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2025/02/19

組織文化とは?有名な企業の具体的な事例と重要性をわかりやすく解説

目次
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組織文化とは、組織にある「共有化された規範、認識、信念」と定義され、単に「共通の価値観」ではなく、組織に定着している制度、理念、戦略、メンバーの意識など、基本的過程から構成されます。

組織文化は目に見えないため、つい対応がおろそかになりがちですが、組織文化よりも目に見える現象への対処をしているだけでは、本当の問題解決にはつながらない場合が多いです。

この記事では、エドガー・シャイン氏の「組織文化の3つのレベル」について、組織文化と組織風土との違い、組織文化の重要性、組織文化の国内と海外有名企業の具体的な事例について、分かりやすく解説します。

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組織文化とは

組織文化とは、組織にある「共有化された規範、認識、信念」と定義されています。

さらに、組織文化研究の第一人者である経営学者のエドガー・シャイン氏によって組織文化は「文物(人工物)」「標ぼうされている価値観」「背後に潜む基本的仮定」の「3段階の文化レベル」に定義されています。

組織文化は単に「共通の価値観」ではなく、組織に定着している「文物(人工物)」「標ぼうされている価値観」「背後に潜む基本的仮定」などの基本的過程から構成されます。

組織文化の3つのレベル

組織文化の3つのレベル

  1. 人工物:目に見える組織構造および手順 (組織図、制度、規程など目に見える組織構造および手順)
  2. 標ぼうされている価値観:戦略、目標、哲学 (理念、戦略、目標などの価値観)
  3. 背後に潜む基本的仮定:無意識の当たり前の信念、認識、思考および感情 (暗黙の了解、組織メンバーの意識や思考の方向性)

▼「組織文化の作り方」についてさらに詳しく
組織文化の作り方は?踏むべきステップと注意点や組織文化の種類も

組織文化と組織風土との違い

組織風土とは、組織文化のうち、特に「暗黙の了解」や組織で明文化されていない「価値観」を意味します。

つまり、組織文化が組織の内面的な部分全体を意味するのに対して、組織風土は潜在的で見えない部分を意味しています。

▼「組織風土」についてさらに詳しく
組織風土と組織文化の違いとは?良い組織にするためのポイントを解説

組織文化の重要性

組織文化は、企業の業績を左右するほど重要な概念ですが、なかなかその重要性は理解されていません。

組織文化は企業にとって、どのような点で重要なのか、組織文化の重要性について確認してみましょう。

組織文化の重要性

  • 提供価値に対して同じ認識を持てる

  • 共通の価値観やコミュニケーション方法を持てる

提供価値に対して同じ認識を持てる

組織文化の重要性として、「提供価値に対して同じ認識を持てる」ことがあげられます。

従業員に統一された組織文化を共有することで、会社の提供価値に対して同じ認識を持つことができます。

例えばメーカーであれば、単に商品を提供するだけではなく、顧客の課題解決に取り組み、アフターサービスまで提供するソリューション営業が主流です。

しかし「顧客の課題解決」という組織文化がなければ、単に商品を売るだけのメーカーになってしまうでしょう。

つまり組織文化は、企業の提供価値の統一性を左右する重要な概念だと言えます。

共通の価値観やコミュニケーション方法を持てる

組織文化の重要性として、「共通の価値観やコミュニケーション方法を持てる」ことがあげられます。

国に文化があるように、組織文化があると、従業員が共通の価値観を持つことができます。

国に例えると、日本人は日本の文化を共有しているため、日本に関することであれば、わざわざ説明しなくても少しのコミュニケーションで理解し合うことができます。

使う言葉も朝は「おはよう」、夜は「こんばんは」で通じ合えます。

同じように企業も共通の価値観を共有することで、コミュニケーションを簡素化できます。

例えば、ある企業では挨拶として「お疲れ様です」という言葉を廃止したことで、メールの書き出しで「お疲れ様です」を使うことがなくなり、コミュニケーションの効率が上がりました。

組織文化が浸透することで、コミュニケーションの方法を変えることができます。

▼「組織コミュニケーション」についてさらに詳しく
組織コミュニケーションとは?活性化する方法と具体的な企業事例について解説
社内コミュニケーションとは?重要性や活性化に向けた取り組みや成功事例について解説

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組織文化の国内有名企業の具体的な事例

国内の有名企業の組織文化の事例について確認してみましょう。

株式会社リクルート

株式会社リクルートは、起業家を輩出する会社として有名です。

創業者である江副浩正氏によって作られた「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」という以前の社訓は現在でも文化として受け継がれています。

リクルートでは従業員全員が圧倒的な当事者意識を持ち、新しいことにどんどんチャレンジしていきます。

実際に「NEW RING」という、従業員であれば誰もが提案できる新規事業コンテストが社内で開かれていて、採用広告事業だけではなく、現在は旅行事業からウェディング、デジタルまで幅広い事業を手掛けています。

また、若い優秀な人材を早期抜擢することで、「若い人が活躍できる会社」という文化が形成されています。

(参考)株式会社リクルート

本田技研工業株式会社

本田技研工業株式会社(ホンダ)は、理念経営を実践する会社として有名です。

自立、平等、信頼からなる「人間尊重」、売る喜び、買う喜び、創る喜びという「3つの喜び」からなる基本理念をもとに組織文化が形成されています。

特に注目したいのが、ホンダは実は「自動車の会社」だけではないという点です。

ホンダといえば自動車やバイクを思い浮かべる場合が多いですが、実際には「人間尊重」という人の生活を豊かにしたいという文化から、生活を便利にする製品やサービスを提供しています。

例えば、ホンダ製品には小型発電機やロボット、飛行機まで幅広いラインナップがあります。

ホンダは強く浸透する理念があることで、「自動車の会社」を超えた事業を行っているのです。

(参考)本田技研工業株式会社

▼「理念」についてさらに詳しく
理念ってなに?基本的な考え方から有名企業の理念まで、徹底的に紹介!

株式会社キーエンス

株式会社キーエンスは、最もシンプルでわかりやすい組織文化の事例の1つです。

キーエンスと言えば、新卒社員でも年収1,000万円が達成可能なほど、高業績かつ好待遇の会社です。

その秘密は組織文化にあり、キーエンスの理念の1つに「最小の資本と人で最大の付加価値をあげる」という言葉があり、この言葉を全従業員が徹底的に実践しているため、本当に最小の効率で最大の成果をあげることができています。

実際に営業の部署では、外出する際に、オフィスから一番遠い場所からアポイントを取り、終業時間に近くなるほど、オフィスに近い場所のアポイントになるように調整し、オフィスに帰りながらアポイントをこなすことができるようにしています。

「最小の効率で最大の成果」に対する、日々の細かな取り組みがキーエンス社内のいたるところで行われています。

(参考)株式会社キーエンス

キユーピー株式会社

キユーピー株式会社は、日本を代表する食品メーカーで、「親を大切にする」という文化が徹底されています。

「親を大切にする」文化の象徴として、従業員の親に対して、半年に一度、お中元とお歳暮として自社製品を贈る取り組みが有名です。

また、社内もアットホームで、従業員同士が家族のような、あたたかいつながりを持てることを重視しています。

(参考)キユーピー株式会社

組織文化の海外有名企業の具体的な事例

海外の有名企業の組織文化の事例について確認してみましょう。

海外では日本企業よりも組織文化を重視する企業がたくさんありますが、その中でも代表的な例について確認してみましょう。

Google LLC

Googleは、強い組織文化を持つ企業として有名です。

まずGoogleは徹底的にユーザーを大切にしていることで有名です。

ユーザーを何よりも大切にしているからこそ、Google検索画面はとてもシンプルで分かりやすい配置で設計され、検索スピードも年々改良を加え、瞬時に知りたい情報を入手できるようになっています。

また、「普通の人」は採用しないという珍しい方針によって、一見風変わりでも優秀な人材を集めることに成功しています。

ちなみにGoogleでは従業員を「グーグラー」と愛着をこめて呼んでいるそうです。

また従業員が新しいことを思い付くための活動として、就業時間の20%を自分の好きな活動のために自由に使って良いことになっています。

世界一のシェア率を誇る検索エンジンも、ユニークな組織文化によって支えられています。

(参考)Google LLC

ゼネラル・エレクトリック・カンパニー(GE)

ゼネラル・エレクトリック・カンパニー(GE)は、大企業でありながら常に変化を続けている組織文化で有名です。

GEは時代に合わせて常に変化し続け、最近では、多角化した事業を絞り込んで特定領域に資本を集中投下する「選択と集中」の戦略が有名です。

また、「ノーレイティング」という、ランク付けによって行う評価をしない、新しい評価制度を取り入れました。

さらに、GEの組織文化を支えているのがリーダー育成の仕組みです。

アメリカのクロトンビルにリーダー育成の専用施設を設置し、世界中の拠点から優秀な人材を集めてリーダーを育成します。

長年におよぶリーダー育成により、優れた経営者を輩出していることでも有名です。

(参考)ゼネラル・エレクトリック・カンパニー(GE)

▼「ノーレイティング」についてさらに詳しく
ノーレイティングとは?評価制度のメリット・デメリットや報酬と給与の決め方

▼「人材育成」についてさらに詳しく
人材育成とは?何をやるの?基本的考え方と具体的な企画方法を解説

▼「リーダー育成」についてさらに詳しく
リーダー育成が上手くいかない理由とは?育たない理由と解決方法

経営戦略と連動した人材育成を実現する方法
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Netflix, Inc.

Netflixは、新興企業の中でも卓越した組織文化を形成しています。

自社ホームページでは、5つの「大切にしていること」を公開しています。

Netflixの「大切にしていること」

  1. 社員一人ひとりの自立した意思決定を促し、尊重する
  2. 情報は、広く、オープンかつ積極的に共有する
  3. とことん率直に意見を言い合う
  4. 優れた人材でチームを構成し続ける
  5. ルールをつくらない

Netflixでは「従業員一人ひとりの自立した意思決定」を尊重しているため、とにかく自由な組織文化で成果主義のため、成果さえ出していれば、遊んでいても構いません。

また上下関係がなくフラットで、優秀な人材が最大限に活躍できる環境が整っています。

採用する際も「ドリームチーム」であることを重視するため、優秀な人材を高額な報酬で雇います。

一方で厳しい面もあり、パフォーマンスを発揮できない人材には速やかに退職を促し、常に優秀な人材が集まる「ドリームチーム」の状態を維持しています。

Netflixの組織文化は、優秀な人材が集まる独特な組織運営を支えています。

(参考)Netflix, Inc.

▼「Netflixの人事戦略」についてさらに詳しく
Netflixの最強人事戦略とは?ジョブ型雇用の理想形と人事戦略トレンドを解説

▼「成果主義」についてさらに詳しく
成果主義とは?メリットとデメリットや能力主義との違いをわかりやすく解説

組織文化は組織運営の要

組織文化とは、組織にある「共有化された規範、認識、信念」と定義され、単に「共通の価値観」ではなく、組織に定着している制度、理念、戦略、メンバーの意識など、基本的過程から構成されます。

組織文化は目に見えないため、つい対応がおろそかになりがちですが、組織文化よりも目に見える現象への対処をしているだけでは、本当の問題解決にはつながらない場合が多いです。

また、組織文化は良い方向に働く場合もあれば、悪い方向に働く場合もあります。

もし悪い組織文化によって企業業績に影響が出ているなら、今すぐにでも組織文化を変えることに取り組む必要があります。

「HRBrain タレントマネジメント」は、1on1などのコミュニケーション施策の実施や、評価の透明性を高め納得感の高い評価制度の実施を実現し、組織文化の醸成と浸透をサポートします。

さらに、従業員のスキルマップや、これまでの実務経験、育成履歴、異動経験、人事評価などの従業員データの管理と合わせて、OKRなどの目標管理、1on1やフィードバックなどの面談履歴などの一元管理も可能です。

HRBrain タレントマネジメントの特徴

  • 検索性と実用性の高い「データベース構築」を実現

運用途中で項目の見直しが発生しても柔軟に対応できるので安心です。

  • 柔軟な権限設定で最適な人材情報管理を

従業員、上司、管理者それぞれで項目単位の権限設定が可能なので、大切な情報を、最適な状態で管理できます。

  • 人材データの見える化も柔軟で簡単に

データベースの自由度の高さや、データの見える化をより簡単に、ダッシュボードの作成も実務運用を想定しています。

▼「タレントマネジメントシステム」についてさらに詳しく
【完全版】タレントマネジメントとは?基本・実践、導入方法まで解説
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株式会社HRBrain 中西諒
中西 諒
  • 株式会社HRBrain コンサルティング事業部 組織・⼈事コンサルタント

大学卒業後、組織・人事コンサルタントとして、研修設計/納品、アセスメント設計/納品等、商材開発から納品フロントまで一気通貫でプロジェクトを担当。
各社の評価制度に合わせた評価者研修の設計も担当しており、これまでの支援実績は200社以上。

現在は、HRBrainコンサルティング事業部で組織・人事コンサルタントとして活躍中。人事評価制度設計のコンサルティングに加え、評価者研修/1on1研修/フィードバック研修/キャリアマネジメント研修等、企業の課題に合わせた様々な研修の設計/納品を担っている。

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