#人材育成
2024/09/09

アシミレーションとは?意味や効果がアップするやり方と質問例について解説

目次

アシミレーションとは、外から異動でやってきた上司が新しい組織で3カ月~6カ月ほど過ごしたのち、行われるセッションで、上司とのミスマッチを早期解決する方法として活用されています。

ファシリテーターを介して、部下は上司に「質問」や「やめて欲しいこと」「して欲しいこと」などを伝えます。

この記事では、アシミレーションの意味やメリット、アシミレーションのやり方、アシミレーションの効果をアップさせる方法について解説します。

アシミレーションのカギとなるファシリテーターの選出やデータの管理

アシミレーションとは

アシミレーションとは、上司と部下の間に生じた溝を早期に解決するための組織開発の方法です。

アシミレーションは、英語で「Assimilation」と書き、日本語で「同化」と訳される言葉で、外から異動してきた上司が新しい組織で3カ月〜6カ月ほど過ごしたのちに、行われるセッションを指します。

部下がファシリテーターを通して、上司に「変えてほしいこと」「質問」などを伝えることで、上司は今まで部下に「どう見られていたのか」ということに気付くことができます。

アシミレーションは、上司と部下の相互理解の取り組みのため、より良い組織作りに効果があるとされています。

もし、新しい上司に対して部下の不満が溜まっている場合は、ファシリテーター役を上司の上司が行う、「スキップレベル」という方法もあります。

上司と部下との相互理解以外にも、企業のビジョンを浸透させたい場合や、チームの活性化を図りたい時に活用されることがあります。

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アシミレーションのメリット

アシミレーションのメリットについて確認してみましょう。

アシミレーションのメリット

  • 早期のフィードバックによるミスマッチの解消

  • チームの中で一体感が生まれる

  • 生産性がアップする

早期のフィードバックによるミスマッチの解消

アシミレーションのメリットとして、「早期のフィードバックによるミスマッチの解消」があげられます。

異なる部署から異動して来た上司は、以前の部署での成功体験から知らず知らずのうちに、以前の部署でのやり方を通そうとしてしまう場合があります。

しかし部下は、以前の部署でのやり方を通そうとする上司に対して「もっとこうして欲しい」と思う場合もあります。

上司と部下との互いのミスマッチについて、アシミレーションは効果を発揮します。

アシミレーションは、上司の異動からちょうど3カ月〜6カ月の時期に行われることで、上司と部下との「違和感」が消えないうちにアシミレーションを行うことが可能です。

早いタイミングでアシミレーションを行うことで、上司と部下の間のミスマッチを解消することができます。

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チームの中で一体感が生まれる

アシミレーションのメリットとして、「チームの中で一体感が生まれる」ことがあげられます。

上司と部下がファシリテーターを介して互いを理解しようと試みることによって、チームには一体感が生まれます。

「同じ目的に向かって努力をする仲間」だという意識が芽生えることは、より一層組織を強固なものにします。

例え、困難なことがあったとしても、「やり遂げよう」とチームで対処することができるようになります。

生産性がアップする

アシミレーションのメリットとして、「生産性がアップする」ことがあげられます。

部下は、ファシリテーターを介して上司に自分の意見が聞き入れられたことで、「自分の意見が尊重されている」という体験ができ、「自分は、例えリスクのある発言や行動をしたとしても、この組織の中では安全である」という心理的安全性が得られます。

心理的安全性が高まった職場では、活発なコミュニケーションが生まれるため、結果として生産性がアップすることが分かっています。

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アシミレーションのやり方

アシミレーションの具体的なやり方について確認してみましょう。

アシミレーションのやり方

  1. アシミレーションの計画を立てる
  2. 上司は退席しファシリテーターが部下から質問や意見を引き出す
  3. 部下が退出し上司が入室する
  4. 部下が入室し上司は質問や意見にコメントする

アシミレーションの計画を立てる

アシミレーションのやり方として、「アシミレーションの計画を立てる」ことがあげられます。

アシミレーションを行うにあたり「いつ行うのか」「どこまで関係者を集めるのか」「どこで行うのか」などの計画を立て、スケジュールを確定させます。

アシミレーションの実施時期は、上司が異動してから3カ月〜6カ月の間に行われることが一般的です。

また、ファシリテーターについてもアサインします。

ファシリテーターには、部下の質問や意見を上司に伝えるという重要な役目があります。

場を調整する力量が求められるため、注意深くアサインしましょう。

上司は退席しファシリテーターが部下から質問や意見を引き出す

アシミレーションのやり方として、「上司は退席しファシリテーターが部下から質問や意見を引き出す」ことがあげられます。

アシミレーションを行うにあたって、「ファシリテーター」「上司」「部下(複数人)」を集めます。

アシミレーションを行う目的を確認し合ったのち、いったん上司は退席します。

上司の退席後、ファシリテーターは部下から上司に対する質問や意見を引き出します。

部下に対する質問例と回答例

上司について知りたいこと

  • どのようなコミュニケーション方法(チャット・メール・電話・対面)が好きか、もし、案件によって異なるのであれば、具体的なレベルを知りたい

  • 休日はどのように過ごしているのか

  • 最近読んで面白かったビジネス書はあるか

  • 尊敬している人は誰か(社内外問わず)

  • どんな想いでこの会社に入社し、何を成し遂げたいと思っているのか

  • 大切にしていることやものは何か

上司に何をして欲しいか

  • 〇〇という取引先の間に入って〇〇について調整して欲しい

  • 〇〇の部署の上司から「評価はされないが、どちらかの部署がやらなくてはならない仕事」を押し付けられているので、調整して欲しい

上司に何をやめて欲しいか

  • 〇〇のときに〇〇すると、威圧的に感じられるのでやめて欲しい

  • 途中までは話を聞いてくれるが、「分かった」と思った瞬間に先回りして話し始めるのをやめて欲しい

  • 外部から電話があった際に繋いでも、しばらく電話を取らずにいるのが気になってしまう、すぐに取って欲しい、忙しいなら「10分後に折り返し電話する」など、具体的な指示が欲しい

上司に何を知って欲しいか

  • この部署では定期的に〇〇をしている、外からやってきた上司には意味のない行為に思えるかもしれないが、〇〇という背景があり、〇〇という効果があるので、ぜひ一緒に取り組んで欲しい

部下が退出し上司が入室する

アシミレーションのやり方として、「部下が退出し上司が入室する」ことがあげられます。

ファシリテーターは、部下の誰が何の発言をしたのかを伏せたうえで、質問や意見の内容のみを上司に伝えます。

上司は、ファシリテーターからの説明を受けます。

上司は、部下の率直な意見や、無自覚な自身の癖に直面することになります。

もしかしたら、動揺から、つい「誰が言ったのか」と感情的になってしまい、ファシリテーターに質問をぶつけてしまうこともあるかもしれません。

上司には、アシミレーションの内容を受け止める度量や器の大きさが求められます。

また、ファシリテーターは動揺せずに、上司に対してアドバイスを行うなど、中立の立場を崩さずに、ファシリテーター役に徹することが必要とされます。

部下が入室し上司は質問や意見にコメントする

アシミレーションのやり方として、「部下が入室し上司は質問や意見にコメントする」ことがあげられます。

部下が入室したあと、上司は質問や意見に対してコメントを行います。

もし、上司が「自分は〇〇という意図で行ったことが、どうやら部下には〇〇だと誤解されているようだ」と感じた場合は、その内容を率直に伝えます。

「やめて欲しい」ことに対しても、「このように改善を行うよう努力する」など、思っていることを伝えます。

アシミレーションの取り組みによって、上司と部下の間で相互理解を深めることができます。

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アシミレーションの効果をアップさせるポイント

アシミレーションの効果をアップさせるポイントについて確認してみましょう。

アシミレーションのポイント

  • 部下の意見の匿名性を守る

  • ファシリテーターの人選

  • アシミレーションの目的を適切にインプットする

  • 導入前に自社のカルチャーにマッチするかを検討する

部下の意見の匿名性を守る

アシミレーションの効果をアップさせるポイントとして、「部下の意見の匿名性を守る」ことがあげられます。

ファシリテーターは、場合によっては上司にネガティブなフィードバックをする必要がありますが、その際に、必ず守らなければならないことは部下の匿名性です。

意見を述べる部下に対しても、匿名性を守ることを確約して安心させるようにしましょう。

ファシリテーターの人選

アシミレーションの効果をアップさせるポイントとして、「ファシリテーターの人選」があげられます。

ファシリテーターには、部下の本音を引き出すための傾聴力だけでなく、上司のアドバイザーとしてのスキルも必要となります。

アシミレーションが成功するかどうかは、ファシリテーターの手腕に掛かっていると言っても過言ではありません。

ファシリテーターの人選は慎重に行うようにしましょう。

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アシミレーションの目的を適切にインプットする

アシミレーションの効果をアップさせるポイントとして、「アシミレーションの目的を適切にインプットする」ことがあげられます。

アシミレーションは、決して上司の悪口をいう場ではありません。

建設的な取り組みにするために、あらかじめ目的を適切にインプットする必要があります。

導入前に自社のカルチャーにマッチするかを検討する

アシミレーションの効果をアップさせるポイントとして、「導入前に自社のカルチャーにマッチするかを検討する」ことがあげられます。

アシミレーションは、割り切ったドライな社風の企業や、外資系の企業には効果的ですが、そうでない企業では、慎重に導入する必要があります。

特に上司にとっては耳の痛いことを直接フィードバックされる機会であるため、メンタルのケアも必要となるでしょう。

間違っても、上司へ苦言を呈した部下の「犯人探し」が起こるような事態は避けなければなりません。

アシミレーションは上司と部下の相互理解を深める機会

アシミレーションとは、外から異動でやってきた上司が新しい組織で3カ月~6カ月ほど過ごしたのち、行われるセッションで、上司とのミスマッチを早期解決する方法として活用されています。

ファシリテーターを介して、部下は上司に「質問」や「やめて欲しいこと」「して欲しいこと」などを伝えます。

アシミレーションは、上司の悪口を言う場ではないことを部下にきちんとインプットし、力量のあるファシリテーターをアサインすることが大切です。

「HRBrain タレントマネジメント」は、アシミレーションで必須のファシリテーターの選出や、従業員ひとりひとりのデータを、シンプルで使いやすい機能でサポートします。

さらに、従業員のスキルマップや、これまでの実務経験、育成履歴、異動経験、人事評価などの従業員データの管理と合わせて、OKRなどの目標管理、1on1やフィードバックなどの面談履歴などの一元管理も可能です。

HRBrain タレントマネジメントの特徴

  • 検索性と実用性の高い「データベース構築」を実現

運用途中で項目の見直しが発生しても柔軟に対応できるので安心です。

  • 柔軟な権限設定で最適な人材情報管理を

従業員、上司、管理者それぞれで項目単位の権限設定が可能なので、大切な情報を、最適な状態で管理できます。

  • 人材データの見える化も柔軟で簡単に

データベースの自由度の高さや、データの見える化をより簡単に、ダッシュボードの作成も実務運用を想定しています。

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HR大学編集部
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