オブザーバーが会議ですべきこととは?ビジネスにおけるオブザーバーの役割と必要性について解説
- オブザーバーとは
- オブザーバーの語源「observer」の意味
- オブザーバーのビジネスでの意味
- オブザーバーの対義語
- オブザーバーとコメンテーターの違い
- オブザーバーとアドバイザーの違い
- オブザーバーの会議での役割
- 公平な発言でスムーズな会議の進捗を促す
- 専門家としてのアドバイスで方向性の修正をする
- 参加者全員が発言への責任を感じコンプライアンスが守られる
- オブザーバーのビジネスにおける必要性
- オブザーバーとして会議に参加するメリット
- オブザーバーを新入社員が担当する場合
- オブザーバーを他部署の従業員が担当する場合
- オブザーバーをプロジェクト担当者が担当する場合
- オブザーバーが心がけること
- 自分の役割に徹する
- 第三者としての立場を理解する
- 自分の行動と言葉に責任を持つ
- オブザーバーは人事制度の設計や見直しに有効
オブザーバーとは、「観察者」や「傍観者」という意味で、ビジネスのシーンでは、会議や研修に第三者として参加する場合に使用されます。
オブザーバーは、会議の内容を聞き、進行を見守る役割を指し、会議の質や企業の生産性向上のためにも、事業戦略としても導入したいシステムの1つです。
この記事では、オブザーバーの意味やアドバイザーとの違い、オブザーバーの会議での役割、オブザーバーが心がけること、企業にとってオブザーバーの必要性について解説します。
オブザーバーの社内選出に役立つ
オブザーバーとは
オブザーバーとは、オブザーバーはその場にいて監視しているが、第三者的立場の人物を総称します。
英語の「observer」が語源で、直訳すると「観察者」「傍聴者」「監視者」「視察者」などの意味です。
オブザーバーは、距離をとって監視している人というイメージで、積極的に関わるのではなく、後ろから俯瞰して見ている人だと言えます。
プールの監視員もある意味オブザーバーにあたり、被災地や企業、他国を訪れる視察団のことをオブザーバーと呼ぶ場合もあります。
さらに、国連には「オブザーバー機構」というものがあり、国際連合の正式加盟国ではありませんが、国際組織や実体のある団体として、存在や地位を認められたものになります。
国連での議決権はありませんが、議決案の作成への参加ができます
オブザーバーの語源「observer」の意味
オブザーバーは英語の「observer」が語源です。
「observer」は名詞で「観察、監視、観測、陪席」と訳せます。
ビジネスシーンで使われるオブザーバーの意味は、「陪席者」というのが1番近く、発言権はあるが議決権のない人を指します。
オブザーバーのビジネスでの意味
オブザーバーのビジネスシーンでの役割は、主に会議のシーンで用いられます。
会議でのオブザーバーの役割は、会議の内容を聞き、進行を見守ることにあり、会議では発言せず、アドバイザーと違って意見は求められません。
発言を求められる場合も、決定などに関係するものではなく、全体の総評や感想になります。
能動的な参加ではなく、あくまでも「ニュートラルで客観的な立場」で会議を見守ることがビジネスでのオブザーバーの役割になります。
しかし一括りに「オブザーバー参加」と言っても、オブザーバー個々人の立場や参加の仕方で役割が変わってきます。
より見識の高い立場での参加もあれば、新人として研修の意味で参加する場合などさまざまです。
例えば、新入社員を積極的にマネージャークラスの会議にオブザーバーとして参加させる場合もあります。
この場合、「企業理念や事業を体系だって教える研修よりも、生の会議の方がより会社のことが分かるだろうし、好きになるだろう。」という考えや、さらに新入社員に「隠し事はない、会社として将来を担ってもらうつもりだ、大事にしている」というメッセージを伝えたいという経営陣の想いがあるでしょう。
また、新入社員にとって普段なかなか関わることができない、トップやエグゼクティブメンバーと、顔見知りになることができ、経営陣に直接意見を言うことができるようになるなど、風通しのよい社風を作る効果もあります。
このように、オブザーバー参加と新人研修を上手く組み合わせることで、違った効果を出すこともできます。
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オブザーバーの対義語
オブザーバーのビジネスシーンでの対義語は「レギュラー」です。
レギュラーとは、決議権のある通常の会議参加者のことを指します。
逆にオブザーバーには、通常は求められるまでは発言権や決議権はありません。
オブザーバーは、会議の決定内容に意見する立場ではなく、基本は陪席しているだけとなり、企業の場合は「相談役」などがこの立場にある場合が多いです。
オブザーバーとコメンテーターの違い
オブザーバーに近い言葉に、「コメンテーター」「解説者」「評論家」などがあげられます。
これらは、「何かに対して観察し意見を述べる専門家」のことです。
コメンテーターはオブザーバーと違い、その場におらず離れた場所で他者へ解説をするイメージです。
その他に、「傍聴人」などの言葉もありますが、傍聴人は、その場にはいるが発言も議決権もない人のことを指し、裁判などで使われます。
オブザーバーとアドバイザーの違い
オブザーバーとよく比較される言葉に「アドバイザー」があります。
アドバイザーの意味は「忠告者」「顧問」などで、「アドバイスをすること」が役割になります。
ビジネスシーンでは、より専門的な知識や、特殊な経験からボードメンバーや、会議の参加者に的確なアドバイスをすることが役割です。
アドバイザーは、課題について参加者と一緒に議論をし、決断や決定に対して能動的に参加する立場と言えます。
専門知識のある外部コンサルタントなどが、アドバイザーになる場合もあります。
これに対しオブザーバーは、英語訳の通り「陪席者」として会議に能動的に参加するのではなく、あくまで第三者的立場でその場にいることになり、積極的に意見をすることはなく、全体の意見を傾聴するのが役割のため、参加者とは距離をとって会議に参加します。
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オブザーバーの会議での役割
ビジネスシーンにおいての、オブザーバーの会議での役割について、大きく3つに分けて確認してみましょう。
オブザーバーの会議での役割
- 公平な発言でスムーズな会議の進捗を促す
- 専門家としてのアドバイスで方向性の修正をする
- 参加者全員が発言への責任を感じコンプライアンスが守られる
公平な発言でスムーズな会議の進捗を促す
オブザーバーは第三者の立場になり、会議中はどの参加者の意見に対しても平等に傾聴する必要があります。
同時にもし発言を求められるような場合にも、誰か1人の意見を支持するような発言は控えるべきです。
もし参加者同士が激しくぶつかるような会議になった場合でも、第三者として事実のみで整理した発言にとどまり、公平性を意識する必要があります。
このように、公平な第三者がいることで、会議もよりスムーズに進みやすくなります。
身近なイメージでは、小学生のころの学級会での先生の役割に近いかもしれません。
専門家としてのアドバイスで方向性の修正をする
オブザーバーとして会議に参加する場合は、発言権のない場合がほとんどですが、専門家として参加した場合は、意見を求められる場合もあります。
その場合はアドバイザーと役割が近くなりますが、全体的な議論には参加せず、専門家として議論が向かう方向性が正しいかどうかだけを述べます。
例えば、IPO(株式公開)の広報コンサルタントが株式公開予定の企業の会議にオブザーバーとして参加した場合、基本的に社内の広報企画チームが戦略を練り、最後にスケジュールが現実的かどうか、内容に漏れがないかなどの確認だけを行ったりします。
こういった場合のオブザーバーは、意見と言うよりもチェック機能に近い参加になります。
参加者全員が発言への責任を感じコンプライアンスが守られる
オブザーバーが会議に参加することで、出席者全員が第三者に見られているという意識を持ちます。
このため、各参加者がより個々の発言に責任を持つようになります。
また会議への参加態度も無責任な態度になりにくく、発言も常識外れのものが少なくなり、コンプライアンスも守られるようになります。
また副次的効果ですが、第三者がいることで、長くなりがちな会議でも、参加者全員の時間に対する意識が厳しくなります。
特に外部にオブザーバーを依頼している場合は、コストもかかることや、オブザーバーが参加できる時間も決まっていることが、良い意味でプレッシャーとして働きます。
オブザーバーのビジネスにおける必要性
オブザーバーがなぜビジネスには欠かせないのか、オブザーバーのビジネスでの必要性について確認してみましょう。
オブザーバーが会議に参加することで、参加者の時間や発言に対する意識が高まるという効果があります。
オブザーバーがいることで、参加者が会議に遅れて来たり、無駄な雑談をするというようなことが防げます。
このことで、参加者は目の前の会議に集中するようになり、議論がより活発になり、結果的に時間に対する会議の質が上がります。
また、力が強い参加者だけの意見で議論をしたり、あらかじめ決めていたようなものや、慣例だからと決まっていた手抜きの議論を防ぐ効果もあります。
会議室という密室で行われた会議の内容が、オブザーバーという第三者が入ることで、オープンになり、会議の場がより建設的で前向きな場に変わります。
そのため、オブザーバーの導入は会社全体で見ると大きな生産性の向上が見込まれます。
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オブザーバーとして会議に参加するメリット
オブザーバーとして会議に参加することで得られるメリットについて、オブザーバーが「新入社員の場合」「他部署の従業員の場合」「プロジェクト担当者の場合」と、3つのパターンに分けて確認してみましょう。
オブザーバーを新入社員が担当する場合
オブザーバーは、見識や経験、知識が高い人材が選ばれることが多いですが、新入社員をオブザーバーにする場合もあります。
新入社員がオブザーバーになることで、よりハイレベルな議論や決定のプロセスを体験することができ、会社の知識を共有できるだけでなく実践的なスキルアップにもつながります。
オブザーバーを他部署の従業員が担当する場合
他部署の従業員がオブザーバーになることで、共有しにくい業務情報をシェアできたり、自分達で気づけない非効率なルーチン化された業務へメスを入れてもらったりすることもできます。
例えば、IT部門のメンバーが他部署の会議にオブザーバーとして参加すると、手作業で行っていた業務や古いマニュアルの通りに取り組んでいた業務が、一足飛びに改善されることもあるでしょう。
また、ボードメンバーの会議にチームリーダークラスまでがオブザーバーとして参加することで、決定のプロセスが共有でき、全社の意思疎通が早くなることもあるでしょう。
さらに、決定事項が伝達で回ってくるのではなく、当事者として感じることができるため、リーダーのやる気が上がり、対応も早くなります。
オブザーバーをプロジェクト担当者が担当する場合
プロジェクト担当者がオブザーバーになることは、特に全社的なプロジェクトを走らせることが多い人事部のプロジェクト担当者におすすめの方法です。
新しい「人事評価の浸透」や、各部署での「コアコンピタンス」の洗い出しを実施してもらう場合など、オブザーバーとして参加することで、どのレベルで議論してもらいたいか粒度を揃えることができます。
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オブザーバーの選出に役立つ従業員データの一元管理
オブザーバーが心がけること
オブザーバーとして会議に参加する際に気を付けたいことについて確認してみましょう。
オブザーバーが心がけること
自分の役割に徹する
第三者としての立場を理解する
自分の行動と言葉に責任を持つ
自分の役割に徹する
ビジネスにおけるオブザーバーは、会議の中で果たすべき役割がいくつかあります。
その中でも、オブザーバーを務める際の大前提として、自分がこの会議にどういったオブザーバーとしての役割を求められているのかを確認し、その役割に徹する意識を持つことが大事です。
会議のスムーズな進捗を促すための「公平性」や「外部の目」を求められているのならば、その役割を意識しましょう。
会議での議論の内容自体については、オブザーバーの責任ではありませんが、会議全体の質をあげることがオブザーバーの役割になります。
第三者としての立場を理解する
オブザーバーはあくまで第三者的な立場での公平な参加を求められます。
できるだけ参加者から距離を取り、陪席者としての立場を忘れないようにしましょう。
会議の議論に参加するアドバイザーとは立場が異なるため、議論に参加したり、発言をしたりするのは控えるべき立場になります。
自分の行動と言葉に責任を持つ
会議でのオブザーバーは、発言や意見が求められない場合がほとんどです。
しかし、立場や専門家としての知識などから、意見や感想を求められる場合もあります。
もし、上司がオブザーバーとして会議に参加している場合は、参加者への影響が大きいため、発言には慎重になる必要があります。
発言者の発言内容が自身の考えと違い、決定事項や方向性を否定する必要がある場合は、専門家として責任を持てる場合以外は、最大の注意を払うことが必要です。
オブザーバーは人事制度の設計や見直しに有効
オブザーバーは、会議の質や企業の生産性向上のためにも、事業戦略としても導入したいシステムの1つです。
オブザーバーは、人事部の仕事と親和性が高い制度です。
人事評価制度の設計や見直しなど、全社的なプロジェクトを立ち上げた際に有効です。
特に人材活用に欠かせない透明性のある制度へと、人事評価をアップデートしていくことは、人事部にとってコアな業務といえます。
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