ロジカルシンキング(論理的思考)とは?やり方と考え方を具体例とあわせて簡単に解説
- ロジカルシンキング(論理的思考)とは
- ロジカルシンキングが広まった背景
- ロジカルシンキングのビジネスでの効果
- ロジカルシンキングとクリティカルシンキングの違い
- ロジカルシンキングのやり方
- 演繹法
- 帰納法
- MECE(ミーシー)
- 仮説思考
- ゼロベース思考
- ロジカルシンキングのフレームワーク
- ロジックツリー
- ピラミッドストラクチャー
- SWOT分析
- PDCA
- ロジカルシンキングは自社の課題を明確にするために大切な手法
ロジカルシンキングとは、物事を結論と根拠に分け、体系的に整理して筋道を立て、つながりを捉えながら矛盾なく理解する思考法のことで「論理的思考」と言います。
ロジカルシンキングを実務に落とし込むことで、自社の抱える課題を明確にし、課題解決のための対策や施策を的確に実行することが可能になります。
また、ロジカルシンキングをもとに、ロジックに落とし込まれた制度は、従業員に満足感をもって受け入れられるでしょう。
この記事では、ロジカルシンキングとクリティカルシンキングとの違い、ロジカルシンキングのやり方と考え方、ロジカルシンキングのビジネスでの効果、具体的なロジカルシンキングの例について、簡単に解説します。
従業員ひとりひとりのデータや課題の抽出に
ロジカルシンキング(論理的思考)とは
ロジカルシンキングとは、物事を結論と根拠に分け、体系的に整理して筋道を立て、つながりを捉えながら矛盾なく理解する思考法のことです。
英語の「Logical(論理的)」と「Thinking(考え)」を合わせた和製英語で、日本語では「論理的思考」と言います。
ロジカルシンキングが広まった背景
ロジカルシンキングは、2001年に照屋華子氏と岡田恵子氏による共同著書として出版された「ロジカル・シンキング 論理的な思考と構成のスキル」の中で、マッキンゼー・アンド・カンパニーで使われている思考法を紹介したことにより一気にブームになりました。
また、2000年代初期は、多くのIT関連ベンチャーが設立され1999年から2000年までの2年間に株価が異常に上昇した「ドットコムバブル」の崩壊や、アメリカ同時多発テロなどがあり、混迷を極める世相の中で、確かな考え方が企業に求められていたという社会的背景も、ロジカルシンキングが広まった背景と言えます。
(参考)「ロジカル・シンキング 論理的な思考と構成のスキル」(著:照屋華子、岡田恵子、出版:東洋経済新報社)
ロジカルシンキングのビジネスでの効果
ロジカルシンキングは、多くのビジネスパーソンの基礎的な考え方であるという点にメリットがあります。
また、ロジカルシンキングを通して物事を考えることで、多くの従業員が同じように考えることができるようになり、意思疎通がスムーズになるというメリットがあります。
さらに、「なぜそうなったか」について、論理的に説明できるようになるため、問題解決能力の向上や、意見を分かりやすく伝えることができるようになります。
ロジカルシンキングとクリティカルシンキングの違い
クリティカルシンキングとは、「批判的思考」とも呼ばれ、現状の課題や問題に対して、批判的に捉えて判断することで、問題を解決するための思考プロセスや習慣を指し、自分の考えが正しいのかを考えていく思考法です。
ロジカルシンキングは、物事を分析する考え方である一方、クリティカルシンキングは自分の考えに対して「なぜ?どうして?」と突き詰めていく考え方です。
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ロジカルシンキングのやり方
ロジカルシンキングを実践するうえで大切な推論方法について確認してみましょう。
演繹法
物事を結論と根拠に分け、その論理的なつながりを捉えながら物事を理解する思考法で、いわゆる「三段論法」と言われるものです。
論理学の基本は経験に頼らず、客観的な大前提に基づいて答えを導き出すことで、大前提から結論の筋道を立てる演繹法は論理学の考え方そのものとも言えます。
例えば、「日本人は、米を食べる」という大前提があるとして、さらに「東京都民は日本人だ」という小前提があるとすれば、「東京都民は米を食べる」という結論が導き出されます。
演繹法は、論理展開の基礎となる大前提や根拠等があるため、実践が比較的しやすいというメリットがある一方で、そもそもの大前提や根拠が存在しない場合、成立しないというデメリットがあります。
また、戦略的に物事を考えていく際には演繹法が適していますが、それぞれの条件を正しく理解していないと誤った結論が導き出されてしまうので注意が必要です。
帰納法
帰納法とは、複数の具体的な結果から、1つの法則や結論を導き出す方法で、ビジネスシーンでもよく使われる論法と言えます。
例えば、エンゲージメント調査の結果と従業員のインタビュー結果から、エンゲージメントが低下していることを読み取るのは帰納法のやり方と言えます。
マーケティング手法を取る際には、帰納法が適していますが、情報のサンプル数が少ないと正しい推論がなされないので注意が必要です。
また、ロジカルシンキングの特徴は論理的なところなので、感情的に訴求しなくてはいけない場面では逆効果になってしまう場合もあります。
▼「演繹法」と「帰納法」についてさらに詳しく
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MECE(ミーシー)
MECEとは、「漏れなくダブりがない状態」のことで、過不足なく情報を網羅している状態を指します。
重要な要素が抜けていたり、漏れていると致命的なミスが発生することがあります。
また、要素が重複していると非効率になるため、ロジカルシンキングにおいてMECEの考え方は非常に重要です。
具体的に「自社の従業員がどのような構成になっているかを調べたい」と仮定し、MECEを使って考えてみましょう。
漏れなくダブりがない状態
男性従業員、女性従業員、その他の従業員などで分類した場合、すべてのステータスの職員を選ぶことで、従業員を漏れなくタブることなく網羅することができます。
漏れがあるがダブりはない状態
従業員の雇用状況で分類してみた場合、正社員とパート職員に分類した場合、ダブリはありませんが、嘱託職員、派遣社員などが漏れてしまっています。
漏れはないがダブりがある状態
年齢構成で若手、ベテラン、中堅などで分類した場合、若手から中堅、中堅からベテランなどの人員層でダブりが発生してしまいます。
漏れもダブりもある状態
在宅勤務と本社勤務の従業員で分類した場合、営業所に所属している従業員がいれば、サテライトオフィス勤務の従業員もいるというように、さまざまな勤務形態が想定できるため、漏れが発生してしまううえに、ダブり発生してしまう可能性があります。
人員の構成を例にMECEを試みましたが、重要な情報が抜け落ちてしまったり、重複してしまう部分が出てきたりすると、物事をロジカルに考えることができなくなってしまうため、さまざまな軸でMECEを考えることは、ロジカルシンキングの基本となります。
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仮説思考
仮説思考とは、データを満遍なく抽出するのではなく、「あたり」を付けてから行動し、修正をかけながら正解を導いていく思考法です。
ビジネスパーソンにとって時間は非常に大事なもののため、限られた時間から結論を導き出す仮説思考は有効です。
仮説思考の手順について確認してみましょう。
問題を観察する
さまざまな問題を観察し、情報を抽出します。新しい情報を取り入れると、仮定が崩れてしまう可能性があるため、今ある情報を観察します。
仮定を立てる
問題を観察して得られた情報から仮説を立てます。仮説を立てる際に重要なのは、100%正確な仮説を立てようとしないことです。最初から100%を目指すのは難しく、時間が掛かってしまいます。
仮定を元に検証する
仮説が正しいか検証をしていきます。検証は、仮説を元にしたアンケートを実施したり、ヒアリングを行います。
仮定を修正する
アンケートやヒアリングで仮説がどうやら正しいと判断した場合は必要はありませんが、仮説が正しいと判断できなかった場合は、仮説を修正する必要が出てきます。仮説を修正する場合は、もう一度仮説を見直し、修正するようにしましょう。
仮設思考は例えば、人事関連でいうと「離職の原因調査」などで非常に役立ちます。
離職の原因には、さまざまな原因がありますし、新しい従業員も次々と入ってきます。
原因調査が十分な状態で対処するよりも、労務環境の悪化や人事評価が正しくされていないなど、大きな「あたり」をつけて対処して行き、原因を突き止めて行くことで正確な原因調査を行うことができます。
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ゼロベース思考
ゼロベース思考とは、固定観念にとらわれることなく自由に発想をする思考法です。
ゼロベース思考は、過去の思考法のバイアスにとらわれることがないため、常に顧客目線での思考が可能になります。
例えば、人事担当者であれば「従業員目線」での思考ということになります。
従業員目線で思考することで、「こうすれば従業員満足度が上がるに違いない」という固定観念を排除することができ、さまざまな情報を元に、「従業員が今何を思っているか」「どのようなことをすれば従業員満足度が上がるのか」を、人事担当者だけでなく、マネージャーや責任者も含め、知ることができる可能性が高まります。
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ロジカルシンキングのフレームワーク
ロジカルシンキングには、代表的な思考法の「型」であるフレームが存在します。
フレームに当てはめて考えていくことで、スムーズにロジカルシンキングを行うことができるようになります。
ロジカルシンキングの4つの代表的なフレームワークについて確認してみましょう。
ロジックツリー
ロジックツリーとは、情報の分類に有効なフレームワークです。
まず結論があり、その事柄を分類していくことができるため、命題に対する会社の問題点や取り組むべきことを深く理解することができます。
例えば、1番先頭に「いかに良い人材を定着させるか」という命題を持ってきた場合、その後の分類で「採用数を増やす」「離職を減らす」などに分類することができます。
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ピラミッドストラクチャー
ピラミッドストラクチャーとは、ロジックツリーと似ている分類方法ですが、特に相手を説得するときに有効なフレームワークです。
ピラミッドストラクチャーでは、まず結論があり、その結論を強固にする根拠を積み重ねて行きます。
階層が下に行けば行くほど結論が強くなるので、なぜそのような結論にいたったのかという過程を相手に伝えやすくなります。
SWOT分析
SWOT分析とは、自社の強みや商品のプレゼンを行う際に、非常に有効なフレームワークです。
SWOT分析は、「S:Strengths(長所)」「W:Weekness(短所)」「O:Opportunity(機会)」「T:Threat(脅威)」を分析する方法です。
例えば人材確保の際にSWOT分析を行い、アピールできる会社の強みを抜き出し、短所をカバーして、競合他社との違いを説明することができるような機会があれば、優秀な人材を獲得することも容易になるでしょう。
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PDCA
PDCAとは、現状を改善する際に、有効なフレームワークです。
PDCAでは、「P:Plan(計画)」「D:Do(実行)」「C:Check(評価)」「A:Action(改善)」の4つのステップを順番に繰り返し、継続的にプロセスを改善し続けることで、業務改善を進めます。
例えば、従業員の評価軸に困った場合、まず公平な評価システムの導入を検討し、実際にシステムを導入した際に従業員の評価などをヒアリングします。
ヒアリングの結果を元に改善を行い、従業員の評価を向上させて行くことで、開かれた会社になっていきます。
また、PDCAを一度だけ行うのでなく、繰り返し行っていくことでより良いものができあがっていきます。
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ロジカルシンキングは自社の課題を明確にするために大切な手法
ロジカルシンキングとは、物事を結論と根拠に分け、体系的に整理して筋道を立て、つながりを捉えながら矛盾なく理解する思考法のことで「論理的思考」と言います。
ロジカルシンキングを実務に落とし込むことで、自社の抱える課題を明確にし、課題解決のための対策や施策を的確に実行することが可能になります。
また、ロジカルシンキングをもとに、ロジックに落とし込まれた制度は、従業員に満足感をもって受け入れられるでしょう。
「HRBrain タレントマネジメント」は、ロジカルシンキングを元にした施策の実施や、課題の洗い出しの際に必要な、従業員ひとりひとりのデータを、シンプルで使いやすく見える化します。
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