、インターネット介してベンダーから提供されたシステムを使用するクラウド型があります。
導入・運用費用については、オンプレミス型かクラウド型か、どの機能をカスタマイズするか、どのオプションを付けるか、などによって変動します。
必要な機能を洗い出したうえで、見積もりを取るようにしましょう。サービスによっては無料トライアルを実施しているので、有効活用していきましょう。
▽HR Brainでは無料トライアルを実施しています。詳細は以下をご確認ください。
無料トライアル| 顧客満足度No.1のタレントマネジメントシステム-HRBrain
ポイント4:サポートとセキュリティ対策はバッチリか
人事評価システムを使っていると、後から不具合や使用上の不明点が出てくる場合があります。スピーディなサポートがあれば、復旧や解決までの時間を短縮し、早めに業務に戻ることができます。
中には、継続的に専任のサポート担当者が付いてくれる場合もあります。困ったことがあった場合はどのような解決方法があるのか、あらかじめ確認しておくと良いでしょう。
また、社内の人材データを取り扱うことから、セキュリティ対策は万全のシステムを選びましょう。
人事側でのアカウント管理機能や、閲覧権限のカスタマイズ、外部セキュリティ調査機関による脆弱性診断のクリア、など万が一の場合に備えた対策があると安心です。
複数のサービスを比較する場合は、以下のような表にまとめると分かりやすいです。
視覚化によって各社の導入メリットを把握しやすくなり、社内協議も円滑になるでしょう。
※評価軸は〇または空欄、サービスの特徴は◎・〇・△で表現。
【おすすめ】人事評価サービス3選!
ここでは、具体的な人事評価サービスを3つ挙げて紹介します。
導入で迷っている場合は、ぜひ参考にしてみてください。
HRBrain
HRBrainは、戦略的人事の実現を可能にするタレントマネジメントシステムです。
あらゆる人材データを一元化し、クロス集計を行うことによって、多様で多角的な人材分析が可能になります。多くの従業員で構成される大企業でも、シンプルなシステム設計で人材管理ができます。あらゆる評価制度(MBO・コンピテンシー・360度評価など)にも対応しているため、今ある評価手法を活かしながらシステム化したい場合におすすめです。
「3分でわかる!HRBrain」の資料 ダウンロードはこちらから
MINAGINE
MINAGINE(みんなの人事部)は、社員数100名以下に特化した人事評価サービスです。人事評価の制度構築から運用までを支えるコンサルティングサービスがあり、少数精鋭で管理部門をまわす中小企業におすすめです。また、系列サービスとして勤怠管理・給与計算システムもあるため、勤怠給与管理システムの導入もあわせて検討している場合は、より連動性の高い管理が可能になります。
Resily
Resilyは、OKR管理に特化した人事評価サービスです。シンプルな操作でカンタンにOKR作成が可能です。OKRがツリー状に表示されるプロセス管理機能で、進捗状況や課題の把握がスピーディになります。目標に関連する、行動プランや議事録を紐づけることができる「ノート機能」では、公開範囲内でコメントを残し合うことができて、コミュニケーションの活性化も促せます。OKRを人事評価として採用している企業にはおすすめです。
人事評価サービス導入事例
人事評価サービスの導入事例について確認してみましょう。
柔軟な設計で“システムにとらわれない”組織に合わせた制度運用を実現 寒川町役場
寒川町役場は、神奈川県の湘南地域北部に位置し、全国唯一の八方除(はっぽうよけ)の守護神・約1600年の歴史を持つ寒川神社があることで知られています。8年間、人事評価制度の見直しや更新がされておらず、時代に見合った効果的な運用がされていないことに課題を感じていました。
課題
人事制度が8年間見直し・更新がなく、時代に合った効果的な運用がされていなかった
自分たちで柔軟に変更・更新ができるカスタマイズ性の高いシステムを探していた
課題解決のカギ
「使いやすさ」「設定のしやすさ」「評価シート作成のしやすさ」からタレントマネジメント「HRBrain」を導入
フレキシブルな変更が可能な「HRBrain」で、システムにとらわれない柔軟な制度運用を実現
今後は1on1の面談記録の蓄積機能をつかいコミュニケーションツールとして、また現行のエクセルでの組織図を「HRBrain」に引き継いでいきたい
「使いやすさ」「設定のしやすさ」「評価シート作成のしやすさ」からタレントマネジメント「HRBrain」を導入。評価シートや社員情報の項目など、フレキシブルな変更が可能な「HRBrain」で、システムにとらわれない受難な制度運用を実現させました。今後は、1on1での面談記録をちくせきできる機能でコミュニケーションツールとして「HRBrain」を活用するほか、現行のエクセルでの組織図を「HRBrain」で引き継いでいきます。
システム導入効果
導入フローがわかりやすく、3ヶ月という限られた時間の中で旧システムからスムーズに乗せ換えができた
「HRBrain」は直感的に操作できるため、人事業務にかかる作業時間も短縮でき、職員もストレスなく人事評価などを運用できている。
導入システム
HRBrain 人事評価 | HRBrain
▼資料請求
HRBrain 人事評価 サービス資料
導入事例
▼脱・システムに合わせる運用。柔軟な設計で組織に合わせた制度運用を実現
寒川町役場 | 導入事例
おわりに
本来「人事評価」は、従業員ひとりひとりと十分に向き合ったうえで決定されるべきものです。
業務量の増加や人手不足などにより評価について熟考する時間がない場合は、業務の一部をシステム化することもひとつの手段です。場合によっては大幅な業務効率化につながるでしょう。
人事評価サービスは、「人と向き合う時間」を作り、「人がやるべきこと」と「システムができること」のバランスを最適化します。
ぜひ効果的に取り入れて、戦略的な人事評価から人材育成・組織成長へとつなげてみてはいかがでしょうか。
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