制度の見直しとシステム化を同時に実現。グループ会社間をつなぐ 人事制度「再構築」とは
広川グループ 広川株式会社 取締役 総務部 部長
渡辺 勝人 様
広川グループ 広川株式会社 総務部 課長
中野 貴子 様
広川グループ 株式会社HiroNichi 代表取締役 社長/広川エナス株式会社 取締役 副社長
田中 秀則 様
広川グループ 株式会社HiroNichi 常務取締役
横山 伸吾 様
- 卸売・小売業
- 301~1000名
- 人事評価や目標管理の運用を効率化したい
- ペーパーレス化を進めたい
- 人事制度の見直しをしたい
- 評価の納得度を向上させたい
- コンサルティング
HRBrain導入開始:2023年03月01日
制度の見直しとシステム化を同時に実現。グループ会社間をつなぐ 人事制度「再構築」とは
- 課題背景
- 人事や報酬にまつわる各種制度の評価基準が曖昧で不明瞭だった
- グループ会社間で制度が異なり、ルールの統一ができていなかった
- 打ち手
- 適正な評価と管理ができるようにHRBrainと一緒に人事制度を再構築
- 紙やエクセルで行っていた煩雑な業務をクラウドサービスに集約
- 効果
- 人事にまつわる制度や評価軸を可視化して全社で共有することができた
- アナログ作業のシステム化で時間と労力面でのコストを大幅に削減できた
広川株式会社 取締役 総務部 部長の渡辺様、総務部 課長の中野様、株式会社HiroNichi 代表取締役 社長/広川エナス株式会社 取締役 副社長の田中様、常務取締役の横山様にHRBrainコンサルティングを導入した目的、おすすめポイントを伺いました。
会社情報
【広川(株)】
- 家庭用食品卸
- 業務用食品卸
- ECショップ運営
- IT事業
【広川エナス(株)】
- 石油製品卸
- ガス・住宅設備機器卸
- 保険販売
【(株)HiroNichi】
- サービスステーション運営
従業員数(連結) 450名
渡辺様:
当社は、広島県を中心に食品や石油などのエネルギー関連の卸売および小売業を行なっています。創業167周年を迎え、現在グループの関連会社7社、従業員数はパートアルバイト含め約450人が在籍しています。今後も事業拡大に向けて、現在はさまざまな新事業の開発を進めています。
人事課題の解決と煩雑な作業のシステム化を目指すプロジェクトが始動。
Q. HRBrainとのご契約の前に抱えていた/解決していきたかった人事課題を教えてください。
渡辺様:
人事課題については、「報酬制度」「評価制度」「等級制度」の3つの課題がありました。
まず「報酬制度」ですが、これまでは年功序列の要素が大きく、仕事の裁量に見合った給与体系ではありませんでした。管理職と非管理職との給与差も少なく、ポジションや業務に応じた適正な給与を反映できる仕組みが必要だと感じていました。
グループ会社間で人事制度が異なるうえに各社独自の制度もあるため、人事と評価の関連性が不明瞭になってしまい、会社間での異動が難しいという課題を抱えていました。
そういった制度の曖昧な部分をグループ全社で統一したいという想いがありました。
「評価制度」についても評価基準が安定していないという点も大きな課題でした。定性評価と定量評価が混在していて、給与と賞与を決める際の評価基準、管理職と非管理職それぞれの職位に応じた評価基準のバランスがうまくとれていなかったんですね。
どちらかというと、定性評価の割合が大きく、成果を出した人に対して適正な評価が出しにくい仕組みになっていました。
さらに、グループ会社間で決算月が異なっていたり、評価期間や決算数値が連動していなかったりと、1つめの「報酬制度」にも共通するところですが、ここでもやはりグループ会社間での違いに頭を抱えていました。
さいごに「等級制度」の課題です。当社では独自のキャリアアップ制度を導入してはいましたが、等級要件やキャリアパスの定義が曖昧で昇格・降格の基準が不明瞭なため、同じ等級に停滞する社員が多く、うまく活用することができませんでした。
当社では、総務部がグループ会社それぞれの人事労務管理を行なっているのですが、こうした制度の違いによって、処理が煩雑になっていました。
人事制度に対する社員の理解度も低くなるので、人材育成もうまくいかないですし、全社の業績にも影響してしまいます。
あとは、これまではエクセルと紙で運用していたので、回収や集計にかなりの時間を要したり、評価者もすべての内容を把握しきれないなどの労力的コストも掛かっていました。
Q. HRBrainを選んだ決め手(提供サービス、営業の印象、サポート体制など)を教えてください。
渡辺様:
一番大きな決め手は「納得感」です。
人事課題の解決方法を模索しながら、数社のコンサルティング会社の方とお話ししたのですが、どの提案も課題解決のフローが曖昧でイメージが湧かなかったんですね。
そのような中、HRBrainさんのご提案は、どういうステップを踏んでいくかという内容が明確でわかりやすく、完成時期の目安も示していただけたので安心できました。さらに、プロジェクトの期間自体も短く、スピーディーな対応も非常に助かりました。
やはり当社にとって最も大きな課題は、これまで挙げた「グループ会社間での制度と評価の統一」だったのですが、一方で「そんなことが可能なのか」という疑念も抱いていました。
HRBrainさんには「制度の再構築もグループ会社間での統一も可能です」という言葉をいただいたので、プロジェクト開始当初からとても心強かったですね。
コンサルティングはもちろん、同時にシステム面の設計もしていただいたので、実際にとても効率的に進行することができました。
田中様:
全社に関わる人事制度の再構築はかなり大きなプロジェクトになるので、パートナーとして「信頼できる」と感じたのが一番大きかったと思います。
他社さんの提案のなかにも納得できたところはあったのですが、「○○○をしなければいけません」というような、少し一方的に感じる部分もありました。
HRBrainさんの場合は、当社の事情もふまえて、一緒につくりあげていくようなカスタマイズ性の高さやご提案いただく際の姿勢もすごく信頼できましたね。
Q.どのような流れで人事評価制度設計は進行しましたか?
渡辺様:
まずは事務局の社員が、毎週HRBrainさんのコンサルティングを受けながら、報酬制度・評価制度・等級制度を構築します。
そして、各制度の完成時には、グループ各社の役員と社員への説明会を実施。理解度を上げながら、システムへの落とし込みも同時に行なっていました。
緻密な計画と熱意で、想像以上にスムーズにプロジェクトが進行。
Q.制度設計を進める上で苦労した点・大変だった点はありましたか?
中野様:
これまでグループ会社間で異なっていたツールをクラウド上で統一するというプロジェクトなので、全社員にとってわかりやすく、使いやすいツールにしなければいけません。
そのため、まずはプロジェクトメンバーである私自身が理解を深める必要があったので、制度設計の基礎をあらためて自分のなかに落とし込むように努めました。
横山様:
制度設計そのものはもちろん大変ではありましたが、本音でお話しすると、実は苦労した点はとくにありませんでした。
悩んだり迷ったりした部分はありましたが、HRBrainさんに相談すると、いつも複数の解決策を提示していただけるので、そのなかから選んでいくというやり方で、とてもスムーズに進行することができました。
複数案から選ぶうえでも、それぞれのメリット・デメリットをしっかり示していただけるので、迷うことはあったとしても、苦労したなと感じることはありませんでしたね。
毎回、最適解に近づいているという実感があったので、そういった面でも非常に安心できました。
こちらから質問をした際に「その質問はいずれくると思っていたので、すでに資料を用意しています」と言われた時には驚きましたね。
渡辺様:
正直なところ、何か課題にぶつかるたびに「本当にグループ全社で統一できるのかな」という不安は少なからずありました。
そこはHRBrainさんの素晴らしいファシリテートと言いますか、当社の気持ちを読んでいたかのように次々と新しい選択肢を提示していただけたので非常に助かりました。
田中様:
プロジェクト全体を通して言えることなのですが、HRBrainさんのご提案はすべて腹落ちしやすいので、そういった点も本当に感謝しています。
Q.印象に残っているコンサルテーション・サポート・支援はありますか?
横山様:
プロジェクトメンバーが多くなると、どうしても参加者どうしで意見や考え方が分かれてくる場面は必ず出てきます。そうなると、全員が納得するまで前に進まないこともしばしばありました。
そういった場面になるとHRBrainさんがいつも当社メンバーの間に入って、「ここはこういうふうに解決していきましょう」「ここはみんなでしっかり決めていきましょう」と情熱を持って先導してくださったことがすごく印象に残っていますね。
田中様:
制度やシステムの構築だけではなく、当社の社員を対象に研修していただいたのも非常に心強かったです。
やはりどんなにいい制度をつくったとしても、現場のメンバー間で実際にどう運用していくかがすべてなので、みんなでつくりあげていくんだという熱意が伝わってきました。
横山様:
当社の3つのグループ会社を対象に研修をしていただいたのですが、どれも同じ内容というわけではなく、各社の事業や課題を把握したうえで、研修内容をそれぞれカスタマイズされていました。
そういったきめ細やかなサポートも、一人ひとりの理解度につながっているのだと思います。
コンサルテーションに関しても、「グループで統一した制度を完成させる」という大きなゴールに向けて、どの場面でも軸がブレることなく最後まで後押ししていただけたので、とても満足しています。
私たちが求めていた人事評価制度はおおむね構築できたので、まだ制度開始から間もないのですが、引き続きHRBrainさんのサポートを受けながら、次はしっかりと運用面も充実させていければと思います。
現場からの反響も良く、さらに業務負担の大幅な削減にも成功
Q.人事評価制度改定やシステム導入によって、 社内からどのような反響がありましたか?
横山様:
当社でBSC(バランススコアカード)を扱うのは初めてだったので、新しい制度やシステムが現場に浸透するまで、ある程度の期間は必要だろうということは想定していました。
これまで年度方針・組織目標・個人目標を作成する手段がバラバラでしたが、今回BSCで統一して作成したことで、3つの目標がしっかり連動するようになりました。
その点は現場の社員たちもすでに実感していて、まだ運用したばかりですが、これも1つの成果だと考えています。
まだ運用したばかりなのでBSCや目標の立て方に試行錯誤している管理者もいますが、その重要性に対する理解は段々と深まっています。新制度とシステムが今後より浸透するように、私たちプロジェクトメンバーも引き続きサポートを行なっていきます。
渡辺様:
これまでエクセルや紙で運用していたので、システムへの移行に少し不安な面もありましたが、想像以上にスムーズに浸透しています。
システム導入後は、もっと社員から問い合わせがくると思っていたのですが、想定よりも少なかったのは嬉しい誤算でした。
マニュアルを読み込まなくてもある程度は直感的に操作ができるので、それだけUIが優れているという証ですね。
中野様:
これまでは紙で集めたり、PDFで集約していたので、今回のシステムを導入したことで、人事に関する資料の配布や回収が格段に早くなりました。
体感としては、以前に比べて労力的コストは約8割ほど削減できたと感じています。
これまでかなりの時間が掛かっていた作業の負担が減ったので、その分を別の業務にあてたり、早く退勤できたりと、働き方にもよい変化が起きていますね。
Q.今後、HRBrainコンサルティングやシステムをどのように活用していきたいですか?
渡辺様:
まずシステム面ですが、「評価制度」への活用はもちろん、それ以外のタレントマネジメントから労務までカバーできるように使いこなして、業務効率化と人事マネジメントにも活かしていきたいですね。
とくに労務機能では、入退社処理・雇用契約書更新の完全電子化を目指しています。
タレントマネジメント機能では、従業員情報の見える化を図り、適正な人材配置や育成計画の立案、スキルマップの作成などにも活用したいと思います。
課題があるとすれば、さまざまなクラウドサービスが出てきたので、各サービスのデータ連携をどのように構築して、煩雑な状態をいかに回避できるか。
そういった面でも、まだまだこれから課題は出てくるかと考えているので、これからもHRBrainさんと力を合わせて解決していけたらと思います。
採用難の時代に備えて、人事制度のさらなる充実と効率化を図る
Q. HRBrainはどのような企業におすすめですか?
渡辺様:
「御社にあわせて人事制度を構築します」という企業はほかにもあると思うのですが、コンサルティングとあわせてここまで深く関わっていただけるのは、HRBrainさんならではだと思いました。
表面的な制度だけではなく、根幹から再構築したいという企業様にはぜひおすすめしたいですね。
横山様:
たとえば、人事評価を少人数でされていたり、総務部長さん1人でされていたりすると、1人ひとりの責任や負担も大きく、閉ざされた評価基準で透明性もなくなってしまいます。
自社の社員のみなさんに「うちの人事制度はこうだよ」と公開したい企業様は、導入を検討されてみてはいかがでしょうか。
田中様:
転職が当たり前の社会になったことで、社員の離職に悩む企業様も多いと思います。
これからの採用難の時代に備えて、社員満足度や業績につながる人事制度を構築したい企業様にこそ、ぜひおすすめします。
※掲載内容は、記事公開の2024年7月時点のものです