会社の未来をつくる。ただのシステム化では終わらない、人事DXへの挑戦
高砂電気工業株式会社 人事担当
中野咲樹 様
- 製造・メーカー
- 51~300名
- 人材データの分析・活用を行いたい
- 人事制度の見直しをしたい
- 人材データを一元管理したい
- タレントマネジメント
- 人事評価
HRBrain導入開始:2020年12月01日
会社の未来をつくる。ただのシステム化では終わらない、人事DXへの挑戦
- 課題背景
- 従業員情報や人事評価の結果が、Wordや紙などにバラバラに保管されている
- 上記により、データの活用ができていない
- 人事制度が20年以上変わっておらず、現状に合っていない
- 打ち手
- HRBrainで人事評価の運用や従業員情報の一元管理を行う
- 新しい人事制度のシミュレーションのために、スキル情報などを追加で登録
- 効果
- 従業員情報が一つにまとまったことで、内容の確認やリマインド業務が効率化された
- 現場でも、人事評価の進捗確認やフィードバックができるようになった
- 蓄積した従業員情報の分析により、未来の人事制度を作り始めることができた
高砂電気工業株式会社の人事担当・中野咲樹様に、HRBrain導入の経緯、具体的な活用方法、おすすめポイントを伺いました。
ー貴社の事業内容を教えてください。
中野様:
高砂電気工業株式会社では、ソレノイドバルブ(電磁弁)およびポンプを中心とする流体制御機器等の設計・製造・販売を行っています。昨今はグローバル化も推進しており、昨年はインドで新卒採用も行いました。
2023年1月1日時点で、従業員数は267名です。
ー中野様のご経歴・お役回りを教えて下さい。
中野様:
経歴としては、2012年からローオフィスのパラリーガル兼採用(領域:カウンセリング研修、採用、教育)を担当し、2019年から高砂電気工業株式会社に入社しました。
2020年、高砂電気工業株式会社は高砂ホールディングス株式会社の完全子会社となり、社内カンパニー制を導入しました。
「流体制御システムカンパニー」と「未来創造カンパニー」という、この2つのカンパニーを、高砂ホールディングスの人事として包括的に担当しています。
様々な人事情報がWordや紙などにバラバラに保管され、活用できていなかった
ー導入前に抱えていた人事課題を教えてください。
中野様:
製造業のため、従業員すべてがパソコンを使える環境にありませんでした。
そのため、Wordなどのファイルと紙の記録がバラバラに保管されており、データとして紐づけできない点が課題でした。
また、「この人事データをどう活用したいのか」「従業員がどういった部署の変遷をたどっているのか」などが見えず、データの活用に難しさを感じていました。
さらに、2002年に導入されたコンピテンシーについてもブラッシュアップされておらず、現状に合っていないことも課題でした。
ー「制度や運用方法を見直そう」と動き出したきっかけを教えてください。
中野様:
経営層が「古いものは、時代に合わせて変えていく必要がある」という認識を強く持っていたため、人事制度を見直す動きがスタートしました。
運用方法の見直しについては、人事領域のDX化は取り掛かりやすい領域であること、また「どのように変えていきたいか」について具体的なイメージがあったため、比較的スムーズに動きはじめることができました。
ーHRBrainを選んだ決め手を教えてください。
中野様:
高すぎない料金と、カスタマイズが自由にできたこと。それに、ユーザビリティに優れていたことです。
システムに詳しくない私でも、「ここを触れば、こうなるんだろうな」という予想がすぐ立てられ、直感的に操作することができました。
わざわざマニュアルを見なくても視覚的に直感的な操作ができる点が、ほかの従業員からも好評でした。
従業員情報の一元管理で、人事も現場も業務効率化を実現
ー導入前に抱えていた課題の解決状況はいかがですか。
中野様:
人事評価シートのフォーマットをコピーできるため、評価のたびに「誰々に紙を配布して…」という細かい準備がすべてなくなりましたね。
それにともない、課長クラスの負担・工数が大きく減りました。
紙とは異なり、システム上で「誰が提出していないのか」が一目でわかるため、リマインドを出せるようになりました。
以前は紙とファイルが混在していたため、データを活かしきれないという課題がありましたが、そちらの問題は解決しました。
組織図と部署が紐づいているため、カンパニーや部署間の異動においても、その変遷をたどれるようになりました。
過去の評価の履歴を閲覧できるため、従業員ごとに「評価の高かった部署」「そうでない部署」が可視化できます。
そのデータを踏まえて、企業として「こういうふうにあなたを育成したい」というメッセージを、従業員に対して発することができます。
冒頭で申し上げたように、高砂電気工業株式会社には「流体制御システムカンパニー」と「未来創造カンパニー」というビジョン・ミッションが異なる2つのカンパニーがあります。
HRBrainは、こうした評価軸・性格の異なるカンパニーを、同じ人事評価ツールを使って包括して管理できる点が助かっています。
ホールディングスとして評価の枠組みを用意し、給与・賞与の分配に関わる「評価の付け方」については、カンパニーの想いを尊重しています。
ホールディングスとして統一した制度やメッセージを発信しつつ、カンパニーごとに評価の付け方を柔軟にカスタマイズできるところが、当社にとってはとても使いやすいと感じています。
ー経営や現場から、どのような反響がありましたか。
中野様:
現場からは「見やすい」と好評です。
HRBrain導入以前は、紙で人事評価を提出していたため、「自身の評価がどうだったか」を知りたい場合は、従業員自ら上長に聞きに行く必要がありました。
しかし、HRBrain導入後は「上長がフィードバックでコメントを書く」という運用に変わったため、システム上で閲覧ができるようになりました。
「ここが次の課題点なんだな」「ここを伸ばしていけばいいんだな」と、従業員に明確にフィードバックできるようになった点で反響がありました。
蓄積した従業員情報を分析して未来の人事制度を作成開始
ー各機能の活用方法について、具体的に教えてください。
中野様:
組織分析の機能を使用しています。
従業員の入社年次と等級の関連、また分布などを組織全体で確認し、「カンパニー長がどのような組織をつくっていきたいか」を確認し合うツールとして活用しています。
また、社員名簿に経験・スキル・給与などの関連情報を入力し、新しい評価制度のシミュレーションにも使用しています。
2つのカンパニーにおいて、評価の分布に偏りがある場合「間違いないか」を確認します。
「意図した偏り」である場合は問題ありませんが、そうでない場合は、人事担当として「認識に相違ありませんか」と、確認してもらっています。
人事会議の場でこうした新しい評価制度のシミュレーションを行い、現行制度との比較・検討に活用しています。
例えば、新しい人事評価のシミュレーションを行った際、ある従業員の等級・給与が高すぎた場合や、低すぎたときに、「その部署でなにが起きているんだろう」と原因を探っていきます。
そうすることで問題が明らかになります。
現在の人事データの問題点を指摘した場合は、「これから『どう変えていこう』という意識に持っていきにくい」ことや、人によっては「現状そうなっていることへの責任を追求されている」と捉えられてしまうこともあり、チームとして同じ方向へまとまりにくい傾向があります。
そのため、これからの人事制度について「未来はこんなふうにしていきたい」と話すことで、ネガティブな感情が入らず客観的に話を持っていくことができます。
未来を見据えることで、立ち位置がフラットになる感じですね。
ある従業員の評価が高い・低いというのはただの指標で、重要なのは「人事を通じて、会社はどのようなメッセージを発していくつもりなのか」ということです。
例えば、シミュレーションを行った際に、「従業員Aさんは会社が求めるコンピテンシーが高いから、等級が高い」と言語化できれば、評価制度にその定義を追加できるようになります。
ー「HRBrainに入力していてよかった」と思う従業員の情報はありますか。
中野様:
免許証の有効期間・有期雇用労働者の契約期間に関するリマインダー、ほか提出期限のある業務について情報を入力しています。
HRBrainでは、条件で絞り込んだリストを複数作ることができるため、月一でチェックするリストに入れておき、月末月初にまとめて確認しています。
そのカスタマイズがとても簡単で、労務まわりの業務効率化にも繋がっています。
ただのシステム化では終わらず「それを踏まえてどうしたいのか」を明確化することが重要
ーこれから人事のDXに着手しようとしている他社のご担当者様に、アドバイスがあればお伺いさせてください。
中野様:
人事領域のDX化はそこまで難しくないと考えています。
「社歴が長いと評価が上がっているのか」「社歴が長いと満足度が上がっているのか」など、データにすることで簡単に可視化ができます。
データ化することも重要ですが、それを踏まえて「どういう会社・チームにしたいのか」を明確化し、関連する数値を取得することがなにより重要です。
人事の仕事は、従業員にどうあってほしいかを可視化し、サポートすることでもあります。
従業員にクリエイティブな業務をしてほしいなら、経営層や人事が率先して、人事ツール導入など、新しいことに挑戦していくことも重要です。
わかりやすい情報の公開や扱いやすいシステムなど、「多様な従業員が理解しやすい環境を整える」ための人事ツールの導入は、ひとつの手段だと考えています。
HRBrainはユーザビリティをとことん追求したツールで、弊社の課題解決の一助となっています。
DX化することで、自社の現状・社会の動向を分析するだけでなく、「これからの会社に必要となる人材」を改めて定義しなおし、経営層へ提案することもできるのではないかと考えています。
貴社の「これから」に向けた人事施策に、HRBrainが役に立っているとのこと、とても嬉しく思います。貴重なお話をありがとうございました!
※掲載内容は、記事公開の2023年3月時点のものです。