HRBrainの活用で薬剤師のモチベーションをUP!地域密着型の調剤薬局の挑戦とは
株式会社メディカルリンク
- 医療
- 51~300名
- 人事評価や目標管理の運用を効率化したい
- スキル管理を行いたい
HRBrain導入開始:2021年07月01日
HRBrainの活用で薬剤師のモチベーションをUP!地域密着型の調剤薬局の挑戦とは
- 課題背景
- 積極的な業務遂行であっても成果に繋がりづらい
- 医療職の従業員のプロセスを評価できるような制度設計を作りたい
- 打ち手
- 新たな人事制度の設計に伴いHRBrainの導入
- HRBrainの課題を汲み取った上での迅速なサポート
- 医療職にとっての必須業務に加え「チャレンジリーダーシップ」の評価
- 効果
- 従業員の資格取得状況の集約化により従業員管理の効率UP
- 操作が簡易的で使いやすく、作業効率が向上
本質的な顧客ニーズを汲み取り、「日本でいちばん『ありがとう』をいただける健康サポート薬局」を実現するメディカルリンク様の人材戦略
ー早速ですが、メディカルリンク株式会社の事業内容と、楢井様のお役回りについてお伺いしてもよろしいでしょうか。
楢井様:
取締役副社長として、経営企画といった会社全体に関わる仕事をしております。
会社としては地域密着型の調剤薬局を24店舗、三重県内に展開しています。
会社として果たすミッションに「日本でいちばん『ありがとう』をいただける健康サポート薬局」というものを掲げています。ほとんどの人が認識している薬局とは、薬をもらうための場所ですが、当社は地域住民の方のニーズにお応えできるような場を作るということも1つのミッションだと捉えています。
薬局としては珍しく、薬剤師以外にも管理栄養士を積極的に採用したり、カフェやコンビニを併設した薬局づくりをして、「処方箋がなくても、気軽に相談しに来ていただける場」を目指しています。地域住民や患者様に向けたそういった環境づくりを通して、結果的に従業員のやりがいにつながればと思っております。
ー地域に密着して幅広いサービスを展開されていたり、組織づくりをしていく上で、お持ちだった課題を教えてください。
楢井様:
当社は医療機関という生活インフラを支える業態ですので、報酬点数で売上が決定してしまいます。お客様の数も、隣接するクリニックの集客力や立地に依存しますので、マーケティングの効果が出づらい業界と言えます。
お客様のためにサービスをしても、なにも考えずにサービスをしても、得られる報酬は同じという納品型の働き方です。そのため積極的に業務に取り組んでも成果につながりづらいという業界横断的な課題を持っています。
例えば、当社は薬剤師や管理栄養士が処方箋を持たないお客様からの相談に乗ったりする場を作っていこうとしているのですが、それは調剤薬局の点数にならないので、一般的に積極的な調剤薬局は少数派ではないかと思います。こういった本当に必要なサービスを提供しても成果に直接つながりにくいというのがこの業界の実情です。
取締役副社長 楢井様
ーなぜ、薬局の本質的なサービスに着目されたのでしょうか。
楢井様:
調剤薬局が「おくすりを渡す場所」だと認識されてしまうことが多い中、お薬を渡した後の薬学的フォローだったり、お薬だけではない食事などの生活面のアドバイスをさせていただくことがとても重要だからです。
日本全国での調剤薬局は年におよそ8億枚の処方箋を受け付けています。つまりそれだけの回数分、お客様にお薬をお渡ししているわけで、その8億回ものコミュニケーションの質に変化があれば、この業界は大きく変わる可能性があると感じています。
ー本質的なサービスを評価していく上で、大事にされていることはありますか。
楢井様:
頑張っている医療職の人たちの、プロセスを評価できるような制度設計を作りたいと思っています。点数がつかない業務であったとしても「お客様のニーズを満たし、社会貢献できる薬局を目指す」というメッセージを発信しなければなりません。そしてその取り組みのプロセスをきちんと認めて、従業員にやりがいを感じてもらうことが大切です。
HRBrainの選定理由にもつながりますが、何もなかったところに新しく文化を植えるというのは時間がかかることだと思うんですよね。
継続的に従業員にメッセージ発信した上で、HRBrain上で活動プロセスに対しての1on1をしっかり記録することで、見える化を進める。さらにそれを成果として会社が評価していくスタンスを従業員に見せる。ということが大事なのかなと思っています。そういう意味ではHRBrainは導入して非常に良かったと思っております。
後はマネージャー教育の観点が大事です。マネージャーを育てるという意味でも、1on1の中身を記録して見える化することは、大変勉強になると思います。トップダウンで指示されるのではなく、自分で振り返って、気づいていく。このプロセスを回していく上で、HRBrainは非常に効果が高いのかなと考えています。
新しい人事制度を組織に浸透させることの難しさとは
ー実際に評価制度の設計をされたり、日々の業務でHRBrainをご活用いただきながらシステムの管理を行っているお二人に話を伺います まずは簡単にご経歴と担当業務を教えてください
岡田様:
企業理念を現場に具現化させるための、目標設定・評価の仕組み作り、その仕組みの周知徹底から現場の運用までを担当させていただいております。
私はもともと製薬会社に28年勤めていまして、営業系の職種をしておりました。その時に、「人を評価して育てる」ということをやっておりました。業種の違う当社でも人材育成に対するコアとなる部分というものを継承・応用して、副社長と一緒に今回のプロジェクトに関わっております。
飯坂様:
2020年の5月より、人事部で人事・労務業務を行っております。副社長や岡田が設計した評価制度を基に、実際にHRBrain上でシステムの管理をしていくといった業務にも従事しております。
岡田様(左)、飯坂様(右)
ー制度の整備や浸透は多くの企業さんが悩まれている課題です。今までとは違う評価制度を進めていくことに対して、意識していることはございますか?
岡田様:
制度の整備に関しては、人事評価の目的である「成長を促すこと」を強く意識しています。従業員も会社も成長し続け、「薬剤師力」「薬局力」を進化させるという目的意識が高まるように設計しています。
制度の浸透は難しい問題です。単に結果を評価するのではなく、「目標達成に向けたアクション」「チーム内の役割」を評価することを定着させなければなりません。副社長、本部スタッフが各店舗に出向いて説明し、対話することによって浸透度は上がってきています。
その上で、履歴を残す、集積する、分析するという点で、HRBrainのようなシステム活用は必須です。
ー新しい制度を運用されて、どれくらいの期間が経ってらっしゃるんでしょうか。
岡田様:
現在は新しい評価規定に則り、現場のマネージャーとメンバーが目標の選定と役割分担、プロセスについての話し合いを終え、今年度の活動がスタートしています。
2020年10月より評価規定・HRBrain運用の課題について話をはじめ、半年経ちました。
はじめは、制度設計を進めるとともに、その制度にあったHRBrain画面の構成を相談させていただきました。その後、新しい評価規定としてその内容を刷新し、会社方針を記した「Company policy 2021」の中で社内発信しました。
ー強いて挙げるとすれば、調剤薬局の現場の人事評価で一番難しいポイントは、どこでしょうか。
岡田様:
調剤薬局の業務は、法律や規定の遵守、正確性、専門性のアップデートが第一であり、人事評価では、この「当たり前」の業務を高く評価する必要があります。
その上で、会社が持続的に成長していくために、「チャレンジ」や「リーダーシップ」の評価も重要です。当社では役職ごとの職務分掌や、対外的な窓口を明確に規定し、特にマネージャーの能力開発に着手しています。
HRBrainの運用管理をはじめて1年、ご担当者様による使いやすさのポイントは
ー実際にHRBrainのご活用の状況について伺っていければと思います。飯坂様はどのような業務でHRBrainを使用いただいているのでしょうか。
飯坂様:
人事評価や人事管理の面では、副社長や岡田が作った評価制度をもとに、目標設定シートを作成、その締め作業などの集計を担当しております。それらの評価結果を、各上司に報告するような形に加工する部分も担当しております。
他には最近導入しました、社員データベースでの情報のとりまとめなど、全体的な管理運用の作業を現在進めています。
ー社員データベースについて少しお伺いできればと思います。今現在作業を進行中とのことですが、どういった活用をイメージされていますか?
飯坂様:
薬剤師は資格が細かくございまして、そちらの管理を初めに進めています。以前は資格の取得状況などをエクセルシートで管理をしていましたが、すごく大変でしたので情報をHRBrainに集約している所です。
「資格情報以外のデータも紐づけられたらいいな」と思っていまして、現在はそちらの業務もメインに行っています。今後、従業員の住所変更などもHRBrain上で更新ができて承認するだけで完了といった、簡略化されたプロセスになると期待しています。
ー実際HRBrainを使われてみて、率直なご感想はいかがでしょうか。
飯坂様:
サポートの部分ですごく助かっています。
別の領域で他社のクラウドサービスを使っているのですが少し使いづらくて。
HRBrainですと、使いやすいですし、ご相談をしたときに機能の説明はもちろんですが、私たちの要望に対する提案というところまで、寄り添ったアドバイスをいただけますので大変助かっています。
HRBrainの管理は私が1人で対応することが多いので、改善提案をいただけることも、私としては気持ちが楽になりました。
ーHRBrainはまさに「使いやすさ」という部分を強みにしており、非常に嬉しく思います。他の一般的なシステムと比べると、どういったところは違うなと感じられましたか?
飯坂様:
操作が一目で分かるという所ですかね。他のサービスだと、考えながら試行錯誤したり、手順書を確認しないといけないことが多々あったんですけど、HRBrainは使っていて、そう思うことは少なかったです。
カスタマイズ機能の部分ですと、機能的にできない部分でも「今後、機能実装予定です」とか、「先ほどアップデートしました」とか、実際に要望を反映して下さったりするのが、「もっと使っていきたいな」と思う理由の一つでもありました。
ーサポートの質に関して、違いを感じることはございますか?
飯坂様:
そうですね。質問に対して持ち帰りのまま解決しなかったり、求めているものと違う回答だったり、ということがよくある中で、HRBrainの場合、課題を汲み取ったうえでの回答や提案というところまでが大変スピーディでいらっしゃると感じました。
業界課題もある中で、様々な施策に取り組むメディカルリンク様が目指すタレントマネジメントのありかた
ー最後に今後の展望について、皆様それぞれの立場からどのように見ていらっしゃるかを教えていただけますでしょうか。
飯坂様:
HRBrainの活用に関しては、さらなる機能拡張を期待しています。システムの管理をする立場として、いろいろなサービスを今まで見てきましたが、機能ごとにクラウドサービスを入れなければいけないことかが多くて、連携面での課題が出てきています。それが最小限になるとありがたいなと思っています。
岡田様:
社内の制度設計は順調に進んでいます。
直近の課題としては、目標達成を導き出した「アクション」に対して、それを的確に評価するという運用を、確実に行えるようにすることだと思います。「成功の要因はなにか?」「進捗が遅れる原因はなにか?」を、HRBrainを十分に活用して見える化・分析することで、目標達成の確度を高めて行きたいと思います。システムの開発も御社にどんどんリクエストできるようなりたいです。
次の課題は、人事評価や人事制度全体のプロジェクトです。適正配置や役職、報酬などの人事制度のより深い部分の設計になると思います。こちらも一歩一歩前進するように、貢献したいと考えています。
ー最後に楢井様からも、今後の展望やコメントをお願いします。
楢井様:
国の制度も含めて、調剤薬局を取り巻く環境も大きく変化してきていると感じています。当たり前のことですが、我々もお客様の本質的なニーズに応えることをサービスとして行かないと、生き残れないなと思っています。お客様のためにアクションを起こすほど、他社との違いを認識していただけますし、その上でやはりきちんと対応してくれるところがいいとか、手厚いサービスを提供している調剤薬局を選んで下さるようになるんですね。
それはもちろんお客様にとっての幸せでもありますし、みなさまの健康づくりをサポートできることが一番の地域社会に対する貢献になりますので、私たちが適切な医療を提供しようという気持ちを持って、組織づくりや制度設計を進めていこうと思います。
ーまだまだ御社の理想は高いところにあると思いますので、継続的に伴走出来るようにサポートさせていただければと思います。本日は貴重なお話の機会をいただきましてありがとうございました。
※掲載内容は、記事公開の2021年7月時点のものです。