#労務管理
2024/08/21

理想的なテレワーク環境とは?快適な在宅勤務に必要な要素とデスク環境を紹介

目次

テレワークの導入によって働く場所としての環境が整っていたオフィスから、未整備な場所で働く機会が増えています。特に在宅勤務の場合には働く環境が整っていないことが多いでしょう。今回は自宅でリモートで快適に働くために必要な要素やデスク環境を解説します。

快適なテレワークには環境整備が必要

快適なテレワークには環境整備が必要

生産性高く仕事を進めていくためには仕事に最適化された環境を作ることが大切です。ここではテレワークの中でも、特に在宅勤務における環境整備に関して解説します。

在宅勤務とオフィス勤務の違い 

テレワークの導入によって、これまで仕事をすることに最適化されていたオフィス環境とは違う場所で働くことになりました。特に在宅勤務になると、これまで生活の場であった自宅の一部をワークスペースに変えなければいけません。仕事に最適化されていたこれまでのオフィスワークとは違い、快適に仕事を進めるために必要なデスク環境やインターネット環境がない場合も少なくないでしょう。このように在宅勤務になることで、これまで当たり前にあった仕事環境が無くなってしまいます。

在宅勤務で起きるリスク

働き方の自由度を高めるテレワークですが、在宅勤務によって企業及び従業員に生じるリスクもあります。

・従業員の健康リスク

在宅勤務を行う従業員の健康が損なわれるリスクがあります。例えば、長時間のデスクワークに適さない場所での仕事による腰、肩の痛みなどの身体的な疲労や、コミュニケーション不足による孤独感からくる精神的なストレスがあります。こういった疲労やストレスを要因として労災につながる恐れもありますので、企業も従業員の健康対策に取り組む必要があります。

・情報漏洩等のセキュリティリスク

オフィスは高いセキュリティ対策がほどこされた環境でしたが、在宅勤務によって情報漏洩のリスクが高まります。従業員の私用パソコンを利用する場合、ウイルス対策を施す必要がありますし、パソコンの持ち運びにも注意をする必要があります。情報漏洩リスクを少しでも減らすために、セキュリティ対策のレギュレーションを整備する必要があります。

テレワークによって生じる問題点についてさらに詳しく知りたい方は「テレワークの問題点とその解決策。問題を解決した企業事例を紹介」をご覧ください。

仕事環境によって生産性とモチベーションは変わる

生産性とモチベーションは仕事環境に左右される場合があります。身体に負担がかかるデスク環境では身体に疲労がたまり常に生産性が高い状態を保つことは難しいでしょう。また、社内のコミュニケーションが減ることで組織への帰属意識が損なわれたり、孤独感をおぼえることで仕事に対するモチベーションが低下してしまう恐れもあります。

自分に合った環境整備を行うことが大切

オフィス勤務では全従業員が同一の環境だったのに対して、在宅勤務によって従業員それぞれが自分自身の仕事環境作りができるようになりました。これによって、従業員それぞれが自身の最大のパフォーマンスを発揮できる仕事環境を作ることができるため、オフィス勤務の時以上の生産性をあげることも可能です。このように自分に合った環境整備を行うことが大切であり、テレワーク導入時には企業は環境整備ができるような補助をすることも重要になるでしょう。

在宅勤務がしやすい環境にするために必要な要素とは?

在宅勤務がしやすい環境にするために必要な要素

在宅勤務がしやすい環境とはどのような環境なのでしょうか。ここでは快適な在宅勤務のために必要な要素を4つ紹介します。

仕事に集中できるスペース

1つ目は仕事に集中できるスペースです。これまで生活に適した場として作られていた自宅で仕事をすることになるため、新たに仕事に適した場所を用意する必要があります。可能であれば、セキュリティ対策やオンライン会議のためにも個室が良いでしょう。特に家族など同居人がいる場合は、お互いが気持ちよく過ごすためにも同居人に対する配慮も欠かせません。

疲れがたまりにくいデスク環境

仕事に集中できるスペースが確保出来たら、デスク環境を整えていきましょう。生産性が高い状態を維持するためには、腰痛や肩こりなどになりづらい椅子やちょうどいい高さのデスクを用意し、疲れがたまりにくい環境を整備することが大切です。テレワーク疲れや解消方法についてさらに詳しく知りたい方は「テレワークは疲れる?在宅勤務で疲れる原因、ストレスと解消方法、未然に防ぐ取り組みを紹介!」をご覧ください。

情報漏洩等のセキュリティ対策が万全

テレワークによって情報漏洩リスクが上がるため、従業員はこれまで以上にセキュリティ対策に意識を向ける必要があります。しかし、情報漏洩に気を配るあまり、通常業務に支障をきたしては本末転倒です。これまでのオフィス環境と同様に、従業員がセキュリティに過度に気を配ることなく業務が進められるような会社として万全のセキュリティ対策をすることが大切です。

自宅でテレワークを行う際の環境で気にすべきポイント

自宅でテレワークを行う際の環境で気にすべきポイント

快適な在宅勤務のために従業員はどのような環境を作ればよいのでしょうか。ここでは厚生労働省が発表している「自宅等でテレワークを行う際の作業環境整備」を参考に仕事環境として注意すべきポイントを解説します。

厚生労働省のガイドライン 

厚生労働省では令和3年3月に改定された「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」において、事業者は従業員に安全衛生に配慮したテレワークが実施されるように従業員に教育・助言等を行うように記載しています。その参考として「自宅等でテレワークを行う際の作業環境の整備」と題して、部屋、窓、照明、机、椅子、PC、室温、湿度についてのガイドラインをまとめています。

快適に仕事ができるスペースを確保する

ガイドラインでは部屋・窓・照明・室温・温度について言及しています。これらを満たす快適な仕事スペースを確保しましょう。それぞれの詳細について紹介します。

【部屋】
仕事をするために十分な空間を確保しましょう。ガイドラインでは転倒することがないように、整理整頓をするように指摘しています。

【窓】
空気の入れ替えを行えるように窓がある部屋が望ましいです。太陽光がパソコンのディスプレイにかかる場合にはカーテンやブラインドを設置するようにしましょう。

【照明】
仕事に支障がないような十分な明るさを確保できる照明をつけましょう。デスク上は照度300ルクス以上が望ましいため、デスクライトを用意しても良いでしょう。

【室温・湿度】
エアコンを活用し仕事に適した空間となるように部屋内の室温、湿度を調整しましょう。室温は17℃~28℃、湿度は相対湿度40%~70%が目安となります。乾燥する時期は加湿器を置くことも良いでしょう。

身体的に負担がかからない机と椅子を用意する 

ガイドラインには無理のない姿勢で仕事を行えるように机、椅子についての記載があります。また、パソコンについても記載がありますので自分でパソコンを用意する場合は参考にして購入しましょう。具体的には、

【机】

  • 必要なものが配置できる広さがある

  • 作業中に脚が窮屈でない空間がある

  • 体形に合った高さである、又は高さの調整ができる

といった記載があります。昇降式の机は座りっぱなしを防ぐこともできるため運動不足を補うのに最適な机です。

【椅子】

  • 安定していて、簡単に移動できる

  • 座面の高さを調整できる

  • 傾きを調整できる背もたれがある

  • ひじ掛けがある

といった記載があります。これらの項目を参考に自分の身体にあった椅子を選ぶことが大切です。

【パソコン】

まず輝度やコントラストが調整できるパソコンであることとされています。また、キーボードやマウスも別で用意することが推奨されています。ノートパソコンの使用時には別でキーボードとマウスを用意することを検討してみましょう。

その他のテレワークの生産性を上げるアイテム

ガイドラインに記載されている物以外にテレワークの生産性を上げるアイテムを3つ紹介します。

・ヘッドセットやイヤホン
マイクテレワークによってWEB会議を日常的に行うようになりました。そこで揃えたいアイテムがヘッドセットやイヤホンマイクです。相手の声をはっきりと聞き取ることができ、自分の声をしっかりと届けられるようにすることでWEB会議を円滑に進めることができます。

・WEBカメラ
WEBカメラもWEB会議が多いテレワークには欠かせないアイテムです。パソコンについていることもありますが、ついていない場合には必ず用意しましょう。WEB会議の相手にストレスを与えない画質のカメラが望ましいです。スマートフォンのアプリやデジカメをWEBカメラにすることもできます。

・外付けディスプレイ
ディスプレイを1つから2つにすることで、表示領域を拡大して作業効率をあげることができます。また、外付けディスプレイは高さ調節機能やブルーライト軽減機能がついているものもあり、首や目の負担を低減することも可能です。

会社が従業員のテレワーク環境整備ですべきこと

会社が従業員のテレワーク環境整備ですべきこと

前章では従業員が自身で快適なテレワーク環境整備のためにできる事を紹介しました。ここでは、会社が従業員が生産性・モチベーション高く仕事ができるような環境を作るためにすべきことを解説します。

テレワークに適したソフトやアプリの導入 

テレワークによって、これまで対面だった会議はオンラインになり、直接伝えていたことはチャットでの連絡になりました。このようにやり方が変化した業務をサポートするためのソフトやアプリを導入することで、オフィス勤務よりも高い生産性を期待できます。まずは

  • Web会議ツール

  • ビジネスチャットツール

  • ファイル共有ツール

の3つのツールの導入を進めると良いでしょう。また、人事としてはオンラインでも人材管理ができるクラウド型のサービスの導入も検討したいところです。テレワークに役立つツールについてさらに詳しく知りたい方は「テレワーク導入の課題や方法とは?導入目的を明確にして費用を準備しよう」をご覧ください。

セキュリティ対策の実施

情報漏洩リスクを低減するために、大きく2つのセキュリティ対策をしましょう。

・従業員へのセキュリティ教育

1つ目は従業員へのセキュリティ教育です。情報漏洩がないようにパソコンの持ち出しや紙資料の取り扱い、公共の無線LANへの接続などルール化して従業員に徹底してもらうことが重要です。また、ルールを作ることに加え、セキュリティ研修を行い従業員のセキュリティ意識を高めましょう。

・技術的なセキュリティ対策

2つ目は技術的なセキュリティ対策です。安全に社内ネットワークにアクセスできる仕組みの構築や、データの暗号化、アクセス権限の管理等が技術的なセキュリティ対策になります。

勤怠や評価などの人事制度の見直し

人事制度を見直すことも必要です。テレワークによる働く場所の自由化で、どこにいても正確に労務管理ができるようなシステムを作る必要があります。また、テレワークによって勤務態度などが見えづらくなりこれまでの評価制度では正当で公平な評価が出来なくなりつつあります。そのため評価制度の見直しも必要です。主に見直すべき人事制度は次の通りです。

  • 勤怠管理

  • 評価制度

  • 育成制度

  • 福利厚生制度

他にも企業ごとに見直すべき制度はないかを精査し、働き方にあった人事サービスを提供していきましょう。

テレワーク手当などの支給

人事制度の見直しと同時にすべきなのが諸手当の見直しです。テレワークによって通勤がなくなるため、通勤手当が不要になります。代わりに在宅勤務によって、自宅の通信費や光熱費が増えたり、環境整備のためにデスクやヘッドセットなどの購入費用がかかったり、オフィス勤務が続いていればなかったはずの出費が発生しました。これらの費用による従業員の負担を軽減するために、テレワーク手当の導入を検討しましょう。実際に株式会社メルカリや株式会社SmartHRなどIT系の企業を中心に導入が進んでいます。

【まとめ】テレワークでも人材管理をカンタン・シンプルに

今回はテレワークに適した環境について解説しました。在宅勤務が進むことで働く環境は大きく変わりました。人事としても、従業員がどこにいても同じように働けるような環境整備を進めることが重要です。そのうちの1つとして必要になるのがどこにいても人材管理ができるようになるシステムです。

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HR大学編集部
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