リーダーシップとは?具体例や7つの資質とリーダー研修について簡単に解説
- リーダーシップとは
- リーダーシップとマネジメントとの違い
- リーダーシップの考え方「PM理論」とは
- リーダーシップの種類
- ビジョン型リーダーシップ
- コーチ型リーダーシップ
- 関係重視型リーダーシップ
- 民主型リーダーシップ
- ペースセッター型リーダーシップ
- 強制型リーダーシップ
- リーダーシップに求められるスキル
- 仕事を明確にするスキル
- 計画するスキル
- 統率するスキル
- 支援するスキル
- 信念を伝播するスキル
- 行動するスキル
- コミュニケーションスキル
- 決断するスキル
- リーダーシップを持つためのリーダーシップ研修
- 新卒向けリーダーシップ研修
- 中堅従業員向けリーダーシップ研修
- 管理職向けリーダーシップ研修
- リーダーシップのタイプを見極めて最適配置を実現
リーダーシップとは、組織のトップまたは各部門のリーダーとして、組織全体を牽引すること、もしくはメンバーを鼓舞することができる能力のことを指し、「指導力」や「統率力」とも言います。
この記事では、リーダーシップとマネジメントとの違い、リーダーシップの考え方、「PM理論」とは、リーダーシップの種類、リーダーシップに求められるスキル、リーダーシップを持つためのリーダーシップ研修について、簡単に解説します。
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リーダーシップとは
リーダーシップとは、組織のトップまたは各部門のリーダーとして、組織全体を牽引すること、もしくはメンバーを鼓舞することができる能力のことを指し、「指導力」や「統率力」とも言います。
また、人事労務用語辞典では「リーダーシップ」について、「リーダーシップには明確な定義がなく、さまざまな捉え方がありますが、大きくは『物事を成し遂げる力』と解釈することができます。また、リーダーシップが必要となるのは集団で共通の目的・目標に向かう場面です。そのため、一人で成し遂げるのではなく、集団活動において発揮される力ということができます。」と定義しています。
リーダーシップに関しては孫子にはじまり、古くから議論がされていましたが、経営学者のピーター・ドラッカー氏が提唱した「リーダーシップ論」で人々の関心がより高まりました。
ピーター・ドラッカー氏の「リーダーシップ論」では、「リーダーはカリスマ性とは関係がなく、メンバーが自分から従うことだ」とし、「仕事・責任・信頼」という言葉で説明しています。
(出典)人事労務用語辞典(日本の人事部)「リーダーシップ」
▼「ドラッカーのリーダーシップ論」についてさらに詳しく
ドラッカーが定義する「リーダーシップ」
リーダーシップとマネジメントとの違い
リーダーシップとは、目標を明確にしてゴールまでメンバーを牽引していく力を指し、長期的なビジョンをメンバーに明示し、メンバーのチームワークを醸成します。
マネジメントとは、目標達成のための方法を考え、「経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)」を管理する力を指し、具体的に業務を遂行していく力で、短期的な視点が必要です。
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リーダーシップの考え方「PM理論」とは
リーダーシップ理論の中でも有名なのが「PM理論」です。
PM理論は、1966年に社会心理学者の三隅二不二氏によって発表され、「集団機能」の観点からリーダーシップに関して研究した理論です。
集団を「チームを伸ばすための機能」として考察していったリーダーシップ理論で、PM理論は「目標達成機能」と「集団維持機能」の2つの軸で定義し、4つの型に分けられます。
PM理論の2つの軸
目標達成機能(Performance function : P機能):目標設定と計画推進能力。
集団維持機能(Maintenance function : M機能):集団全体の人間関係を有効に保ち、維持する能力。
PM理論は日本発のリーダーシップ理論ですが、日本企業だけでなく、海外でも活用されています。

PM理論
Pm型:成果を上げる力は強いが、集団をまとめる力が弱い
PM型:成果を上げる力も、集団をまとめる力も強い
pm型:成果を上げる力も、集団をまとめる力も弱い
pM型:成果を上げる力は弱いが、集団をまとめる力が強い
リーダーシップの種類
リーダーシップにはたくさんのタイプがあります。
「EQ(こころの知能指数)」を確立したダニエル・ゴールマン氏はリーダーシップを6つのタイプで説明しています。
ゴールマン氏の6つの種類について確認してみましょう。

リーダーシップの6つの種類
- ビジョン型リーダーシップ:企業が目指す目標やビジョンをメンバーに示し、進むべき方向性を明確にすることで牽引していくタイプ
- コーチ型リーダーシップ:リーダーがメンバーのコーチ的な役割を担い、1対1でフォローしていくタイプ
- 関係重視型リーダーシップ:チーム全体での信頼関係を構築することで、目標達成を目指すタイプ
- 民主型リーダーシップ:リーダーが全メンバーの提案や意見を確認し、方向性や目標を決定していくタイプ
- ペースセッター型リーダーシップ:リーダー自らが手本を見せ、メンバーに真似させていくタイプ
- 強制型リーダーシップ:強い圧力や地位といった権力で、強制的にメンバーを従わせるタイプ
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ビジョン型リーダーシップ
ビジョン型リーダーシップとは、企業が目指す目標やビジョンをメンバーに示し、進むべき方向性を明確にすることで、メンバーを牽引していくタイプのリーダーシップを指し、企業やチーム全体の帰属意識を高めることができます。
有名な逸話で、ソフトバンク株式会社の創設者の孫正義氏が、まだ従業員が2名しかいない時にみかん箱の上に立って将来のビジョンを語ったというものがあります。
典型的なビジョン型のリーダーシップと言えます。
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コーチ型リーダーシップ
コーチ型リーダーシップとは、リーダーがメンバーのコーチ的な役割を担い、1対1でフォローしていくタイプのリーダーシップを指します。
メンバーごとの強みを把握し、個性が発揮できるように業務を割り振ることで、メンバーのモチベーションをキープさせます。
優れたリーダーがコーチ型リーダーシップを行うと、チームのパフォーマンスが向上しますが、メンバーの意識がそもそも低い場合には、コーチングを受けても響かないため、向きません。
リーダーが優秀なだけでなく、メンバーも優秀で、意識の高いチーム向きのリーダーシップだと言えます。
また、コーチ型リーダーシップは、「1on1(ワンオンワン)」コミュニケーションとして注目が集まっていて、Googleやマイクロソフトなどの大企業が導入しており、近年国内でもLINEヤフーを始めとして取り入れる企業が増えています。
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関係重視型リーダーシップ
関係重視型リーダーシップとは、リーダーとメンバーの間だけでのやり取りではなく、メンバー同士の関係性も重視し、チーム全体での信頼関係を構築することで、目標達成を目指すタイプのリーダーシップを指します。
関係重視型リーダーシップは、職場環境が良好になり、家族的な信頼関係が生まれます。
お互いに助け合う環境ができ、好循環の時にはパフォーマンスを発揮しやすくなります。
しかし一方でトラブルがあった場合の対処や、厳しい決断をしなければいけないような場面では、お互いに本音が言いにくいなどの弊害も生じてしまいます。
日本の残業文化もこの関係に根付いたものが多く、例えば同僚や上司が残業しているのに自分だけ先には帰れないという状態を生んでしまう可能性が高いです。
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民主型リーダーシップ
民主型リーダーシップとは、リーダーが全メンバーの提案や意見を確認し、調整しながらチームの方向性や目標を決定していくタイプのリーダーシップを指します。
リーダーだけでなく、メンバーからの新しい視点やアイデアが生まれやすく、メンバー全員のモチベーション向上が期待できます。
しかし、意見が分かれた場合、結論までに時間がかかり決断のスピードが遅くなります。
ペースセッター型リーダーシップ
ペースセッター型リーダーシップとは、リーダー自らが手本を見せ、メンバーに真似させていくタイプのリーダーシップを指します。
リーダーのスキルの高さも必要になりますが、同じことが再現できるメンバーのスキルも必要になります。
リーダーと同じレベルでできるメンバーは少ないために、リーダーがメンバーをフォローしないといけなくなってしまう可能性があります。
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強制型リーダーシップ
強制型リーダーシップとは、強い圧力や地位といった権力で、強制的にメンバーを従わせるタイプのリーダーシップを指します。
強制型リーダーシップは、強い決断力と、行動が必要な場合に向いています。
リーダーは決断のプロセスなど一切部下に説明せず、命令だけでメンバーを動かすため、リーダーにカリスマがない場合は、メンバーの反発がでやすい傾向があります。
リーダーシップに求められるスキル
リーダーシップに求められるスキルについて確認してみましょう。
従来リーダーシップは先天的な才能や資質、カリスマといったものが必要だと考えられてきましたが、近年では後天的に経験や勉強によって、身に付けられるものと捉えられるようになっています。

リーダーシップに求められるスキル
仕事を明確にするスキル
計画するスキル
統率するスキル
支援するスキル
信念を伝播するスキル
行動するスキル
コミュニケーションスキル
決断するスキル
仕事を明確にするスキル
リーダーシップに求められるスキルとして、「仕事を明確にするスキル」があげられます。
目標達成のために明確な指示やビジョンを示し、メンバーの特性に合わせて業務を割り振る力が必要とされます。
計画するスキル
リーダーシップに求められるスキルとして、「計画するスキル」があげられます。
目標達成のために各マイルストーンを設定し、スケジュール化できる力は、リーダーとして最低限必要なスキルです。
統率するスキル
リーダーシップに求められるスキルとして、「統率するスキル」があげられます。
メンバー個々の能力に合わせて業務を割り振り、かつ統率する力が必要です。
多くのメンバーをまとめる必要があるため、業務上の能力が高いことはもちろんですが、メンバーが付いていきたいと思うような、責任感や公平性も必要になります。
支援するスキル
リーダーシップに求められるスキルとして、「支援するスキル」があげられます。
メンバーのモチベーションのアップや、失敗のフォローなどをし、チーム全体を目標やゴールに牽引できる力が必要です。
信念を伝播するスキル
リーダーシップに求められるスキルとして、「信念を伝播するスキル」があげられます。
ビジョン型のリーダーに近いですが、リーダー自身の信念をメンバーに伝え、巻き込んでいく力が必要になります。
単なる作業ではなく、なぜその仕事をしているのか、有益な目的や目標につながっている程、人はやりがいを感じ力を発揮します。
行動するスキル
リーダーシップに求められるスキルとして、「行動するスキル」があげられます。
リーダー自身が率先して行動し、スピード感をもってタスクを処理していく力が必要になります。
行動力のないリーダーにメンバーは付いていきません。
コミュニケーションスキル
リーダーシップに求められるスキルとして、「コミュニケーションスキル」があげられます。
リーダーにとってメンバー全員の特性や個性を把握し、適切なコミュニケーションを取ることも必要な資質です。
メンバー全員が気持ちよく働ける環境づくりは、パフォーマンスに影響します。
▼「業務適性」についてさらに詳しく
業務適性とは?意味と見極める方法やメリット職種別の必要スキルを解説
決断するスキル
リーダーシップに求められるスキルとして、「決断するスキル」があげられます。
決断には責任が伴うため、決断するスキルはリーダーの責任感とも関係してきますが、難しい決断でも決定できる力は大きなリーダーの資質になります。
リーダーシップを持つためのリーダーシップ研修
近年、社内でリーダーシップ研修を行う企業が増え、マネジメント層だけでなく、新卒者やリーダー候補への研修も行われるようになりました。
リーダーシップ研修の種類について確認してみましょう。
▼「研修」についてさらに詳しく
研修とは?受ける意味やビジネスで実施される研修を一覧で解説
新卒向けリーダーシップ研修
新卒向けリーダーシップ研修では、企業のビジョンの共有や、仕事の進め方を含めた研修が多くなっていて、入社前、入社後、フォローアップのタイミングで行います。
組織で活躍する人材のイメージを与えることで、意識高く自ら業務改革に取り組む姿勢を作ることを目的とします。
さまざまな研修がありますが、「目標や目的設定の方法」「業務改善の方法」「ロジックツリーなど原因追及の方法」「リーダーシップ理論そのもの」についての研修を行います。
▼「フォローアップ」についてさらに詳しく
フォローアップとは?ビジネスでの意味や実施方法と入社後のフォローアップ研修について解説
中堅従業員向けリーダーシップ研修
中堅従業員向けリーダーシップ研修では、すでにリーダーとして活躍している人材と、これからリーダーに昇格する人材に分けて研修を行います。
これからリーダーになるメンバーに関しては、リーダーとして求められる資質を理解してもらい、目指してもらいます。
個々人がリーダー任せでなく主体的に動けるようになり、組織の活性化が見込まれます。
既にリーダーになっているメンバーには、より具体的なチーム運営に関する研修を行います。
管理職候補としてのリーダーシップと、マネジメントに関する知識を身に付けることを目標にし、1on1やコーチングのスキルを取り入れる企業もあります。
▼「リーダー」についてさらに詳しく
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▼「主体性」についてさらに詳しく
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▼「組織活性化」についてさらに詳しく
組織活性化の手法とは?組織活性化で得られる効果と取り組み事例を解説
▼「チームビルディング」についてさらに詳しく
チームビルディングとは?意味や目的と方法について解説
管理職向けリーダーシップ研修
管理職向けリーダーシップ研修とは、組織運営だけでなく会社そのものの将来を考える機会にもなります。
人事にはさまざまな従業員の悩みが集まってきますが、その悩みの多くが上司に関するものです。
リーダーシップ研修を実施することで、フェアで魅力のあるリーダーが増えると企業全体の活性化にもつながります。
研修には、オンラインで完結する外部研修も増えており、利用しやすくなっています。
利用の際は離職率の変化や、パフォーマンスの向上など、定量と定性で効果測定することがおすすめです。
▼「e-ラーニング」についてさらに詳しく
e-ラーニングを導入し人材育成!導入方法やメリットについて解説
リーダーシップのタイプを見極めて最適配置を実現
リーダーシップとは、組織のトップまたは各部門のリーダーとして、組織全体を牽引すること、もしくはメンバーを鼓舞することができる能力のことを指し、「指導力」や「統率力」とも言います。
リーダーシップにはたくさんのタイプがあり、どのタイプのリーダーが、どの部署に向いているのか、最適なメンバーの組み合わせはどのような組み合わせなのかについて考えることで、パフォーマンスが上がる可能性があります。
また、リーダーシップは先天的な才能や資質、カリスマ性だけでなく、後天的に経験や勉強によって、身に付けられるものと言われています。
自社に必要なリーダーシップを研修を通して、身に付けさせることで、将来のリーダー候補を育成することも可能です。
「HRBrain タレントマネジメント」は、リーダーシップなど従業員のスキルや能力、1on1などのコミュニケーション施策の実施や、評価の見える化を実現します。
さらに、従業員のスキルマップや、これまでの実務経験、育成履歴、異動経験、人事評価などの従業員データの管理と合わせて、OKRなどの目標管理、1on1やフィードバックなどの面談履歴などの一元管理も可能です。
HRBrain タレントマネジメントの特徴
検索性と実用性の高い「データベース構築」を実現
運用途中で項目の見直しが発生しても柔軟に対応できるので安心です。
柔軟な権限設定で最適な人材情報管理を
従業員、上司、管理者それぞれで項目単位の権限設定が可能なので、大切な情報を、最適な状態で管理できます。
人材データの見える化も柔軟で簡単に
データベースの自由度の高さや、データの見える化をより簡単に、ダッシュボードの作成も実務運用を想定しています。
▼「タレントマネジメントシステム」についてさらに詳しく
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