#人材育成
2024/08/01

パラダイムシフトとは?意味や使い方の例を簡単に解説

目次

パラダイムシフトとは、ビジネスシーンでは「革新的なアイデアによって市場を変化させる」という意味で使用されます。

企業を取り巻く状況の変化が激しく、当たり前にパラダイムシフトが起こる現代では、企業の進める事業や、企業独自の強みも、普遍的なものではなくなりました。

そのため、企業も自社の存在価値を明確にしつつ、パラダイムシフトに対応できる組織づくりが、求められるようになりました。

この記事では、パラダイムシフトの理解を深めるために、パラダイムシフトの意味、ビジネスや身近なパラダイムシフトの例などについて解説します。

パラダイムシフトに対応する「人的資本経営」とは

パラダイムとは

パラダイム(paradigm)とは、ギリシャ語で「範例」を意味する、パラデイグマ(paradeigma)に由来した言葉で、アメリカの科学史家・科学哲学者であるトーマス・クーンが、著書である「科学革命の構造」の中で、科学史の科学哲学を分析するために導入した概念です。

パラダイムは、特定の分野、その時代において規範となる「物の見方や捉え方」を指します。

現在では、「その時代の規範となるような思想や価値観」という意味で使われています。

(参考)トーマス・クーン「科学革命の構造

パラダイムシフトとは

パラダイムシフトとは、パラダイムが「シフト(移動)」することを指し、その時代の規範となる考え方や価値観などが大きく変わることをいいます。

一般的には、「見方が変わる」「固定観念を破る」という意味で使われ、ビジネスシーンでは「革新的なアイデアによって市場を変化させる」という意味合いで使用されることが多いです。

ビジネスシーンでのパラダイムシフトとは

パラダイムシフトが起これば、当然消費者の行動も変わり、企業はそれに対応していく必要があります。

この対応が遅れると、企業存続の危機に直結します。

新たなサービスや技術の創出により、時代の流れが変わることが予測され、今後どのように対応していくか議論します。

世の中の流れが速い現代では、ほとんどの企業がこのような議論を日常的に繰り返し行っています。

ビジネスシーンでのパラダイムシフトの例

ビジネスにおけるパラダイムシフトの例について確認してみましょう。

パラダイムシフトによって好転の鍵となったポイントや、パラダイムシフト前と後でどのような変化があったのかについて解説します。

ビジネスシーンでのパラダイムシフトの例:所有から共有へ

10年程前までは、不動産(車や家)は「自分の資産」として大切に使っていくというのが一般的な考え方でした。

ですが、Webのプラットフォームを介し、多くの人と共有する「シェアリングサービス」の登場により、使う機会が少ない資産(遊休資産)を「他人と共有する」考えが一気に広がりました。

シェアリングサービスは、提供者と利用者の双方にメリットがあります。

提供者は、すでに今持っている資産(車や家)を提供し、収入を得ることができます。

利用者は、安価な料金と手数料でサービスを受けることができます。

必要な時に必要な分だけ利用できるため、費用も節約できます。

シェアリングサービスは、普段使われていない物をWebで共有し、有効活用することで、必要な人が必要なタイミングで、必要なモノを利用するというパラダイムシフトです。

ビジネスシーンでのパラダイムシフトの例:儲けより社会貢献

「企業の最優先事項は利益」が常識でしたが、そのような考え方に変化が見られるようになりました。

「社会貢献」に対する理解が進み、企業が経済活動を続ける中で、「社会貢献」の視点を持つことが不可欠になり、企業が社会貢献に関する事業目標を掲げ、事業展開をして存在意義を確率していく、「パーパス経営」が注目されています。

社会貢献の考えは、特に若者を中心とした世代に顕著に表れており、1985年以降に生まれた人は、社会貢献志向が高くなっています。

きっかけとなったのは、東日本大震災といわれ、日本を大きく揺るがした災害を契機に、多くの若年層が、自身の生きる意味を捉え直したと考えられています。

また、国連の「持続可能な開発目標」(SDGs)が大々的に発表され、地球全体として取り組む目標が明確化されたことも、社会貢献志向が広がる1つの要因です。

今まで、インフラ面、コスト面がネックになっていた発展途上国での生活も、IoTの進化により、徐々に技術導入が進んでいます。

そういった技術の進歩が、発展途上国の生活環境自体を改善し、新規産業が雇用を生み、貧困問題を解決する、という具体的な解決手段が見えたことも、社会貢献志向を高める理由となっています。

(参考)リクルートワークス研究所「若年の社会貢献志向は、なぜ高いのか? 豊田義博

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身近なパラダイムシフトの例

身近なパラダイムシフトの例について確認してみましょう。

身近なパラダイムシフトの例:IT革命

2000年以降、ネットワークの高速化や大容量化、定額通信サービスが始まり、さまざまなツールやデバイスがデジタル化やモバイル化され、パラダイムシフトが起こりました。

身近なパラダイムシフトの例として、「IT革命」がもたらしたパラダイムシフトの例をいくつか解説します。

  • カメラ

カメラは最も代表的なパラダイムシフトの例です。

2000年以前カメラの主流はフィルムでしたが、徐々にデジタルカメラが普及しました。

その後、カメラ付き携帯が登場し「写メール」機能が付いた事で、一気にデジタルカメラや携帯カメラへとパラダイムシフトしました。

  • テレビ

テレビは従来、屋内での視聴が主流でしたが、携帯電話やカーナビなどで地上デジタル放送を受信できる「ワンセグ」放送がスタートし、街中や移動中でも、テレビ視聴ができるようになりました。

  • CD

CDの販売から、音楽データのダウンロードによる販売が普及し、近年では、定額制の音楽配信サービスが普及したことで、CDを購入する人は半分以下に減っています。

  • 紙の冊子や切符

電話帳や地図は、紙媒体が主流でしたが、現在はWeb上で閲覧できるようになりました。

また、2001年にJR東日本がSuicaを導入して以降、さまざまな交通系ICカードのサービスが開始され、切符がICカードへとパラダイムシフトしました。

  • スマホの普及

これまでのパラダイムシフトの例と一線を画すのが、スマートフォンの普及です。

スマートフォンの登場がそれまでの「電話」の常識を変えました。

従来の電話機の主な利用目的は音声通話でした。

1990年代後半から普及しはじめた携帯電話も、インターネットに接続できましたが、使える機能が限られていました。

2000年代後半に登場したスマートフォンは、音声通話機能はもちろん、アプリをダウンロードし、ゲームや動画の視聴、SNSやQRコードなど、利用者が必要な機能を付け加えられた点でパラダイムシフトを実現しました。

  • クレジットカード決済

店舗でのクレジットカード決済も、スマートフォンの登場でパラダイムシフトしました。

以前は、店舗にクレジットカード決済を導入するためには、手続きに何か月もかかり、高額な端末を購入する必要もありました。

現在は、店舗へのクレジットカード決済の審査も簡素化され、普段使っているタブレットやスマートフォンにアプリを入れ、専用のICカードリーダーを接続するだけでクレジットカード決済ができるようになりました。

意図的にパラダイムシフトを起こす

目まぐるしく変わる外部環境に対応していくために、パラダイムシフトを起こしていくためには、どのような事に気を付けていけば良いかについて、確認してみましょう。

パラダイムシフトを意識する

意図的にパラダイムシフトを起こすためには、常にアンテナを張っておくことが大切です。

経営者であれば、さまざまなことを想定し、事前に目標を設定したり、計画を立てたりします。

変化が激しいこの時代に、外部環境、顧客、競合がどう動くかを敏感に察知して、適応できるかが重要です。

そのため、まずは日々の生活でパラダイムシフトを意識することから始めましょう。

日々アンテナを張って生活することで、さまざまな気づきを得るようになり、今まで見えてこなかったものに興味が出てくるでしょう。

パラダイムシフトへの対応

新しいものに触れた時に、自分がどう感じるかを掘り下げてみましょう。

受け入れられないと思うのであれば、「なぜそう感じるのか」「何がポイントになっているのか」を熟考してみると、自分自身の柔軟性に気づく機会となります。

常にさまざまな情報に好奇心を持ち、多くの事を学び、体験することが、パラダイムシフトを起こし、チャンスをつかむ事に繋がっていきます。

今までの自分の「概念の殻」に閉じこもってしまっていては、自身のパラダイムシフトは起こせません。

チャンスをつかむ為にも、積極的に前に出て、パラダイムシフトを起こすことは非常に重要なことです。

まずは、自分の生活の中でさまざまな情報を積極的に取り入れて、対応していくことをおすすめします。

パラダイムシフトに対応する組織づくり

企業を取り巻く状況の変化が激しく、当たり前にパラダイムシフトが起こる現代では、企業の進める事業や、企業独自の強みも、普遍的なものではなくなりました。

そのため、企業も自社の存在価値を明確にしつつ、パラダイムシフトに対応できる組織づくりが、求められるようになりました。

また、パラダイムシフトによって、企業が経済活動を続ける中で、「社会貢献」の視点を持ち、社会貢献をすることで企業の存在価値を確立する、「パーパス経営」が注目されています。

このような、変化の激しい社会状況の中で、生産性を高め、企業の存在価値を確立し、企業が生き残って行くためには、「人材」を「資本」と考え、従業員ひとりひとりが持つ、スキルや能力を付加価値のある資産とみなし「投資」をすることで、中長期的な企業価値の向上につなげる「人的資本経営」が大切になります。

「HRBrain タレントマネジメント」では、「人的資本経営」において「資産」となる、従業員ひとりひとりの、スキルや能力をクラウド上で管理し、従業員の成長をサポートします。

また、従業員の職務履歴や、スキル管理、目標管理、人材育成記録など、必要な人材データを一元管理し、見える化します。

HRBrain タレントマネジメントの特徴

  • 検索性と実用性の高い「データベース構築」を実現

運用途中で項目の見直しが発生しても柔軟に対応できるので安心です。

  • 柔軟な権限設定で最適な人材情報管理を

従業員、上司、管理者それぞれで項目単位の権限設定が可能なので、大切な情報を、最適な状態で管理できます。

  • 人材データの見える化も柔軟で簡単に

データベースの自由度の高さや、データの見える化をより簡単に、ダッシュボードの作成も実務運用を想定しています。

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HR大学編集部
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