e-ラーニングを導入し人材育成!導入方法やメリットについて解説
- e-ラーニングとは
- 特徴
- 誕生の背景
- 近年の傾向
- リモートワークの普及におけるe-ラーニング
- e-ラーニングには何が必要?
- 教材
- 学習管理システム
- SCORM(スコーム)
- e-ラーニングを導入する流れ
- 目標・成果の定義
- 必要なコンテンツをピックアップ
- e-ラーニングに関わる人材の選出・選定
- e-ラーニングシステムの選定
- 学習教材の作成
- eラーニングシステムを導入
- 導入後の分析・改善
- 導入に関する注意点は?
- 受講者への丸投げはしない
- 過度な期待を持たない
- 育成と混同させない
- e-ラーニングを導入するメリット
- 研修コストを削減できる
- 教材の更新・転用が容易になる
- 受講者に合わせたプログラムを構築できる
- 成績・履歴を管理しやすい
- 平等な学習機会を提供できる
- e-ラーニングのデメリット
- 作成に時間がかかる
- 受講者の主体性に左右される
- ITリテラシーがないと機能しない
- まとめ
新型コロナウイルス感染症が流行している昨今、感染予防の観点から集合教育を行うことが困難となりました。しかし、企業が成長するために人材育成は必要不可欠です。
そこで、集合教育に変わる新たな人材教育のツールとしてe-ラーニングを導入する教育機関・企業が増加しました。
また昨今、多くの企業でリモートワークが推進されています。そのため、時間や場所を選ばずに学習できるe-ラーニングの需要は高まり続けているといえるでしょう。従来の集合教育と比較して、費用や手間を削減できることも注目を集める要因です。
今回は、e-ラーニングの導入を検討されている方に向けて、特徴や導入の流れ・メリットについて近年の傾向を併せて解説します。
また、自社でe-ラーニングのコンテンツ作成を検討されている企業の方は、HRBrainで提供しているこちらをぜひ参考にしてください。
e-ラーニングとは
パソコンなどの電子機器を使用して行う教育・学習をe-ラーニングといいます。
教育機関で学習を支援するツールとして使用されており、従業員のスキルアップや企業研修などさまざまな場面でも活用されています。
e-ラーニングがなぜ注目を集めることになったのか、特徴や最近の傾向について詳しく解説します。
特徴
学習内容の進捗管理・統一が行えることがe-ラーニングの特徴です。
学習者の効果を最大限に引き出し、学習内容を管理する労力を大幅に削減する特徴があります。また、e-ラーニングには、自分のペースで学習できるというメリットもあります。自分の理解度に合わせて学習を進められるのも学習側のメリットです。
誕生の背景
従来の教育は、集合教育が主流でした。集合教育は受講者と講師をを同じ場所、時間に集める必要があります。そのため、時間や費用がかかり「電子機器を使用して学習ができないか」と世界中で議論されました。このことをきっかけに、e-ラーニングが誕生しました。
2000年ごろからインターネットが広く普及し、教材の提供・視聴が容易になり、時間や場所を選ばずに学習することが可能になりました。また、メール・チャットを用いて講師とやりとりできるようになったことも大きな変革といえるでしょう。その後、教育現場や企業で取り入れられるようになり、e-ラーニングは新たな学習ツールとして確立したといえます。
近年の傾向
近年では、スマートフォンやタブレット端末の登場やインターネット技術の向上によりe-ラーニングは急速に進化しました。趣味や資格取得など、e-ラーニングで学習できる内容も多岐にわたります。ここでは、企業が行う研修としてe-ラーニングを活用する場合について、教材の観点も含めながら詳しくお伝えします。
企業では、新人教育やスキルアップを目的とした学習で活用するケースが大多数を占めます。講義形式の教材だけではなく、実際の場面を見せながらポイントを説明するなど、教材の内容も充実しています。そのため、学んだ内容を現場で実践することで学習を深めることが可能になりました。知識だけではなく技術を取得し、かつ現場で活用できることがe-ラーニング普及の要因となっているでしょう。
リモートワークの普及におけるe-ラーニング
e-ラーニングは、2020年度の市場規模が前年度と比較し22.4%増であると言われています。
新型コロナウイルス感染症の流行により集合教育が難しくなったことや、テレワークの推進が国から推進されたことで、より一層需要を高めたといえるでしょう。
コロナ禍において、教育内容の見直しに取り組んだ企業は多く、企業から学習ツールについて昨年度の倍以上問い合わせがあったとする提供会社もあります。集合教育からe-ラーニングに研修が置き換わったといっても過言ではありません。
e-ラーニングには何が必要?
導入のために準備するものは何が必要でしょうか。3つのポイントについて解説します。
教材
近年では、さまざまな学習教材が用意されています。
e-ラーニングを導入する際は、配信サービスや教材の作成代行サービスを利用しましょう。リソースがあれば自社で作成するのもおすすめです。
学習管理システム
e-ラーニングを提供するためには、学習管理システム(LMS)が必要になります。LMSには主に4つの機能があります。
受講者機能
管理機能(学習の進捗状況)
指導機能
教材管理機能
この4つの機能により、大幅なコスト削減やさまざまな管理が容易になりました。
研修担当者は、受講者の管理や課題設定・学習履歴をインターネット上で簡単に管理できるメリットがあります。また、従業員の学習履歴から企業に必要な研修内容を検討するツールです。
受講者は、時間や場所に制限を受けずに最新の教材で学習できることや、学習した到達度を可視化できることなどで満足度を高められるでしょう。
講師は、手間をかけずに教材の修正が可能になり、アップロードした動画講義を蓄積できるため同じ内容を繰り返し説明する必要がなく負担軽減につながります。
このように学習管理システムを導入することで手間・時間を大幅に削減し効果を得られます。
SCORM(スコーム)
SCORMは学習管理システムと教材の総合運用性を高める世界標準規格です。
CDを使った音楽再生で例えるとします。再生機器とメディアが同一規格であれば音楽を再生できます。異なる規格の場合は再生できません。e-ラーニングも同様で、同じ規格のものでなければ互換性がないため、再生できなくなるでしょう。
e-ラーニングを導入する流れ
ここでは、e-ラーニングを導入するにあたってどのような準備が必要か解説していきます。
目標・成果の定義
e-ラーニングを導入するうえでは、どんな成果を得たいか、e-ラーニングの受講によりどのようなスキルを身に付けさせたいかを考えましょう。
そのうえで、以下の5つの内容を明確にする必要があります。
いつ
どこで
なにを
誰が
なんのために
この5つを満たすためのカリキュラムを検討するとよいでしょう。また、導入にあたって参加費用はどの程度にするか、受講対象者は何人ぐらいかも合わせて検討しましょう。
ここまで明確にしてから、次に従業員にどのような成長をしてほしいかの目標を決めます。
ビジネススキルの向上や知識の向上など具体的な目標を設定しましょう。
そして学習計画を立案します。受講者の学習意欲を向上させるような内容や主体的に取り組めるような計画を立てるようにしましょう。
必要なコンテンツをピックアップ
実際に必要なコンテンツを抽出しましょう。
ハードウェア:学習管理システムを動かし、データを保管するサーバ・ネット回線・受講者が学習に使用する端末
ソフトウェア:学習管理システムや学習教材などコスト:製作費・維持費など
e-ラーニングに関わる人材の選出・選定
e-ラーニングの導入には進捗管理者やシステム管理者、講師の配置が必要です。必要に応じてベンダーの活用や特定分野における高度な知識を有する外部講師を招く場合もあります。
e-ラーニングシステムの選定
e-ラーニングを導入する際は、クラウド型とイントラネット型のどちらかを選択しましょう。
昨今では、サービス提供会社と契約することで時間をかけず、費用を抑えて導入できるクラウド型を活用する企業が増えています。
イントラネット型は自社で管理ができるため、高いセキュリティ性を実現できるのがメリットです。
目標とすり合わせて機能・費用から自社に適したものを選ぶとよいでしょう。使用感を確かめるために無料トライアルサービスを活用するのも手です。
学習教材の作成
受講者の興味を引きつける教材を作成することで主体的な学習を促すことができます。
教材を用意するポイントは下記のとおりです。
コンテンツの時間を意識する
隙間時間で学習できるよう短時間で学べるコンテンツを作成するのがトレンドです。
PC用では1コンテンツ10分以内となるようにしましょう。携帯端末では1分程度に抑えると効果的です。
意欲的に学べる構成を検討する
講師の一方的な講義にならないようアニメーションや音声を入れるなど視聴意欲を掻き立てる構成を考えましょう。
映像を活用する
クレーム対応などのシチュエーションについて映像を用いることにより、現場で活用しやすくなります。
eラーニングシステムを導入
e-ラーニング単体で運用するだけではなく、OJTなどの実践と合わせることが大切です。学んだ内容を現場で活用しフィードバックすることで、学習効果を高めることにつながります。
e-ラーニングは時間や場所を選ばずに受講者のペースで学びを深めることが利点です。
集合教育と異なり、他の受講者と学びを共有することはできません。受講者が主体的に学習を継続できるような環境を整える必要があるでしょう。
学習結果を可視化することや、成長を実感できるようなシステムを構築すると受講者のモチベーションが高まります。
導入後の分析・改善
システム導入後は、結果や改善点・導入による成果などを評価しましょう。
導入したシステムが受講者のモチベーション向上や、受講者のニーズに適したものかを判断することも重要です。どのような人材にどのように成長してほしいかを意識しましょう。また、到達目標に学習目標が適しているかなどを定期的に検討することも大切です。
導入に関する注意点は?
e-ラーニングは、導入したからといってうまく活用できるとは限りません。
従業員が活用しなければ効果は得られません。ここからは導入後の注意点について説明します。
受講者への丸投げはしない
研修日が設定されている集合教育とは異なり、e-ラーニングは受講者が自分で視聴しなければなりません。導入したと伝えただけでは学習につながらないのです。
受講者の興味を引かなければ受講しない人や、期限ぎりぎりに視聴する人もいるでしょう。一夜漬けでは知識は定着しません。定期的に学習し、実践につなげることで知識・技術は向上するのです。
過度な期待を持たない
受講者がe-ラーニングの必要性や有用性を理解しなければ主体的に学習に取り組めません。
また、e-ラーニングを受講するだけですぐに使えるスキルが身につくわけではありません。e-ラーニングに過度な期待は持たずに実践につなげるツールと捉え、従業員の自律性を高めることを忘れないようにしましょう。
育成と混同させない
e-ラーニング導入のメリットは企業が求める人材を育成することです。学習しただけでは知識は身につきますが、実践で使えるスキルの取得にはつながりません。学習から実践につなげ、実践後に振り返ることで受講者の学習を深めるようにしましょう。振り返りのなかで足りない知識を得るためにe-ラーニングで学習するサイクルができることが理想です。
e-ラーニングを導入するメリット
ここからは導入するメリットについて解説します。
メリットを理解し、適切な効果が得られるようにしましょう。
研修コストを削減できる
e-ラーニングでは、研修コストを削減できます。
集合教育を実施しない場合は、会場費用や会場までの交通費、宿泊費が発生します。
また、配布する講義資料の作成費用や、同じ内容の研修を複数回実施する場合は、講師の人件費などが負担となります。
e-ラーニングであれば、会場費用・資料に関する配布費用は発生しません。また、同じ講義を行う場合は、過去に行った講義を動画講義などとして再利用できるため、社外から講師を呼ぶ費用も抑えられるメリットがあります。
教材の更新・転用が容易になる
技術の進歩や新たなエビデンスの発見など、講義内容は常にアップデートする必要があります。e-ラーニングでは容易に教材を修正・転用することが可能です。
受講者が常に最新の情報を学べるように定期的に見直し・修正を行いましょう。
受講者に合わせたプログラムを構築できる
集合教育と異なり、受講者に合わせた学習プログラムを作成できることも利点になります。
新人と中途採用者、ジェネラリストとスペシャリストなど所属する従業員に合わせて必要なコンテンツを組み合わせるようにしましょう。
成績・履歴を管理しやすい
集合教育では、受講者の学習履歴やテストの成績を管理することは困難です。
e-ラーニングを導入するとデータ管理が可能となり、管理者が一元管理できます。
成績や学習履歴から従業員の適性を見極めるツールとなり、人事業務に活用できるでしょう。
平等な学習機会を提供できる
従業員全員に学習する場が与えられることで従業員の知識・技術が向上します。
集合教育では従業員全員が同時に参加することは困難です。
また、場所や開催日によって同一の研修が受けられない可能性もあります。。e-ラーニングでは同じ講義を受講者の好きなタイミングで受講できることは大きなメリットといえるでしょう。
e-ラーニングのデメリット
ここまでメリットについて説明してきましたが、導入にあたってどのようなデメリットが存在するのでしょうか。
注意すべき3点について解説するので、導入を検討している方は参考にしてください。
作成に時間がかかる
コンテンツを自社で作ることを検討している企業は作成に時間を要します。
学習することによる受講者の到達目標や内容・資料作成・アップロードなど手間もかかります。自社でe-ラーニングのコンテンツ作成を検討されている企業の方は、HRBrainで提供しているeラーニングによる最新人材開発手法・コンテンツ制作について解説した記事をぜひ、参考にしてください。
受講者の主体性に左右される
集合教育では企業から場所・時間・受講者などにある程度の強制力があります。しかし、e-ラーニングでは、学習に対する自由度が高いため主体性が求められます。
場所・時間を選ばずに学習できることがメリットですが、受講者が学習しようとする意欲がなければe-ラーニングを活用する機会は訪れません。
受講意欲を向上させるような仕組みを企業側が用意しましょう。
ITリテラシーがないと機能しない
ITリテラシーとは、情報技術に関する理解や対応力を指します。
「情報を活用する力」「操作する力」「セキュリティ・ネットワークを理解する力」の3つを含みます。
使用しにくいシステムを選択してしまうと受講者も混乱します。企業でe-ラーニングを導入する場合は、PCやスマートフォンでの学習を前提にすることが多いでしょう。そのため、複雑な操作が不要なものを選ぶ必要があります。一方で、PCやスマートフォンを使用しない人が対象になることもあります。その場合は、簡単なUIであるとアピールしているものを選択しましょう。
まとめ
今回は、e-ラーニングについて特徴や導入方法・メリット・デメリットについて解説しました。
e-ラーニングはさまざまなコンテンツを利用してビジネススキルだけではなく専門性の高い知識を獲得できます。知識だけではなく、VRを用いて体験学習をすることや、AIを用いて特定の場面のシミュレーションを行えるため学習効果は高いことが特徴です。
また、人材育成にかかる費用や手間を大幅に削減でき、場所・時間を選ばずに学習する機会を与えられるため、リモートワークが推進される昨今に適したツールであるといえるでしょう。
withコロナの時代にあった人材育成が行えるよう今回の記事を参考にして組織に適した人材を育んでみてはいかがでしょう。
また、自社でe-ラーニングのコンテンツ作成を検討されている企業の方は、HRBrainで提供しているこちらの記事もぜひ参照してください。
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