人材育成における目標設定の重要性とは?職種別の具体例を交えて解説
- 人材育成における課題と目標設定の関係
- 人材育成が後回しになっている
- リモートワーク化で新卒社員の人材育成が難しい
- 人材育成に目標がない
- 自律型の人材が育たない
- 部下や後進を育成する企業文化が作れない
- 人材育成における目標設定の重要性
- 目標を設定することの効果
- 個人の目標と組織の目標の関係
- 人材育成につながる目標設定のポイントと方法
- 目標設定のポイント
- 目標設定シートを活用した方法
- MBOを用いた目標設定方法
- 人材育成における目標設定の具体例
- 営業職の目標例
- 事務職の目標例
- エンジニア職の目標例
- 管理職の目標例
- 納得度の高い人事評価制度の構築をHRBrainコンサルティングで実現
- HRBrainコンサルティングの特徴
人材育成における課題と目標設定の関係
人事や上司が部下や若手を思うような人材に育成することは難しいです。では、なにが課題となって思うような人材育成を妨げているのでしょうか。
まずは、人材育成の課題と目標設定の関係を確認していきましょう。
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人材育成が後回しになっている
通常業務が忙しくて、人材育成が後回しになっている場合があります。
人材育成はすぐに効果が出ないため、人材育成を開始しても、直ちに自分の業務負担が減ることは望めません。
しかし、育成をしないと状況はずっと変わらないままです。
すぐには育たないということを認識した上で、人材育成を後回しにせず、中長期的な目標を設定し、人材育成を計ることが重要です。
リモートワーク化で新卒社員の人材育成が難しい
リモートワークが進んだことで、これまで通りのコミュニケーションや指導をすることが難しくなりました。
これによって、思うように新卒社員の育成が進まないという課題が生まれています。この課題の解決策として目標設定があります。
人材育成に目標がない
目標がない状態では、人材を育成しても思うような効果が出ない場合が多々あります。
どう育てたいのか?という目標がないと、育てたい内容とは異なる研修を受けさせてしまうなど、非効率な育成施策に陥ってしまう恐れがあります。
こういった問題を回避するためにも、目標設定が重要です。
自律型の人材が育たない
自律型人材とは自ら考え、主体性を持って仕事に取り組む人材のことを指します。
指示を待つのではなく能動的に動ける人材が増えることで、企業はスピード感を持った行動が可能です。
そのため多くの企業では自律型人材を1人でも多く生み出したいと考えています。
しかし、自律型人材はスキルだけではなく、マインドも含めた育成が必要で、育成難易度は高いです。
そこで、自律型人材になるための目標設定を適切に行うことが重要になります。
部下や後進を育成する企業文化が作れない
部下や後進を育成するという企業文化がなく、育成が進まないという課題がある場合もあります。
この課題は、いままで若手は先輩の仕事を見て学ぶのが当たり前だった、という文化の企業に多いのではないでしょうか。
これまで育成をしてこなかったから、人材育成をどうしたらいいかわからない、という場合は、まずはどういう人材に育てたいかを考えましょう。
人材育成の目標を設定することが育成の第1歩となります。
人材育成における目標設定の重要性
人材育成の課題を解決するために目標設定が重要な理由を、目標設定で得られる効果と、目標設定と組織目標の関係性の側面から解説します。
目標を設定することの効果
人材育成において目標を設定することで3つのプラスの効果が望めます。
目標達成までの道筋がわかる
目標設定をすることで、目標を達成するためには、いま何が足りないのかがわかります。
足りない部分がわかれば、そこを補う育成プランを実施することで、人材育成を効果的に行うことが可能です。
モチベーションの向上が望める
目標が明確になることで、日常的に目標を意識することになるため、目標を達成しよう、という意欲が引き出され、モチベーション向上が望めます。
この時、最終的な目標だけでなく、途中の小さな目標も設定することで、目標達成の成功体験を積むことができます。
これによって、更なるモチベーションアップが期待できます。ただし、目標は社員自らが設定することが重要です。押し付けられた目標ではモチベーションアップは望めません。
人材育成に対する評価がしやすい
目標設定によって、人材育成をする管理職や人事への評価がしやすくなります。
設定した目標の達成度によって、管理職や人事が人材育成をうまく行えているかを定量的に評価することができるようになるためです。
育成に対する評価を適正に行えるということは、人材育成へのモチベーションアップを図ることができるということです。
さらには人材育成が奨励される企業文化の醸成も期待できます。
個人の目標と組織の目標の関係
組織の目標達成には、個々人の努力が必要不可欠です。
しかし、組織の目標は個人にとって大きすぎる目標であり、どのように努力をしていけばいいのかわかりません。
そのため、組織の目標を個人の目標に落とし込むことが必要です。
つまり、個人の目標は組織の目標から決まります。
よって、組織目標を達成するためには、個人目標を適切に設定し、達成を目指すことが重要になるのです。
人材育成につながる目標設定のポイントと方法
人材育成に高い効果を発揮する目標設定ですが、設定の方法を間違えると期待できる効果を得られなくなる可能性があります。ここでは、目標設定のポイントとその方法を解説します。
目標設定のポイント
効果の高い目標設定をするためのポイントが3つあります。
定量的な目標を設定する
客観的な判断ができるように、定量的な目標を設定しましょう。
定性的な目標だと、目標達成の評価が曖昧になり、目標設定による効果が得られにくくなります。
また、定量的に目標を設定することで、目標が未達成時の改善策を立てやすくなります。
期日を明確に設定する
目標をいつまでに達成するか、という期日を設定しましょう。期日を決めることで、期日から逆算して目標達成に向けた計画を立てることができます。
会社・チームの目標を意識する
最終的な目標は会社の目標達成です。
そのために、チーム目標があり、個人目標があります。故に、会社・チームの目標を意識して目標を設定することが重要です。
会社・チームの目標から逸脱した目標を設定すると、途中で達成する意味を失い、目標が形骸化しかねません。
また、会社・チームごとの目標の共有も重要です。目標の共有をすることで、社員は組織の一員としての自覚を持ち、自律型人材へと育っていきます。
目標設定シートを活用した方法
目標設定を効率的に行うことができるのが目標設定シートです。
何を、どのくらい、いつまでに、どのような方法で達成するかを記入し、期日に結果を記入します。
達成すべき目標、期日、方法をシートに沿って記載することでポイントを押さえた目標設定が可能です。
さらに目標設定シートについて、詳しく知りたい方は「目標設定の参考例、職種別シート作成の意義と記載例も紹介」をご確認ください。
MBOを用いた目標設定方法
目標設定の手法としてMBO(Management by Objectives)と呼ばれる手法があります。
MBOとは、社員自らが目標を設定し、その達成状況によって仕事や評価を管理する、という考え方のもと、目標を設定する手法です。
さらにMBOについて、詳しく知りたい方は「目標管理の必要性と目標管理制度の導入。概要や運用方法を解説」をご確認ください。
人材育成における目標設定の具体例
目標設定のポイントを押さえましたが、実際にどのような目標を設定すればよいのでしょうか。
ここでは、営業職、事務職、エンジニア職という代表的な3つの職種と、管理職の目標例を紹介します。
営業職の目標例
営業職の場合、チーム全体で売上や新規顧客獲得数などの定量的な目標がある場合がほとんどだと思います。
そのため、個人の目標はチーム目標を細分化したものにするとよいでしょう。
今月末までに、合計30件のアポイントを取り、個人売上100万円を達成する。
上司と週1でロープレを行い、今月の新規契約獲得率を10%あげる。
事務職の目標例
事務職の場合、チーム目標が定量的ではない場合も多く、社員の目標も定性的な目標になりがちです。
チーム目標の達成のために、どういうアクションを取ればいいのか、を考えてできる限り定量的な目標設定をしましょう。
書類ミスを防ぐ仕組みを作り、今月のミス件数を5件以下にする。
無駄な仕事を削減し、残業時間を10時間減らす。
エンジニア職の目標例
エンジニア職も定量的な数値目標が立てづらい職種です。
また、他の職種に比べて、スキルが重要な傾向があるため、スキルアップや資格取得を目標に設定するのもよいでしょう。
今期で新しい言語を取得し、アプリを1つ開発する。
次回の応用情報技術者試験を受験し、合格する。
管理職の目標例
管理職の目標はチーム全体の目標と一致することが多いと思います。
そのため、部下の目標達成を支援する目標設定がおすすめです。
また、さらに上の組織の目標達成に寄与する目標にすることもよいでしょう。
1on1を週1で行い、今月の部下全員の目標達成率を100%にする。
自部署における今期の離職率を5%以下にする。
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