#人材管理
2024/09/02

社内SNSとは。他のツールとの違いや導入、運用のポイントを紹介

目次

例えば、社内で他部署のメンバーとやりとりする時、直接会いに行きますか?それともメールで連絡?

メールの作成時間や、他部署へ直接出向く時間を考えると、SNSを使う方がはるかに効率的と言えます。

社内SNSの基礎知識

社内コミュニケーションに社内SNSを導入することで、データのやりとりやタスクの共有が楽に行えるようになり、業務効率が改善します。

社内SNSとはどういったものなのでしょうか?

社内SNSとは

SNSはSocial Networking Service(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の略で、FacebookやInstagram、LINEなどが代表的です。Web上で社会的に繋がるためのコミュニケーションツールがSNSですが、それに対して社内SNSは、社内でコミュニティが完結するSNSのことを指します。通常のSNSとは異なり、仕事に限定した内容をメインにするのが一般的です。

最近は社内SNS向けに開発されたアプリも多く、導入する企業も増えています。

社内SNSの役割

社内SNSの役割

社内SNSの役割は、大きく三つあります。

一つ目は「コミュニケーションツール」としての役割です。同じチームにいる社員同士の横のつながりだけでなく、他の部署や上司とも普段からコミュニケーションを取り合うことで、ホウレンソウ(報連相)がスムーズに行えるようになります。

二つ目は「情報共有ツール」としての役割です。社内SNS上の報告書やデータを社内の全員が目を通せるように設定しておけば、情報確認がしやすくなります。グループ設定を行えば、グループ内のメンバーだけが閲覧可能な状態にすることもできますね。

グループ内のやりとりは同グループ内のメンバーであれば誰でも見ることができるので、必要な人数に対して必要な情報を効率的に届けることができます。

三つ目は「進捗管理ツール」としての役割です。社内SNSにはタスク管理やカレンダーと提携できる機能を持ったものも多く、チーム内で作業の進捗状況を管理しやすくなります。

他ツールとの違いとは

メールやビジネスチャットなど、社内SNS以外にも社内でやりとりをするためのツールは色々あります。では、それらのツールと社内SNSの違いとは何でしょうか?

メールとの違い

例えば同じ人から同じタイミングでメールが届いた場合、どちらを優先して閲覧すべきか、わからなくなってしまった経験はありませんか?優先度がわかりづらいと、重要な連絡事項の確認が遅れてしまうことがあります。

SNSはグループやカテゴリごとに投稿先が分類できるので、投稿内容が推測しやすく、ワンクリックで簡単に閲覧先を切り替えられるため、メールよりも優先度に順位がつけやすいツールです。

複数名に送信する際にCCやBCCで宛先を分ける必要があるメールより、グループに対して投稿するだけのSNSの方が、関係者全員への情報共有がスムーズです。

ただし、過去の情報を探す際は、SNSの場合は該当するやりとりから検索しなければならないので、日付ごとにソートできるメールの方が、検索が楽なこともあるかもしれません。

ビジネスチャットとの違い

ビジネスチャットと社内SNSは非常によく似たツールで、それほど大きな違いはありません。

社内コミュニティにとどまらず、取引先やクライアントともやりとりをするなど、社外とのコミュニケーションに使われるものをビジネスチャットと呼んでいるケースが多いようです。

社外とのやりとりが発生するビジネスチャットは、セキュリティや添付できるデータの容量、メンバー管理のしやすさに着目して選ぶと良いでしょう。

グループウェアとの違い

グループウェアは組織内のネットワークをいかした業務支援ツールです。社内SNSがコミュニケーションをメインに置いているのに対し、グループウェアは進捗管理やデータの共有のしやすさに重点を置いて作られています。

代表的なグループウェアといえば、Office 365。Microsoftが提供しているクラウドソフトウェアで、ExcelやWordなどのアプリの共同編集も行えるため、チーム全体で作業の効率化が見込めます。

社内SNS導入のメリット

社内SNS導入のメリット

社内SNSを導入することで、具体的にどのような効果が組織にもたらされるのか、そこが一番気になるところですよね。

円滑な情報共有や業務効率の向上

SNSを用いない場合、日々の業務においては、『メールによるやりとり』『共有サーバー上のファイル確認』『会議』が情報共有の主な手段になります。

これらはそれぞれ独立した手段なので、それぞれの閲覧権限やメンバーが異なる場合、情報共有に漏れが生じることがあります。

例えば、会議で共有した作業進捗がミスにより議事録に記載されておらず、メールや共有サーバーで共有された議事録だけを見ているメンバーには伝わらなかった、というようなことは、誰もが経験したことがあるのではないでしょうか。

大容量のデータをメールに添付するのは迷惑ですし、会議で共有する際に共有サーバーにあげてメールで格納場所を連絡、というのも少し手間がかかります。

しかし、社内SNSならこれらの手段をSNS内だけで完結させることができるため、管理が非常に楽になります。一つのツールを確認するだけでいいので、情報の見逃しが起こりにくくなります。

情報共有のしやすさと業務効率の向上は、社内コミュニケーションにおいて大きなメリットと言えるのではないでしょうか。

コミュニケーションの活性化

違う部署の人と直接やりとりをする際に、勤務している階数や出勤地が異なっていると、場所の移動に時間がかかってしまいますね。メールや電話は宛先をあらかじめ知っている場合はすぐに連絡できますが、アドレスや番号を調べる必要がある際には、少し手間がかかります。

相手のアドレスを知らなくても、グループ内に所属しているメンバーに個別にメッセージを送ることができる社内SNSの機能を使えば、個別の連絡もスムーズです。書いた文章を後から修正できる機能がある社内SNSも多いので、メールのように再送の必要もありません。

コミュニケーションの敷居が低くなれば、社内のコミュニケーションの活性化も見込めます。グループ内のやりとりをグループメンバー全員が確認できるため、管理職や人事が問題を把握しやすいのも大きなメリットです。

マネジメントへの利用

マネジメントを行う管理職は、目標管理やそれに対する進捗確認を的確に行い、健全な組織運営を行っていかなければなりません。

社内SNSはマネジメント業務にも役立つツールです。進捗状況を目視できる機能を持ったものもありますし、社内への一斉発信も簡単な操作で行うことができます。

社内アンケートや勤怠管理機能のある社内SNSを使えば、社員へのアプローチがさらに効率的になるでしょう。ぜひ、役立ててみてください。

導入事例と選び方のポイント

社内SNSの導入により業務を改善した企業は数多くあります。事例をもとに社内SNSを導入する基準について考えていきましょう。

社内SNSの導入事例

社内SNSにより業務改善を行った企業と言えば、NTTドコモと日本たばこ産業が有名です。

NTTドコモは、1993年に分社化しました。これは携帯電話の普及により移動通信事業で大きな需要が見込めると期待してのものでしたが、分社化にあたっての最大の課題はグループ企業間での連携でした。

企業規模が拡大し、さらに業務が複数の会社を跨ぐとなると、従業員の管理をこれまでよりきめ細やかに行うことは至難の業です。そこで社内SNSを利用することを決定しました。

社内SNSの導入により、コミュニケーションや情報伝達が円滑になり、経営理念やルールの浸透が末端まで行き届くようになったそうです。

日本たばこ産業は、医薬や加工食品などの幅広い事業に着手しています。多岐にわたる細かい事業を社内で周知するために、社内SNSを導入したのだとか。こちらも円滑なコミュニケーションに役立っているそうです。

事例における、導入の目的や利点

NTTドコモと日本たばこ産業の事例では、社員全員に対して細やかに情報を行き届かせること、管理することが社内SNS導入の目的でした。社内SNSを導入する最大のメリットは、隅々まで情報が行き届く組織管理にあることがわかります。

どちらの企業も、結果、組織に縛られない関係性を構築できるようになったそうです。業務上では関わりのない社員同士が交流を持つことで、より柔軟なアイデアや企画が増えるという副次的な効果も生まれました。

コミュニケーションの活性化により、社員の成長を促す組織体制を作ることができるのが、SNS導入の大きな利点のようです。

人数や業種が多くなって管理が難しくなってきたら、コミュニケーションをより円滑にするために社内SNSの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

よくある失敗例

社内SNSの導入は、成功例ばかりとは限りません。うまくいかなかったケースももちろんあります。では、なぜ失敗してしまうのでしょうか?

目的が明確でない

目的がはっきりしないまま社内SNSを導入して失敗するケースは非常に多く、導入の際には目的を明確にしておくことが必要です。

コミュニケーションが活性化するのは良いことばかりとは限りません。行きすぎると無秩序になってしまうこともあります。

業務に関係ないプライベートに関するやりとりが増えすぎると、重要な通知が流れてしまったり、メッセージを確認する優先事項が下がってしまいます。

メッセージの数が多くなれば多くなるほど管理するのは大変ですし、大量のメッセージが業務を邪魔してしまう、なんてことになれば、本末転倒ですよね。

用途の違うメッセージが同一のツール上で乱雑に共有されるのは、管理の面から見ても好ましくはありません。何が目的で、どんな用途で導入するかを明確にし、投稿においては最低限のルールを設けるべきでしょう。

使い方の丸投げで活用されない

ツールは、全員のPCやスマホにインストールするだけで浸透するものではありません。特に、慣れ親しんだ旧来の手段がある場合は、新しいツールの使い方を覚えるのが面倒で、いつまで経っても使われず、浸透しないということはよくあります。特に、管理職が古い手段に固執すると、部下はそれにあわせるしかありません。

また、新しいツールを習得する時間には個人差があります。便利なツールであっても、機能を知らないといつになっても使いこなすことができず、業務の効率化も夢のまた夢……という悲しい事態に。

使い方が浸透するように、研修やマニュアルの配布などを行いましょう。

発言者が限定される

社内SNSを積極的に利用し、コンスタントに発言する社員ばかりではありません。あまり発言しない社員もいます。

発言者同士のみでやりとりを行っていると、そこにコミュニティが生成されてしまい、あまり発言しない社員が蚊帳の外となってしまうということがあります。そうすると、チーム全体のコミュニケーションがうまくいかないだけではなく、管理職が全体を管理しづらくなってしまいますね。

また、上司が一方的に情報発信をし、部下がそれを把握するだけ、という使い方をしてしまったため、社内SNSがただの社内日報ツールになり、まったく意味をなさなかったという実例もあります。

アンケートや会議にSNSを利用したり、SNSで相談を受け付けたり、SNSの利用機会を増やす施策が必要です。

社内SNSの運用ポイント


導入後、社内SNSを効率良く運用するためには何が必要なのでしょうか?

社員へ浸透させる

社内SNSは導入して終わりではなく、いかに浸透させるかが最大のポイントです。導入は一斉にできればよいのですが、組織ごと、段階ごとに行うケースも多いでしょう。元のやり方からなかなか離れられない社員も出てきます。

使用するメンバーによってSNSの使用率に差が出てしまうのは、あまり好ましいこととは言えません。マニュアルの配布や研修などを行い、少しでも差を埋めていきましょう。

導入後は、全員にツールが浸透するまで、しっかりケアできる体制を構築することが大切です。

目的やルールを明確に

導入する目的やルールを明確にし、全員に浸透させることが必要です。

目的をはっきりさせておかないと、投稿される内容やテーマが乱雑になりがちで、優先度の高いメッセージが拾いにくくなります。導入する目的を具体的にした上で全員に周知しておけば、投稿の内容も自然とそれに沿ったものとなるでしょう。

目的に沿ったルールも必要です。新たにコミュニティを作る際に、グループを作成する権限を誰に与えるか、また、立てて良いテーマの指定や、マナーに関するガイドラインの作成などをしっかり決めておきましょう。

ルールは、使用状況や利用者の感想を反映して定期的に見直すことも大切です。

既存ツールとのすみ分けと担当チーム設定

既存のツールと社内SNSをどのように使い分けるか定めておくことも必要です。同じ問題について異なるツールを複数使ったやりとりをすると、情報の漏れが発生する可能性が高くなり、情報を検索する際にも混乱を招きます。

例えば「社内イベントやプライベートな発言など、業務に直接関係がない投稿は社内掲示板を使う」「業務に関連することは社内SNSを使う」といったように、使い分けのルールを設定しておきましょう。

社内SNSの担当チームを設定することも忘れてはいけません。サーバーでトラブルがあった場合の対処や、使い方についての相談、新機能の導入など、SNSを運営する担当のチームがあると、いざという時に便利です。

社内SNSの活用で効率アップ

チーム内だけでなく、チームを超えた連携を円滑にし、コミュニケーション、進捗管理やマネジメントにも使える社内SNSを導入する企業は年々増加しています。

社内SNSは、しっかり運用できれば、業務効率を飛躍的にアップすることが可能なツールです。社内SNSと一言でいっても、提供しているサービスは数多くありますので、目的にあったものを選びましょう。

社組織の活性化や、新しいアイディアにもつながる可能性を秘めている社内SNS。味方につければ、これほど心強いものはありません。

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HR大学編集部
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