#人材管理
2024/08/20

人事必須のスキル!人事計画書を作成するときのポイントは?流れや注意点も

目次

会社の規模が大きくなるほど、人件費の占めるウエイトは大きくなります。

もし人材が有効活用できなければ、無駄なコストを支払うことになり、会社にとっては損失です。

そこで、重要になってくるのが人事計画です。
いかに人材を活用できるかという観点のみならず、人員の整理までを含む会社の「ヒト」の流れをコントロールし、最適化させるのが人事計画です。

人事計画を立てる上で必要になるのが、人事計画書です。
人員の配置や新たな人材の採用は、人事計画書をもとに実行されます。

人事計画書はなぜ重要で、どんな役割を果たすのか?どんな手順で作ればいいのか?本記事は、そんな疑問が解決できるような記事です。

有益な情報なので、ぜひ参考にしてください。

人事計画書とは?

まず人事計画書について、簡単に解説します。

冒頭でも触れましたが、人事計画書は必要な人材の選定を行うために作成します。

どんな人材がどれくらい必要なのかを明確にすることで、社内の人的リソースをフル活用することが目的です。

人材を最大限活かすには

会社にとって、売上を上げることが最終的なゴールですが、一体何をすれば達成できるでしょうか?

様々な手段が思い浮かぶでしょうが、最大限人材を活用することもその一助となります。

タレントマネジメントツールなどのクラウド型の人材マネジメントツールの登場で、人事の負担は減りましたが、人材活用を考えるならば、ツールを最大限活用し人員配置を検討するべきです。

そこで、今回は人材を最大限活用する人事計画書について解説します。

人事計画書を作成する目的とは?

人事計画書は主に人材の選定に使われるとお伝えしましたが、もっと深く掘り下げると、ゴールは以下の2点に集約されます。

  • 事業計画の達成

  • 人材の育成

それぞれについて解説していきます。

事業計画の達成

事業計画が達成できるかには、さまざまな要素が絡んできます。

もちろん景気に左右される部分はありますが、一企業がコントロールできる部分ではないので、他の要素について考えてみましょう。

そう考えると、具体的な数値目標を達成するために最も重要な要素はやはり「ヒト」になるでしょう。

チームに配属された社員一人ひとりのパフォーマンスによって、成果は大きく変わります。

特に目標が高いほど、それぞれがポテンシャルを発揮できる場所で仕事をすることがより重要になってきます。

これはすべての核になる部分なので、充分な時間をとって計画書の作成を行いましょう。

人材の育成

適材適所で人材を配置することも大事ですが、人材を育成することも同じように重要です。

教育・研修の環境が整うことで、企業に対する安心感が生まれます。

離職の少ない企業ほど、時間と労力を割いてでも、人材育成に力を入れているのが現実です。

社員の育成とは、なにも特別な教育を施すことのみではなく、普段の業務内でも実現可能です。部署移動や、業務内容の変更も社員を成長させる機会になります。

部署異動や業務内容を変更することで、新たな視点が生まれ、仕事の振り幅が広がるでしょう。

その結果、社員の才能が開花したり、既存の枠からはみ出るようなアイデアが生まれることもあります。

人事計画書作成の流れ

ここまでは人事計画書とはなにかについて解説してきましたが、ここからは具体的な作成の流れについて説明していきます。

流れをつかんだうえで、実作業へと移りましょう。

1.現状を把握する

人事・労務に携わる人であれば、ある程度は理解しているでしょうが、まずは部署ごとに人員の現状を把握することからはじめます。

社員がどのような成長をしてくれれば理想的か、洗い出します。

人材像を確定させたうえで、どの社員ならば対象となるかをデータをもとに細かく分析していきます。

しかし社員が多くなると、どんなタイプの社員か判断がつかない場合も多いでしょう。

1on1で面談を行えば社員のことが、ある程度理解できることもあるでしょうが、時間・労力ともにバカになりません。

普段から人材マネジメントツールで、社員一人ひとりを管理しておけば、データが残るので、現状把握にかかる時間を大幅に削減できます。

いつも現状の把握に時間を要するなら、HRBrain を導入することで解決できるかもしれません。

2.必要人員・人件費の算出

現状の把握が終わったら、人員・人件費の算出を行ったうえで、新たに人員を補う必要があるのか検討します。

補う場合は、どれくらいの人数を、どれくらいの給与で雇うかまで決めましょう。

最終的に残る売上に影響する部分なので、事前に明確にしておかないと、後の採用活動に影響が出てしまいます。

3.人事計画案の作成

必要な調査が終わった段階で人事計画案の作成に入ります。

作成と言っても、いざ作業となるとどこから手をつけていいかわからない人もいるでしょう。

良さそうなフォーマットを探しているけれど、なかなか見つからない……。

沼にはまってしまうと、時間だけが過ぎていくことになりかねません。

書類の作成時に何を基準にフォーマットを作成すればいいか、明確になっていれば、さほど時間をかけずとも、必要な項目が見えてくるかもしれません。

タレントマネジメントシステムを利用すれば、問題が明確になり、書類の作成もスムーズになります。

配置後の効果計測も客観的な数値で見えるので、軌道修正もしやすくなります。

人事計画書作成時に押さえておくべきポイント

人事計画書を作成する際に注意しておきたいことはいくつかありますが、まずは算定方式の違いに目を向けましょう。

算定方式の違い

人事計画書の作成には、主に2つの算定方式が用いられます。
それぞれの違いを解説するので、参考にしてください。

  • トップダウン方式

「トップダウン方式」とは、必要な人員を「人件費」と「採算」から算定する方式を指します。

まず、人件費の総額を考慮したうえで、許容できる要員は何人までか、基準に必要な要員を算定します。

算定の際は「売上高」や「人件費率」といった指標を参考にします。

トップダウン方式の方程式は、以下です。

必要な人員=(年間売上高×付加価値率×労働分配率)÷1人当たりの人件費
または
必要な人員=(目標売上高×適正人件費率)÷1人当たりの人件費

トップダウン方式の場合、予算ありきで人員補充をするので、コストが過剰になることは避けられますが、予算を気にし過ぎると、本当に必要な人員が補充できない可能性もあります。

バランスの調整が難しいため、現場の声にも耳を傾けてみましょう。

  • ボトムアップ方式

ボトムアップ方式とは、各部署の「業務量」をもとに、必要な人員を算定する方式です。

まずは各部署へのヒアリングをとおして、業務量や必要な人員を把握します。

必要な人数が決まったら、部門→事業所→全社の順で必要な人員を積み上げ、最終的に必要な人員の数を洗い出します。

ボトムアップ方式の方程式は以下です。

必要な人員=総業務量÷(1人当たりの標準業務量×所定労働時間)

ボトムアップ方式の場合、人員ありきでで必要な要員を決めていくので、人員不足の解消につながります。

ただし各部署のすべての要望に答えると、想定してた予算をオーバーしてしまう可能性があります。

トップダウン方式同様に、バランスを取るのが難しいですが、予算と照らし合わせないと、無尽蔵に経費がかさむので、注意が必要です。

人事計画と間違えやすい「人員計画」・「要員計画」・「人事採用計画」

人事計について調べていると、似たような言葉が多く、少し混乱するケースがあるでしょう。

人事計画と混同しやすいワードをピックアップしたので、確認しておきましょう。

要員計画とは?

「要員計画」とは、事業に必要となる人員の数を見積もるための計画を指します。要員計画を立てることにより、部署ごとにどれだけの人員が必要か?新たに何人の社員を採用する必要があるのか?の決定のための計画が立てられます。

人員計画とは?

人員計画とは、部署ごとにどういう人材が必要か?どの部署に誰を配置するか?という具体的な人員配置の計画を指します。

人員計画を練るには、「具体的に何人必要か」という要因計画が固まっていないとできません。ボトムアップ方式やトップダウン方式で計算することで、人員計画が可能となります。

人事採用計画とは?

人事採用計画とは、どのような人材を確保したいのか、採用基準を明確にする計画として使用されます。

ここまでは人員計画と同じような意味ですが、要員計画も含む、より大きな意味での計画として用いられます。定義があいまいな部分もあるので、さほど気にする必要はないでしょう。

人事計画書作成のメリットは?

人事計画書の概要について解説してきましたが、作成することで得られるメリットはたくさんあります。

大きく分けて以下の3つのメリットがあるので、確認しましょう。

人材の育成

人事計画書を作成することで、優れた人材の確保・育成がしやすくなります。

計画書の作成にあたり、人事調査を行いますが、調査の段階で優れた人材や、部署ごとに適性がある人材の見極めができます。

浮き彫りになった人材像に合致する人物を指定の部署にアサインすることで、効率の良い教育が行えます。

社員ごとに伸びしろを会社が把握しておくことで、最適な教育環境の整備が進むでしょう。

コストの削減

次はコストの削減です。

最適な人員配置を行うことで、コストの削減が期待できます。

人員を補充しコストが増えたと感じるケースもあるでしょうが、長期的には良い結果になる場合が多いです。

即戦力の社員を採用することで育成コストを削ったり、手間のかかる業務を社外に委託するなど、状況に応じた対策が可能です。

業務の効率化

コストの削減と通じる部分が多いですが、業務が効率化できることも大きなメリットです。

最適な人員配置にすることで、業務スピードが上がります。

移動直後など、業務に慣れないうちは、効率が下がることもあるでしょうが、社員のポテンシャルを活かすことが、長い目で見ると効率化につながります。

人事計画書作成の注意点とは?

人事計画書の作成におけるメリットをお伝えしましたが、作成における注意事項も存在します。

作るまでの過程〜作成後まであるので、確認しましょう。

1.売上計画や利益計画と照らし合わせる

売上や利益の計画と人事時計画を照らし合わせましょう。

人事計画書の作成時には、様々な要因で変動する利益を考慮する必要があります。

人員計画で現状の課題を解決しようとしても、実は経営の計画の方に問題があるケースもあります。

長期的な目線で利益を上げるために人事計画を立てているのに、売上計画が機能していなければ、せっかくのプランが水の泡になってしまいます。

あくまでも人事計画は、最終的な利益を上げるためのプランなので、広い視点で考えましょう。

2.過去の計画・実績を調査・分析する

人事計画を立てる上で重要なのが、過去の計画・実績を分析することです。
あらゆることに通じるものですが、過去の失敗を活かすことが大事です。

成功・失敗ともに前回の施策を参考にしましょう。
特に人事計画書どおりに採用が行えなかった場合は、計画と実績の差を調査します。

計画そのものに無理があった可能性もあるので、何がボトルネックになっているのか、理解したうえで次の施策に移ります。

3.人事計画の効果を測定する

人事計画は計画を実行したら終わりではなく、その効果を測定します。

移動後の人員が期待どおりの成長をしているか?新たに採用した人員の仕事ぶりはどうか?など、分析していくことで、採用計画を見直すキッカケになります。

効果を測定するためにも、やむを得ないケースを除いて、人員計画書はむやみに変更しないほうが良いでしょう。

人事計画書の作成に役立つツールとは?

人事計画書の作成に役立つツールはいくつかありますが、代表的なのは、エクセルやスプレッドシートに、人材マネジメントツールです。

以下でツールごとの違いに触れていきます。

エクセル・スプレッドシート

まずはエクセル・スプレッドシートです。
計画書の作成のみならず、人事業務との相性がよく、多くの会社が導入しているでしょう。

しかし、ソフトを活用できる専門の人材を採用する必要があります。

担当者に知識がなければ1から教える場合もあるので、労力がかかります。

また会社の規模が大きくなるほど、ファイルの管理コストは増大するでしょう。

部署が多ければ、ひとつのファイルですべてを管理するのは非現実的なので、複数のファイルを管理する必要があります。共有する際も役職ごとに権限を変える必要もあるので、時間がかかります。

ただしツール自体へのコストが低く、手軽に取り入れられるので、規模の小さな会社であれば、エクセル・スプレッドシートで充分でしょう。

人材マネジメントツール

人材マネジメントツール、別名「タレントマネジメントツール」は、人材データを一元管理できるツールです。多くはクラウド上で利用できるので、わざわざソフトをインストールする必要もありません。

企業の規模が大きくなるほど、人事計画書の作成も大変です。

先程も軽く触れましたが、エクセルやスプレッドシートを人事計画に使用する場合は、データの一元管理がしづらい側面があります。

適切な人事計画を立てることは大事ですが、事前準備など、利益に直結しない作業にあまり労力をかけたくないというのが本音の企業も多いでしょう。

HRBrainを利用すれば、面倒な作業を大幅に軽減できます。

データを一元管理することで、人事評価の効率化・ポテンシャル人材の発掘まであらゆる人事業務に活かせます。

Web上のフォーマットで完結させられるので、Excelのようにファイルを分ける手間も皆無です。

とはいえ、いきなり管理方法を変えるのは、なかなか大きな決断です。

大きな決断なので、失敗したくないという人事・労務の担当者の方々も多いでしょう。

そんなときは、先に無料体験を利用して、自社に合っているか試してみると良いです。

実際にツールを導入するにしても、段階的に行うはずなので、身構えずにいろいろなツールを比較検討してみてはいかがでしょう?

 人事計画書のフォーマット例

人事計画書について解説してきましたが、文章だけではなかなかイメージできないという人もいるでしょう。フォーマット例を紹介するので、計画書の作成時に参考にしてください。

育成計画書

(引用:Crowdsign

フォーマット

(引用:採用サロンhttps://saiyo-salon.jp/knowhow/recruitment-headcount/

あくまでも参考ですが、目的に応じて表を作成し、人事計画を進めます。

社員数や部署の多さなどは企業ごとに異なるので、できる限り最適化させてから作業へ取り組みましょう。

まとめ

人事計画書は、自社に貢献してくれる人材を育成するための計画書です。

必要とされる人員数を割り出したうえで、人材像を明確にしていくことが大事です。

人事計画書は、一度作成して終わりではありません。実際に実行された計画からどんな結果が生まれたかを分析し、状況に合わせて、内容の改善を重ねていくことが重要です。

IT化が進むとはいえ、今後も労働人口が減り、人手不足が深刻化する可能性があります。

優秀な人材を採用し、育成することは、最優先の課題と言えるでしょう。

人材の採用・育成を効率化するためにも、HRBrainの導入を検討してはいかがでしょうか。

人事業務の効率化には、他の部署の社員にも使いやすいシステムであることが大事です。

HRBrainはシンプルなプラットフォームで、どんな人でも使いやすい設計です。

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HR大学編集部
HR大学 編集部

HR大学は、タレントマネジメントシステム・組織診断サーベイを提供するHRBrainが運営する、人事評価や目標管理などの情報をお伝えするメディアです。難しく感じられがちな人事を「やさしく学べる」メディアを目指します。

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