#人事評価
2023/08/04

【例文付】技術職の人事評価シートとは?戦略人事のためのポイント徹底解説

目次

■技術職とは?

技術職とは

技術職といっても、IT企業のSEやプログラマー、研究開発部門の技術者など技術職の類型は多様です。ここでは、技術職の役割とキャリアパスについて説明します。

成長戦略の要である技術職

技術職は、企業成長における要であり、人事評価や人材育成を適切に運用していなければ、成長戦略にも影響がある職群といえます。成果主義に偏重しすぎると、チャレンジングな目標設定をしない保身的な固定観念が生まれ、自社の持続的な成長を阻害する要因にもなります。

人事評価制度が技術職における成長の阻害要因とならないよう、制度や評価基準を見直すことも重要です。

技術職のキャリアパス|スペシャリストの道も必要!

技術職のキャリアパスとして、管理職と専門職のキャリアが選択できる企業もあれば、管理職のみとしている企業もあります。

技術職として活躍していた社員が管理職に昇格したことで、パフォーマンスが大きく落ちるというケースも見受けられます。スペシャリストとしては長けていても、マネージャーとしては不向きという人材の場合、このような状況に陥るでしょう。

スペシャリストの道を歩みたい技術者のために「専門職」を設けることで、スペシャリスト志向のキャリアパスを構築することができます。

■技術職における人事評価シートとは?

技術職は、個々人の人事評価が困難なケースがあります。ここでは、技術職の性質を踏まえた人事評価シートのポイントを説明します。

そもそも人事評価シートとは?

人事評価シートとは、評価者の主観による評価のばらつきを抑えるため、定めた評価基準の下で公平性のある人事評価を実現するためのツールです。

人事評価シートにより自社の評価基準をオーソライズすることで、透明性の高い人事評価の運用が可能であるほか、社員にとって能力開発の道標となる効果もあります。

人事評価シートについてさらに詳しく知りたい方は、「人事評価シートとは?書き方とテンプレート作成方法を紹介」をご参考ください。

技術職を評価する主なポイント

技術職の職務は、プロジェクト型で進めることが多くありますが、この性質上、押さえておく評価ポイントがあります。

プロジェクトの成果と個人の成果
プロジェクト型の場合、メンバーの担当領域は工程毎に細分化されます。人事評価においては、プロジェクトの成果に対する個々人の貢献度を明確にして評価することで、成果を測ることがポイントです。

・プロジェクトにおけるマネジメント力や協調性
プロジェクト型において、リーダーはプロジェクトをまとめるマネジメント力が不可欠です。メンバーにおいても、プロジェクトの進行に遅れないよう、自身の担当領域における進捗管理などのマネジメント力も必要となります。

また、チームで仕事を進める以上、単独プレイに走ることなく、相互に協力しながら協調性をもって取り組むことが求められます。このように、マネジメント力と協調性も重要なポイントとなります。

・専門知識に対するスキル・知識
技術職は、職務の性質上、成果物は個人単位でなくプロジェクト単位であることが多くあります。そのため、成果評価だけではなく、担当領域に対する知識やスキルも評価の重点とすることが必要です。専門知識に関連する資格の有無についても、重要な評価要素となります。

・顧客対応力
IT技術者や研究開発部門の技術者などは、顧客と接する機会が多い職種です。SEであれば、要件定義やトラブル対応時に柔軟に解決できる対応力が求められ、研究開発部門の技術者であれば、プレゼンテーション能力や交渉力などが求められます。

技術者に求める顧客対応力は、技術者の類型によって違いはありますが、重視すべき評価項目といえます。

■スペシャリストも能力発揮!技術職の人事評価基準・項目|主要部門サンプル例文

人事評価制度の根幹となる評価基準。ここまで見てきた評価ポイントを踏まえて技術職の評価基準・項目を解説します。

根幹となる評価基準の3要素

評価基準が曖昧、あるいは存在していないといった場合、必ずといっていいほど人事評価制度に不満が生じます。この評価基準を明確化することで、適正な人事評価を実現させることでができます。

一般的には、仕事の成果を評価する「成果」、必要となる知識やスキルを評価する「能力」、仕事に対する姿勢を評価する「情意」の3つの基準で構成されます。

評価基準について詳しく知りたい方は、「人事評価制度のつくり方 事前に把握しておきたいポイント」をご参考ください。

技術職でポイントとなる評価基準

技術職は、「プロジェクトの成果と個人の成果」「プロジェクトにおけるマネジメント力や協調性」「専門知識に対するスキル・知識」「顧客対応力」が評価のポイントになることを、前章にて説明しました。

このポイントを踏まえた評価基準は次のとおりです。

・個人の目標設定について
プロジェクトに対する個人の貢献度合いがわかるようにするために、評価基準としては「プロジェクトに対する貢献度」を自己評価と上司評価の双方を記入させ、判断させるような基準を設けることが有効です。そのほか、難易度や達成度も重要な基準となります。

・協調性について
プロジェクトメンバーとのチームワークについて、「積極的にコミュニケーションをとってきたか」「コミュニケーションによって信頼を得ていたか」などコミュニケーションの深度によって評点基準を設定することもポイントです。

・専門知識の知識向上について
専門知識の知識向上に向けて、「積極的に行っていたか」「資格取得などの成果があったか」「知識向上が業務に繋がっているか」など、知識向上のレベルによって評点を設定することで社員の意欲向上につなげることができます。資格手当の創設などによって、資格取得の奨励を行うことも有効な手段です。

・顧客対応力について
技術者として顧客の信頼をどの程度得ているかの基準として、「誠実に顧客対応している」「顧客の要望に柔軟に対応し、信頼を得ている」「顧客からの信頼が極めて高い」のように段階を設定することで対応力の評定が可能です。

■戦略人事のための技術職の目標設定

技術職の目標設定

目標管理制度(MBO)を導入している企業は、人事評価シートにおいて、「目標設定」の内容を記載する仕組みにしていることが大半です。

技術職は、SEや研究開発部門などが対象となりますが、ここでは、それらの技術者が戦略人事の観点で行うべき目標設定の仕方をサンプル付きで解説します。

IT技術者の目標設定

IT技術者は、深い専門性と幅広い知識が求められる職種です。情報処理技術者としての基礎的な知識をベースに、プログラミング言語やインフラ知識、それぞれの専門性に応じた知識などの能力開発も重要な目標の要素となるでしょう。

プロジェクトでの開発が主となりますので、プロジェクト単位毎の成果目標の設定も不可欠です。

・成果目標設定例
◯◯プロジェクト
◯◯工程を担当。新たに必要な知識を習得し、目標期日までに仕様どおりに完成させる。リリースまでの導入トラブルは◯件以内
※貢献度◯%、ウエイト◯%、難易度◯%

・能力開発設定例
◯◯プロジェクトに関する業務知識を習得する
需要が高まると見込まれる◯◯言語を習得する

研究開発部門における技術者の目標設定

研究開発部門における技術者は、担当領域における深い専門的な知識が必要です。とくに、基礎研究分野に取り組む技術者であれば、イノベーションにつながる新たな発想力も不可欠です。

また、研究開発テーマに対するマーケティングリサーチ能力、顧客対応力が求められる職種です。

・成果目標設定例

◯◯テーマ
マーケティングリサーチを新たに担当。
上市スケジュールに沿った期日までに、内外環境分析を行い、研究開発戦略の立案を行う。
開発工程は◯◯を担当、要求水準◯%以上。
※貢献度◯%、ウエイト◯%、難易度◯%

・能力開発設定例
マーケティングリサーチ手法を習得する
MOT(技術経営)の知識の習得に取り組む

■技術職の人事評価シート徹底解説

■技術職の人事評価シート徹底解説

人事評価シートは、階層別・職種別に分類し、企業が求める要素を評価基準として、「成果」「能力」「情意」に分けて構成しています。

ここでは、技術職における評価シートの分類、プロセス評価・成果評価の比重について解説します。

技術職における人事評価シートの分類

第一線で技術者として活躍したい「専門職志向」と組織の最適化を目指す「管理職志向」に二分されます。

キャリアパスとして、管理職のほかに専門職を設けた場合は、スペシャリストとしての「専門職」の人事評価シートが必要となります。

また、新規事業部門を立ち上げた場合、チャレンジングな目標を立ててもらうことを目的として、成果評価のウエイトを相対的に低くすることも有効です。この場合、同じ技術者でも新規事業部門の人事評価シートを別に分類することが考えられます。

技術職のためのプロセス評価・成果評価の比重

技術職の成果評価は、IT技術者であれば「要件定義の下で仕様どおりに完成させること」、技術開発部門の技術者であれば「研究開発戦略に応じた開発テーマの上市」などに関することがあげられます。

ただし、技術職の成果は、個々人の成果は測定しづらい性質から、状況に応じて自己啓発や行動特性などのプロセス評価の比重を大きくすることも必要です。

戦略人事へつなげるポイント

人事評価シートは、人事評価制度を公平・適切に運用するためには欠かせないツールです。ただし、紙ベースでの運用では、人事評価シートの配布から回収、給与システムへの評価の取り込みなど人事担当者に大きな負担がかかります。

人事評価シートを、人事評価クラウドなどによってシステム化することで、これらの負担は大きく削減できますが、メリットはこれだけではありません。システム化によって蓄積する人事評価データを活用し、タレントマネジメントなど戦略人事に活かすことができます。

技術職におけるキャリア開発の観点から、個々人の志向性を踏まえて、管理職、あるいは専門職育成に向けて計画的なローテーションを創出する一助にもなるでしょう。

【まとめ】技術職の評価は、個人成果の貢献度が重要|スペシャリストのキャリアパス設計も肝!

技術職の人事評価は、個々人の成果が測りにくいことから、成果評価はプロジェクト全体に与える貢献度を踏まえた評価基準とすることがポイントとなります。

また、社員が専門職として活躍を続けたいのか管理職を志向しているのかを人事評価を通じて早期に把握し、計画的なジョブローテーションにつなげることも重要となります。

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HR大学編集部
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