1on1を目標管理に活用。ものづくりの未来が変わる
株式会社フルハートジャパン 代表取締役
國廣 愛彦 様
株式会社フルハートジャパン 総務部長
石川 貴嗣 様
- 製造・メーカー
- 51~300名
- 人事評価や目標管理の運用を効率化したい
- ペーパーレス化を進めたい
- タレントマネジメント
- 人事評価
HRBrain導入開始:2019年04月01日
1on1を目標管理に活用。ものづくりの未来が変わる
- 課題背景
- 評価を紙とExcelで運用していたが、アナログ管理に限界を感じていた
- 評価者によって評価内容にばらつきが見られた
- 打ち手
- 一元管理と公平な評価を実現できるツールとしてHRBrainを導入
- HRBrain上で1on1や目標シート、目標管理を実施
- 効果
- 月1回の1on1により毎月の進捗や公平な評価ができるようになった
- 社員同士のコミュニケーションが密になり、課題が可視化された
――まずは御社と、石川さまについてご紹介をお願いします。
石川さま:株式会社フルハートジャパンは、一言で言えば「ものづくりの製造業の会社」です。具体的には、各種産業用コンピュータ制御機器の設計・製造を行っています。一貫生産でものづくりができる体制が強みの一つで、電子制御を軸に、あらゆる分野のなかで自動化や省力化に携わるようなものをつくっています。
私は総務部長を務めておりまして、人事総務全体を担当している石川貴嗣と申します。後ほど、代表取締役の國廣も参りますのでよろしくお願いいたします。
――よろしくお願いいたします。まずは、HRBrainを導入いただいた背景やきっかけについてお聞かせいただけますか?
石川さま:もともと紙ベースの評価データをExcelで運用していて、何とか一元管理したいと考えていました。評価内容についても、評価する人間によって厳しかったり甘かったり、差が出てしまっていたのが課題でした。
そこで、一元管理と公平な評価を同時に実現できるようなツールを探し始めたのですが、全てを一元管理できるものはなかなかなくて……。そんな中でHRBrainさんのお話を伺って、「評価だけ」で管理するならこれがいいな、と思って人事評価をまずシステム化した、というのが導入に至った流れです。
――ありがとうございます。もともとはすべてを一元管理していきたいというご要望をお持ちだったとのことですが、HRBrainを見ていただいて、評価の部分だけでもまずはクラウド化してみるという選択をなさったのですね。
石川さま:そうですね。ほかのシステムや、パッケージタイプの商品も見てみましたが、そこに入っている人事評価はおまけみたいな機能だったので。それなら人事評価だけ独立させて、しっかり管理した方がいいと思って導入を決めました。
――クラウドで解決しようと思われたのは、なぜでしょうか。
石川さま:管理が非常に面倒だったからです。紙で回ってきて書いて返して、また回ってきて保管する、という流れを繰り返していると、紙が溜まる一方じゃないですか。紙がかさばるからとPDFにしてみても、欲しいデータをすぐ出せるわけじゃないので、それをなんとかしたかったんです。
特にクラウドにしたいというこだわりはなく、人事関係全部をシステム化して回せるものを探していました。
もともと給与や勤怠のシステムは個別で入れていて、勤怠・給与・会計・生産管理のシステムが全て別々に入っていたので、せめて人事だけでも1個のシステムで管理できるといいな、というのが希望だったのですが、いいものが見つからなくて、最終的には人事評価だけ別にしてHRBrainを導入するところに落ち着きました。
――HRBrainを1番最初に知ったきっかけは覚えていらっしゃいますか?
石川さま:ネットで検索してHRBrainさんが出てきたのが最初だと思います。
――他社のサービスとも比較されましたか?
石川さま:最初はコンサル系のシステムを検討したのですが、価格が思ったより高くて、導入を見合わせました。
――なるほど、予算に見合った、というのがHRBrainを選んでいただいた決め手の一つでしょうか。1番の決め手は価格以外にもありましたか?
石川さま:価格面もですが、1on1と目標シート、目標管理。使いたい機能がセットになっているのがいいなと思いました。
HRBrainを導入するまでは、半年に1回の面談を実施していたのですが、半年ごとだと前回話した内容や目標を覚えていられなくて。覚えていない部分に対しては「頑張りました」と言われたら「よく頑張ったな」って。その分、覚えている内容に対しては厳しくなってしまうこともあり、公平さに欠けるのが気がかりでした。
月1回の1on1面談を導入すれば毎月の進捗も分かるし、高すぎる目標を立ててしまってもすぐに軌道修正することができます。半年後の人事考課もスムーズになりますし、公平な評価ができれば社員も不満がなくなるのではないかと。
PC作業に不慣れな社員も熱心に使ってくれて、思った以上の成果でした。
――御社は現在、全員で何名ぐらいいらっしゃいますか?
石川さま:フルハートジャパン本社には、50名ほど。別館の技術部隊が12~13人。岐阜にも5名。茨城の関連会社、ハーベストジャパンには30人弱おります。
――ありがとうございます。製造業ならではのお悩みや人事面での課題についてお聞きできればと思っているのですが、本社に50名いらっしゃるうち、直接製造にかかわる職種の方は何割ぐらいの比率なのでしょうか。
石川さま:半分以上が製造ですね。
――最近はHRBrainをお使いいただく製造業の企業さまも増えてきて、製造現場の社員の評価をどうしたらいいか、とご相談いただくこともあります。現場の方を評価したりマネジメントしたりする際に、製造業ではどのような課題が生じるものなのでしょうか。
石川さま:一番心配だったのは、自分で目標を立てること、月1回の1on1がきちんと浸透するのかということでした。
HRBrainを導入した当初は、PC作業に慣れていない製造現場の人たちが使いこなせるのか、ということを危惧していました。今まで手書きの紙ベースやExcelで回していたものがいきなりクラウドになって戸惑わないかな、と。
でも、実際にやってみると、1on1のシートをしっかり書いてくれる人が多くてびっくりしました。仕事に関係するようなことを書く人もいれば、個人的なことを書く人もいるし、書く内容は人それぞれですが、みんなが色々な思いを持って日々仕事に取り組んでいることや、何を知っておいてほしいと思っているのかを再確認できました。
部長や課長が返事を書くのが大変なのでは?と思うほど、かなりしっかりやってくれています。製造現場には共用のPCは置いてあっても、1人1台は支給されていません。にもかかわらず、熱心に使ってくれているので、そこは思っていた以上の成果ですね。
これから1on1の効果がどう表れてくるかは未知数ですが、製造現場の人間が1番使ってくれたのは意外というか、私の中では嬉しい誤算でした。
――それは嬉しいですね。共用のPCというのは、皆さんがそれぞれのIDでログインして入力している、ということでしょうか。
石川さま:はい。自分で思ったときにPCの場所に行って入力してくれているようです。
HRBrainがあるから、今まで言えなかった相談をしてくれる社員が増えた
――1on1で現場の方とはどういったことをお話されていますか?
石川さま:1番多いのは立てた目標の進捗についてです。ほとんどの人がそのために使っています。HRBrainによって目標や進捗を上司と部下が共有できるようになることが私の1番の狙いだったので、そこは実現できています。
1on1のシートの中に、コンディション面や相談したいことという項目があるのですが、ここに書いてくれる人が結構います。例えば「製造現場に業者さんがいらっしゃる時に、周りの人があいさつしません。どうしたらいいでしょうか」というような、目標には直接関係ないけど、共有しておいた方がいい内容や悩みですね。「周りがあいさつしていないから、僕もしていませんが、今後はそれじゃまずいと思います」というような意見も書いてくれます。
こういうことって、HRBrainがなかったら言わないことだと思います。「相談したいこと」という欄があるからこそ書いてくれるんですよね。こういったことに上長がしっかりフィードバックする、そんな風に使っています。
こんなことを言ってくれる子だったのか、と私にとっても新たな発見がありますし、非常にいい活用ができていると感じています。
――ありがとうございます。1on1を通じて現場の声を吸い上げることができているいい事例ですね。現場の方にはどのような目標設定をされているのでしょうか。
石川さま:年に1回の経営計画発表会で社長と部門長がみんなの前で発表する「会社の共通目標」と、業績目標をもとに各部門長が立てる「部門目標」や「部門方針」があります。経営計画発表会で自分の部門の目標がはっきりするので、個人の目標もそれにもとづいた目標を設定してもらいます。
あとは部門ごとに上司とすり合わせをして、半期の目標を立てます。例えば、「助成金や補助金を取る」のが総務部門の目標だとすると、「それを目指して助成金をピックアップします」という目標をつくる、という流れですね。
――なるほど。営業なら今期の売上目標が明確な数字で出るので、1人1人落とし込むのが比較的簡単だと思いますが、製造現場の方の目標を設定するのは難しそうですね。どのように設計されていますか?
石川さま:いやー、悩んでます。製造部長も、うーんって悩んでます。難しいですね。製造現場だけじゃなくて、総務・経理でも、仕事と関係ない資格を取る、という目標を立てられると困りますよね。どうも「個人目標」と言われると仕事と別のところで考えてしまう傾向があるようで、仕事とリンクするような目標を立てる必要があるよね、と部門長と話し合ったこともあります。
製造現場の目標の例としては「不良をなくす」「作業手順の効率アップをする」とか。例えば、これまでは「紙で書いて、部門長に印鑑をもらって、総務に提出して買ってもらう」発注プロセスだったのを、「毎回同じものを買うなら、カードを作ってすぐ購入できるようにする」というような目標を立てていますね。
会社全体で5S活動(※製造業における工場改善の基本。5S=整理、整頓、清掃、清潔、しつけの5つ)をやっていますが、5S活動も目標の1つに入れています。
目標を3つ掲げるのがなかなか難しいようなので、1つは5Sで入れるとか、1つは弊社の製造に関連する特殊作業の資格を取るとか、主任なら部下にその資格を取らせるといった目標を立ててもらっています。
――スキルアップも含めて目標シートを作成なさっていると。目標のバランスは部長さんが本人と話し合いながら決めていくスタイルですか?
石川さま:基本的には課長ですね。本人と1番接する上長とすり合わせをしてもらって、手を伸ばせば届きそうな目標をうまく立てさせる。達成できない目標を立ててもモチベーションは上がりませんから。
なので、目標レベルのバランスの取り方が私含め管理職の課題だと思いますし、適切な目標を立てることが、さらなるモチベーションアップにつながると思っています。
――目標設定の適切なバランスというのは、業界共通の悩みかもしれませんね。
石川さま:確かに。みんな一生懸命仕事をしているけど、製造職・製造のものづくりをずっとやってきた人が、全く違うところの目標を立てるとどうしても評価が低くなってしまうので、うちの製造部長もそこはかなり悩んでいました。
――会社にとってプラスになり、個人のモチベーションも失わない目標の設定が必要ですね。
石川さま:そうですね、目標の達成やその比率によって評価が高くなるように設定してあると、目標がクリアできないと点数が上がらないので。
――以前、日帰り温泉を運営されている企業さまのインタビューで、いつも夜勤に入って深夜清掃してくれていて、その人がいないと店舗が回らないけど、評価対象のスキルがすごく上がっているわけでもない、そういうスタッフへの評価をどうするか?という話を伺いました。その企業さまは、評価対象スキルに清掃の項目を追加して解決なさったそうです。
スキルに含まれることで評価対象になる仕事だと伝われば、それをやれる人が一人だけということはなくなるというお話だったのですが、目標の立て方によってスキルを伸ばしたり、スタッフの頑張りが認められたり。設計には、いろいろなやり方がありますね。
石川さま:確かにHRBrainを入れてみて、今言われたような目標の立て方は非常に重要だとすごく感じます。
――重要だからこそ一筋縄ではいかない部分もありますが、試行錯誤する価値はありますね。
現場の社員の一言で1on1が習慣化
――HRBrainを導入後のお話もお伺いできればと思うのですが、1on1や目標管理に関して、現場の皆さまの反応はいかがでしょう。
石川さま:HRBrainを導入した次の月に目標を入れて、その次の月から1on1を始めているのですが、やり始めた当初は、習慣化がやはり難しくて。私から「やってください」と毎回言ってもなかなか浸透しませんでしたね。
でも、1on1を始めて2、3ヶ月の頃、毎週の朝礼で製造現場の主任が「1on1を始めて、今まで言いづらかったことが言えるようになって、フィードバックももらえるようになって、やりやすくなりました」と嬉しい発言をしてくれました。
私が仕込んだんじゃないですよ(笑)。
――仕込みなしで(笑)。言ってほしいことを言ってくれた方がいらっしゃったのですね。
石川さま:みんなが聞いている朝礼の場ですから、それを聞いて「自分はやってないな、やばいな」って思った人もいたのか、そこからは実施率も上がってきました。
――現場の方が1on1の効果を実感していただいて、そこから広がりを見せたというのは素晴らしいですね。今の時点ではまだ評価の完了はしていないとお伺いしましたが、目標の意識は高まりましたか?
石川さま:はい。もともと、役職者だけ目標を立てていて、役職がついていない人は目標がなくても評価されていたのですが、HRBrain導入の1年前に全員目標を立てましょうということになって、目標自体は導入前から立て始めていました。
HRBrainを導入して、その目標をここに入れましょう、となってからは、さらに意識が高まっているように思います。
――「全員目標を立てましょう」となったきっかけというのは。
石川さま:目標がないと、評価者はどう評価していいのかわからないし、被評価者も評価に納得しづらい。そうするとモチベーションにも関わってくるし、評価の公平性も失われてしまいます。役職のある人間が立てた目標と連動するような目標を部下たちも持って、みんなが同じ方向を向いてやれるようにしたい、と思ったのがきっかけですね。
――今まで目標を立てたことがない人たちに目標を立ててもらう際に工夫されたことはありますか?
石川さま:当初は、目標を3つ書くのが大変だったようで、かなりみんな、悩んでいましたね。だから、3つの目標のうちの1つは5S活動のなかの目標を1つ書いてみてはどうか、というアドバイスをしたことがあります。
あとは「毎日会社に来ることができていないなら『毎日会社に来る』というのが目標でもいいよ」と。もちろんそれを本当に目標にした人はいないですけど(笑)。そういう極端な例を挙げたこともあります。
――ハードルを下げてでも、まずは始めるということが大切ですね。
HRBrainさんのおかげで1on1を仕方なくやることに(笑)
(國廣さまがいらっしゃる)
國廣さま:大丈夫?疲れた?
石川さま:大丈夫です(笑)
――石川さまから、導入にあたっての課題やきっかけなど、とても参考になるお話をたくさんいただきました。
國廣さま:台本どおりかな(笑)
――(笑)。ではここからは代表取締役である國廣愛彦さまにもお話をお伺いします。
HRBrainを導入していただいて、國廣さまのご感想はいかがでしょうか。
國廣さま:過去のデータも見やすく管理できるのが本当にありがたいです。紙や表計算ソフトでの管理は、去年や一昨年のデータを見るのが非常に不便でした。シートを替えて探したり、紙をひっくり返して探したり。昔は最後業績評価、考課をする時に、どうだったかな、ああだったかなっていうのを、紙っぺらをこうやってね。
石川さま:ここに広げて。(笑)
國廣さま:(笑)。大変ですよね、いちいち引っ張り出して。人数が多いとさらに紙が増えるから大変で。管理者側も目標を設定される側も効率よくできるようになったのは、間違いなくありがたいことです。
部門の規模が大きくなると、部門長が課長に、課長が部下にという伝言ゲームが生じて、コミュニケーションが希薄になりがちですよね。社員から直接話を聞く機会があって、「それ、ちゃんと部長に言ったの?」と聞くと、「なかなか話す機会がないですから」と返ってきたこともありました。
目標に向けて動いている中で、そのプロセスに問題点があることに気づけなかったり、報告がされていなかったりするのは、埋もれさせてはいけない課題だと思っていました。
今回HRBrainさんのおかげで1on1を仕方なくやることになったので(笑)、部下のモチベーションを上げていくことが管理者の使命だと、少しずつ理解されつつあるのかなと。
経営会議の場で、石川も1on1が行われていない部門長に結構強く言ってくれます。そうやって問題点を共有・改善することで、浸透させるプロセスの中でも会社は成長する。社員同士のコミュニケーションが密になって、いろんなことを話し合えて、課題が可視化されていくことが大事だと思っています。
――ありがとうございます。コミュニケーションの希薄化やアナログな管理というのは、業界共通の問題なのでしょうか。
國廣さま:業界と言うより、人数の規模によると思います。弊社の規模がちょうど過渡期でしょうね。
――製造現場ならではの人事に関するお悩みはありますか?
國廣さま: 例えば大手企業だと営業部隊・本社部隊と工場の製造部門の評価や給与形態など、明確に分かれていると思うのですが、町工場はそこを完全に分けられません。部門や場所の行き来も多くありますし。部門によって評価の甘辛や温度差があると、異動や移動によってモチベーションが上がったり下がったり、差がついてしまう。
そういった差が離職を生む危険性は、大手よりも町工場の方が高いと思うのですが、とは言え、ある程度の差はやはり必要だし……HRBrainを設定するときに、町工場にベストな設定とは?というのはすごく悩みましたね。
より明確な目標と、それにたいする報酬の明確化っていうのはつくりたいと思っています。お金のモチベーションは必ずしも長期的なものではないと思いますが、点数に対して給与がどうなる、というのは明確にわかった方がいいのではないかと。
――なるほど。
常にスキルマップを見直して会社の成長につなげていく
國廣さま:もともとISOにもとづいてみんなものづくりをしていて、スキルマップの作成はやっていると思いますが、本当に購買部門が、総務部門が、流通部門が、そういったところもちゃんと設定できているか、ですよね。部門ごとに必要な技術がちゃんと整理できてないと、何を入れてもダメだと思います。
――スキルマップで持っている技術を可視化することが必須、ということでしょうか。
國廣さま:そうですね、何かを作るときに必要な技術は一つだけではなく、色々な技術を組み合わせて作ります。その一つ一つの技術が作業ごとに明確になっているのが大事だと思っています。
ものづくりは様々な技術の組み合わせから生まれるものです。次の世代への技術の継承を円滑に行うためには、若い子たちに対して「これとこれと、こういう技術の組み合わせでこういうものを作ることができる」というのを、スキルマップで明確にしておくのが非常に大切です。勘だけで技術を身につけることはできません。
それがないと、次に入ってきた人たちの技術力だけでなく、モチベーションも上がらず、だんだん衰退してしまうのかなとは思いますね。
――なるほど。技術を次の世代に伝えるためにも、スキルマップは必須ということなのですね。
國廣さま: ただ、ISOと一緒で、ルールをつくってそれにのっとってやっていればいいと、1回つくって満足してしまう傾向がありますね。スキルマップの定期的な見直し、新しい技術、市場に必要な技術をどんどん新しく組み込んでいくことが必要です。今の技術だけで生きていたら、いずれその技術はどこでもやれるようなものになって、価値が低くなってしまうのは当然のことです。
今、弊社で特に必要としていない技術でも、市場でそれが要求されるようになれば、スキルマップに入れていかないと会社は成長しません。
だから、今あるスキルと、今後やっていくべきことを明確にしていかないと。足さないと。つねに一緒というのはよくないですよね。
――スキルの評価は、HRBrainで評価なさっているのでしょうか。
石川さま:スキルを目標に組み込んでいれば評価されますが、組み込んでいなければ評価対象に入らないので、微妙なところですね。
國廣さま: ある技術の資格取得者が弊社には1人しかいなくて、数年前からこの人に資格を取得してもらう、という話が出ていたのですが、結局やれていなかったということがありました。今回HRBrainを使って、資格を取れていないことを可視化した上で1on1を実施して、「なぜできていないのか」「時間がないからです」「それなら時間をつくろう」というコミュニケーションができて、資格を取得することにつながりました。
――それは素晴らしいですね。1on1によって目標の進捗を細かく見ることができて、軌道修正もスムーズに行うことができるようになった、というのは先ほど石川さまも仰っていました。
石川さま:そうですね。
國廣さま:以前の考課で、「1番始めに書いた目標Aは達成できなかったけど、Bはやりました」ということがありました。「AからBに変えます」というコミュニケーションが事前にあってのBなら問題なかったのですが、そういったやり取りもなくBをやってしまったんです。その時は上長から「Bでいいよ」と軌道修正できるようなこともなくて。1on1だとそういったことを解決できるのがいいですよね。
紙で管理していた頃は、私も全部署のすべての目標や課題を把握することはできなくて、前に何を言ったか忘れてしまうのが1番の問題でした。HRBrainによってここが解決したのが本当にありがたいです。
どれだけ管理者は無責任なのかと(笑)。でも決して責任を放棄しているわけではなく、いろんなことを思いすぎているからなんですよね。次から次へと「これをやってほしい」「あれをやってほしい」という要望が出ている中で、それを解決すべく言っているわけで。言うことが1年前と2年前で違うということもよくあります。だからと言って2年前のものは間違っていた、いらなかった、というわけではないんですよね。2年前のものも1年前のものも達成してほしい。でもHRBrainがなかったから、「あ、そう言えば確認してなかったね」ということがよく起きていました。
話したことをやったかどうかの確認は、成長を見てあげていることと同義なので、1番大事なところだと思います。
――継承すべきスキルやとるべき資格をHRBrain上で明確化して、1on1のログもしっかり残すことできめ細やかなサポートができて、成長の後押しができると。
國廣さま:会議の議事録でも、紙で作成しているとログがどんどん埋もれていきますよね。HRBrainでログがすぐに見られるのはありがたいです、本当に。
――そう言っていただけると嬉しいです。
コミュニケーションによる技術継承で、日本のものづくりは格段に成長する
――國廣さまがHRBrainをお勧めするとしたらどのような企業でしょうか。
國廣さま:少しでも組織を大きくすることを考えたら、どんな企業でもいずれ必要になってくるものだと思いますね。管理者をつくり始めたタイミングで必須になってくるのかなと。例えば管理者に対して「こういうアプローチを部下にしてほしいな」と思ったときにHRBrainがあると、管理者がどういった目標を設定しているのかも見ることができてとても便利です。
目標シートを見てこの人はよく考えているなというのは、紙で管理していた頃にも思ったことがありますが、HRBrainのおかげでより効率化しました。
社長が自分以外に管理させたいというマインドをしっかりと見える化できているのがHRBrainだと思います。そういう気持ちのある町工場やベンチャー企業はどんどん積極的に入れていくべきだと思います。
――ありがとうございます。管理者の育成のためにも、管理者ができてきたタイミングが適切ということですね。
國廣さま:そうですね。あとは、職人同士の会話がないところにもすごくいいと思います。ただ、職人さんたちにはおそらく、HRBrainへの入力や1on1の実施はすごくハードルが高い。でも、それができたら日本のものづくりは格段に成長すると思いますよ。いい技術が若手に継承されることがなければ、技術はなくなってしまったり海外に流出したりしてしまいますが、しっかり継承することができれば、日本はこれからもずっと高度なものづくりができると思います。
――ベテランと若手、職人同士がしっかりコミュニケーションをとることによって、技術の継承やアップデートが進み、ものづくりもよくなっていくのですね。
國廣さま:現代のコミュニケーションはメールやメッセンジャーなど、かなりシンプルになってきていますよね。HRBrainもテキストメッセージでシンプルではあるのですが、そもそもの目的が、密なコミュニケーションをするための場じゃないですか。
私は、書いてある内容に違和感を感じたら、「これってなんなの?」と本人に聞くようにしています。相互コミュニケーションができるツールだから、すごくいいなと思っています。
――ありがとうございます。まずは評価まで完了していただいて、円滑なコミュニケーションがさらに効果を生むように、お力になりたいです。
國廣さま:これをちゃんとやって、みんながうまくいくようにするのが、石川の最大のミッションです。
石川さま:はい、「HRBrainの導入と円滑な運用」を自分の目標に入れています。
――今後も弊社カスタマーサクセス担当がばっちりサポートいたしますので、引き続きよろしくお願いします。
技術を次の世代に伝えることは、日本のものづくりの大きな課題です。國廣さまには、その課題を1on1のコミュニケーションで解決できるのでは?という、とても希望の持てるお話をしていただきました。石川さまにお伺いした、1on1の効果を、現場の社員がいち早く気づき、共有してくれたことで実施率が上がるというエピソードもとても印象深いものでした。 HRBrainはこれからも現場でもっとも使いやすい人事評価クラウドとして、さらにお役に立てるよう、力を尽くしてまいります。日本のものづくりの未来にも貢献できるとしたら、これほど嬉しいことはありません。今後ともHRBrainをよろしくお願いいたします。 國廣さま、石川さま、ありがとうございました!
※掲載内容は、記事公開の2020年4月時点のものです。