#人材育成
2025/03/10

管理職研修とは?新任管理職などの種類や内容と目的について解説

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管理職研修とは、管理職やリーダー候補者などを対象に実施される研修や教育プログラムを指します。

管理職研修では、組織の運営や人材育成、目標達成などを担う役割である管理職に必要な、リーダーシップ、コミュニケーションスキル、マネジメントスキル、といったスキルや知識を、研修を通して習得します。

この記事では、管理職やマネージャーに求められる役割、管理職研修の目的、管理職研修を行う時期、管理職研修の注意点、管理職研修の種類、管理職研修の内容、管理職研修を取り扱う企業とサービス、管理職研修の企業事例について解説します。

管理職研修の実施記録やフィードバック内容を一元管理

管理職研修とは

管理職研修とは、管理職やリーダー候補者などを対象に実施される研修や教育プログラムを指します。

管理職研修では、組織の運営や人材育成、目標達成などを担う役割である管理職に必要な、リーダーシップ、コミュニケーションスキル、マネジメントスキル、といったスキルや知識を、研修を通して習得します。

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管理職やマネージャーに求められる役割

管理職研修に参加する管理職やマネージャーに求められる役割には、どのようなものがあるか確認してみましょう。

管理職やマネージャーに求められる役割

  • 部門の数値目標の管理

  • 部下のマネジメント

部門の数値目標の管理

管理職やマネージャーに求められる役割として、「部門の数値目標の管理」があげられます。

管理職は部門の売り上げなどのKPIに対し、達成責任を負います。

日々の売上の進捗管理や、目標数値を達成するための戦略立案などの役割が求められます。

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部下のマネジメント

管理職やマネージャーに求められる役割として、「部下のマネジメント」があげられます。

目標達成のためには自部門の人的リソースを適切に管理し、配分していくことが求められます。

また、目標達成に注力するあまり長時間労働とならないよう、安全配慮義務の責任を負う事が求められます。

さらに部下のモチベーションを管理し、成果を最大化するような取り組みも必要です。

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管理職研修の目的

管理職研修の主な目的について確認してみましょう。

管理職研修の目的

  • 新任管理職の基礎知識習得

  • 全管理職に対するルールの周知や教育

  • 上位管理職のためのスキル開発

新任管理職の基礎知識習得

管理職研修の目的として、「新任管理職の基礎知識習得」があげられます。

管理職になるためには、マネジメント力の強化が不可欠です。

また、上司と部下という関係性でのコミュニケーション方法についても学ぶ必要があるため、企業では新任の管理職となった従業員に対して導入教育を行います。

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全管理職に対するルールの周知や教育

管理職研修の目的として、「全管理職に対するルールの周知や教育」があげられます。

企業が守るべきルールや法律は、日々変化します。

特に労働法関連は法改正が多く、情報のアップデートが必要なため、管理職に対して定期的な教育を行う企業が増えています。

上位管理職のためのスキル開発

管理職研修の目的として、「上位管理職のためのスキル開発」があげられます。

優秀な管理職は、さらに上級の役職や、経営者となるための知識やスキルを身に付ける必要があります。

自分の専門領域だけではなく、業界への知見や、会社経営のための知識習得が必要となります。

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管理職研修を行う時期

管理職研修を行う時期は企業によって様々ですが、管理職研修を行う主なタイミングについて確認してみましょう。

管理職研修を行う時期

  • 期初や期末

  • 昇格時

  • 法律やルールの改正時

期初や期末

管理職研修を行う時期として、「期初や期末」があげられます。

期の始まりや終わりには、事業目標達成のために様々な取り組みが行われます。

例えば、マネジメント力の強化研修などは、期初早々に実施し、当期の目標達成に役立てて欲しいという企業側の意図があります。

昇格時

管理職研修を行う時期として、「昇格時」があげられます。

昇降格によって、社内での役割が変わった際に研修を実施します。

昇格時の管理職研修では、身に付けるべきスキルや、不足しているスキルなどに重点を置いた研修を実施することが多いです。

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法律やルールの改正時

管理職研修を行う時期として、「法律やルールの改正時」があげられます。

法律やルールの改正時に実施される管理職研修は、主にインプットが目的の研修となり、e-ラーニングなどのオンライン研修を選択する企業も増えています。

管理職研修の注意点

管理職研修を実施する際の注意点について確認してみましょう。

管理職研修の注意点

  • スケジュール管理をする

  • 研修後にフィードバックの場を設ける

スケジュール管理をする

管理職研修の注意点として、「スケジュール管理をする」ことがあげられます。

管理職は一般の従業員よりも多忙であることが多く、直前の連絡では不参加者が多発することにもなりかねません。

最低でも1ヵ月前には管理職研修の日程を確定し、開催通知を送れるようにしましょう。

研修後にフィードバックの場を設ける

管理職研修の注意点として、「研修後にフィードバックの場を設ける」ことがあげられます。

管理職研修で習得して欲しいマネジメントスキルは、一度の研修で習得できるようなものではありません。

研修後にフィードバックの場を設けるなど、研修を通して学んだことを持ち帰り、自部門で試せるような仕組みづくりを行うようにしましょう。

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管理職研修の種類

管理職研修の種類について確認してみましょう。

研修の種類には実施方法や、研修の運営方法に違いがあります。

オンライン研修とオフライン研修

研修をオンラインで行うか、オフラインで行うかによって、内容と実施方法に違いが生まれます。

オンライン研修では、場所や時間の制約が少ないというメリットがあり、導入する企業が増えています。

オフラインでは、対面で研修が行えるというメリットがあり、例えばディスカッションやグループワークを含む研修はオフラインでの実施が向いています。

また、参加者同士の交流が生まれることがオフラインのメリットです。

研修コンテンツの内製と外注

研修のコンテンツ作成を社内で行うか、外注するかで違いが生まれます。

内製の場合は、社内の事例や制度など、より自社にカスタマイズされた研修を構築することが可能です。

例えば、社内ルールや自社の人事制度を周知し教育する際には、内製研修が効果的です。

外注の場合は、より専門的な内容を高品質で作成できるというメリットがあります。

特に、コミュニケーション研修や、マネジメント研修などは外部のハイレベルな講師に依頼することで、社内スキルのレベルを向上させることが可能です。

管理職研修の内容

管理職研修の主な内容について確認してみましょう。

新任管理職研修

新任管理職研修は、新任の管理職を対象に実施する研修で、管理職としてのコミュニケーション方法、社内のルール、従業員のマネジメント方法、またはコンプライアンスについて学びます。

集合形式で研修を行う事で、同じ新任管理職同士の繋がりを醸成することが可能です。

中間管理職・課長研修

中間管理職・課長研修は、主にミドルレンジの管理職向けの研修で、事業運営や会社経営にかかる知識をインプットするために実施します。

ハイレベルな研修内容が求められるため、社内に適切な講師が居ない場合は、外注での研修の実施をおすすめします。

ハラスメント研修

ハラスメント研修は、全管理職を対象に実施すべき研修です。

ハラスメントを防ぐため、企業は従業員にハラスメントについての研修や情報提供を行う義務があります。

ハラスメント研修では、具体的な事例を示し、知識のインプットだけではなく、行動の変容を起こせるようにしましょう。

適切なコミュニケーション方法などを示すと、管理職にも分かりやすく、意識的に受け入れやすくなります。

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管理職研修を取り扱う企業とサービス

管理職研修を取り扱う企業と具体的な研修サービスについて確認してみましょう。

insource(株式会社インソース)

insourceは、講師派遣や公開講座等、幅広い研修を実施しています。

様々な研修を、オフラインとオンラインの両方で実施しており、管理職研修にとどまらず、新入社員教育や階層別教育にも対応できるラインナップとなっているため、大企業など体系的な研修を行う必要がある企業におすすめです。

(参考)株式会社インソース | 人材育成/社員研修・ITによる生産性向上支援

リンクアンドモチベーション(株式会社リンクアンドモチベーション)

リンクアンドモチベーションは、リンクアンドモチベーションが運営する研修サービスで、事業領域であるコンサルティングサービスの知見を活かした研修は、管理職の教育に効果的です。

(参考)リンクアンドモチベーション(組織開発・人材育成・研修)

リクルートマネジメントスクール(株式会社リクルートマネジメントソリューションズ)

リクルートマネジメントスクールは、リクルートが経営するマネジメントスクールで、講師による講義だけではなく、受講者同士で高め合うグループワークや、五感で学ぶゲームなど、学びの効果を最大化させる工夫を取り入れた独自のプログラムが人気です。

また、職場での実際の課題を題材にして学ぶ研修や、実践の手引きとなる副読本の提供など、主体的に学べる工夫を取り入れています。

(参考)社員研修・社員教育のリクルートマネジメントスクール | 3時間から3日間の公開型研修

管理職研修の企業事例

管理職研修を実施している企業の事例について確認してみましょう。

ソフトバンクアカデミア(ソフトバンクグループ株式会社)

「ソフトバンクアカデミア」は、ソフトバンクグループの創業者で取締役である孫正義氏が校長となり、後継者を育成し、発掘しています。

さまざまなプログラムを通じ、約300名の従業員が切磋琢磨しており、特に日本でも有数の経営者である孫氏直伝の経営学は、ソフトバンクの従業員でなくても参加したいコンテンツです。

(参考)ソフトバンクアカデミア

コカ・コーラ ユニバーシティ ジャパン(CCUJ)(コカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社)

コカ・コーラ ボトラーズジャパンでは、「これまでの方法を率先垂範するマネージャー」ではなく、「変革を推進するリーダー」の育成を目的に、選抜型変革リーダーの育成プログラム「コカ・コーラ ユニバーシティ ジャパン(CCUJ)」を実施しています。

研修では、各部門より選定された人財を、部長、課長、現場リーダーの3つのレベルに分け、約10ヵ月の期間をかけ育成をしています。

研修は、あえて「失敗して良い場」として、新たなやり方やアイディアを試すことを推奨しています。

(参考)次世代リーダー育成プログラム「コカ・コーラ ユニバーシティ ジャパン(CCUJ)」を設立

サントリー大学(サントリーホールディングス株式会社)

サントリーでは、2015年4月から、人材育成制度として「サントリー大学」を実施しています。

サントリー大学の「リーダーシップ開発」プログラムでは社長や役員に対してプレゼンテーションを行なう場もあり、経営層が将来の経営幹部候補と直接対話できる機会となっています。

また、2019年からはハーバード大学と提携したサントリーオリジナルプログラムを開始し、グローバルな視点で管理職を育成しています。

実際にハーバード大学で行われる集合研修では、グローバルマインドセットやビジネストレンドなどの研修が行われます。

(参考)次世代リーダー育成プログラム「コカ・コーラ ユニバーシティ ジャパン(CCUJ)」を設立

▼「プレゼンテーション」についてさらに詳しく
プレゼンテーションとは?意味や作り方と話し方のコツや緊張しない方法を解説

管理職研修は各管理職に合わせたカリキュラムの実施が必要

管理職研修とは、管理職やリーダー候補者などを対象に実施される研修や教育プログラムを指します。

管理職研修では、組織の運営や人材育成、目標達成などを担う役割である管理職に必要な、リーダーシップ、コミュニケーションスキル、マネジメントスキル、といったスキルや知識を、研修を通して習得します。

また、法改正に伴う研修や、ハラスメントに関する研修なども必須となっています。

さらに管理職の中でも、新任管理職、中間管理職、上位管理職など、複数の階層に分かれ、管理職ひとりひとりが持つスキルや能力も違います。

そして、変化の激しい現代では、管理職に求めるスキルや能力も常に変化していきます。

管理職研修のカリキュラムは、自社が求める管理職を洗い出したうえで、管理職ひとりひとりに足りないスキルや身に付けるべきスキルに合わせて設計する必要があります。

「HRBrain タレントマネジメント」は、従業員ひとりひとりのスキルや評価を一元管理し、管理職研修などの研修の設計や実施をサポートします。

さらに、従業員のスキルマップや、これまでの実務経験、育成履歴、異動経験、人事評価などの従業員データの管理と合わせて、OKRなどの目標管理、1on1やフィードバックなどの面談履歴などの一元管理も可能です。

HRBrain タレントマネジメントの特徴

  • 検索性と実用性の高い「データベース構築」を実現

運用途中で項目の見直しが発生しても柔軟に対応できるので安心です。

  • 柔軟な権限設定で最適な人材情報管理を

従業員、上司、管理者それぞれで項目単位の権限設定が可能なので、大切な情報を、最適な状態で管理できます。

  • 人材データの見える化も柔軟で簡単に

データベースの自由度の高さや、データの見える化をより簡単に、ダッシュボードの作成も実務運用を想定しています。

▼「タレントマネジメントシステム」についてさらに詳しく
【完全版】タレントマネジメントとは?基本・実践、導入方法まで解説
タレントマネジメントシステムの課題とは? 目的・導入の課題と成功事例まで

▼「タレントマネジメント」お役立ち資料まとめ
【人事担当者必見】タレントマネジメントに関するお役立ち資料まとめ

株式会社HRBrain 中西諒
中西 諒
  • 株式会社HRBrain コンサルティング事業部 組織・⼈事コンサルタント

大学卒業後、組織・人事コンサルタントとして、研修設計/納品、アセスメント設計/納品等、商材開発から納品フロントまで一気通貫でプロジェクトを担当。
各社の評価制度に合わせた評価者研修の設計も担当しており、これまでの支援実績は200社以上。

現在は、HRBrainコンサルティング事業部で組織・人事コンサルタントとして活躍中。人事評価制度設計のコンサルティングに加え、評価者研修/1on1研修/フィードバック研修/キャリアマネジメント研修等、企業の課題に合わせた様々な研修の設計/納品を担っている。

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