#人材育成
2024/08/29

メラビアンの法則とは?よくある誤解から今すぐ使える活用方法まで、わかりやすく解説!

目次

この記事の前半では、メラビアンの法則の概要説明、同法則を要素分解し深く理解します。そして後半では、ビジネスにおける具体例、そして同法則を意識した面接におけるTipsをお届けします。

第一印象が大切!メラビアンの法則とは

メラビアンの法則の基本

商談や面接などの場面で初対面の人と会話をする時、よく「第一印象が大切」と言われますが、なぜ第一印象が大切なのでしょうか。この答えとしてしばしば用いられるのが「メラビアンの法則」です。メラビアンの法則とは、聞き手が話し手から得る情報の9割が話し手の視覚情報(見た目、など)と聴覚情報(話し方、など)によるとされる法則のことです。まずは、メラビアンの法則の基本について解説します。

アメリカの心理学者「アルバート・メラビアン」について 

この法則を発見したのが「アルバート・メラビアン」です。彼はアメリカ合衆国の心理学者として活躍し、同法則をはじめこれまで多くの書籍を出版しました。現在、同法則を組み込んだセミナーや研修は多く開催されています。

7-38-55ルール

1.言語情報(=Verbal)
例:話の内容、言葉の意味、など
影響度合い:7%

2.聴覚情報(=Vocal)
例:話すスピード、声のトーン、など
影響度合い:38%

3.視覚情報(=Visual)
例:顔の表情、身振り、など
影響度合い:55%

また、各構成要素の英字頭文字をとり、「3Vの法則」と表現されることもあります。

法則の具体例

7%、38%、55%などの数値だけでは、メラビアンの法則の具体的なイメージがつきにくいと思うので、以下に2つの具体例を掲載します。

・具体例1

あなたがある商品の購入を検討しており、商品説明を別々の担当者から受けた場面を想定してみましょう。それぞれのケースであなたはどのような印象を抱くでしょうか。

ケース1 落ち着きのある、自信に満ち溢れた担当者による商品説明
ケース2 落ち着きのない、目の泳いだ担当者による商品説明
※商品(値段、性能、など)と説明内容は同一のものとします。

ケース1は信頼できる商品で前向きに購入を検討してしまいそうになる一方で、ケース2は信頼して大丈夫か?思わず購入をためらってしまいそうだと感じた方が多いのではないでしょうか。

・具体例2

あなたが新卒採用面接における面接官(採用する側)である場面を想定してみましょう。2人の学生の面接をする中で、以下2つのケースで学生は面接に臨んでいました。それぞれで、どのような印象を抱くでしょうか。

ケース1 清潔感があり、ゆっくりと落ち着いた声のトーンで説明する学生
ケース2 清潔感のない、早口で焦った口調で説明する学生
※説明内容は同一のものとします。

ケース1は学生から自信が伝わってきて、コミュニケーションに慣れている印象を与える一方で、ケース2は清潔感がない時点でよい印象を得られない可能性があります。また、早口で焦って振る舞いから、対人コミュニケーションに慣れていない印象を抱きそうです。

いかがでしたでしょうか。視覚情報と聴覚情報が与える印象について具体的なイメージが出来たのではないでしょうか。

非言語コミュニケーションはなぜ重要か

非言語コミュニケーションの重要性

対人コミュニケーションは大別すると「言語コミュニケーション(=Verbal)」と「非言語コミュニケーション(=Non - Verbal)」の2種類に分けられます。以下それぞれを詳しく見ていきましょう。

コミュニケーションは2種類ある 

「言語コミュニケーション」とは、言葉を使ったコミュニケーションのことを指します。具体的には、「言語情報」が当てはまり、話の内容や言葉の意味などを指します。

一方で「非言語コミュニケーション」とは、言葉を使わないコミュニケーションのことを指します。具体的には、「聴覚情報」と「視覚情報」が当てはまり、話すスピードや顔の表情などを指します。

非言語コミュニケーションが大切な理由

コミュニケーションにおける2つの要素をメラビアンの法則に当てはめると、「非言語コミュニケーション」が印象の9割を決定付けることから、重要な観点であることが分かります。

よくある誤解について

しかし、何がなんでも「非言語コミュニケーション」を重視すればよい、という訳でもなく、言語と非言語、両者のバランスを鑑みることが大切です。あくまでも「非言語コミュニケーション」の観点が意識されるのは、導入の部分、すなわち第一印象になります。非言語コミュニケーションの質を一定以上担保した状態で、言語すなわち内容や文章を濃く、端的にまとめ上げることが対人コミュニケーションにおいては大切です。

ビジネスに使えるコミュニケーションのポイント

ビジネスでのメラビアンの法則の活用

メラビアンの法則をビジネスの現場に落とし込んだ時、どのように活用すれば良いのでしょうか。今回は「営業活動における取引先とのやり取り」を想定した活用事例を紹介します。

活用ポイントについて

メラビアンの法則をビジネスに活用するポイントは3つあります。

  1. 想定されるコミュニケーション要素を「非言語」と「言語」のカテゴリーに分類する
  2. コミュニケーションをする相手を想定する
  3. 相手に応じたコミュニケーションを想定する(①と②のミックス)です。

この3つを念頭に置いた上で、具体的なメラビアンの法則のビジネスへの活用方法をみていきましょう。

①「言語」「非言語」に分類

営業活動において想定される対人コミュニケーションを「非言語」と「言語」に分類します。

「非言語」:さっぱりとした身だしなみ、表情、視線、声のトーン、対人距離、など
「言語」:商材知識、説明プロセス、分かりやすい表現、など

があると思います。

②つぎに

商談相手を想定し、5W1Hのフレームに落とし込みます。

  • 「だれに」:経営層、役職者、一般、など

  • 「いつ」:日中、夕方、夜間、など

  • 「どこで」:対面形式、Web形式、など

  • 「なにを」:商品概要説明、他商品との比較、料金体系、など

  • 「なぜ」:商談相手が商材を検討している背景、使用目的、など

  • 「どのように」:説明後の契約締結に向けたストーリー、など

③さいごに

5W1Hのフレームで想定したターゲットに見合った「非言語」および「言語」コミュニケーションを心掛けることで、よい営業活動ができるかと思います。

例えば、経営層に向けたWeb形式でのプレゼンのケースです。先方はプレゼンで提案する商品を購入することで経営課題の解決を望んでいるとします。状況を整理したところで、対人コミュニケーションを整理します。非言語では、スーツを着る、プレゼン時における表情の確認(Webカメラ位置、顔を照らすライト設定、など)、リアクションは少しオーバーに行うこと、などを意識します。一方で、言語では訴求ポイントを端的にパワーポイントにまとめる、口頭での説明を手厚くする、プレゼン後の想定されるストーリーを構築すること、などを意識します。

「メラビアンの法則」を活用した面接とは

面接時に使える「メラビアンの法則」の活用方法を具体的に紹介します。採用側と受験者側で分けてそれぞれの視点で各2つずつほど紹介します。

メラビアンの法則を活用した面接ポイント

メラビアンの法則を活用した面接ポイントを以下に記載します。加えて、現在のポストコロナにおける採用面接はWeb形式での実施が増えてきていることもあり、その観点におけるポイントも併せて記載します。

採用側

【対面面接】
受験側の細かい表情の変化や、声色の変化を踏まえたコミュニケーションをとります。例えば、ある質問に対する受験者の受け答えに視線(面接官を力強く見る)や声色(力強いトーン)の変化があった時、受験者の強みを深く知れるストーリーがある可能性があります。

【Web面接】
受験側から得られる視覚情報や聴覚情報が限定されるため、そこを補う質問設計や内面を深く知るための工夫が必要です。例えば、対面面接ではしないような質問を投げかけることで視線や声色の変化に着目し、受験者がどのようなパーソナリティかを知る一助になります。

受験側

【対面面接】
採用側が視覚や聴覚から得るであろう情報を整理し、TPOに見合った姿勢を意識すること、そして言語の具体化を行う必要があります。とにかく面接練習を多く行うことです。家族、友人に対して面接の練習をすることで、客観的に自分がどのように映るかを事前に把握します。そうすることで、事前に面接官に与える印象を把握しておくことが可能です。

【Web面接】
採用側が視覚と聴覚から得る情報をより意識する必要があります。事前にWeb面接で自分がどのように映り、どのような印象を与えるかを把握します。カメラの位置調整、ライト調整や目線を意識することで、面接官に与える印象が変更前と比較し、大きく変わります。そして、大きく頷くなど、少しオーバー気味にリアクションすることも大切です。

【まとめ】人材管理・タレントマネジメント・社員のコミュニケーション能力をカンタン・シンプルに

メラビアンの法則、いかがでしたでしょうか。ビジネスパーソンにとっては必須の概念で、あらゆるビジネスシーンにおいて有用であると考えられます。表面上の理解だけでなく、十分理解した上で行動に落とし込んでいただければと思います。

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HR大学編集部
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