#人材育成
2024/08/13

報連相とは?できない人の特徴や原因と重要性や本当の意味を解説

目次

報連相(ほうれんそう)とは、「報告」「連絡」「相談」の3つの言葉の頭文字をとったビジネス用語で、仕事を円滑に進めるために必要となる基礎的なビジネススキルです。

報連相は、ビジネスパーソンにとっての基本と言われているにも関わらず、職場において報連相ができていないことでトラブルが発生してしまうこともあります。

この記事では、報連相の本当の意味と重要性、報連相ができない人の特徴と原因、報連相を徹底させるためのコミュニケーションの改善方法について解説します。

報連相の仕組み化と社内浸透をサポート

報連相とは

報連相(ほうれんそう)とは、「報告」「連絡」「相談」の3つの言葉の頭文字をとったビジネス用語で、仕事を円滑に進めるために必要となる基礎的なビジネススキルです。

報連相を的確かつ迅速に行うことは、「職場のコミュニケーション」「正しい情報共有」「業務効率化」につながり、ビジネスパーソンの常識となっています。

逆に報連相を怠ってしまった場合、「コミュニケーションが滞る」「正しい状況が把握できない」「業務効率の低下」などのトラブルにつながってしまいます。

報連相は、主に内定者セミナーや新入社員研修で題材として扱うことが多く、社会人になって早い段階で教えられることが多いスキルです。

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報連相の「報告」

報告とは、依頼された仕事や業務の進捗状況や結果を、上司などの依頼者へ知らせることです。

部下と上司との相互間で情報の共有を挟むことで、業務が問題なく進行できているかをお互いに把握することができます。

日頃から報告の習慣が根付いていれば、万が一トラブルが発生した際にも、スムーズに部下から上司へ連携ができるため、早期のトラブル解決に役立ちます。

報連相の「連絡」

連絡とは、仕事や業務に関する情報やスケジュールを、関連する人たちに共有することです。

仕事や業務に関わる関係者間で情報共有がされることで、業務の前工程と後工程それぞれに業務調整や準備を進めることができます。

また、連絡事項の中で何か問題が発見されれば、その時点で軌道修正をすることができるため、連絡をすることは業務を効率的に進め、ミスを回避するうえでも有効と言えます。

報連相の「相談」

相談とは、仕事や業務で発生する質問や不明点について、さらに物事の判断が必要な際に、上司や周囲の従業員に意見を求めることです。

相談することは、個人のスキルに左右されず、適切な対応をするために必要なことです。

一人では解決できないことでも、相談をすることで上司や周囲の従業員から受けたアドバイスをもとに、判断することができるようになるため、個人の成長にもつながります。

報連相ができない人の特徴

報連相ができない人の特徴と心理について、ビジネスシーンでありがちな3つの例とあわせて確認してみましょう。

報連相ができない人の特徴として共通しているのは、「相手の視点」や「俯瞰的な視点」が不足していることですが、報連相を受ける側も報連相ができない人の立場に立って「なぜ報連相をしないのか」に目を向けることが大切です。

報連相ができない人の心理

  1. 報連相の必要性を感じていない
  2. 報連相をする時間や気持ちの余裕がない
  3. 報連相(コミュニケーション)を躊躇している

報連相の必要性を感じていない

報連相すなわち、職場内での情報共有を行わない従業員は、そもそも報連相の必要性を感じていない可能性があります。

報告と連絡の目的を理解していないために、「報告や連絡のためにわざわざ自分や相手の時間を割く必要はない」という判断をしてしまっています。

報連相の目的を理解できていない場合は、仕事を俯瞰的に見ることができていないのかもしれません。

多くの仕事は、個人で完結するものではありませんが、業務の全体像に目を向けずに、従業員個人の業務範囲しか見ることができていないと、「自分さえ知っていればいい」と考えてしまいます。

「自分の業務の前後で対応している人が何をしているか」「何かトラブルがあった際に対応するのは誰なのか」という周囲の従業員への影響や、報告や情報を共有することの必要性が分からないために、報連相をおろそかにしてしまうのです。

報連相をする時間や気持ちの余裕がない

報連相の必要性を認識していても、日々の業務を遂行することに手一杯で、報連相をすることを後回しにしてしまっている場合もあります。

物理的な業務量が多く時間的な余裕がないという従業員もいますが、「自分で解決したい」という気持ちから、必要以上に業務的な負担を抱え込んでしまっている従業員もいます。

相談を問題解決の手段として捉えられていないため、「相談するということは、自分の力で解決できなかったということだ」と思ってしまっている可能性もあります。

このような状況下では、上司から「報連相をするように」と促されることがプレッシャーになってしまうため注意が必要です。

報連相(コミュニケーション)を躊躇している

人とのコミュニケーションへの苦手意識や相手への気遣いから、報連相を避けてしまう人もいます。

「間違ったことや不要なことを報告してしまったら恥ずかしい」「わざわざ時間をとってもらうのは申し訳ない」という気持ちから、報連相をすることを躊躇してしまいます。

あるいは、何をどう報告をすれば良いのかが分からずに、困っているのかもしれません。

例えば、メールやチャットがいいのか、口頭で伝えるのがいいのか、という連絡する手段が分からずに、手が止まってしまう場合もあります。

本来なら、「分からない場合は聞けば良い」のですが、相手の仕事の手を止めて自分の話を聞いてもらうということは、それなりの勇気がいることです。

もし、従業員が入社して間もなくて環境に慣れていなかったり、上司や周囲の人が忙しそうにしていたりする場合、なおさら言いづらいと感じているかもしれません。

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報連相ができない原因

報連相ができない原因には、本人の「心理的要因」と職場の「環境要因」のいずれのケースも考えられます。

報連相ができない原因について確認してみましょう。

報連相ができない原因

  • 心理的要因:上司が怖いもしくは伝えるのが面倒

  • 環境要因:報連相の目的やルールが周知されていない

心理的要因:上司が怖いもしくは伝えるのが面倒

報連相ができない従業員の中には、上司に何か伝えることに対して恐れを感じてしまっている場合があります。

「間違った報告をして怒られるのではないか」「失敗して評価を下げるのではないか」というような心の不安が報連相の妨げとなっていると考えられます。

従業員に対して上司が威圧的な態度を取っていなくても、日頃からのコミュニケーションが取れていない場合、自分の話を上司がどのように受け止めるかが分からないという不安が生じます。

また、「話しても意味がないかもしれない」と思うと、つい伝えることが面倒に感じられてしまい報連相ができなくなっていきます。

環境要因:報連相の目的やルールが周知されていない

報連相ができない原因の中で実は、心理的要因よりも非常に多いのが、報連相をしやすい職場環境が整っていない場合です。

「報連相をするのは当たり前だから」と、職場の報告、連絡、相談に関するルールが形成されてなく、上司は「報連相をするのは当たり前」と思っていても、部下にはその習慣がない可能性があります。

報連相の習慣がない従業員に、報連相の目的や重要性を伝えずに、ただ「報連相をするように」と伝えるだけでは、行動を変えることは難しいでしょう。

「どのようなときに、なんのために報連相が必要なのか」を理解しなければ、報連相をするべきタイミングが分かりません。

また、伝え方や連絡する手段が分からないということも、報連相が滞る原因のひとつです。

報連相が滞るような事態を改善するためには、職場のルールとして「いつ、どうやって報連相を行うか」を周知し徹底することが重要になります。

報連相ができないことでの職場への影響

報連相ができないと、組織にどのような影響を及ぼすのか、報連相がないことのリスクについて確認してみましょう。

報連相ができないことでの職場への影響

  • ミスやトラブルが起こりやすくなる

  • 業務やプロジェクトが円滑に進まなくなる

  • 迅速なトラブル対応ができない

報連相ができでいない組織では、適切な組織マネジメントが機能しているとは言えません。

コミュニケーションを基盤とした組織としてのスキル向上のためにも、リーダーが率先して報連相をしやすい雰囲気づくりや、風通しの良い職場環境の整備を行っていくことが重要なポイントになります。

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報連相を浸透させる方法

報連相を組織に浸透させるための方法について確認してみましょう。

報連相を浸透させる方法

  • 報連相の必要性と目的を周知する

  • 報連相の仕方をルール化する

  • 報連相のポイントやガイドラインを示す

報連相の必要性と目的を周知する

まず、報連相に対する意識を変えることから始めましょう。

そのためには、「なぜ報連相が必要なのか」「なんのために報連相をする必要があるのか」という報連相の目的を明確化し、アナウンスすることが重要です。

例えば、「上司が状況を把握しておくことで何かあれば適切にフォローできること」「トラブルがあった際にすぐに対応ができること」などを伝えましょう。

形式的なものや、監視したい意図ではないということをきちんと伝え、実際にアナウンス内容と相違のないコミュニケーションを取るように心掛けましょう。

報連相の仕方をルール化する

報連相をするタイミングや連絡手段に迷うことがないように、あらかじめルールを決めて明示しておきましょう。

例えば、スケジュールの進捗管理は部下も上司も見ることができるようなツール上で行い、それ以外の情報の共有はチームミーティングで実施する、関係者との連携はチャットツールでやりとりする、というように「いつ、どのように、誰に報連相を行うか」をあらかじめ決めておきます。

決めたルールが時間や手間を要すると浸透しづらいので、メンバーの意見を聞きながら極力手間のかからない方法で報連相ができるようにしましょう。

報連相のポイントやガイドラインを示す

報連相をする習慣がないと、どのようにして報連相を行えば良いのかが分からない従業員もいるでしょう。

報連相を知っていることが当然だと思わずに、報連相のポイントを示すことで「報連相の仕方を間違えてしまうことへの不安」の解消に役立ちます。

例えば、「予定通りに進行していないことがあればなるべく早く報告をする」「何のプロジェクトの話なのかを冒頭で伝える」「起きていることの事実情報を自身が理解しまとめておく」などが、報連相をする際のポイントとなります。

従業員からの分かりやすい報連相を例にしながら、報連相をすることに慣れていない人でも迷わずに情報が連携できるようなガイドラインを示すようにしましょう。

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報連相をしやすい上司になるためのポイント

報連相ができない部下がいる場合、相手を変えようとするだけでなく、報連相を受け取る立場として無意識のうちに、報連相がしづらい雰囲気を作ってしまっていないかを振り返ることも忘れてはいけません。

部下が報連相をしやすい上司になるために心掛けたい2つのポイントについて確認してみましょう。

報連相をしやすい上司になるためのポイント

  1. 忙しくても部下と話をする時間を作る
  2. 報連相に対して部下にネガティブな印象を持たせない

忙しくても部下と話をする時間を作る

上司がいつでも忙しそうにしていると、部下としては報連相をすることを躊躇してしまいます。

「上司は忙しそうだから話を聞く時間はないだろう」と、迷惑をかけないために自力で何とかしようと考えてしまう可能性があります。

また、上司から部下に報連相をしていない、というケースも意外に多くあります。

部下の知らないところで、業務に関わる決定事項があったことを、上司からではなく他の人から聞いて知ることなどがあると、信頼関係を築いていく際の妨げになってしまいます。

そのような事態にならないためには、忙しい時でも部下と話をする時間を作ることが大切です。

どうしても時間の捻出が難しい場合は、部下の話を聞くことを大事に思っている旨をきちんと伝え、部下が遠慮してしまわないように配慮しましょう。

報連相に対して部下にネガティブな印象を持たせない

必要だと思って報連相をしたのに、上司に叱られるという経験を繰り返すと、部下は「報連相をすると叱られる」と考えてしまいます。

また、相談しても「自分で考えて」と言われて終わってしまったり、報告、連絡に対して何の反応もなかったりすると、報連相をすることの意味を感じられなくなってしまいます。

報連相の目的として「上司が部下の状況を把握して、適宜フォローする」というアナウンスをしたのにも関わらず何の反応もなければ、部下は「意味なく自分の時間だけが割かれている」と感じてしまいます。

上司として、アナウンスした目的と矛盾のない姿勢を見せるよう心掛けましょう。

報連相は円滑に業務を遂行するうえで欠かせないスキル

報連相は組織として円滑に業務を遂行するうえで欠かせないビジネススキルです。

報連相の基盤となるのは、人と人のコミュニケーションです。

明確なルールや指針がなくても、報連相が習慣として身についている人に共通する特徴として、自分以外の周囲の人の立場に立って、「何を報連相すべきか」「どのように報連相すべきか」を考えられることがあげられます。

また、組織のリーダーは、報連相しやすい職場環境を整えると同時に、自分の部下がどのような環境であっても自発的に判断をしていけるスキルを身につけられるようサポートしていく必要があります。

「HRBrain タレントマネジメント」は、従業員のひとりひとりの目標や業務に対する進捗状況の可視化を行い、報連相の仕組み化と社内浸透をサポートします。

さらに、従業員のスキルマップや、これまでの実務経験、育成履歴、異動経験、人事評価などの従業員データの管理と合わせて、OKRなどの目標管理、1on1やフィードバックなどの面談履歴などの一元管理も可能です。

HRBrain タレントマネジメントの特徴

  • 検索性と実用性の高い「データベース構築」を実現

運用途中で項目の見直しが発生しても柔軟に対応できるので安心です。

  • 柔軟な権限設定で最適な人材情報管理を

従業員、上司、管理者それぞれで項目単位の権限設定が可能なので、大切な情報を、最適な状態で管理できます。

  • 人材データの見える化も柔軟で簡単に

データベースの自由度の高さや、データの見える化をより簡単に、ダッシュボードの作成も実務運用を想定しています。

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HR大学編集部
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