#人材採用
2024/08/15

リクルーター制度とは?導入のメリット・デメリットからステップまで解説

目次

リクルーターとは

リクルーターの意味を制度含め解説する

リクルーターとは、新卒の採用活動に直接関わる従業員のことを指します。通常の人事部が行う選考過程とは別に、学生と直接会って、採用活動を手伝ってもらいます。ここでは、リクルーターの意味や制度に関して解説します。 

リクルーター制度とは

リクルーターとは採用担当者のことを指し、リクルーター制度とはリクルーターが直接学生と連絡をとり、採用活動を行う制度のことをいいます。

リクルーターは学生が話しやすく、親近感を持ってもらいやすいよう、年齢の近い若手の従業員のケースが多くなります。

多くは学生の大学のOB・OGが選ばれることが多く、リクルーターに選ばれた従業員は、面会した学生の評価を人事部へ伝えます。人事部での面接よりも、学生一人あたりと接触できる時間が多くなるため、人材の適性を直接判断できるなどメリットがあります。最近ではリクルーターとの接触は、以下のグラフからも分かるように、半数近い学生が経験するようになっています。  

リクルーター面談の経験

 (※引用)キャリタス就活2020:『2020年卒「リクルーターとの接触経験」』より 

リクルーターがつく面接とは

新卒の就職活動では、エントリーシートを提出後、もしくはインターンシップや会社説明会への参加後に、担当のリクルーターから学生に連絡をすることが一般的です。リクルーターから連絡があり、学生の担当が決まることを「リクルーターがつく」と表現します。

担当のリクルーターは人事へ評価を出すまでに、個別面接の調整をします。これはリクルーター面接、通称「リク面」と呼ばれています。会社内で会う場合だけでなく、社外の飲食店で会う場合も多く、説明会やスカウト、面談とも呼ばれます。

リクルーターからの面接の評価がよい場合は、人事の通常面接のフローにパスされる形になりますが、リクルーターは学生を内定までフォローをすることもあります。学生は会社への質問も、人事より歳の近いリクルーターの方がしやすく、またリクルーターも、学生にフランクに接することで、自社が本当に第1志望かどうかなど本音を聞きやすくなります。

リクルーター制度は中途採用にも活用される

リクルーター制度は新卒に適用されるイメージがありますが、中途採用でも利用されるようになっています。

能動的な「攻め」の採用活動が可能になります。

最近では応募者からのアプローチだけでなく、求人メディアを通じて、求職者データベースへアクセスし、スカウトすることも増えています。採用ターゲットが集まるイベントに参加したり、逆に自社でイベントを主催して、人材をスカウトしていきます。

兼務・プロリクルーターの違い

兼務・プロリクルーターの違いとリクルーターに必要な適正を紹介

リクルーターには大きく2種類あるのをご存知でしょうか。ここでは兼務リクルーターとプロリクルーターの違いについて、また、リクルーターに必要な適正を紹介します。

兼務リクルーターとは 

兼務リクルーターは、人事部以外の従業員が採用活動に参加している場合を指します。学生や中途採用の候補者と、大学の繋がりや、前職などの繋がりを持つ従業員のことです。学生と会う場合は主に若手の従業員が多いのですが、候補者によっては幹部クラスまで、誰でも当てはまります。

候補者が打ち解けやすいような近い年齢や立場の人、もしくは候補者にアドバイスができる立場の人が任命されることが多くなっています。 

プロリクルーターとは

プロリクルーターとは専門職として、採用活動に従事する人のことです。

採用のプロフェッショナルで、新卒採用・中途採用にかかわらず、採用活動のゴールのために、採用プロセス全体、もしくは専門領域を担当します。特に専門知識の必要な分野では、その見極めができる知識のあるプロリクルーターは大変貴重な人材です。そのため、このプロリクルーター自身が貴重な採用対象者となることがあります。

たとえば、金融系や研究職などのアセスメントができる場合などが当てはまります。海外では大学で選考した分野で就職をするのが通常で、人事の分野でも同じです。日本のように主に一括採用をした文系の学生が、広報や人事など配属が変わりながら、現場で学んでいくスタイルとは異なります。このため、リクルーターの仕事を専門にした人材が生まれやすく、外資系ではプロのリクルーターの集団の部門が存在します。最近では日本の企業でも、人材採用を外部のプロに任せたり、社内でもプロを採用し、人材を育てたりといった事が行われるようになっています。

リクルーターに必要な適性とは

リクルーターは企業の顔として学生を中心とした候補者に接触をするため、候補者を選別する能力だけでなく、相手に選んでもらえるような人物である必要もあります。リクルーター候補に最低必要な条件は以下の5つが考えられます。

  •  候補者と年齢が近い

  • 人間的に魅力的である

  • 自社のアピールができる、高いコミュニケーション能力

  • 公平な態度で候補者に接することができる

  • 出身大学のOB・OGなど、候補者との共通点があればなおよい 

リクルーターに選ばれる社員の例 

企業によってリクルーターの採用基準は違うと思いますが、ここでは共通するリクルーターに選ばれる社員の例を解説します。

  • 会社にロイヤルティを感じている

  • 新卒採用枠での採用(新卒採用向けの場合)

  • 上司からの評価が高い

  • 将来的に有望として目されている

一般的に社内でリクルーターに選ばれるというのは抜擢にあたり、優秀な社員である称号ともいえます。しかし優秀なだけでなく、特に最初の項目の会社にロイヤルティを感じている、会社が好きであるということは大前提でしょう。

リクルーター制度のメリット・デメリット

リクルーター制度のメリット・デメリットと紹介

リクルーター制度はすでに多くの企業が取り入れており、今後も導入企業は増えると思われます。ここでは導入前に確認しておきたいメリットとデメリットを解説します。 

リクルーター制度のメリット3つ

リクルーター制度のメリットを3つ紹介します。 

  • より多くの候補者と接触ができる

新卒の一括採用では特に、面接時期が重なり人事部だけのリソースでは、面接対応のキャパシティの限界が決まってしまいます。これに対し、リクルーター制度を導入することで、一時的に必要な面接官を多く確保し、直接接触できる学生の数も増やすことができます。また早期に優秀な学生と話し合う機会を作ることで、自社への志望度を高め、他社へ流れることを防ぐこともできます。 

  • 面接ではわかりにくい候補者の本質が見える

年齢の近いリクルーターが堅苦しくなく接触することで、学生も本音を言いやすくなります。またじっくり話すことで、学生の本質を見ることもできると同時に、学生の気持ちを掴むこともできるでしょう。

  • 自社の魅力をダイレクトに伝えられる

リクルーターは早い段階で接触してきた学生や候補者に連絡をとることが通常です。しかし企業説明会への参加の段階では、学生の関心は実際には低いことも考えられます。そのような学生にリクルーターがつくことで、自社の魅力を直接アピールし、優秀な学生を振り向かせることができます。

実際に働いている社員だからこそ「実際の社風、実務の内容」などについて答えることができ、学生の不安の解消にもつなげることができます。  

リクルーター制度のデメリット2つ

リクルーター制度では以下のようなデメリットがあります。

  •  リクルーターの質で企業のイメージダウンになる可能性がある

リクルーターの質で学生の印象が大きく作用してしまうことは、デメリットのひとつと考えられます。よい方に向かえばいいですが、リクルーターの能力が高くない場合に、応募者の自社へのイメージダウンにつながる可能性があります。この場合、優秀な人材を一人の印象だけで逃してしまう可能性があります。

またリクルーターには悪気はなくても、優秀な学生を採用したいと力が入るあまり、オーバートークになることもあります。

筆者の人事部での経験でも、慣れないリクルーターによる学生への説明の行き違いで「配属の希望が通る」と思い込んでしまった学生とトラブルになったことがあります。リクルーターの質とトーク内容に関しては、しつこいくらいの確認が必要です。

  • 公平ではない

通常は同じ大学の出身者がリクルーターにつくことが多いのですが、企業の中に出身者がいない場合、リクルーターが選抜されないことがあります。この場合は、リクルーター面接がある学生と、ない学生に二分化されていまいます。リクルーターの派遣は、ある一定以上の大学に集中する場合が多く、大学のレベルで就職活動に差が出てしまうことになります。

またリクルーターと学生の性格やタイプが合わないなど、個人的なフィルターもかかりやすく、人事での面接に比べて公平な判断が得られないと考える応募者もいるようです。

リクルーター制度を導入する5ステップ

リクルーター制度を導入するステップを解説

人材確保のひとつとして取り組みたいリクルーター制度ですが、ここでは導入する5ステップを解説します。特にステップ3のリクルーターの選抜は重要です。注意点も含め紹介します。 

リクルーター制度の社内整備

リクルーター制度は主に人事部以外の、若手の従業員をリクルーターとして選抜することになります。その際に、採用活動をメイン業務としていない従業員の場合は、通常業務に支障がでる、もしくは抜擢に対して反対意見がでることもあります。

未然に社内の反発を防ぐためにも、人事部だけではく、企業トップやマネジメント層とのコンセンサスと、トップダウンでの社内通知が大切です。

あわせて社内でのルールの作成も必要になります。特に費用面に関しては明確にしておきましょう。学生と社外で会う場合や学校訪問を業務活動とするのか、交通費や飲食代の精算方法、接触頻度の上限など、具体的に決めておくことが必要です。

リクルーター制度を導入する学校選び

リクルーター制度をどの学校に適用するのか決めておく必要があります。リクルーター制度では人事以外の人材を使えるといっても、無限ではありません。また企業内でコストを使うことには変わりありません。このため企業としてどの学校にリクルーター制度を適用するのか、もしくは事前のリスト外でもどこまではリクルーターを派遣するのか、基準を決めておくのが一般的です。

リクルーター候補選び

リクルーター制度で特に大事なのが、リクルーターの選抜でしょう。学生の印象は「リクルーター=企業」となってしまうことも多く、適切なリクルーターを探す必要があります。

「リクルーターに必要な適正」で前述したように、学生に親近感をもってもらえるような若手で、かつ優秀な人材の確保が成功の鍵となります。 

リクルーターを育成する

リクルーターには一定の面接スキルの研修が必要になります。学生に年齢が近い若手従業員では、面接経験がないことも多く、判断基準にバラツキがでてしまう可能性があります。リクルーター同士で差が出ない、できる限り同一のレベルとなるように、リクルーターを育成しなければなりません。過去にはリクルーターが就活生に対してセクハラ問題を起こした事例もあります。もしそうなった場合、企業のイメージは著しくダウンするでしょう。また「どのような人材を採用したいと考えているか」という自社の定義を共有する必要もあるでしょう。こうすることで、リクルーター自身の「企業に対するエンゲージメント向上」や「自己成長」にもつながるでしょう。

リクルーター制度の告知 

リクルーターの選考と研修が終了後、各種活動を開始します。社内だけでなく、対象大学などにも告知をします。リクルーターは、基本的に以下3つの活動を実施します。

  • 説明会への参加

  • 出身大学を中心に担当大学への連絡・スカウトの告知

  • 個人的面接・面談

【まとめ】能力開発制度は人事評価との連動で従業員のモチベーションアップを

リクルーター制度に関して、その概要から導入方法まで紹介してきました。学生とリクルーターが接触する割合は上場傾向にあり、今後ますます必要になりそうな制度だといえます。 

企業側としてはも、新卒採用が困難になっていく日本において、優秀な学生を確保していくためにも利用していきたい制度です。 

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HR大学編集部
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