【実践編】人事システム | HRDXに向けた導入ノウハウとおすすめ3選
- 人事システムとは
- そもそも人事システムとは
- HRDXのカギとなるクラウド型の人事情報システム(HRIS)
- HRテック最適化によるマルチベンダーの勧め|戦略人事に特化した人事評価クラウド
- HRテック最適化を目指したマルチベンダー化
- 戦略人事に特化した人事評価クラウド
- HRDXに向けた人事システムの見直しノウハウ
- クラウド型ならパブリッククラウドに注目
- HRDXに向けた人事システムの見直し・導入ポイント
- 戦略人事にお勧めの人事システム3選
- 【まとめ】戦略人事を見据えた人事システムの見直しに最適な人事評価クラウド
HRDX導入の動きが活発化していくなか、人事システムの見直しも急速に進み、とくにタレントマネジメントなど戦略人事分野も注目されています。
ヒトマワリやCOMPANYなどのクラウド型人事システムも台頭していますが、ここでは、自社にとって最適な人事システム構成の考え方や人事システムの導入ノウハウ、お勧めシステムなどを解説します。
人事システムとは
HRDXを背景に見直しが進んでいる人事システム。そもそも人事システムとはどのようなものでしょうか。
そもそも人事システムとは
人事システムは明確な定義はありませんが、狭義では、「採用・配置・異動・退職」までの一連の人事情報を管理する「人事システム」を指します。
広義では、狭義の「人事システム」、勤怠情報を管理する「勤怠システム」、給与計算を実施しする「給与計算システム」、人事評価の一連を管理する「人事評価」システムなどの人事関連のシステム全般を指します。
近年では、タレントマネジメントやピープルアナリティクスなど戦略人事システムも含めて、人事情報システム(HRIS)、または人事管理システム(HRMS)といわれています。
人事システムの詳細について知りたい方は、「人事システムとは?できることやメリットを具体的に解説」や「人事領域の基幹システムとは?背景から人事システム導入までを解説」をご確認ください。
HRDXのカギとなるクラウド型の人事情報システム(HRIS)
HRDXの対応は「業務効率化」と「戦略人事」に二分されますが、「2025年の崖」問題を乗り越えるため、既存システムの置き換えを主に「業務効率化」をが最優先です。しかしながら、「戦略人事」を見据えた人事システムの見直しを行わないと、将来、戦略人事を実現することができません。
自社で人材データベースを構築することを念頭に、「業務効率化」と「戦略人事」の両方を実現できるクラウド型人事情報システム(HRIS)を導入することが戦略人事のカギとなります。
人事システムの詳細を詳しく知りたい方は、「【基礎編】人事システム|DX時代。人事管理・評価システム見直しの勧め」をご確認ください。
HRテック最適化によるマルチベンダーの勧め|戦略人事に特化した人事評価クラウド
技術革新により、HRテックを用いたクラウド型人事情報システム(HRIS)が登場していますが、各ベンダーによって特徴はさまざまです。ここでは、自社で人事情報システム(HIRS)をどのような構成で考えるべきかを解説します。
HRテック最適化を目指したマルチベンダー化
人事システム全般のコアといえる「人事システム」や「給与システム」は、自社独自の仕様で作り込んでいることが多く、現実的には他のベンダーに切り替えることが難しいことが大半と思われます。
しかしながら、既存の「人事システム」や「給与システム」のベンダーにおいて、たとえばタレントマネジメント機能など、自社に適したシステムを提供しているとも限りません。
各種人事システムのうち、各々の分野に強みを持ったシステムを組み合わせるように、複数ベンターのシステムを活用するマルチベンダー化することで、自社の人事ポリシーに適したHRテックの環境構築が実現できます
戦略人事に特化した人事評価クラウド
コアシステムである「人事システム」や「給与計算システム」は、既存システムのリプレイスとします。その上で、それ以外の人事評価やタレントマネジメントなどの戦略人事分野は、戦略人事に強みを持った他のベンダーを検討される企業が多いのではないでしょうか。
戦略人事分野では、人事評価クラウドを中心に革新的なテクノロジーを用いたシステムが台頭しています。
人事評価クラウドは、評価シートの回収やデータの集計など、クラウドならではといえる大幅な業務効率化が実現できます。加えて、人事評価クラウドにより、新規事業やプロジェクトに適した人材を素早く見つけ出すなどタレントマネジメントに活用できることも大きなメリットです。
このような人事評価クラウドの機能は、戦略人事に特化した人事評価クラウドの特長といえます。戦略人事を見据えて、各種人事システムをマルチベンダーで組み合わせて自社に最適なHRテックの環境を整えましょう。
HRDXに向けた人事システムの見直しノウハウ
マルチベンダーの組み合わせによって戦略人事に適した環境を整えるには、どのような点に注意して進めれば良いでしょうか。ここでは、人事システム見直しノウハウを解説します。
クラウド型ならパブリッククラウドに注目
ここまで、自社で人材データベースを構築するにはクラウド型人事情報システム(HRIS)を導入することがカギであることを説明しましたが、クラウドには「パブリッククラウド」と「プライベートクラウド」の2種類があります。
「パブリッククラウド」は、クラウド上でサービスを他社と共同利用する形式であり、「プライベートクラウド」は、ベンダーがユーザー企業専用のインフラを設置し、セキュアな環境で提供する方式です。
また、サービスを他社と共同利用する形式であることから、セキュリティ面はプライベートクラウドと比較して劣る面はありますが、他のクラウドサービスと連動させ、人材データベースを構築できることが最大のメリットです。
他方、プライベートクラウドは、ユーザー企業専用のインフラであり、セキュリティ面はパブリッククラウドに比べて優れており、セキュリティポリシーに厳格な会社に適しているといえます。実際には、自社のセキュリティポリシーに応じたシステムを選定する必要がありますので、情報システム部門と相談することをお勧めします。
HRDXに向けた人事システムの見直し・導入ポイント
【キー項目のデータ型標準化】
人事システムにおいては、どのシステムでも「社員番号」は欠かせない項目で、各システム間のリレーションによるキー項目になっていることが大半です。
たとえば、この「社員番号」が人事評価システムのデータ型が「数値型」、給与計算システムでは「文字型」となっている場合、システム間連携を行うことができません。連携の際にデータ型を置き換えるプロセスを加える、あるいは、元々のシステムのデータ型を変更するなどの対処が必要となります。
データ連携の仕組みをシンプルにするためには、元々のシステムのデータ型を標準化することが望ましいといえます。社員番号に拘らず、等級コードなどキー項目になり得る共通項目は、データ型を標準化することを心がけましょう。
【気を付けておきたい「クラウドロックイン」】
「クラウドロックイン」とは、クラウドの標準API(Application Program Interface)に対応していないクラウド業者のサービスを利用すると、ユーザー企業はそのクラウドサービスから抜け出せないという現象です。
標準APIに対応していないと、そのクラウド事業者がサービスの提供を辞めてしまったり、自然災害などでシステムの復旧が不可能となった場合に、他のサービスに移行することが極めて困難となります。
クラウド型人事情報システム(HRIS)を選定する際に、導入するクラウドサービスがクラウドの「標準API」に対応していることが事業継続のカギとなります。
【プライベートクラウドやオンプレミスを適用した場合】
なお、プライベートクラウドは、他のクラウドサービスと自動では連動できませんが、定期的にデータを人材データベースに取り込むことで実現可能と思われます。運用を手作業で行うか、バッチ処理プログラムを組み込むことが一般的です。
【システム導入には欠かせないRFPの作成】
システムを選定する上で、特に準備もせずベンダーのプレゼンを受けて、システム検討を進めている人事担当者もいるのではないでしょうか。
システム導入には、自社が求める仕様やスペック、条件などをRFP(Request for Proposal:提案依頼書)としてまとめて、ベンダーに提案を要請することがポイントです。
たとえば、一般的なシステムのRFPの条件としては、共通して次のような項目があげられます。
〇RFP項目例
システム形態(クラウド・オンプレミス)
クラウドの場合の形態(パブリッククラウド・プライベートクラウド)
クラウドAPI標準化の有無
クラウドセキュリティ状況(通信データの暗号化、強固なユーザー認証、データの暗号化やバックアップ体制など)
他システムとの連動方法
上記のような各システムに共通するインフラ面の条件に加え、自社の制度がシステムで適用できるかといったシステムの内容面もRFPにまとめます。
戦略人事にお勧めの人事システム3選
HRDXに向けた人事システム見直しのノウハウなどを解説しましたが、ここでは、戦略人事にお勧めの人事システム3選をご紹介します。
OBIC7(株式会社オービック)
本システムは、人事・給与をはじめとした、勤怠、生産、販売、会計などの統合ERPシステムです。
汎用性も高く、さまざまな給与体系に対しパッケージ標準装備で柔軟に対応が可能です。オンプレミスとクラウドの双方を提供していますが、その中でも特にクラウドに注力しています。クラウドはプライベートクラウドのため、セキュリティやカスタマイズ性を重視する企業に最適です。
【システム形態】オンプレミス/クラウド
【参考価格】500万円程度 ※最小構成時、詳しくは要問い合わせ
POSITIVE (スミセイ情報システム株式会社)
本システムは、人事や給与、勤怠のほか、タレントマネジメントやグローバル人事、マルチカンパニー機能など大企業に最適なシステムを標準搭載しています。
日本企業に高い適合性を誇る国産パッケージで、さまざまな勤務形態や給与体系に対応しており、ノンカスタマイズで導入可能です。
【システム形態】オンプレミス/クラウド/パッケージソフト/ASP
【参考価格】2,000万円~ ※詳しくは要問い合わせ
HRBrain(株式会社HRBrain)
本システムは、人材データを見える化・分析し、タレントマネジメントやピープルアナリティクスなどを戦略人事に活かす人事評価クラウドです。
人事担当者にとって悩みの種である、人事評価実務のアナログな業務。この業務を「カンタン・シンプルに」を実現します。
シンプルなユーザーインターフェイスでユーザーが直感的に操作でき、サポート体制は1社に1名というように、サポート体制が充実してることも人事担当者にとって嬉しいポイントです。
【形態】クラウド
【費用】月額69,800円~、詳細は要問い合わせ
【まとめ】戦略人事を見据えた人事システムの見直しに最適な人事評価クラウド
HRDXの進展を背景に、人事システムの見直しは必要不可欠ですが、人事システムを見直すには、導入形態や標準API対応など気をつけなければならないポイントが複数あります。本記事で解説したように、自社の必要条件などをRFP(提案依頼書)としてまとめてベンダーに要求し、自社の環境に合わせた人事システムを導入しましょう。
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