人事評価制度がない会社とは?評価制度をなくす理由と人事評価が抱える問題
- 人事評価制度をなくす理由
- 人事評価に不満を抱く理由
- 評価基準が不透明
- 評価に公平性が感じられない
- 評価制度自体が不完全
- 人事評価制度がないことによって起こるデメリット
- モチベーションや生産性の低下
- 人材の流出
- 管理職の負担が増加
- 人事評価制度が抱える課題
- 人事評価制度の課題解決方法
- 人事評価制度を見直す際のポイント
- 経営層への方向性の確認
- 従業員の納得度の確認
- 評価と待遇の関係性を見直す
- 評価制度を廃止?ノーレイティングとは?
- 評価制度をなくした企業の事例
- 評価制度をなくした企業の事例:GE(ゼネラル・エレクトリック・カンパニー)
- 評価制度をなくした企業の事例:アドビ株式会社
- 評価制度をなくした企業の事例:カルビー株式会社
- 人事評価制度の設計と見直し
- 人事制度設計マニュアル
- 人事評価の「納得度」を向上させる人事評価システム
人事評価への不満を理由に従業員が退職に至るなど、人事評価制度は多くの課題を抱えています。
そのため、あえて人事評価制度をなくす企業が出てきています。
この記事では、企業が人事評価制度をなくす理由、人事評価制度が抱える問題、従来の人事評価制度をなくした事例、人事評価制度がない会社のメリットとデメリットなどについて解説します。
人事評価制度の見直しのための「人事評価マニュアル」
人事評価制度をなくす理由
企業がこれまでの「人事評価制度をなくす」最も大きな理由は「人材の流出」です。
人材の流動性が高まり、離職率の増加が課題となる中、「評価制度への不満」を理由に、従業員が退職に至るケースがあります。
そのため、あえて人事評価をなくす企業が出てきています。
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人事評価に不満を抱く理由
人事評価制度への不満を理由に、従業員の離職が増えるため、人事評価制度自体をなくす企業が出てきています。
では、実際に従業員はどのような理由から、評価制度に対して不満を抱き、離職に至ってしまうのか、その理由について確認してみましょう。
人事評価に不満を抱く理由
評価基準が不透明
評価に公平性が感じられない
評価制度自体が不完全
評価基準が不透明
評価基準が不透明な場合、評価に対する納得感が低下してしまいます。
どういった理由から最終評価に至ったのかという基準や、評価プロセスが不明瞭なために「納得がいかない」というケースが多々あります。
特に、一方的に評価をつけられたり、上司1人の主観によって評価が決定される場合に多い課題です。
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評価に公平性が感じられない
評価に公平性が感じられない場合があります。
具体的には、仕事の成果ではなく、在籍年数や年齢が評価に大きな影響を与えてる場合に若手層が「納得がいかない」と不公平を感じやすいです。
定性的な評価が行われている場合に多い課題です。
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評価制度自体が不完全
評価制度自体が不完全な場合があります。
特に、従業員の中で「優劣をつける評価制度」は、全従業員にとって納得できる評価制度にはなりえないです。
また、時代によって大事にされる価値観や求められる能力は変わります。
その変化の全てに対応できる評価制度はありません。
このように、評価制度自体が不完全であることから、そもそも評価制度を無くしてしまおうという動きが出てきています。
人事評価制度がないことによって起こるデメリット
人事評価制度があることによる問題もありますが、人事評価制度がないこともまた問題を生みます。
人事評価制度がないことによって起こるデメリットについて確認してみましょう。
人事評価制度がないことによって起こるデメリット
モチベーションや生産性の低下
人材の流出
管理職の負担の増加
モチベーションや生産性の低下
人事評価制度がないと、仕事に対する評価がなされないため、「モチベーションの低下や生産性の低下」を引き起こす可能性があります。
評価制度があることで、高い評価を得て、昇進や賞与という結果を得るために、モチベーション高く頑張ることができるという面もあります。
そのため評価制度をうまく運用することができれば、企業業績を上げることにもつながります。
人材の流出
人事評価制度がないことで、逆に「人材の流出」が起こることがあります。
評価制度がないと、自分の頑張りがそもそも評価されません。
評価制度があることで評価に対する不満がある一方で、評価されないことによる不満が出てくる場合もあります。
いくら頑張っても評価されなければ、モチベーションが保てず、人材の流出につながる可能性もあります。
管理職の負担が増加
人事評価制度がない場合、管理職の一存で昇給や昇進が決まる場合があります。
つまり管理職のマネジメント能力や評価能力によって評価の精度が変わるため、「管理職の負担が増加」します。
管理職が優劣をつけることで、部下から不満を持たれやすいため、心理的なストレスを感じやすくなるでしょう。
人事評価制度が抱える課題
人事評価制度が抱える課題は、「完璧な評価制度はなく、誰かしらは不満を持つ制度」だということです。
従業員全員が良い評価を得られる制度はなく、従業員全員が評価に納得できる説明を果たすことも難しいでしょう。
「完璧な評価制度はない」という認識を持ったうえで、自社にとって最善の制度を模索するようにしましょう。
▼「人事評価制度の設計や見直し方法」についてさらに詳しく
ゼロから作る人事制度設計マニュアル
人事評価制度の課題解決方法
人事評価制度はどうあるべきなのか、人事評価制度の課題解決方法について確認してみましょう。
人事評価制度が不完全であれば、不完全の中でも「自社にとっての最善」を目指すことが重要になります。
自社が掲げるビジョンや目的などに沿って制度を構築すると良いでしょう。
自社の目指すビジョン達成において、「評価制度は不要」と判断したのであれば、評価制度をなくすことも1つの手段です。
ただ、評価制度は報酬や昇進といった待遇に紐づいているため、評価制度に代わる制度を作る必要があります。
評価制度とどちらが良いかを比較検討するようにしましょう。
人事評価制度を見直す際のポイント
現在の人事評価制度に課題を抱えている場合、どのようにして人事評価制度を見直せば良いのか、人事評価制度を見直す際のポイントについて確認してみましょう。
人事評価制度を見直す際のポイント
経営層への方向性の確認
従業員の納得度の確認
評価と待遇の関係性を見直す
経営層への方向性の確認
人事評価制度は、自社の人材がどのように育ってほしいかという、人材育成の方針ともいえる制度です。
経営層が考えている経営戦略と一致していなければなりません。経営層と方向性の擦り合わせを行いましょう。
▼「人材育成」についてさらに詳しく
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人材を成長させる人事評価のポイント
従業員の納得度の確認
現在の人事評価制度に対して、従業員はどの程度の「納得度」を持っているのかを確認しましょう。
その際に、どのような理由で納得しているのか、納得していないのかという理由も確認すると、人事制度の見直しの際に活用できます。
評価と待遇の関係性を見直す
人事評価は報酬や昇進などの「待遇」に反映されます。
言ってしまえば、人事評価制度に納得がいかないのは、その後の待遇に影響するからです。
そのため、評価と待遇をどう結びつけるかが重要になります。
いかに正しい評価ができたとしても、その後の待遇が変わらなければ、従業員が不満を持ちかねません。
評価制度だけではなく、待遇との関係性も見直しましょう。
▼「人事評価の不満」についてさらに詳しく
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評価制度を廃止?ノーレイティングとは?
ノーレイティングは、人事評価に伴い行われる「ランク付け」を廃止する制度です。
通常の評価制度では、従業員をA~Eにランク付けし、報酬に紐づけることが多いです。
しかし、ノーレイティングでは付けを行いません。
ここで間違えてはいけないことは、ノーレイティングでは、「評価はするがランク付けはしない」ということです。
ランク付けの代わりに用いられる評価手法は「1on1面談」です。
上司と部下の1対1の面談を定期的に実施し、評価を行います。
そのため、納得度の高い評価を行うことが可能です。
一方で、手間がかかるといったデメリットもあるため、ノーレイティング導入のハードルは高いと言えるでしょう。
▼「ノーレイティング」についてさらに詳しく
ノーレイティングとは?評価制度のメリット・デメリットや報酬と給与の決め方
▼「1on1」についてさらに詳しく
1on1とは? 従来の面談との違いや効果を高めるコツ
1on1ミーティング入門書
評価制度をなくした企業の事例
人事評価制度の課題を解決するため、実際に従来の評価制度をやめ、新たな手法を取り入れた企業の事例について確認してみましょう。
評価制度をなくした企業の事例:GE(ゼネラル・エレクトリック・カンパニー)
GE(ゼネラル・エレクトリック・カンパニー)は、2016年にランク付けを行う評価制度を廃止し、ノーレイティングを導入しました。
従来の評価制度を廃止した理由として、市場競争の激化によってよりスピード感を持って従業員のパフォーマンス改善が必要になったことをあげています。そこで取り入れたのがランク付けをしない「ノーレイティング」です。その目的は「処遇決定を目的とした評価制度」から「事業推進と人材育成を目的とした制度」への転換です。年に1回、評価を伝える面談を廃止し、事業推進と人材育成を目的とした1on1を行っています。報酬の決定は、部門ごとに報酬原資が分配され上司間で話し合いによって決めるという方法を採用しています。
評価制度をなくした企業の事例:アドビ株式会社
アドビ株式会社は、「Check-in」という人事評価制度を導入しています。
「Check-in」は、従来の評価制度に代わるもので、大きく2つの要素があります。
1つは、少なくとも四半期に一度、マネージャーとメンバーが1対1で話し合う場を設けていることで、この場は評価の場ではなく、今後の成長やキャリアについて話し合う場となっています。
もう1つが、昇給を決める仕組みである「リワードCheck-in」です。
1年間行ってきた対話から、マネージャーがメンバーの昇給を決定します。
このように、アドビでは従業員をランク付けして評価する制度ではなく、対話を通じた報酬決定を行っています。
評価制度をなくした企業の事例:カルビー株式会社
カルビー株式会社は、2012年からノーレイティングの仕組みを人事評価制度に取り入れています。
その仕組みが「C&A(コミットメント&アカウンタビリティ)」という目標管理の仕組みです。
1年間の最初に1on1の場を用いて、仕事内容と目標のコミットメントを決定し、契約書にサインをします。
そのコミットメントに対する成果によって、報酬や待遇が変わるという制度です。
本人が目標を決めることから、評価に対する納得度が高くなります。
また、決めたコミットメントや成果は全社に公開されるため透明性も高いです。
(参考)カルビー株式会社「カルビーグループ統合報告書2023」
人事評価制度の設計と見直し
人事評価への不満から、従業員が退職に至るケースを避けるため、あえて人事評価制度をなくす企業が出てきています。
ですが、人事評価がないことによって、従業員のモチベーションや生産性が低下したり、評価がないことで逆に人材が流出するなどの課題もあります。
そのため、「完璧な評価制度はない」という認識を持ったうえで、自社にとって最善の人事評価制度を模索したうえで、「ノーレイティング」など新しい評価制度を導入したり、これまでの人事評価制度の見直しや、場合によっては人事評価制度の廃止を検討する必要があります。
従業員全員が納得できる評価制度を構築することは非常に難しいです。
自社にとってどういう人材が育ってほしいかを考え、それに沿った制度の設計を行いましょう。
人事制度設計マニュアル
「等級制度」「評価制度」「報酬制度」などの、人事制度の設計や見直しを行う際の手順、人事制度を構成する要素や、人事制度を作るタイミングなどについて確認してみましょう。
この資料で分かること
人事制度を構成する3つの要素
人事制度をつくるタイミング
人事制度の作り方(等級制度・評価制度・報酬制度)
人事評価の「納得度」を向上させる人事評価システム
納得度の高い人事評価制度を運用するためには、制度の浸透や評価プロセスの見える化が必須です。
「HRBrain人事評価」では人事評価プロセスの見える化によって「評価の納得度の向上」を促進します
人事評価コメントやフィードバック面談の履歴などのデータをクラウド上で管理することで、評価プロセスのブラックボックス化や、評価のバラつきなどを防ぐことが可能になります。
また、目標設定や目標に対しての進捗管理、従業員のスキルデータや育成記録なども、一元管理できるため、人事評価プロセスの透明化と合わせて、従業員の成長記録の蓄積も可能になります。
「HRBrain 人事評価」は、人事評価の実施からデータ集計までをワンストップで実現します。
また、評価基準や評価プロセスの見える化によって、社内コミュニケーションの改善や、評価納得度の向上を促進します。
HRBrain人事評価の特徴
制度や目的に合わせたテンプレートが豊富
OKR、MBOなどの「評価テンプレート」や、1on1やフィードバックなどに使用する「面談シート」が充実しています。
企業ごとのプロセスに合わせて承認フローや項目を自由に設定
評価シートやワークフローのカスタマイズが可能なため、評価制度の変更にも柔軟に対応することができます。
評価の集計や調整もシステム上で完結
部署別など任意の項目で集計が可能で、評価結果の調整もシステム上で完結できます。
▼「人事制度システム」についてさらに詳しく
人事評価にシステムを使うべき3つの理由
【2023年】人事評価制度の事例7選!人事評価システム導入方法や話題の事例を紹介
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