リーダー育成とは?候補者が育たない理由をもとに育成方法について解説
- リーダー育成で求められるリーダーとは
- リーダー育成がうまくいかない理由
- 即戦力であるリーダー候補を現場から離せない
- リーダー育成の体制が整っていない
- リーダーを抜擢する基準が曖昧である
- リーダー育成の効果が分かりづらい
- 従業員がリーダーになりたくない理由
- リーダーになると責任が重くなる
- リーダーになっても収入が増えない
- 仕事よりもプライベートの充実を望んでいる
- リーダー育成として会社が行うべき取り組み
- リーダーに求める行動の決定
- リーダーの選抜基準の明確化と人事制度への反映
- リーダーになることのメリットの説明
- リーダー育成の方法
- 1on1ミーティングの実施
- リーダー育成のための研修の実施
- リーダー育成のPDCAを回す
- リーダー育成は「人事評価との連動」が大切
リーダーとは、定めた目的を達するために、複数の人間を導く人材のことを指し、リーダーになる人材を育成することをリーダー育成と言いますが、リーダー育成にはさまざまな課題があります。
この記事では、リーダー育成で求められるリーダーとは、リーダー育成がうまくいかない理由、従業員がリーダーになりたくない理由、リーダー育成として会社が行うべき取り組み、リーダー育成の方法について解説します。
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リーダー育成で求められるリーダーとは
リーダーとは、定めた目的を達するために、複数の人間を導く人材のことを指します。
ピラミッド型の組織においては、経営者の下に、各部署を牽引する優秀なリーダーがそれぞれ配置されることが理想的であると言えます。
ですが、不確実性の高いこれからの社会では、変化に柔軟に対応でき、目標に対して周囲の人を巻き込み「一緒に頑張ろう」と前進するリーダーが求められています。
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リーダー育成がうまくいかない理由
リーダー育成がうまくいかない主な理由と背景について確認してみましょう。
リーダー育成がうまくいかない理由
即戦力であるリーダー候補を現場から離せない
リーダー育成の体制が整っていない
リーダーを抜擢する基準が曖昧である
リーダー育成の効果が分かりづらい
即戦力であるリーダー候補を現場から離せない
リーダー育成がうまくいかない理由として、「即戦力であるリーダー候補を現場から離せない」ことがあげられます。
リーダーとなる人材は、戦力として会社の売上に貢献しているため、規模が小さな会社ほど売上の減少を恐れて、「リーダー育成のための時間が確保できない」といった状況に陥りがちです。
リーダーの育成は、短期間で集中的に行えるようなものではありません。
リーダーシップの取り方や、マネジメントの視点、経営知識も含め、身に付けなければならないことは多岐に渡ります。
短期的な売上の落ち込みを恐れて、戦力であるリーダー候補を現場から離せない、また、その代わりとなる人材が育っていない、といった状況が多いと言えます。
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リーダー育成の体制が整っていない
リーダー育成がうまくいかない理由として、「リーダー育成の体制が整っていない」ことがあげられます。
小さな会社ほど、リーダーの育成についてのノウハウがなく、社内の教育体制が整っていないことがあります。
リーダーをどのように育成すれば良いのか、それにかかる時間やコストなど、経営資源に余裕のない企業では、育成の体制を整えることが難しくなってしまいます。
リーダーを抜擢する基準が曖昧である
リーダー育成がうまくいかない理由として、「リーダーを抜擢する基準が曖昧である」ことがあげられます。
会社の人事評価制度が定まっていない場合、「どのような基準で育成すべきリーダーを選べば良いのかわからない」といった事態に陥りがちです。
まずは、会社のビジョンや方向性を明確にすることが先決です。
ビジョンを明確にしたら、ビジョンを軸として、従業員に「どのような行動が求められるのか」を考えることで、自社のリーダーにふさわしい人材が明らかになります。
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リーダー育成の効果が分かりづらい
リーダー育成がうまくいかない理由として、「リーダー育成の効果が分かりづらい」ことがあげられます。
また、リーダー育成のためのカリキュラムを組んだとしても、実践する機会に恵まれなければ、知識はすぐに風化していってしまいます。
リーダー育成は、一朝一夕にできるものではありません。
リーダーとなるべき知識を得て、実践するだけでなく、周囲からの定期的なフィードバックが必要となります。
従業員も、成長実感を覚える機会がなければ「このリーダー育成に意味があるのか」と懐疑的になってしまいます。
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従業員がリーダーになりたくない理由
会社側がリーダー育成を行いたいと思っていても、従業員側の立場から見ると、リーダー育成以前に「そもそもリーダーになりたくない」と思ってしまうことも多いようです。
従業員がリーダーになりたくないと思ってしまう理由について確認してみましょう。
従業員がリーダーになりたくない理由
リーダーになると責任が重くなる
リーダーになっても収入が増えない
仕事よりもプライベートの充実を望んでいる
リーダーになると責任が重くなる
従業員がリーダーになりたくない理由として、「リーダーになると責任が重くなる」ことがあげられます。
リーダーになると、どうしても周囲の人を取りまとめたり、自分の発言に責任を持つ必要が出てきたりと、以前と比べて責任が重くなります。
そのことを「やりがいがある」ではなく「負担が増えた」と捉えてしまう場合があり、若手従業員から「出世したくない」といった声が出るようになっています。
環境が変わることへの恐怖、責任が重くなることへの心理的な負担から、リーダーを忌避する動きがあります。
リーダーになっても収入が増えない
従業員がリーダーになりたくない理由として、「リーダーになっても収入が増えない」ことがあげられます。
会社にもよりますが、リーダーとしての業務的、心理的な負担に対して、「報酬が見合わない」と従業員が思う場合もあります。
報酬が見合わない場合、リーダーになることに対しての、従業員のモチベーションを上げることはできません。
会社の評価体制が変わるだけでなく、新しく任せられた仕事に対して、従業員が「やりがい」を覚えるようにならなければ、リーダーになることに対して不満に思う気持ちは消えないでしょう。
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仕事よりもプライベートの充実を望んでいる
従業員がリーダーになりたくない理由として、「仕事よりもプライベートの充実を望んでいる」ことがあげられます。
がむしゃらに働くよりも、ワークライフバランスを取って、プライベートを充実させたいという風潮が大きくなっています。
リーダーになった場合、報告を取りまとめたり、部下の働き方に気を配ったりと、業務量が大きく増えることが予想されます。
「プライベートを充実させたい」と思って入社したにも関わらず、リーダーに抜擢され、業務量が増えてしまい、プライベートに影響が出た場合、従業員のモチベーションは著しく下がってしまいます。
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リーダー育成として会社が行うべき取り組み
リーダー育成として会社が行うべき取り組みについて確認してみましょう。
リーダー育成に対して、会社と従業員の間に大きな認識の乖離や、困難さを抱えている状況で、双方がリーダー育成に積極的に取り組んでいくためには、会社側からの働きかけが大切です。
リーダー育成として会社が行うべき取り組み
リーダーに求める行動の決定
リーダーの選抜基準の明確化と人事制度への反映
リーダーになることのメリットの説明
リーダーに求める行動の決定
リーダー育成として会社が行うべき取り組みとして、「リーダーに求める行動の決定」があげられます。
リーダーは、会社の将来を担う大切な人材です。
リーダーになりたがる人がいないからといって、リーダー候補の基準を引き下げることは本末転倒で、会社の衰退を招く要因にもなってしまいます。
まず、会社がビジョンやパーパスを明確に定め、ビジョンを実現するためには「リーダーにどのような行動を求めるべきなのか」を徹底して考えるようにしましょう。
リーダーの選抜基準の明確化と人事制度への反映
リーダー育成として会社が行うべき取り組みとして、「リーダーの選抜基準の明確化と人事制度への反映」があげられます。
会社が求める「行動」のできる人材を、リーダーとして抜擢します。
また、リーダーのモチベーションを上げるためには、正当な評価をする必要があります。
人事評価制度の中に、「リーダーとしてどのような行動を重視するのか」という点を盛り込み、実践できるリーダーに高評価を与える「仕組み」を作りましょう。
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リーダーになることのメリットの説明
リーダー育成として会社が行うべき取り組みとして、「リーダーになることのメリットの説明」があげられます。
リーダー候補と会社との相互理解のためにも、リーダー育成に入る前に「リーダーになることで、どのようなメリットがあるのか」を説明する機会を設けることが重要です。
会社としての都合を押し付けるのではなく、「リーダーになったら、こんなことが実現できる」と、候補者のモチベーションを上げる施策を行いましょう。
リーダー育成の方法
リーダー育成についての環境を会社が整え、リーダー候補にメリットを説明することで、両者の間に横たわっていた溝は解消できるはずです。
また、リーダーに求める行動を明確化することで、曖昧だったリーダーの採用基準が明らかになり、リーダーの基準をクリアした人材は、全員リーダー候補となります。
では、リーダー育成の方法について確認してみましょう。
リーダー育成の方法
- 1on1ミーティングの実施
- リーダー育成のための研修の実施
- リーダー育成のPDCAを回す
1on1ミーティングの実施
リーダー育成の方法として、「1on1ミーティングの実施」があげられます。
自分が「成長している」という実感を得るためには、周囲からの客観的なフィードバックが欠かせないため、1on1ミーティングは、リーダー候補に限らず、全従業員に必要な取り組みだと言えますが、リーダー候補についても、1on1ミーティングを繰り返すことで前向きな変化が訪れるでしょう。
また、1on1ミーティングを継続することで「自分のことをわかってくれている」「この上司なら受け止めてもらえる」といった心理的安全性を感じるようになります。
また、上司に困りごとを相談し、手助けしてもらえると、「サポートされている」という安心感を得ることもできます。
さらに、リーダーになることで「大きな環境の変化があるのではないか」と不安に思う気持ちを、吐露する機会にもなるでしょう。
1on1ミーティングで対話を繰り返すことによって、リーダーになることに対してポジティブな気持ちを抱くようになるでしょう。
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リーダー育成のための研修の実施
リーダー育成の方法として、「リーダー育成のための研修の実施」があげられます。
リーダー育成のためには、「リーダーとはなにか」を学ぶための研修が必要です。
自社内にノウハウがない場合は、外部に研修を頼むという方法もあります。
また、リーダーについて理解を深めることは、「知らないから怖い」といったリーダー候補の状況を打破することにつながります。
リーダーにもさまざまなタイプが存在していて、リーダーシップの取り方には主に6つの型があり、「周囲を巻き込んでいく」といっても、さまざまなタイプがあることが分かります。
リーダーシップのタイプを知ることで「このタイプだったら自分にもできるかもしれない」と、自己効力感が高まり不安が軽減されます。
同時に、リーダーになるために鍛えなければならないスキルについても把握することができ、日々の仕事でも実践できるようになります。
リーダーシップの6つのタイプ
ビジョン型
コーチ型
関係重視型
民主型
ペースセッター型
強制型
リーダーシップに求められる8つのスキル
仕事を明確にするスキル
計画するスキル
統率するスキル
支援するスキル
信念を伝播するスキル
行動するスキル
コミュニケーションスキル
決断するスキル
▼「スキル」についてさらに詳しく
スキル管理とは?目的や方法とスキルマップについて解説
▼「心理的安全性」についてさらに詳しく
心理的安全性とは?高い職場の作り方と取り組み事例をわかりやすく解説
▼「研修」についてさらに詳しく
研修とは?受ける意味やビジネスで実施される研修を一覧で解説
社員研修とは?内容やプログラム例、おすすめサービスを解説
リーダー育成のPDCAを回す
リーダー育成の方法として、「リーダー育成のPDCAを回す」ことがあげられます。
リーダー育成のために1on1ミーティングを行い、研修を行ったとしても、実践し改善する仕組みがなければ、短期的な施策で終わってしまいます。
上司は、リーダー候補が研修で学んだ内容を把握し、知識を実践できる場を提供し、実践の場でトレーニングを繰り返し、学んだ内容が活かせているかどうかを確認します。
そして、「評価」ではなく「フィードバック」として1on1ミーティングで伝えることで、リーダー候補は「何が足りなかったのか」「次回からどうすれば良いのか」を理解します。
「自分をよく見ていてくれて、かつ客観的な評価を伝えてくれる」という環境であれば、リーダー候補のエンゲージメントは向上するでしょう。
▼「PDCAサイクル」についてさらに詳しく
PDCAサイクルとは?基本のやり方と時代遅れと言われる理由を解説
▼「エンゲージメント」についてさらに詳しく
エンゲージメントとは?意味や従業員満足度との違いやメリットと高める方法について解説
エンゲージメント施策のポイントについて解説
⇒「従業員エンゲージメントを高める重要なポイント」資料ダウンロード
リーダー育成は「人事評価との連動」が大切
リーダーとは、定めた目的を達するために、複数の人間を導く人材のことを指し、リーダーになる人材を育成することをリーダー育成と言いますが、リーダー育成にはさまざまな課題があります。
まずは、「リーダーの選定方法が曖昧」な会社側の問題と、「そもそもリーダーになりたくない」リーダー候補者との乖離を埋め、リーダー育成を進める必要があります。
さらに、リーダーシップを発揮するために欠かせないのが、透明性のある人事評価です。
会社側が「人事評価制度を見直す」など、リーダーになることに対して前向きになれるような、体制づくりが大切です。
また、リーダー育成には、上司との細やかな1on1や、研修の実施が必要です。
特に、研修で学んだことを実践できる場を意識的に提供し、その内容をフィードバックするよう心掛け、「人事評価との連動」で従業員のモチベーションアップにつなげることが大切です。
「HRBrain タレントマネジメント」は、リーダー候補の選出から、リーダー育成の研修記録、1on1などのコミュニケーション施策の実施、評価の透明性を高め納得感の高い評価制度の実施を実現し、リーダー育成を推進します。
さらに、従業員のスキルマップや、これまでの実務経験、育成履歴、異動経験、人事評価などの従業員データの管理と合わせて、OKRなどの目標管理、1on1やフィードバックなどの面談履歴などの一元管理も可能です。
HRBrain タレントマネジメントの特徴
検索性と実用性の高い「データベース構築」を実現
運用途中で項目の見直しが発生しても柔軟に対応できるので安心です。
柔軟な権限設定で最適な人材情報管理を
従業員、上司、管理者それぞれで項目単位の権限設定が可能なので、大切な情報を、最適な状態で管理できます。
人材データの見える化も柔軟で簡単に
データベースの自由度の高さや、データの見える化をより簡単に、ダッシュボードの作成も実務運用を想定しています。
▼「タレントマネジメントシステム」についてさらに詳しく
【完全版】タレントマネジメントとは?基本・実践、導入方法まで解説
タレントマネジメントシステムの課題とは? 目的・導入の課題と成功事例まで
▼「タレントマネジメント」お役立ち資料まとめ
【人事担当者必見】タレントマネジメントに関するお役立ち資料まとめ