人員配置計画とは?メリット・やり方・注意点・種類まとめ
- 人員配置計画とは?
- 要員計画・人員計画・人員配置計画の違いとは
- 人員配置計画の効果
- 生産性の向上・業務の効率化
- コスト削減
- モチベーションアップ
- 組織全体の活性化
- 優秀人材の離職防止
- 人員配置計画のやり方と注意点
- 現状の把握(ヒアリング)
- 人員配置計画のために収集すべき項目を決定する
- 目標を明確化する
- 人事評価から総合的に適性を判断
- 配置図/組織図を作成する
- 配置後のフォロー&フィードバック
- 人員配置計画の5つの種類
- 人事異動
- 採用
- 等級
- 雇用形態の変更
- 解雇
- 人員配置計画のテンプレートとして使えるタレントマネジメントシステム機能
- 従業員のスキルを一元管理
- 活躍人材の傾向の見える化
- 人員配置計画の効果測定
- 面談の履歴を記録する
- まとめ
この記事では人員配置計画という言葉の意味、効果、やり方、注意点、テンプレートとして使用できるシステムについて紹介します。
「従業員のスキルやニーズの見える化ができず、社員の適正に合った配置をできていない」
「人事異動後のフォローができておらず、異動・配置の振り返りができていない」
など、お悩みの方も多いのではないでしょうか。
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人員配置計画とは?
人員配置計画とは従業員の特性・スキル・経験を考慮して、そのパフォーマンスが最大となるよう適材適所の部署に配置する計画のことです。
また採用・昇格・降格などの異動・配置によって、経営資源である「ヒト」の再分配をする人事マネジメントのことでもあります。
この人員配置計画によって、業務の効率化、従業員のモチベーションアップも見込むことのできる戦略的人事の手法です。
要員計画・人員計画・人員配置計画の違いとは
人員配置計画と似た言葉に、要員計画・人員計画という言葉があります。
要員計画とは、企業が「事業を行ううえで、どの部署に何人が必要となるのか」と、文字通り要員の計画を立てるものです。
その要員計画に基づいて「では〇〇さんを××の部署に異動しよう」と具体的な人材を配置することを一般的に人員計画といいます。
人員計画は異動だけでなく、昇格・昇進、また雇用形態を変更するのか、という人件費・教育などのコストもすべて考慮し、バランスよく配置する事が求められます。
人員配置計画は、「配置」というワードが入っているように、人員計画に比べ、具体的な人材の配置を重視した計画と言えるでしょう。
人員配置計画の効果
人員配置計画を行うことで得られる効果とはなんでしょうか。
生産性の向上・業務の効率化
従業員のスキル・経験・特性が配置先の部署にマッチすることで、効率的に業務に取り組めるようになります。
従業員本人にとっても、自身の強みを活かせる部署で働けることは、評価に繋がるだけでなく生産性の向上に繋がります。
コスト削減
部署の生産性が上がることで、もともとの業務にかかっていた人件費についても抑えることができます。
それは、コストの削減に繋がります。
モチベーションアップ
適切な人員配置が叶えば、従業員のモチベーションアップに繋がります。
業務効率化のためのポジティブな案が提案され、改善に取り組むことで生産性はアップし、組織の活性化にも繋がります。
業務がスリムになれば、新しいことに取り組む余裕ができ、部署の人間関係も円滑になり、雰囲気も明るいものとなります。
そうした部署では、風通しがよく積極的なコミュニケーションも生まれ、新しいアイディアも浮かびやすくなります。
こうした環境では、従業員も前向きに業務に取り組むことができ、モチベーションのアップに繋がります。
組織全体の活性化
人材が異動することによって、組織全体が活性化します。
例えばBという業務に携っていた従業員が、そのBの前の業務であるAに携ることになったとします。
Bの業務を担当していたため、Aの業務を行いながら、Bで問題になる部分に目を光らせて、トラブルを未然に防ぐこともできます。
このように人事異動によって前の業務の知識を活かし、幅広く活躍できるようになります。
こうした人材の異動は組織の硬直化をはばみ、会社全体の活性化に繋がります。
また、戦略的に人事異動を行うことで幅広い業務を経験させ、中長期的に将来の幹部候補を育てることにも繋がります。
優秀人材の離職防止
優秀な人材は、自身の力が発揮されない部署・思い描いていたキャリアに繋がりにくい部署への異動に、非常に敏感です。
そのため「マッチしない」と判断することは、離職に繋がります。
優秀な人材は他社でも通用するスキルを持っているため、一度決めたら退職にも迷いがありません。
裏を返せば「業務が強みとマッチする」「キャリアを築ける」「良好な人間関係を築ける」といった職場であれば、優秀な人材の離職防止に繋がります。
人員配置計画のやり方と注意点
では、具体的にどのように人員配置計画を行えばよいのでしょうか。
そのやり方と注意点についてお伝えします。
現状の把握(ヒアリング)
最適な人員配置計画のためには、現状の把握が欠かせません。
そのためにも部署の人員状況・業務量・業務分担・目標の達成度を見直しましょう。
「割り振られた業務量は適切であるか」「その業務に必要なスキルを持った従業員はいるのか」など、ヒアリングを行います。
人員配置計画のために収集すべき項目を決定する
人員配置計画を行うために収集する項目は、企業によって変わります。
自社に適した項目を選定しましょう。
人件費
雇用形態
スキル
業務経験
稼働日・労働時間
これらの項目のほか、従業員の「目指すキャリア」「異動の希望」「経験」「スキル」などの項目が考えられます。
日頃からコミュニケーションを取っており、こうした項目についてのデータを蓄積できていると、人員配置計画に役立ちます。
目標を明確化する
現状を把握し、人員配置計画のための項目を決定したら「達成したい目標を」明確にしましょう。
また「不足しているスキルはないか」「マンパワーは適切か」など現状の問題点もあわせて解決できるよう人員配置計画を行いましょう。
現状をふまえて目標設定を行う場合は、1ヶ月、半年、一年と期間を区切ると段階的な達成度が把握しやすくなります。
人員配置計画で達成したい目標を明確化することで、配置すべき人材の像がクリアになります。
人事評価から総合的に適性を判断
人員配置計画によって「設定した目標が達成できるのか」を考えましょう。
従業員の業務に対する人事評価を確認し、総合的に配置先との適性を判断しましょう。とはいえ、項目が多岐にわたっていると、エクセルでのデータ分析は難易度が高いです。
近年、人員配置計画に役立つツールとして注目されているのがタレントマネジメントシステムです。
従業員のスキルや特性を可視化・一元管理することができ、人事評価と結びつけることも可能なシステムです。
関連リンク:人材データベース~あらゆる人材データを一元管理!社員のスキルや特徴をカンタン把握~
配置図/組織図を作成する
人員配置計画によって達成したい目標、また人材のデータが集まったら、次は実際にその部署に人材を当てはめていきます。
エクセルを使って作成することもできますが、先程紹介したタレントマネジメントシステムには、配置図の作成機能が搭載されていることが一般的です。
人員の配置を変更することでその部署に所属する従業員のスキルの総量(強み・弱み)を可視化できます。
またタレントマネジメントシステムには顔写真入りで人員配置計画ができる機能を有しているタイプもあります。
中小企業の場合は、よりリアルにその部署のメンバーをイメージすることができます。
関連リンク:組織図ツリー~組織構成や顔ぶれをパッと把握!人材の抜擢や適正配置を実現~
配置後のフォロー&フィードバック
人事異動・配置転換を行った際は、必ず従業員にヒアリングを行いましょう。
一方的な人員配置は、従業員の不満を高めることに繋がります。
またヒアリングを行ったあとも、継続的なフォロー(面談)を行いましょう。
その面談結果についても、タレントマネジメントシステムに蓄積が可能です。
人員配置計画の5つの種類
人員配置計画を網羅的に理解するために、5つの種類を紹介します。
人事異動
シンプルなものとしては、人材の配置を変える「人事異動」です。
従業員が異なる部署に異動することで、新たな経験・知識を得ることができます。
さらに前職・以前に在籍していた部署の知識を活かすことで、幅広い業務ができるようになります。
採用
新たな人材を採用して部署に配属させることも、人員配置計画のひとつの種類です。
新卒採用
新入社員は、欠員の補充という視点だけではありません。
将来の幹部候補として、中長期的に育てることもできます。
中途採用
中途採用の場合、その部署が目標達成をするためのスキル・特性を有しているかを見極める必要があります。
また近年はポータブルスキルといい、専門技術・知識のほか、仕事のやり方、人との関わり方の3つの視点から採用を進める企業が増えています。
とくに中途採用の場合は「自社でうまくやっていけるのか」という点を重視して採用を進める必要があります。
等級
人員配置計画の際に、従業員の昇格・昇進を検討することもできます。
昇格と昇進は、言葉が似ていますが、以下のように違いがあります。
昇格……職能「資格」等級が上がること
昇進……役職がつくこと
例えば「課長」というポストがいっぱいで、昇進できる役職がない場合でも、昇格は可能です。このように、日本の企業に多い等級のシステムです。
人員配置計画の際に適切に等級を見直すことは、健全な企業運営においても重要です。
また日本の企業の場合はめったにありませんが、人員配置計画の際に「降格」をすることもあります。
雇用形態の変更
雇用形態を変更することも、人員配置計画のひとつです。
契約社員から正社員に雇用形態を変更することで、業務範囲が広がるだけでなく、従業員のモチベーションもアップするでしょう。
解雇
会社を継続するために、やむなく従業員を解雇するという選択肢もあります。
しかし、従業員の解雇については法的な問題もあり、慎重に行う必要があります。
人員配置計画のテンプレートとして使えるタレントマネジメントシステム機能
ご紹介したように、人員配置計画には配慮しなければならない点が多くあります。
「エクセルで項目を立てて、人事評価に紐づけて、異動に適した人材をピックアップして。それから、異動後のフォロー面談の履歴もつけなければ……」と、それぞれでファイルを作成していたら、その作業工数は大きなものとなります。
しかしその膨大な作業を、タレントマネジメントシステムひとつで行うことができます。
以下、その機能を紹介します。
従業員のスキルを一元管理
以下のように人員配置計画に必要な従業員のデータをすべて可視化できます。
従業員のスキルを一元管理
異動希望者を見える化
異動候補者を見える化
活躍人材の傾向の見える化
人材データをクロス集計することで、客観的なデータをもとに最適な人員配置計画が立てられます。
経験やカンに頼った人材の配置から卒業し、データにもとづいた戦略的な人事が可能になります。
人員配置計画の効果測定
人員配置計画を、部署ごとに従業員の顔写真入りで、リアルに想像できる配置図を作成することもできます。
見た目だけではなく、人員を仮配置した段階で「労働生産性」「従業員満足度」を想定することができます。
従業員それぞれの適性・スキルに合った異動ができるようになります。
面談の履歴を記録する
エクセルで個別に従業員の面談履歴を記録していると、データの蓄積が難しく一貫した人材育成に繋がりません。
1on1のミーティングをタレントマネジメントシステム上で記録することで、話した内容・フィードバックも可視化されます。
人員配置計画を実施した後、従業員のフォローを行う際にも面談の履歴を部署の上司・人事部で共有することは、人材の離職を防止する有効な手段です。
まとめ
人員配置計画とは従業員の特性・スキル・経験を考慮して、そのパフォーマンスが最大となるよう適材適所の部署に配置する計画のことです。
似た言葉に、要員計画・人員計画という言葉がありますが、要員計画とは、企業が「事業を行ううえで、どの部署に何人が必要となるのか」と、要員の計画を立てるものです。
その要員計画に基づいて、具体的な人材を配置する人員計画を立てます。
人員配置計画の効果は、以下の5つです。
生産性の向上・業務の効率化
コスト削減
モチベーションアップ
組織全体の活性化
優秀人材の離職防止
人員配置計画のやり方は以下の流れに沿って行います。
現状の把握(ヒアリング)
人員配置計画のために収集すべき項目を決定する
目標を明確化する
人事評価から総合的に適性を判断
配置図/組織図を作成する
配置後のフォロー&フィードバック
現状を把握し、人員配置計画のためのデータを部署・従業員からそれぞれ収集し項目を決めましょう。
その際に、人員配置計画で「なにを達成したいのか」その目標を明確化しましょう。
配置図/組織図の作成には、エクセルを活用するほかタレントマネジメントシステムを導入する方法もあります。
また配置後のフォローは離職防止のためにも重要な施策です。
人員配置計画を行う際には、手段として以下の5つがあります。
人事異動
採用(新卒・中途)
等級(昇格・昇進・降格)
雇用形態の変更
解雇
雇用形態の変更では、契約社員から正社員になることで、任せられる業務の幅が広がり、また従業員自身のモチベーションもアップすることが期待できます。
解雇は会社継続のためにやむなく行う決断ですが、法的な問題もあり、慎重に行う必要があります。
人員配置計画にはタレントマネジメントシステムという従業員のスキル・特性を可視化する仕組みが便利です。
人員配置計画に役立つ機能として大きなものは、以下の4つです。
従業員のスキルを一元管理
活躍人材の傾向の見える化
人員配置計画の効果測定
面談の履歴を記録する
とくに人員配置計画後の面談の記録をシステム上で一元管理し、共有することは一貫した人材育成・優秀人材の離職防止に繋がります。
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