#人事評価
2024/09/03

業務管理はOKR管理ツールにお任せ?OKRツールの機能・効果とは

目次

近年、働き方改革やコロナ禍で日本全体の働き方が変化しています。

リモートワークの普及やフレックスタイム制、裁量労働制と言った今までにはなかった柔軟な働き方が広まっており、こうした働き方改革は今後も広がる可能性があります。

こうした時代の流れがある一方、対面で働く機会が減ったことで、従業員の業務管理や経営層の考えが従業員に浸透しないなどの課題を抱えている企業も多いのではないでしょうか。

今回は、業務進捗管理や会社全体目標の浸透に役立つOKR管理ツールについて解説します。

難しい管理は便利なツールに任せ、日本全体で起こっている大きな変換期を乗り越えていきましょう。

OKR管理ツールとは?

ここからはOKR管理ツールの基礎情報と役割、導入が推奨される背景を解説します。

OKRツールの役割

そもそもOKRとは、Objectives and Key Resultsの略で、直訳すると「目的と重要な結果」になります。

近年ではGoogleやFacebookなど大手企業で採用され、注目を集めている目標管理方法の一つです。

目標管理方法の別の手段として、MBOやKPIなどが有名ですが、MBOは従業員の給料を決める際に用いられる手法で、KPIは商品品質や安全品質を向上させるために用いられることがあります。

一方OKR管理ツールは、従業員の給料を決める目的ではなく、企業内の高い目標や課題を解決するために用いられることが一般です。

OKRツールが注目される背景

OKR管理ツールが注目される背景には、OKRツリーの使用、KRの進捗管理しやすさと議事録管理のしやすさといった特徴があります。

ここからその特徴を細かく解説します。

  • OKRツリーの使用

実際にOKRツール用いて目標設定を行う際は、OKRツリーと呼ばれる会社全体の目標設定が一括で確認できる表を作成します。

OKRツリーの作成時は「企業のOとKR」と「部門のOとKR」、「従業員のOとKR」をひとつの表にまとめるのが一般的です。

つまり経営者が企業全体のO(目標)を設定し、これを達成するために必要なKR(重要な結果)を定量的に設定します。

この目標設定を踏まえ、部門間と従業員のOとKRを設定するスキームです。

このツリーを全社員が確認することで、会社全体に会社の目標が浸透し、従業員同士が同じ認識を持って業務に集中できます。

  • OKRの進捗管理のしやすさ

OKRで設定した目標の進捗確認は、1か月から4か月程度の短いスパンで評価、目標の再設定を行います。

管理職が短いスパンでKRを確認することで、間違って進んでいた場合に早期に気づけ、正しい方向に修正が可能です。

またその都度評価が入るので、業務を行う従業員は高いモチベーションを維持したまま業務を遂行できます。

  • 議事録管理のしやすさ

業務の進捗を確認する上で、時として業務の過程を確認する必要がある時があるのではないでしょうか。

過程を振り返る時に重要な資料の中には、打ち合わせや会議の議事録があり、どういった議論で現在のKRに至ったのか振り返りが可能です。

OKR管理では、議事録の管理もひとつのシステムでまとめられ、スムーズに過程を振り返られます。

なぜOKRツールの導入が推奨されている?

目標管理方法はOKR以外にもMBOやKPIがあると述べましたが、その中でもOKRが推奨される理由は、目標設定と設定した目標の浸透が効率化する特徴があるためです。

OKRツールを導入した場合、定性的な目標が1つと定量的な目標を多くて5つほど設定するのが一般的です。

OKRツールを使用しないで目標設定を行う場合、企業の目標が働く社員全員に伝わりにくい場合があります。

また、従業員の業務が適切に行われているかを確認に時間を要し、管理職の負担が大きくなりがちです。

それだけではなく、目標管理の際に過去の目標設定や業績結果を参照することがありますが、企業の規模が大きかったり長期にわたり目標管理を行っていたりすると、取り扱うリソースは膨大になり、過去の結果を振り返るのに時間がかかることもあります。

OKRツールを使用した場合、クラウド上のひとつのシステムから現在と過去の業務を確認でき、時間と工数の削減に効果的です。

OKRツールについてより詳しく知りたいという方は、こちらの資料をぜひご覧ください。

OKR管理ツールで実現可能なことは?

ここからはOKR管理ツールを実際に使用した場合に実現可能なメリットについて解説します。

社内コミュニケーションが円滑になる

OKRツールを使用する場合、ネット上でのコミュニケーションが図れるようになり、従業員間のコミュニケーションが円滑になります。

OKRツールを導入していない企業では、従業員が業務の進め方がわからなくなった際、上司に相談しながら進めるのが一般的ではないでしょうか。

通常この相談時に、上司に資料をメール等で共有し、状況を伝えながら進め方を確認しますが、OKRツールを採用している企業では、上司も同じ資料をクラウドから確認でき、わざわざ同じ時間に上司と確認する必要はありません。

従業員間でのコミュニケーションがスムーズに行えるのもOKRツールの魅力のひとつです。

業務を効率化できる

OKR管理はクラウド上にあるツールを使用できるため、従業員は好きな時に簡単に業務が行えます。

もしOKRツールを使用していない企業で、例えばExcelを複数の従業員で作業する場合、従業員は同じ資料を同じ時間に使用できず、各自で進めた作業をひとつのExcelシートにコピーペーストして業務を進めなければいけません。

OKRツールでは、同じ時間に同じ作業をネット上のコミュニケーションツールを使用しながら進められるため、業務が効率化します。

また目標が明確になることで、従業員は目標達成のために何をすべきなのか把握しながらスムーズに作業ができます。

組織全体の進捗状況を見える化できる

管理職は部下の業務進捗を把握するのに多くの時間を要する場合があります。

組織が大きくなるとさらに進捗管理が難しくなり、どの部署がどこまで作業が進んだのかを簡単に把握できるツールが必要です。

OKRツールを使用した場合、全部署の作業進捗をひとつのツールで確認でき、進捗把握が短時間で行えます。

社内の管理職が業務進捗に時間を要している会社では、OKRの導入をおすすめします。

目標を全社で共有できる

上述した、OKRツリーを使用しての目標管理によって、社内全体で同じ目標を認識できます。

多くの会社で、経営者の企業目標や各部内で管理職が設定した目標の理解が部下に浸透しないケースが発生しており、こうした課題を抱えている企業ではOKR管理が効果的です。

また普段関りのない部署であっても、OKRツールを使用することでお互いの目標を確認し合うことも可能です。

自部署で達成が難しい目標であっても、他部署を巻き込み協力することで大きな目標にチャレンジできます。

高い費用対効果が期待できる

有料OKRツールを使用する場合、多少の費用はかかるものの、管理職の業務進捗管理や目標共有が効率化し、人件費を削減が可能です。

管理職の人員確保や目標の共有のために残業時間が発生している企業では、OKRコストの投資費用に見合ったコスト削減が実現します。

OKRツールを選ぶ際のポイントは?

ここからはOKRツールを無料で使用する場合やOKRツールサービスを提供している企業の選択時に気を付けるべきポイントをご紹介します。

自社に適した機能が備わっているか

OKRツールを提供している企業は数多くあり、サービスの種類も多種多様です。

自社に合ったOKRツールを選択するためにも、どういった機能を求めているか、どういう課題を解決したいかを明確にしておきましょう。

簡易的な目標管理・業務進捗を行いたい場合、無料のOKRツールで十分なケースもあり、有料のツールを使用すべきか検討が必要です。

カスタマイズができるか運用支援が導入されているか

特にはじめてOKRを導入する企業では、既存のOKRシステムから少し変更を加えたり、そもそも使い方がわからなかったりスムーズに始められないケースがあります。

こうした場合、企業に合ったシステムにツールのカスタマイズできるかが重要なポイントになります。

また、運用方法がわからない時に支援を行ってもらえるかも確認すべきポイントです。

有料のOKRツールを提供しているサービスには、カスタマイズの柔軟性や親切な運用支援がサービスに含まれていることもありますので色々なサービスを比較し、自社に合ったサービスの選択を心掛けましょう。

操作しやすいかどうか

OKRツールに柔軟なカスタマイズ性が備わっているかも大切ですが、まずは操作性に優れているかも確認しましょう。

OKRツールは面倒な作業進捗確認を簡素化し、時間とコストを削減できますが、操作を覚えるのに多くの時間を要してしまえば効果は半減します。

従業員が使用する際に簡単に操作できるかどうかを確認してから使用するサービスを選択しましょう。

簡単に操作できるサービスを導入することで、従業員全員が自身のことについてより詳細な記載をしやすくなります。

これにより、人事・経営層がOKRの現状を把握しやすくなったり、従業員同士がお互いの目標を確認しやすくなったりするため、より効果的な浸透が期待できます。まだ一度もOKR管理ツールを使用していない企業の場合、無料のOKRツールの操作を慣らすのも重要で、有料サービスであっても無料お試し期間を設けている会社もあるので実際にサービスを利用してみるのもいいでしょう。

OKRツールをはじめとしたさまざまなツールを活用できるこちらも、無料トライアル期間を設定しているので、この機会にぜひご利用ください。

関連ツールとの連携ができるか

OKRツールの使用が慣れてくると他のOKRツールを一緒に利用できるようになり、業務の効率化がさらに増します。

複数のツールを利用する場合は、各ツール同士の互換性があるかどうかも操作する上で重要な観点です。

OKRツールのサービス内容をしっかりと確認し、関連できるツールの豊富さ、関連できる内容をしっかりと把握してから利用するサービスを選択しましょう。

また、ビジネスで用いられることが多いコミュニケーションツールのChatworkやSlackに連携しているOKRツールも存在します。

実際にこれらのコミュニケーションツールを使用している企業はもちろん、取引先の企業が使用している場合は連携の有無を確認しましょう。

OKR管理ツール導入前にやっておくべきこと

ここからは、OKR管理ツールの導入前にやっておくべき3つの項目をご紹介します。

実際に導入を検討している際は、以下の項目に注意しましょう。

OKRに関する知識を蓄えておく

OKR管理ツールを導入する際は、トップダウンで経営者が決定して導入を検討する企業もあるでしょう。

しかしOKRツールを使用しメリットを感じるのは管理職や従業員になり、OKRツールを導入する前に、使用する従業員に対してOKRの知識を教育する必要があります。

OKRの効果を最大限感じられるように職場の環境を整えておきましょう。

運営体制を整えておく

OKRツールを使用して会社の目標管理を行う場合、OKRツリーを作成します。

OKRツリーの作成時は、企業の目標から従業員の目標をひとつの表にまとめるのが一般的です。

企業と従業員の目標は、誰が対象か比較的容易に把握できますが、部門の対象がどこにあたるのかが曖昧になる場合があります。

例えば、営業部で設定するのか営業部の営業課で設定するのかが適切なのか判断が難しいなどが挙げられます。

企業の目標を達成するためにはどの部署で設定する必要があるのかを社内でしっかりと議論しましょう。

どうしても判断つかない場合は、一部の有料サービスで、相談できるコンサルタント機能を担っている場合がありますので、そういうサービスを利用するのもおすすめです。

コミュニケーションに関する意識を芽生えさせておく

職種によっては従業員が個々で黙々と作業を行う業務もあるでしょう。

特に近年ではリモートワークが普及し、今まで業務中にコミュニケーションを図って作業していた業種であってもコミュニケーションの機会が減ってしまった職場もあるのではないでしょうか。

OKRツールを最大限活用するには社員間のコミュニケーションが必要不可欠です。

普段からひとりで作業するのに慣れてしまっている会社では、OKR導入前にコミュニケーションを図りながら業務をする大切さを教育しておきましょう。

OKR管理ツールに関する注意点

ここからはOKR管理ツールを導入した場合に起こりうるデメリット要素をご紹介します。

注意すべきポイントをまとめますので、下記の内容が当てはまる可能性がある場合は十分に注意し管理しましょう。

会社によってはOKR管理ツールの導入自体が適さない

上述した通り、OKR管理ツールを使用することで従来の進捗管理や評価が効率的に行えるメリットがあります。

しかし時にこの管理ツールが適さない会社があるのも事実です。

OKR管理ツールが適さない会社の特徴は、以下の通りです。

  • ひとりで行う業務

前述した通り、OKRツールを使用する際は、社内のコミュニケーションを図ることで大きなメリットを感じられます。

元々ひとりで行う業務でもOKRツールは使用できますが、受け取れる効果はコミュニケーションを取る組織よりも弱くなる可能性があります。

導入を検討している場合は、社員間でコミュニケーションを行う業務だけでの導入や、組織編制でコミュニケーションが生まれる組織にするなど工夫が必要です。

  • アナログ作業に慣れている

OKRツールのような、多くの人が共有するようなシステムが使い慣れていないと使用できるまでに時間がかかる可能性があります。

例えばExcelの使用が多くその他のツールを使用しない場合、誰かと共同で作業したり、共有したりするのが慣れていないケースがあります。

Googleのスプレッドシートは無料で使用できるOKRツールのひとつで、基本的にはExcelと同じ仕組みのため少しずつ慣らしていくのもいいでしょう。

  • 管理職が足りていない

OKRツールの使用して業務の進捗管理を行う場合、時間と手間の削減はできますが、日々日々の管理が重要になります。

管理職の人数が足りておらず、OKRツールを導入する前から管理職の業務が追い付いていなければOKR管理で負担は増える可能性があります。

管理職の増員・教育をしっかりと進めてから導入しましょう。

従業員の意識改革に時間がかかる

OKRツールが便利なツールであるのは明確ですが、利用するための意識改革に時間を要す可能性があります。

経営者がOKRに対して高い意識を持っていたとしても、管理職と従業員の意識が整っていなければ効果は十分に発揮されないでしょう。

有料のOKRサービスを提供する会社によっては、社員の教育にも支援してくれるものもありますので、意識改革に懸念を感じていれば利用をおすすめします。

まとめ

今回はOKR管理ツールの概要と役割、導入時の注意事項を紹介しました。

働き方が柔軟性を持ち始めた一方、従業員の業務進捗管理や会社の目標共有が難しくなり、課題を感じている企業も少なくないのではないでしょうか。

OKR管理ツールは無料で使えるものや、有料サービスをトライアル期間なら無料で試せるので、課題解決のひとつとしての取り入れをおすすめします。

日本全体で生じている課題を便利なツールで解決している企業も増えている現状です。

世に出回っているサービスの種類は増加傾向にあるので、比較しながら自社に合うサービスを探してみましょう。

HR大学編集部
HR大学 編集部

HR大学は、タレントマネジメントシステム・組織診断サーベイを提供するHRBrainが運営する、人事評価や目標管理などの情報をお伝えするメディアです。難しく感じられがちな人事を「やさしく学べる」メディアを目指します。

\ この記事をシェアする /

  • X
  • LinkedIn

おすすめ記事