#人材育成
2024/08/20

営業の仕事内容は?業種別の仕事内容の違いから必要なスキルを解説

目次

営業の仕事とは?

「営業」の仕事とは、自社の商品・サービス・情報などを利益をもたらすために売り込むことです。さらに「顧客・取引先」と「自社」の橋渡しとなり、売れる商品のための情報収集をするという重要な役割もあります。

会社の顔となり、利益を出すための会社の重要なポジションである「営業の仕事」について解説していきます。

営業の仕事内容は?

営業の仕事は「営業の方法」によって仕事内容に違いがあります。また業種によっても異なってきます。どのような仕事内容があるのか見ていきましょう。

まずは「営業の方法」による仕事内容の違いを見ていきます。

既存営業

業種:IT企業・ライフライン(ガス・水道・電気)・デパート外商など

定期的に継続して売り上げをもたらしてくれる固定の「お得意さま」を担当する営業のことです。
主な仕事内容は以下のようなものがあります。

■定期的なフォロー(アフターフォロー)
購入して頂いたものに不便な点がないか、新しく欲しい商品などがないか意見を聞きます。また購入後のお礼の電話や礼状の発送などをします。

■予算組み・利益アップ
継続しているお得意さまなので予算が立てやすいが、決まった商品になりがちなので売上をのばすための対策を練ります。

■お得意さまとの信頼関係
継続して担当するのでお得意さまとの信頼関係を築きます。例えば「お誕生日」・「お祝い事」の際、手紙やプレゼントなどを用意します。そしてコミュニケーションを取るために特技や趣味の情報収集に努めます。

■新商品への反映
お得意さまから意見を聞き、自社の企画や生産にフィードバックし反映させます。

■自社商品の提案
お得意さまだからこそ分かる「必要とされる商品」を提案します。

新規客開拓のための訪問営業

業界:小売り・教材販売・健康食品販売など

新しいお客様へ訪問して自社の商品を売り込む営業のことです。
主な仕事内容は以下のようなものがあります。

■商品の説明
購買意欲を引き出すための商品の説明・支払い方法・価格設定などをします。そのための知識と話術のスキルを磨きます。また商品の良さが上手く相手に伝わるよう、パンフレットや写真などを準備します。

■予算組みと売上達成
会社全体の予算や商品の数量に応じて売上予算を立て、売上達成のための対策を練ります。

■調査
事前に商品のコンセプトにあったお客さまを探します。むやみに飛び込むのではなく、購買意欲を引き出せそうなお客さまか判断するために調査を行います。

■訪問営業
実際に新規お客さまの所へ訪問し、購入意欲を引き出し販売します。

電話営業

業界:小売り・教材・健康食品・テレビショッピングなど

お客様に直接会わずに、電話で商品説明などをして購入してもらう営業のことです。
インターネットの普及により減ってきた仕事ではありますが、客層はパソコンが使えない高齢者が多いのが特徴です。
主な仕事内容は以下のものがあります。

■アウトバンドコール
ほとんどの電話営業はコールセンターによって対応します。

■テレアポ
見込み客を調査し電話をかけ商品を売り込みます。ここでは初めの印象や警戒されない説明など、テクニックや知識が大事になります。

■お得意さまへの電話営業
お得意さまへ新しい商品の紹介を電話で行います。お客さまのニーズに合っている商品の見極め、購買意欲を引き出す話術が必要になります。

取引先などへ商品を売り込むプレゼンテーション中心の営業

業界:建設業・IT企業・医療機器・価格の高い大きな取引など

自社の製品・企画をプレゼンテーションを行い競合他社に負けないよう売込み購入してもらう営業のことです。
主な仕事内容は以下のようなものがあります。

■商品の知識
商品に対する知識を充分に備えるためにスキルを磨きます。また質問されたことに即座に答えられるように、もしくは即座に調べて答えられるように準備します。

■商品見積もり
類似品・他社との比較など調査のうえ、競合と同等になるような見積もりを作成します。

■プレゼンテーションの準備
プレゼンテーション用の資料作成をします。(パワーポイントなど)プレゼンテーションの際は以下の点に気を付けます。

  • 好印象な態度や話し方

  • 相手の顔や様子を確認しながら進める

  • 購買意欲の心を動かし惹きつける内容

  • 分かりやすく説得力のある説明

  • 相手の利益を一番に考えた内容

  • 要点のみを説明し短時間にまとめる

  • 最後に販売へと持ち込むまとめ方

  • 納得させられる価格の見積もりを作成し売込む

■プレゼンテーション後のアフターフォロー
プレゼンテーションの結果の確認・価格交渉・商品説明の補充など購入に結びつくまでフォローを続けます。

■購入後のアフターフォロー
購入に対しての、お礼の電話や礼状の発送をします。また購入後のお客様の意見を聞いたり、困ったことがないかアフターフォローをします。

次に業種によって異なる仕事内容について見ていきます。

IT営業

業種:IT企業

自社製品(インターネットシステムやソフト)を販売し、フォローしていく仕事です。IT営業の職種はネットビジネスの市場拡大にともない注目を集めています。またこの業界ではお客さまのことを「クライアント」と呼ぶことが多いです。
主な仕事内容は以下のようなものがあります。

■クライアントの集客
他の業界とは違い「売込みをかける」と言うよりは、ネット上で自社システムの実績公開などをして、集客に努めることが多いです。営業は会社自体の信頼を得てもらうために努めます。

■クライアントの悩み改善
クライアントが困っていることを親身に聞き出し、解決に導くための自社製品の提案をします。「人件費削減のためのシステム」や「業務効率化ツール」の提案をし、売上維持することに努めます。

■製品の見積もり
システムの見積もり・支払方法の提案などをします。

■IT関連の知識を身に着ける
IT関連の新システム開発が目まぐるしい昨今、営業は「製品説明」・「質問に答えるための専門的な知識」・「新しい情報収集」が必要不可欠となります。研修・セミナーに参加するなどしてITスキルを身に着ける事も仕事の一つです。

■アフターフォロー
クライアントに対し、アフターフォローをし自社製品の継続使用を保持します。また業務に対する悩みなどを聞き出し、新たなシステムなどを提案していきます。

ショップ(店舗)や取引先などの担当営業

業界:ファッションメーカー・食品メーカー・卸売業など

メーカーや卸売業などの営業は、特定のショップや取引先の担当をします。
主な仕事内容は以下のものがあります。

■店舗・取引先回り
定期的に店舗・取引先へ足を運ぶ。新しく必要な商品の発注を受けたり、購入した商品に困ったことがないかなどのフォーローをしたりします。

■在庫・生産確認
担当店舗・取引先の売上状況を把握し、社内在庫管理や追加生産管理をします。

■予算組
担当店舗の売上予算を組みます。

■発注伝票や商品発送
発注伝票の作成や商品発送(手持ち納品)などを行います。

■イベント企画
自社に利益をもたらすために、担当店舗などでイベントを開催したり販売の手伝いなどをしたりして、自社商品の売上アップに務めます。

■販売員フォロー
担当店の販売員への商品説明・販促方法の指示などをします。

営業に必要なスキルとは?

このように一言で営業と言っても、営業の仕方や業界によって仕事内容に違いがあることが分かりました。

ここからはどんな業界でも共通して言える「営業に必要なスキル」について見ていきましょう。

営業にとって必要な「スキル」は以下のようなものがあります

コミュニケーションスキル

営業はお客さま・取引先・上司・同僚など「人と人との関わり」がとても多い仕事なので、コミュニケーション能力が必要不可欠です。具体的にどのような能力が大事なのか見ていきましょう。

◎相手に好印象を与える

コミュニケーションを取る際、印象が大事です。見た目や態度が良くないと、仕事に関してもだらしないのでは無いかと相手に不安を抱かせてしまいます。身なりをきちんとし、明るい表情で好印象を持たれるような態度を心掛けるようにします。

◎話術(会話力)

商品説明や商談の多い営業にとって「話術」は非常に重要なスキルです。その中で気を付けることは

  • 話しの内容が分かりやすく楽しいと思われること

  • 信頼されて色々話したい思われること

  • 説得力があること

  • 相手の質問に的を得た答え方ができること

  • 自社の商品を分かりやすく手短に説明・紹介できること

  • 会話中の空気が読めること

  • 相手を不快な気持ちにさせないこと

  • ビジネス会話に繋げられること

◎雑談の使い方

コミュニケーションの中でも円滑に話を進めるために大事なのが「雑談」です。雑談とは、とりとめのない話をすることですが、営業の仕事においてはこの雑談の使い方がとても重要だと言えます。

使い方の例としては

  • 和んだ雰囲気にするために、会話の挿入に使う

  • 「返答に困る」・「間が続かない」などの時、会話のテンポを崩さないために雑談を入れる

  • 会話の雰囲気が悪くなりそうな時などに雑談に切り替える

  • 相互の緊張をほぐすために雑談をする

  • 良好な関係を保つために、仕事とは関係のないプライベートな雑談をする

と言ったように、話術として雑談を使い分ける能力が必要です。

やみくもにダラダラと雑談をするのではなく、相手の情報を聞き出したり、自分の話を興味深く聞いてもらうための手段として「雑談」を用いる能力が必要なのです。

ヒューマンスキル(対人スキル)

ヒューマンスキルには沢山の種類がありますが、ここでは特に営業の仕事に欠かせない内容について見ていきます。

◎ヒアリング

営業にとって必要なのは、情報を集めることです。ただ相手の話を聞いていれば良いというものではありません。ここでのヒアリングとは相手が話しにくい内容なども上手く聞き出す能力のことです。ヒアリング能力を高めるためには以下のようなテクニックが必要です。

  • 相手が話しやすいように話のテンポに合わせて相槌をうつ

  • 共感を示す「なるほど・そうですね・凄いですね」などの言葉で返事をする

  • 強調したいと思われることに対して質問して話を広げる

  • 教えてもらったことに対してお礼を言う

◎ネゴシエーション(交渉力)

価格や取引内容について、こちらの提示したものに納得してもらえないケースも多々あります。そのような場面で、自社に利益をもたらすように交渉を進めるのも営業の大事な仕事です。また相手を説得することで自社だけが得をするのではなく、お互いが納得できるよう交渉し信頼関係を保つことも大切になります。

◎向上心

営業は明るくて人当たりの良さが必要とされますが、時にはお得意さまや取引先から苦情を言われたり、無理難題を要求されることもあります。また売上達成のプレッシャーや上司からの圧力などもあり、ストレスを抱えやすい仕事とも言えます。その度に落ち込んで悩んでいては前へ進めません。営業はどんな状況でも明るく接することが大事です。そのために「モチベーションを保つ向上心」が重要となります。

ストレスやプレッシャーに負けないよう前向きにとらえ、自身の考えをコントロールし「向上心」を持ち続けることも、必要なのです。

調査スキル(情報収集能力)

営業は人と会話をする機会がとても多いので、沢山の知識が必要となります。取引先・顧客情報に限らず、社会情勢から雑学など幅広い情報が必要です。常にアンテナを張り、情報を多く持ち備えて交渉や会話に役立てる必要があります。

また情報を持っていなくても即座に情報収集する能力が大事です。相手の質問などに対し「分かりません」と言うより「調べてすぐに返答します」と言う方が信頼を得られます。昨今では、インターネットで情報収集がしやすい時代と言ます。正しい情報を迅速に収集できる能力も、営業にとってはとても大事です。

数字に強いというスキル

営業の仕事内容の一つに「予算組み」があります。会社に利益をもたらすために、人件費・仕入れ価格・諸経費などを含めた上で「売上目標」を立てなければなりません。

また、日常の業務の中で「見積り」「値引き交渉」「価格交渉」「売上計算」など数字を使うことが多いので、営業には「数字に強いスキル」も必要となります。

決断力・行動力

これまで見てきたように、営業の仕事は「対人」が中心です。人と関わる仕事が多いので、「予定通り」・「自分の計画通り」に案件が進められないことが多々あります。相手の都合に寄り添う必要があるのと言うことです。そのため予定外のハプニングなどが起こったとしても、即座に判断をして回避できるような「決断力と行動力」も必要となります。

食事のマナーや礼儀作法

営業の仕事内容について見てきましたが、これらの他にも「接待」というものがあります。取引先やお客さまから「会食」や「趣味の誘い」などを受けて、勤務時間に関係なく対応を迫られる場合です。これらは商談や売上に反映させるための、ビジネスチャンスの一つという捉え方もあります。

そのような際も営業は相手に不快を与えたり怒らせることのないよう、食事のマナーや礼儀作法を身に付ける必要もあります。

営業に向いている人

営業の仕事は人とのコミュニケーションが多いため、性格面で「向いている」「向いていない」などと言われることがあります。以下のような性格を持ち合わせていないと、プレッシャーやストレスを抱えやすくなる可能性があります。

営業に向いている人

  • 明るくコミュニケーションが取れる

  • お客さまに興味を持てる

  • 人と楽しく話すことができる

  • 責任感をもって、働ける

  • ポジティブ思考ができる

  • スケジュール管理ができる

  • 向上心がある

  • 粘り強く仕事ができる

  • 我慢強く仕事ができる

もともとこのような性格を持ち合わせていなかったとしても一概に「向いていない」とは言えません。

また、「私生活でのストレス発散が上手にできる人」・「自身の気持ちをコントロールできる人」・「経験を積み重ねた人」などは、性格に関係なく営業に「向いている人」と言えるでしょう。

営業の役割

ここでは営業の大事な役割について見ていきたいと思います。

会社組織の中での営業の役割とは何でしょう。

会社の顔

営業は会社組織の一員として、社外に対して仕事を行うため「会社の顔」になります。

例えば、「◯△商事」と言う会社の「鈴木」という名前の営業マンが居たとします。出先や取引先などでこの営業は「◯△くん」と呼ばれることが多々あります。つまり「◯△という会社の人」という認識が強いことの表れだと言えます。

営業は会社組織の「企画・開発・製造・人事」など多くの人の力によって創りあげられた製品を「会社の顔」となって社外に売込むとても重要な「役割」を担っているのです。

情報をフィードバック

営業は、自社の製品を「買った当人」と直接話せるので感想を聞すことができます。また外回りが多いので、自社製品だけでなく、売れ筋の他社製品の情報も得られます。さらには店頭でのお客さま同士の会話などにも耳を傾け、多くの情報を収集することができます。

これらを社内に持ち帰り「企画・開発」にフィードバックし反映されることも営業の大事な役割だと言えます。

まとめ

営業の仕事はとても幅広く、業種や企業によっても仕事内容に違いがある事が分かりました。共通して言えるのは、自社へ利益をもたらすために売上を確保すること。そのためには多くの仕事内容があるということです。

その多くの仕事をこなすために「コミュニケーション力・数字に強い力・向上心」など沢山のスキルも備える必要があるということです。

一言で「営業」と言っても、「会社の顔」となり「会社利益の確保」をするというとても重大なポジションだということ。また仕事をした結果が、売上や利益といった数字で分かりやすく確認できること。このように見てみると、営業はとても「やりがいのある仕事」だと言えるでしょう。

HR大学編集部
HR大学 編集部

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