カジュアル面談とは?面接との違い・事前準備・当日の流れを徹底解説
- カジュアル面談とは
- カジュアル面談の目的
- 多くの優秀な人材にアプローチできる
- ミスマッチを防ぐ
- カジュアル面談と面接の違い
- 合否に関係ない選考前の面談
- スーツではなく服装は自由
- 履歴書は不要
- 【企業】カジュアル面談の事前準備
- 会社の概要を共有
- 部署の社員を同席させる
- 応募者へ質問を用意する
- 【企業】カジュアル面談の流れ
- 自己紹介
- 合否はない面談であることを再確認
- 応募者の状況をヒアリング
- 質問に答え、自社のリアルな魅力をアピール
- 次のステップ(選考)への案内をする
- 【企業】カジュアル面談のポイント
- 【個人】カジュアル面談の事前準備
- 会社の概要を調べておく
- 面談相手へ質問を用意する
- 自分のキャリアの棚卸・価値観を整理する
- 【個人】カジュアル面談のポイント
- まとめ
この記事ではカジュアル面談とはなにか、カジュアル面談と面接の違い、カジュアル面談の準備・流れを企業・個人別に紹介します。
カジュアル面談とは
カジュアル面談とは、面接などの選考の前段階において行われるもので、文字通り「カジュアル」に双方のことを知るための情報交換の場です。
応募者には転職の意志が固まっていない場合も多く、企業側が応募者に向けてアピールすることもあります。
なぜならカジュアル面談は、ダイレクトリクルーティング(企業が応募者に直接アプローチする手法)の際に行われることが多いためです。
従来の「待つ」採用方法とは異なり、企業自らが応募者にアプローチするため、興味を持ってもらえるよう努力する必要があります。
詳細:ソーシャルリクルーティングとは?失敗しない注意点・SNS 8選
カジュアル面談の目的
志望度が低い応募者に対してカジュアル面談を行う方法は、一見すると効率が良くないようにも思えます。
では、なぜカジュアル面談をする企業が増えているのでしょうか。
その目的は2つあります。
多くの優秀な人材にアプローチできる
一般的な「待ち」の採用方法では、企業主体で優秀な人材と接点を持つことができません。
今後の労働人口の減少を見越し、積極的に「攻める」採用へと舵を切る必要があります。
カジュアル面談を受ける人材にとっても、選考とは異なるため、心理的なハードルが低いと言えるでしょう。
たとえカジュアル面談の後、選考に進まなかったとしても、企業に対し好印象があれば、次の機会に転職先候補として検討してもらえます。
ミスマッチを防ぐ
応募者と企業の双方で情報交換を行うことで、ミスマッチを防ぐことができます。
求人サイト・企業サイトで事業内容や業務について詳しく記載したとしても、応募者にとって「リアルな情報」を読み取ることは難しいことです。
近年ではSNSや動画で企業が情報発信をする機会も増えていますが、それでも双方向のコミュニケーションが取れるカジュアル面談は、ミスマッチを防ぐための有効な手段でもあります。
カジュアル面談と面接の違い
カジュアル面談と面接の違いは大きく分けて3つあります。
合否に関係ない選考前の面談
カジュアル面談はあくまで選考前の面談です。
選考に進んでもらう前のコミュニケーションの場のため、合否には関係がありません。
「カジュアル面談で合否が決まってしまう」という誤解が多く見受けられるため、「合否には関係がない」ことを面談前に確認しましょう。
選考段階の面接とは異なり、応募者の志望度が低いこともカジュアル面談の特徴です。
そのため、企業側がリアルな情報を提供し、選考に進んでもらうためのアピールの場でもあります。
スーツではなく服装は自由
カジュアル面談は、文字通りカジュアルな雰囲気で行われるため、服装は面接のスーツとは異なり、自由とする場合が多いです。
リラックスした状態での意見交換に相応しい服装で双方が臨みます。
履歴書は不要
カジュアル面談は正式な選考前のため、一般的に履歴書・職務経歴書の受け渡しは行いません。
もし、企業側が必要だと判断した場合は、事前に応募者へ要望を伝えるようにしましょう。
【企業】カジュアル面談の事前準備
カジュアル面談を実施する際に、企業が行うべき事前準備について紹介します。
会社の概要を共有
会社の概要など、企業HPなどで公開している情報を、わざわざカジュアル面談で伝えるのは「もったいない」と言えるでしょう。
そのため、事前にメールなどで会社の概要を掲載したサイトのURLなどを送付して、事前に確認をお願いしましょう。
また企業情報だけでなく、カジュアル面談を行う自社の社員の情報を伝えておくことも有効です。
応募者の緊張をほぐすだけでなく、社員に対しての質問が浮かびやすいという効果があります。
部署の社員を同席させる
応募者が求めるのは、実際に働いている社員のリアルな情報です。
特にエンジニアなど専門性の高い職種の場合は「仕事の進め方」「学びの機会」「働く環境」の詳しい情報をカジュアル面談で得たいと思っています。
そのためにも、人事だけでなく現場の社員(応募者と年齢・経歴の近い人材)についての同席を調整しましょう。
その際に、アサインした社員にもカジュアル面談の目的をしっかりと共有しましょう。
応募者に会社に好印象を抱いてもらい、カジュアル面談から選考のステップに進んでもらうための場であることをインプットします。
応募者へ質問を用意する
「どうして転職しようと思ったのか」「大切にしている価値観はなにか」など、面接前の今だからこそ聞ける本音に迫りましょう。
面接(選考)に進んだ場合、表面的な回答になりがちな質問を用意しましょう。ざっくばらんに情報交換を行うことで、有意義なカジュアル面談になります。
聞き忘れてしまうことのないよう、質問の事前準備をしておくことが大切です。
【企業】カジュアル面談の流れ
当日のカジュアル面談の流れについて紹介します。
自己紹介
まずは自己紹介をしましょう。
開始の際に話しやすい雰囲気を作れるかどうかで、カジュアル面談の質が決まります。
応募者に親近感を抱いてもらうために、出身地・趣味など仕事とは関わりのないことも紹介することも有効です。
双方向のコミュニケーションであることを意識し、雑談を交えて緊張をほぐしましょう。
合否はない面談であることを再確認
自己紹介が済んだ後で、改めて「合否とは関係のない面談であることを再確認」しましょう。
応募者がカジュアル面談に慣れていない場合、「この面談はすでに選考の一部なのではないか?」と不安に思うこともあるでしょう。
その緊張・不安を取り除くためにもこの一言は有効です。
「ぜひ当社のことをよく知っていただきたい」という想いを合わせて伝えましょう。
応募者の状況をヒアリング
「応募者の現在の状況」、また「自社について聞きたいこと」などをヒアリングしましょう。
その要望に合わせて、自社の魅力をアピールする必要があります。
「このカジュアル面談でどのようなことが聞けると期待して来たのか」と確認することで、応募者とのギャップを埋めることができます。
質問に答え、自社のリアルな魅力をアピール
応募者の欲しい情報に対して答えましょう。
その際に、事実と異なることを盛って伝えるのはNGですが、「応募者が魅力に感じるであろうこと」をキャッチしてアピールすることは重要です。
同席してもらった現場の社員からも、実際に働いている様子がわかるエピソード、職場環境などを積極的に話してもらいましょう。
また、その際に「どのような人材が活躍しているか」「自社が大切にしている価値観」についても伝えましょう。
同じ業界の会社だったとしても、創業間もないベンチャー企業と、創業から100年たつ老舗企業では企業文化は大きく違うはずです。
互いのミスマッチを防ぐためにも、応募者の質問に答え、自社のリアルな魅力をアピールしましょう。
次のステップ(選考)への案内をする
双方の情報交換が終わった後、「ぜひ入社してほしい」と感じた場合、その想いを応募者に伝えましょう。できれば当日中など、面談での熱量が薄れてしまう前にスピードを重視して連絡を行いましょう。
目的は「優秀な人材の早期獲得」です。
選考フローについても、応募者に合わせ柔軟に変更できるよう調整しましょう。
選考に進まない場合は、連絡先を交換して終了することもあります。
すぐには転職に繋がらなくても、応募者の状況が変わるなどして、後日連絡が来る場合もあります。
【企業】カジュアル面談のポイント
カジュアル面談を初めて行う場合、企業側が一方的に品定めする「面接」にならないよう注意しましょう。
カジュアル面談は、あくまで双方における情報交換・コミュニケーションの場です。
選考に進んでもらう前の状態であることを意識し、企業側が応募者をジャッジする場にならないよう意識しましょう。
【個人】カジュアル面談の事前準備
次に、個人が行うべき事前準備について紹介します。
会社の概要を調べておく
カジュアル面談では、社員のリアルな情報・生の声を聞くため、基本的な会社の情報はあらかじめ調べておきましょう。
企業HPに目を通し、概要を掴んでおくのがおすすめです。
面談相手へ質問を用意する
「職場の雰囲気はどうか」「直属の上司になる人はどのような人物か」「会社が重視していること」「会社の今後の方向性は」など実際に自分がその会社で働くにあたって知りたいことを質問しましょう。
特に企業文化が反映されたエピソードや、働いている社員の人柄などが聞けると、会社への理解が深まります。
転職によって「不安に思っていたどのような問題が解決されるのか」と、あらかじめ自分に問いかけて一本軸を作っておくことで、具体的な質問が浮かんでくるはずです。
自分のキャリアの棚卸・価値観を整理する
「どうして転職を考えているのか」「どんなことを大切に思っているのか」など、自分のキャリアや価値観の棚卸をしましょう。
そうすることで、面談相手へ自分のことをスムーズに伝えることができます。
【個人】カジュアル面談のポイント
いくら「カジュアル」な面談とはいえ、社会人としてのマナーを守りましょう。
とくに転職を考えている場合、つい現職・前職の愚痴を口にしてしまいがちです。
選考前の状態とはいえ、悪印象を与えてしまうことは避けましょう。服装の清潔感に加えて、言葉遣いにも配慮は必要です。
まとめ
カジュアル面談とは、文字通り正式な選考前に行われる「カジュアル」な面談です。
選考前のため、応募者に転職の意志が固まっておらず「話を聞いてみよう」くらいの気持ちの場合もあります。
そのため、企業側が応募者にアピールをする場でもあります。
カジュアル面談は、企業が直接応募者にアプローチする「攻め」の採用・ダイレクトリクルーティングの際に行われることが多いです。
企業がカジュアル面談を行う目的は、「多くの優秀な人材にアプローチできる」「ミスマッチを防ぐ」の2点です。
一般的な「待ち」の採用方法では、企業主体で優秀な人材と接点を持つことができないためです。
また、選考に進む前に「大切にしている価値観」などを確認し合い、ミスマッチを防ぐ役割もあります。
カジュアル面談は「合否に関係ない選考前の面談」であり、面接とは異なりなす。
そのため服装は自由であることが多く、応募者の履歴書の持参は不要です。
【企業】カジュアル面談の事前準備は以下の通りです。
会社の概要を共有
部署の社員を同席させる
応募者へ質問を用意する
カジュアル面談の前には、会社の概要をメールなどで送付しましょう。
また採用後、配属を予定している部署の社員に同席をお願いできないか調整しましょう。その際に、同席する社員に「カジュアル面談」の目的を伝えましょう。
ミスマッチを防ぐための、応募者への質問も用意が必要です。
【企業】カジュアル面談の流れ
- 自己紹介
- 合否はない面談であることを再確認
- 応募者の状況をヒアリング
- 質問に答え、自社のリアルな魅力をアピール
- 次のステップ(選考)への案内をする
面談の最初に「合否はない面談であることを再確認」をすることで、本来の面談の目的に立ち返ることができます。
また「ぜひ入社してほしい」と考えた場合は、応募者の記憶・熱意が薄れることのないよう、当日中に次のステップ(選考)への案内をすることがベターです。
企業のカジュアル面談のポイントは、ズバリ『面接にならないよう注意すること』です。
面接の場合、どうしても応募者を品定めするような上から目線になってしまうことが多いです。応募者は敏感にその気配を察知します。あくまで双方における情報交換・コミュニケーションの場であることを理解して、カジュアル面談に臨みましょう。
【個人】カジュアル面談の事前準備
会社の概要を調べておく
応募者へ質問を用意する
自分のキャリアの棚卸・価値観を整理する
「どうして転職を考えているのか」「どんなことを大切に思っているのか」など、応募者は自身のキャリアや価値観の棚卸をしておくと面談がスムーズです。
また双方の「ミスマッチを防ぐ」ため、企業文化、職場環境、一緒に働くことになる社員などについて質問をしましょう。
近年では労働人口の減少もあり、「待ち」の求人から「攻め」の求人に転じてきています。カジュアル面談はそうしたダイレクトリクルーティングの手段として注目を集めています。
企業・個人ともに「ミスマッチを防ぐ」ための面談だという意識を持って、事前準備を行い当日を迎えるようにしましょう。