#人材管理
2024/08/08

従業員エンゲージメント指標(指数)とは?測定方法や重要性、メリットを紹介

目次

従業員エンゲージメント指標(指数)は、「従業員と会社との結びつきを数値化したもの」です。エンゲージメント指標(指数)をもとに、最適な施策や改善を行うことで、会社と従業員、会社とユーザーとの関係をより良いものにできると考えられています。

エンゲージメント指標(指数)とは具体的にどのような指標(指数)なのか、またエンゲージメントを向上させる要素はどのようなものなのかについて解説します。

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従業員エンゲージメント指標(指数)とは?

従業員エンゲージメント指標(指数)は、「従業員と会社との結びつき(エンゲージメント)を数値化したもの」です。会社への「信頼度」や「愛着度」を指標化し、会社と従業員の関係を数値で表します。

エンゲージメント指標(指数)をもとに、最適な施策や改善を行うことで、会社と従業員、会社とユーザーとの関係をより良いものにできると考えられています。

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従業員エンゲージメント指標(指数)は「熱意・信頼・意欲」を示すもの

「エンゲージメント」とは、「従業員の会社への愛着」は「従業員と会社との結びつき」をさします。

従業員エンゲージメント指標(指数)は、従業員の会社への、「熱意」「信頼度」「愛着度」を指標化し、会社と従業員との関係性を数値で表したものです。

会社への熱意・信頼・愛着を表すものを計測する、従業員エンゲージメント指標(指数)と似たものに「従業員満足度」があります。

「従業員満足度」は労働条件・環境などについて、従業員から会社を一方的に評価をする意味合いが強いものです。

それに対して従業員エンゲージメント指標(指数)は、会社と従業員の双方向的な取り組みによって結びつきを強めていけるものである点で「従業員満足度」とは異なります。

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従業員エンゲージメント指標(指数)だけでなく「顧客エンゲージメント」も

エンゲージメントには、従業員エンゲージメントの他に「顧客エンゲージメント」と呼ばれるものもあります。

従業員エンゲージメントが会社と従業員間の関係性を示すものであるのと同じように、顧客エンゲージメントは会社とその会社の商品を購入・使用する顧客間の信頼関係を示すものです。

顧客エンゲージメントを向上させることで顧客が自社の商品やサービスを選び続けてくれれば、会社の市場での競争力が高まることに繋がります。

従業員エンゲージメント調査は従業員に会社に対する熱意・信頼・愛着を持ち続けてもらうために、顧客エンゲージメントは顧客に自社の製品を愛し、使い続けてもらうために行うものであり、両者の目的は基本的には同じであると言えます。

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従業員エンゲージメント指標(指数)がなぜ重視されるのか?

従業員エンゲージメント指標(指数)は、多くの企業の採用や組織開発の領域において注目を集めています。

従業員エンゲージメント指標(指数)の計測が重視されている理由について確認してみましょう。

  • 少子化などによる人材確保の難しさ

  • 会社が行う施策の効果や影響の検証

  • 事業の業績や成長への影響

少子化などによる人材確保の難しさ

少子化に伴い、企業は今後ますます人材の確保が難しくなってくることが予想されます。

優秀な人材の確保や、今いる従業員に長く働き続けてもらうためには、会社が従業員にとって働きやすく、個人の力を発揮できる場所であることが理想的です。

従業員エンゲージメント指標(指数)を測定することによって、自社における改善点や課題を抽出し、より従業員から選ばれる会社を目指すことが重要なのです。

事業の業績や成長への影響

従業員エンゲージメント指標(指数)を測定し、向上させるための施策を行なっていけば、会社は従業員にとってより働きやすく、個人のパフォーマンスを発揮しやすい場所になっていくと考えられます。

従業員ひとりひとりが自身の能力を十分に発揮できれば、結果的に会社全体の業績が向上していくことが期待できます。

このように従業員エンゲージメント指標(指数)を測定することは、将来的な生産性の向上や事業の成長にも影響を及ぼすと考えられるのです。

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日本企業の従業員エンゲージメント指標(指数)

日本企業の従業員エンゲージメント指標(指数)の傾向は、どのようになっているのでしょうか。

海外のいくつかの企業が世界各国の企業と従業員に対して行なった調査によると、日本の従業員エンゲージメント指標(指数)は残念ながら非常に低いとされています。

例えば、ある企業の調査において「仕事に熱意が持てない」という項目について「はい」と答えた人の割合は、欧米を始めとした諸外国では20%台半ばが平均的であるのに対し、日本では48%と非常に高くなっています。

その他の調査においても、日本人の仕事に対するやる気や熱意は、諸外国と比較して低いことが分かっています。

従業員が仕事に対して熱意を持てなければ、本来持っている能力を十分に発揮することも難しいでしょう。

これらのことからも、日本の企業にとって従業員エンゲージメント指標(指数)は、働きやすい職場づくりや会社の事業の発展のために、今後ますます重要な指標になっていくと考えられます。

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従業員エンゲージメント指標(指数)の調査指標

従業員エンゲージメント指標(指数)を測定するためには、具体的にどのような指標を用いるのか確認してみましょう。

従業員エンゲージメント指標(指数)は、大きく3つの指標に分類されまています。

  • エンゲージメント総合指標

  • ワークエンゲージメント指標

  • エンゲージメントドライバー指標

エンゲージメント総合指標

エンゲージメント総合指標は、従業員が会社に対してどのような印象を抱いているか、総合的な評価を数値化したものです。

エンゲージメント総合指標の具体的な項目について確認してみましょう。

  • eNPS(employee Net Promoter Score):自分が勤める会社を勤務先として友人や知人に勧められる度合い

  • 総合満足度:総合的に見た会社への満足度

  • 継続勤務意向:現在勤めている会社で今後も働き続けたいか

エンゲージメント総合指標を計測するための具体的な設問例について確認してみましょう。

  • 「求職中の友人や家族に、自社をおすすめしたいと思いますか?」

  • 「自社で自分の成長を感じられる機会がありましたか?」

  • 「職場に自分を気遣ってくれる上司や同僚はいますか?」

エンゲージメントドライバー指標

エンゲージメントドライバー指標は、今後、従業員エンゲージメントを向上させると考えられる要因を示すものです。

エンゲージメントドライバー指標は、3項目から構成されています。

  • 組織ドライバー:職場の人間関係や環境など、会社と従業員間の状態に関する内容

  • 職務ドライバー:職務に対する満足度や難易度、当事者意識に関する内容

  • 個人ドライバー:個人の資質によって業務に及ぼされる影響に関する内容

エンゲージメントドライバー指標を計測するための具体的な設問例について確認してみましょう。

  • 「自分の仕事を褒められたり認められたりする機会はありますか?」

  • 「自分が所属する部署や会社全体の目標や戦略を理解していますか?」

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従業員エンゲージメント指標(指数)に影響する要素

従業員エンゲージメント指標(指数)を高め、従業員にとって会社をより働きやすく、能力を発揮しやすい場所にしていくためにはどのような点が重要なのでしょうか。

従業員エンゲージメント指標(指数)に影響する、4つの要素について確認してみましょう。

  • 働きやすさ

  • やりがい

  • ビジョン

  • 入社時とのギャップ

働きやすさ

従業員エンゲージメント指標(指数)に影響する要素の1つめは「働きやすさ」です。

従業員が個々の能力を活かして最大のパフォーマンスを発揮するために、会社が働きやすい環境であることは非常に重要です。

従業員の働きやすさに影響する条件について確認してみましょう。

  • 個人として尊重されているか

  • プライベートと仕事が両立できているか

  • 知識を増やし能力を高めるための学習の機会が十分に用意されているか

業務を取り巻くこれらの要素についての満足度が高ければ、自然と従業員エンゲージメントも高くなると考えられます。

従業員エンゲージメント指標(指数)を高めるためには、上司と従業員ひとりひとりが円滑なコミュニケーションを取れる風土を構築し、プライベートを大切にできる労働環境、知識を高めたいと考える従業員の熱意に応えられる学習体制を整えることなどが大切です。

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やりがい

従業員エンゲージメント指標(指数)に影響する要素の2つめは「やりがい」です。

自分が従事した業務において明確な結果や成果が表れ、やりがいを感じられることも従業員エンゲージメントに大きく影響します。

社会人として仕事をしている上で、自分の業務が会社や事業の成長に繋がり、それを同僚や上司に認めてもらえることはこの上ない達成感を得られるものでしょう。

良い仕事ができていると感じることによって従業員の自己肯定感が高まれば、従業員エンゲージメントが高まることが期待できます。

そのためには個人の業務内容や成果を把握し、それを適切に認められる風通しの良い職場づくりが大切です。

ビジョン

従業員エンゲージメント指標(指数)に影響する要素の3つめは「ビジョン」です。

企業が掲げるビジョンと従業員の方向性が一致していることは、事業の成長にとっても従業員の働きやすさにとっても理想的な状態です。

従業員ひとりひとりが将来に対して持つ目標や人生設計と、会社の将来像がマッチしていれば仕事に対する目的意識が高まり、日々の業務に情熱を持って取り組めるでしょう。

従業員とビジョンを共有できるよう、会社側は明確な経営方針を定めた上で従業員に対して十分に説明し、伝えていくことが大切です。

入社時とのギャップ

従業員エンゲージメント指標(指数)に影響する要素の4つめは「入社時とのギャップ」です。

大半の従業員は会社の理念や事業に共感し、期待を持って入社してきます。
しかし、実際に入社し仕事をしてみて、業務内容や社内の風土が事前に思い描いていたものと違っていれば、会社に対する信頼度や愛着度、仕事への熱意が低くなってしまう場合もあるでしょう。

入社時と現在の仕事や会社に対するギャップも、従業員エンゲージメントに影響するものと考えられます。

もし、従業員が入社時に描いていたイメージと実際の仕事内容や会社の風土との間にギャップを感じているのであれば、それをしっかりと深掘りし、仕事に前向きに取り組めるような対策を取っていくことが大切です。

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従業員エンゲージメント指標(指数)の調査方法

従業員エンゲージメント指標(指数)は、従業員の働きやすさや仕事への熱意を測り、会社の成長にも大きく影響する重要な指標です。

実際に従業員エンゲージメント指標(指数)を測定するには、どのような方法があるのでしょうか。

調査を自社で行うか、外部の機関に委託するかで調査方法が変わってきます。具体的な調査の方法には、どのようなものがあるのか確認してみましょう。

従業員エンゲージメント指標(指数)調査を自社で実施する方法

従業員エンゲージメント指標(指数)の調査を自社で実施する場合、選択肢を自社内で設定でき、自由度の高い調査ができるというメリットがあります。

自社が特に掘り下げて知りたい項目や分野に焦点を当てるなど、柔軟に調査を行うことが可能です。

また、専門会社など外部へ委託する場合と比較して、コストが抑えられる点も大きなメリットです。

その反面、調査のプロである外部機関の知見を借りることができないため、専門性に欠ける調査になりがちであるというデメリットもあります。

従業員エンゲージメント指標(指数)調査を専門会社に依頼する方法

従業員エンゲージメント指標(指数)の調査を専門会社に依頼する場合、最大のメリットは、従業員エンゲージメント調査の実績や知見を持つ専門家がアンケートの設問を設定してくれ、専門性の高い調査を行える点でしょう。

また、多忙な人事部門の担当者が一から準備を行わずに済むため、社内での工数が削減できる点も魅力的です。

その反面、当然ながら自社で調査を行うよりもコストがかかるというデメリットもあります。

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従業員エンゲージメント指標(指数)の測定方法

従業員エンゲージメント指標(指数)の具体的な測定方法について確認してみましょう。

従業員エンゲージメントサーベイ

「従業員エンゲージメントサーベイ」は、一般的に半年〜1年に1回程度、定期的に従業員にアンケートを実施します。

アンケートは「自社で働くことに誇りを持っているか」「会社の目標・戦略を理解しているか」などを中心としたボリュームのある項目数になっており、従業員の会社への貢献意欲や満足度を細かくチェックできるようになっています。

1回の設問数が多いことからあらゆる角度での調査結果が得られますが、回答者への負担が大きい点がデメリットでもあります。

従業員パルスサーベイ

「従業員パルスサーベイ」は、「パルス=脈拍」という意味を持っているように、週に1回〜月に1回程度の短い間隔で行う調査方法です。

「従業員エンゲージメントサーベイ」と比べて頻繁に行うため、アンケート内容は5〜10分程度で回答できる簡単なものになっています。

社員の負荷が少ないため回答率が高くなりやすく、調査結果が早く得られることが特長です。

ピンポイントでの満足度などが分かるため、社内で使用するシステムが変更された際や、新入社員が入社した際など、限定的な場面でのチェックにも有効と言えます。

また、アンケート調査以外にも、「キーボードタイピングの様子から業務への集中度を測定」したり、「顔認証機能で従業員の表情から仕事への没頭度を測定」するなど、ITツールを使用した調査が行えることも「従業員パルスサーベイ」の特長です。

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従業員エンゲージメント指標(指数)まとめ

事業を円滑に運営し、会社全体が安定して発展していくためには、従業員ひとりひとりが会社への信頼や愛着、仕事に対する熱意を持つことが大切です。

また、従業員が信頼や熱意を持つためには、会社が働きやすく、個人のパフォーマンスや業務への姿勢を認めてくれる場所であることが必要です。

日々さまざまな要因によって目まぐるしく移り変わる世界の中で、会社が従業員にとって仕事がしやすく、働き続けたいと思える場所であるために従業員エンゲージメント指標(指数)は今後ますます重要になっていくと考えられます。

職場の課題や改善点を把握し改善することで、従業員と会社との間で、良い関係性を構築し、会社を発展させていくためにも、継続的な従業員エンゲージメント指標(指数)の測定を行なってみることは大切になっていきます。

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株式会社HRBrain 吉田 達揮
吉田 達揮
  • 株式会社HRBrain 執行役員

  • ビジネス統括本部 本部長

  • 人的資本TIMES編集長

新卒で東証プライム 総合人材サービス企業に入社。2020年HRBrainに入社。
人事制度コンサルティング部門の立ち上げから大手企業向けのクラウド営業に従事。
また社内タレントマネジメントのユニットの立ち上げと運営を担当。
以後、事業企画にてゼネラルマネージャーとして全社戦略の策定・推進を担当。
その後、組織診断サーベイ「EX Intelligence」を提供しているEX事業本部を管掌。
2022年4月に執行役員へ就任。2023年4月よりビジネス統括本部の本部長として全体を統括。「人的資本TIMES」の編集長も兼務。

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