メタ認知とは?ビジネスで大注目の能力を高める方法と意味や具体例をわかりやすく解説
- メタ認知とは
- メタ認知的知識とは
- メタ認知的活動とは
- メタ認知の具体例
- メタ認知の教育での重要性
- メタ認知と学習方略
- メタ認知と自己評価
- メタ認知のビジネスでの活用方法「自律的学習」
- 自律的学習の重要性
- メタ認知をいかした自律的学習
- メタ認知のビジネスでの活用方法「マインドフルネス」
- マインドフルネスとは
- メタ認知能力を鍛えるマインドフルネス
- メタ認知はビジネスでも大切な能力
メタ認知とは、知覚、情動、記憶、思考など自己の認知活動を客観的に捉え評価した上で、制御することでビジネスにおいても大切な能力の1つです。
メタ認知能力が高い人は、自身を客観的に見ることができ、人事評価の際に自身の能力に対して「正しい評価ができる」、人材育成の際も「学習結果を高める」などの効果があり、ビジネスにおいて能力を発揮することができる「優秀人材」と言われています。
メタ認知能力を高めるためには、自身を客観的に観察し、「思考や行動の傾向」や「長所と短所」を把握し、これまで無意識に行っていたことにも意識を向けることが大切です。
この記事では、メタ認知とは何か、意味やメタ認知のビジネスでの重要性、メタ認知の具体例、メタ認知を高める方法について、わかりやすく解説します。
メタ認知を強化するための「自身の能力や特性の把握」
メタ認知とは
メタ認知とは、知覚、情動、記憶、思考など自己の認知活動を客観的に捉え評価した上で、制御することで「認知していることを認知する」ということを意味します。
さらに、メタ認知を行う心理的な能力を「メタ認知能力」と言います。
メタ認知的知識とは
メタ認知的知識とは、自分自身について客観的に認識し分析することで得た知識を指します。
具体的には、「私は考えることは得意だけれど覚えることは苦手」というような自己分析や、「小説を読んで理解するよりも論文を読んで理解するほうが時間がかかる」といった自己認識などを指します。
メタ認知的活動とは
メタ認知的活動とは、「メタ認知的モニタリング」と「メタ認知的コントロール」から成ります。
「メタ認知的モニタリング」には認知活動についての気づき、感覚、予想、点検、評価などといった活動が含まれます。
また、「メタ認知的コントロール」には目標設定、計画、修正といった活動が含まれます。
(参考)脳科学辞典「メタ認知」
メタ認知の具体例
メタ認知は、日常の場面でも使用する身近なものです。
例えば、料理をする際に「こういう順番で料理をすれば効率が良い」と考えることもメタ認知です。
また、ビジネスの場面でも、メタ認知は使われます。
例えば、プレゼンテーション中に「話すスピードが速すぎないか」「上司たちは理解してくれているか」などと考えることは、メタ認知的モニタリングの働きと言えます。
プレゼンテーションで「上司たちの理解が得られていない」と判断した際に、「ジェスチャーを入れると興味を引きつけやすい」「具体的な事例を伝えると理解を得られやすい」といったメタ認知的知識を思い起こし、ジェスチャーや具体的な事例を交えて話す、というようにあらゆる場面でメタ認知は使われます。
メタ認知は、専門的には大きく「メタ認知的知識」と「メタ認知的活動」に分類されます。
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メタ認知向上に役立つ「タレントマネジメント」
メタ認知の教育での重要性
メタ認知は、「新学習指導要領」に登場し、教育政策のひとつとして注目を集めるようになりました。
自ら学びに向かう態度を育成するために、メタ認知は重要な役割を果たすと考えられており、教育の分野でさまざまな研究が進められています。
メタ認知と学習方略
ベネッセ教育総合研究所と東京大学社会科学研究所が共同で行った調査では、成績が上昇した高校生は、自分の学習を客観的にとらえる能力である「メタ認知的方略」を持っていることがわかりました。
つまり、高校2年生から高校3年生の成績変化が「ずっと上位」や「上昇」の子どもは、「テストで間違えた問題をやり直す」「何が分かっていないか確かめながら勉強する」などの勉強方法を活用している比率が高いという結果が出ました。
また、成績が「上昇」した子どもは、これらの勉強方法を「活用するようになった」と回答した比率が高くなっており、自分の学習を客観的にとらえる「メタ認知」を利用した「学習方略」と言えます。
この結果から、メタ認知が成績の上昇に効果的であると考えられています。
(出典)株式会社ベネッセホールディングス「『メタ認知』が成績上昇に効果-自分の学習を客観視することが大切-」
メタ認知と自己評価
自身の習熟レベルを正確に評価できることは、学習を継続していく過程で大切なことですが、成績の悪い人ほど「自身の能力評価を高く見積もりやすい」という研究結果があります。
この研究結果から、正しく自己評価をするためには、自分を正しく客観視する力、つまりメタ認知能力が必要と考えられ、メタ認知の欠如が成績に影響を及ぼしている可能性が示唆されています。
従業員との評価での「認識の乖離」を解消する方法
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メタ認知のビジネスでの活用方法「自律的学習」
メタ認知は、教育だけでなく、ビジネスでも注目されています。
ビジネスでメタ認知が関わるものとして「自律的学習」について確認してみましょう。
自律的学習の重要性
近年のデジタル化やグローバル化によって、世の中は急速に変化しています。
この変化に対応するために、ビジネスで学ぶべきことは多様化し、かつスピードも求められるようになりました。
そのため、これまで企業が行ってきた一斉研修やOJTのみの学習では、これからの社会に適応できなくなると考えられます。
また、企業から受けられる教育訓練費自体も減少傾向にあり、内閣府「日本経済2017-2018 -成長力強化に向けた課題と展望-」では、企業における常用労働者1人に対しての1か月の平均教育訓練費は、2006年までは1,400円前後で推移していましたが、2011年以降若干減少し、1,000円程度で推移していることが示されています。
今後、個人が主体的にキャリアを形成し、自律的に学習していく力がますます求められていくようになります。
(参考)内閣府「日本経済2017-2018 -成長力強化に向けた課題と展望-」
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メタ認知をいかした自律的学習
メタ認知は学習に効果的に働きます。
自ら計画を立てて学習を進め、メタ認知をいかしてその理解度を自身で客観的に評価し続けることは、まさに自律的な学習で必要とされる能力です。
メタ認知は、知的能力以上に学習結果を高める効果があるという研究結果もあります。
自律的学習の際には、メタ認知を意識し、常に自分を客観的に見つめ、自分が理解不足である部分を確かめながら進めるなどの学習方略を活用しましょう。
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メタ認知のビジネスでの活用方法「マインドフルネス」
マインドフルネスは、グーグルやヤフーが導入の先駆けとなった取り組みで、現在、導入する企業が増えています。
マインドフルネスは、ストレスを減らすなどの効果のほか、メタ認知能力を鍛えることもできると言われています。
マインドフルネスとは
マインドフルネスとは、今の自分の状態に注意を向けて、評価や判断をせずにそのまま受け止めている状態のことです。
マインドフルネスは、仏教の教えをルーツとしていますが、科学的な研究が進み、医療プログラムやビジネススキルとして広まってきています。
メタ認知能力を鍛えるマインドフルネス
メタ認知は「もう1人の自分」と言われるように、自分を客観的に見る力です。
マインドフルネスでは、自分を客観的に見て受け入れる訓練を繰り返していくことでメタ認知の力を育てることができると言われています。
マインドフルネスの手段の1つとして、めい想が行われます。
意識を集中するめい想として「呼吸のめい想」について確認してみましょう。
マインドフルネス「呼吸のめい想」の方法
- 背筋を伸ばして座る。目は軽く閉じるか、薄く開けて斜め前を見る。
- 息を吸ったときに、おなかや胸が膨らむのを感じ、心の中で「膨らみ、膨らみ」と実況する。呼吸はコントロールせず、その時一番したいように呼吸する。
- 息を吐いたときに、おなかや胸が縮むのを感じ、心の中で「縮み、縮み」と実況する。雑念が浮かんできた場合は、「雑念、雑念」と心の中でつぶやき、「戻ります」と言って、再び呼吸に意識を戻します。呼吸のめい想は、1日10分ほど行い、慣れてくれば時間をのばしても構いません。
(出典)NHK「『マインドフルネス』とは?めい想の方法・効果と『呼吸のめい想』のやり方」
メタ認知はビジネスでも大切な能力
メタ認知能力が高い人は、自身を客観的に見ることができ、人事評価の際に自身の能力に対して「正しい評価ができる」、人材育成の際も「学習結果を高める」などの効果があり、ビジネスにおいて能力を発揮することができる「優秀人材」と言われています。
メタ認知能力を高めるためには、自身を客観的に観察し、「思考や行動の傾向」や「長所と短所」を把握し、これまで無意識に行っていたことにも意識を向けることが大切です。
「HRBrain タレントマネジメント」は、従業員のひとりひとりのスキルや人事評価などのデータを見える化し、従業員が自身の能力や成長を客観的に把握することができる「メタ認知能力」の強化に役立ちます。
また、従業員のスキルマップや、これまでの実務経験、育成履歴、異動経験、人事評価などの従業員データの管理と合わせて、1on1やフィードバックなどの面談履歴などを一元管理します。
HRBrain タレントマネジメントの特徴
検索性と実用性の高い「データベース構築」を実現
運用途中で項目の見直しが発生しても柔軟に対応できるので安心です。
柔軟な権限設定で最適な人材情報管理を
従業員、上司、管理者それぞれで項目単位の権限設定が可能なので、大切な情報を、最適な状態で管理できます。
人材データの見える化も柔軟で簡単に
データベースの自由度の高さや、データの見える化をより簡単に、ダッシュボードの作成も実務運用を想定しています。
▼「タレントマネジメントシステム」についてさらに詳しく
【完全版】タレントマネジメントとは?基本・実践、導入方法まで解説
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