#人材育成
2024/08/28

オペレーショナルエクセレンスとは?意味や実施方法と事例について解説

目次

オペレーショナルエクセレンスとは、企業がオペレーションを徹底的に磨き上げ、効率の向上を目指すことで、自社の競争優位性を構築している状態のことを指します。

また、自社のオペレーションの品質が、競合他社よりも優れているということは、競合他社との競争を勝ち抜いていくための強い武器となります。

この記事では、オペレーショナルエクセレンスの意味と求められる理由、オペレーショナルエクセレンスの実施方法、オペレーショナルエクセレンスのメリット、オペレーショナルエクセレンスの事例について解説します。

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オペレーショナルエクセレンスとは

オペレーショナルエクセレンス (Operational Excellence) とは、企業がオペレーションを徹底的に磨き上げ、効率の向上を目指すことで、自社の競争優位性を構築している状態のことを指します。

つまり、自社のオペレーションの品質が、競合他社よりも優れているということを意味します。

オペレーションとは

オペレーションとは、運用、運行、作業、操作という意味の他、演算、作戦、手術という意味も持ちます。

オペレーションは、複数の意味を持つ言葉ですが、ビジネスでの意味は、「業務のフローを定めること」「業務フローに沿って進行する作業や実務のこと」を指すのが一般的です。

オペレーションは、日常の企業活動そのものであり、競争戦略を実行する土台と言えます。

優れた戦略を生み出すことは非常に重要ですが、戦略はオペレーションとして実行されることで、初めて成果を生み出すことができるものです。

ムダなくスピード感のあるオペレーションは、簡単に構築することはできませんが、一度構築できれば他社は容易に追い付くことができないため、ビジネスにおいて大きな武器となります。

オペレーショナルエクセレンスが求められる理由

インターネットなどの通信技術の進歩や情報産業の発達によって、多くの情報が行き交う現代では、競合他社の情報も安易に知ることが可能になり、自社で独自の製品やビジネスモデルを構築しても、すぐに競合他社に模倣されてしまいます。

しかし、オペレーションの品質は、実務の中で試行錯誤しながら少しずつ磨き上げていく必要があるため、他社が模倣することは難しいものです。

また、オペレーションを磨き上げ強化することは、自社の組織力の強化や、強みの最大化にもつながります。

つまり、競合他社の中で勝ち抜くためにも、オペレーショナルエクセレンスは企業にとって必要不可欠な取り組みと言えます。

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オペレーショナルエクセレンスの実施方法

オペレーショナルエクセレンスの実施方法として、オペレーションを磨き上げるために必要な手順について確認してみましょう。

オペレーショナルエクセレンスの実施方法

  • 現状把握

  • 問題点の洗い出し

  • 改善計画の作成

  • 実施と評価

現状把握

オペレーショナルエクセレンスの実施方法として、「現状把握」があげられます。

まずは、現状の業務プロセスの手順をフローチャートにして可視化します。

可視化する時は、「BPMN(ビジネスプロセスモデリング表記)」を用いるのがおすすめです。

BPMNとは、国際標準(ISO19510)にもなっているフローチャート手法で、関係者間の共通言語として使用することができます。

問題点の洗い出し

オペレーショナルエクセレンスの実施方法として、「問題点の洗い出し」があげられます。

現状把握が完了したら、問題点の洗い出しを行います。

問題点を洗い出す際は、ただ洗い出すだけではなく、問題点の原因を掘り下げていくことが大切です。

問題点の根本的な原因を明確にすることで、オペレーションの改善が可能となります。

改善計画の作成

オペレーショナルエクセレンスの実施方法として、「改善計画の作成」があげられます。

問題点に対していくつか改善案を提起し、改善案を、効果、費用、期間の総合的な観点から評価し、どれを採用するかを決定します。

改善案が決定したら、改善計画を作成し、いつ誰が何を実施するのかを明確にしましょう。

実施と評価

オペレーショナルエクセレンスの実施方法として、「実施と評価」があげられます。

改善計画が作成できたら実行に移し、実行したら効果を評価します。

もし、想定通りの効果が得られなければ、再度原因を考えて改善を繰り返し、PDCAを回すようにしましょう。

また、改善を確実に定着させるためにルール化をしていくことも大切です。

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オペレーショナルエクセレンスのメリット

オペレーショナルエクセレンスを実現することで得られるメリットについて、確認してみましょう。

オペレーショナルエクセレンスのメリット

  • 常にオペレーション改善を重ねる企業文化の浸透

  • 高い組織力の実現

常にオペレーション改善を重ねる企業文化の浸透

オペレーショナルエクセレンスのメリットとして、「常にオペレーション改善を重ねる企業文化の浸透」があげられます。

オペレーショナルエクセレンスを確立した企業では、業務フローだけでなく、業務フローを改善するプロセスもマニュアル化されており、常に改善を重ねようとする企業文化が根付くとされています。

継続的なオペレーションの進化が可能となるため、競合企業に簡単に模倣されることがありません。

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高い組織力の実現

オペレーショナルエクセレンスのメリットとして、「高い組織力の実現」があげられます。

オペレーショナルエクセレンスを確立するためには、個々の現場だけにとどまらず、組織の各部門が特性を最大限に発揮することが必要なため、各部門がそれぞれ高い組織能力を発揮している状態を実現することができます。

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オペレーショナルエクセレンスの例

オペレーショナルエクセレンスの例として、2社の事例について確認してみましょう。

オペレーショナルエクセレンスの例:トヨタ自動車

トヨタ自動車の生産方式は、オペレーショナルエクセレンスを実現した代表的な例です。

トヨタ生産方式は、「異常が発生したら機械がただちに停止して、不良品を造らない」という「自働化」と、「各工程が必要なものだけを、流れるように停滞なく生産する」という「ジャスト・イン・タイム」の2つの考え方を柱として確立されました。

ムダを徹底的に排除した生産方式で、世界に誇るオペレーショナルエクセレンスを実現しています。

トヨタ自動車株式会社

オペレーショナルエクセレンスの例:セブン‐イレブン・ジャパン

商品の単品管理は、セブンイレブンが先駆けて行った商品管理手法です。

単品管理では、品揃えをできるだけ顧客の要望に近づけるよう、商品の発注数や陳列方法を単品ごとに管理します。

そして、売れない商品の排除と、売れる商品への入れ替えを繰り返し、売上アップと在庫の削減を実現しました。

単品管理を追求した際、店舗だけでは超えられない様々な制約条件がありましたが、制約条件を取り払う努力を続け、商習慣の変革を達成しました。

株式会社セブン‐イレブン・ジャパン

オペレーショナルエクセレンスとDX

これからの時代のオペレーションを考えるにあたり、DXは欠かせないものです。

近年、企業ではDXが注目を集め、経済産業省もDX推進に力を入れています。

経済産業省は、「デジタルガバナンス・コード2.0」で、DX(デジタルトランスフォーメーション)を、「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」と定義しています。

DXの推進は、これまでの仕事のやり方や企業文化の変革を求められるものであり、あらゆる産業において、今後の競争力を決する重要な課題として位置づけられています。

(出典)経済産業省「デジタルガバナンス・コード2.0

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新しいオペレーショナルエクセレンス

近年では、これまでにないビジネスモデルが次々に登場し、オペレーションの設計も変革を求められています。

経済産業省は、「DXレポート」の中で「2025年の崖」という表現を使い、既存システムから脱却できなかった場合、2025年以降、年間で最大12兆円の経済損失が生じる可能性が示唆されており、DX実現に向けたオペレーション改革は、もはや「まったなし」の状況を迎えていると言えます。

既存システムから脱却する新しいオペレーション改革は、経営トップが強いコミットメントを持ち、企業全体での変革をしていく姿勢が必要です。

(参考)経済産業省「DXレポート

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オペレーショナルエクセレンスは企業にとって必要不可欠な取り組み

オペレーショナルエクセレンスとは、企業がオペレーションを徹底的に磨き上げ、効率の向上を目指すことで、自社の競争優位性を構築している状態のことを指します。

また、自社のオペレーションの品質が、競合他社よりも優れているということは、競合他社との競争を勝ち抜いていくための強い武器となります。

さらに、これからの時代でオペレーショナルエクセレンスを実現するためには、デジタル技術は欠かせないため、社内のオペレーションにもDXの推進は必須となります。

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HR大学編集部
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