戦略的な人事施策を打ち出す、攻めの人事への入り口
株式会社ベリサーブ 人事部企画課 課長 兼採用課 課長
佐々木 裕之 様
- IT・インターネット
- 1001名~
- 人事評価や目標管理の運用を効率化したい
- 人材データを一元管理したい
- 人材データの分析・活用を行いたい
- 人的資本開示への準備がしたい
- 組織の課題把握・分析がしたい
- タレントマネジメント
- 人事評価
HRBrain導入開始:2022年04月01日
戦略的な人事施策を打ち出す、攻めの人事への入り口
- 課題背景
- 人事評価がエクセル運用のため、評価の時期には1,200枚のシートを一枚ずつ確認する必要があり作業に時間が掛かっていた
- 作業に時間が取られてしまい、「評価による育成」を実現するための人事施策に取り組むことができなかった
- 評価シートは期ごとに配布されていたため、社員が自分の過去の目標や評価を確認するためには、自ら過去のシートを管理しておかなければならなかった
- 打ち手
- HRBrainで人事評価を行う
- 集約した評価データをもとに課題を抽出し、傾向を分析する
- 効果
- エクセル管理の時よりも、人事評価の作業工数が激減した
- 経営層に対してエビデンスを提示しながら課題状況を説明し、課題に対して深い議論が展開できるようになった
株式会社ベリサーブの人事部企画課 課長 兼採用課 課長である佐々木 裕之様に、HRBrain導入の経緯、目的、具体的な活用方法を伺いました。
ー貴社の事業内容を教えてください。
佐々木様:
当社は、製品検証やセキュリティ検証など、第三者検証サービスの提供を通じて、あらゆる企業製品・サービスの品質向上をサポートする事業を行っています。
さまざまな分野において多くの検証実績を積んでおり、経験やノウハウを凝縮した独自の検証手法が強みです。従業員数は、1,615名(2023年3月31日現在 連結)、拠点は全国に8カ所あります。
ー佐々木様のお役回り・ご経歴を教えてください。
佐々木様:
2017年に株式会社ベリサーブへ入社し、新卒採用や人材開発、人事制度構築などに携わってきました。
現在は、人事部企画課 課長 兼採用課 課長として、人事制度の構築・改善と運用、および新卒・中途の採用全般を担当しています。
組織の急成長に合わせ、人材データの整備・分析のために導入
ー導入前に抱えていた人事課題を教えてください。
佐々木様:
まず、組織の成長に合わせた人事制度が構築できていないことが課題でした。また、その中でも特に課題だったのが「人事評価」です。
例えば、人事評価のベースとなる目標管理について、HRBrainを導入する前は、社員一人一人、個別のエクセルファイルで目標管理を行っていました。そのため、評価の時期になると、1,000枚以上の目標管理シートが人事部に集められ、一枚ずつ確認しなければいけない状況でした。
評価による育成を促進するには、「どの事業部の、どの社員が、どんな目標を立てているのか」を把握することは非常に重要です。しかし、これだけ社員数が多くなってくると、エクセルファイルを開いて目標と評価の内容を把握することは難しく、人事制度をより良いものに改訂していくことの阻害要因となっていました。
また、過去の評価データに関しては、評価者も被評価者も自分でデータを蓄積しておく以外に、時系列で見ることはできないという状況となっており、この点に関しても非常に課題を感じていました。
そのほか、評価基準についても課題がありました。
当社では、4月~9月、10月~3月を評価期間としていますが、社員によっては2月~11月のプロジェクトに携わっている場合もあります。
そのため、評価基準を「評価期間内の成果」とした場合、「評価時点でプロジェクトが進行している場合は、どのように評価するのか」といった論点がありました。
評価の枠組みと実際の働き方が合っていないことから、社員が目標を立てる意味をしっかりと認識できず、そのことはモチベーションの低下につながるリスクもあるため、「評価による育成」を実現できる新たな枠組みを作りたいと考えていました。
私が入社した2017年当時、社員数は648名でしたが、現在は1,615名まで増えています。
社員数が倍増しているにもかかわらず、業務の進め方がアナログのままでは、効果的な人事施策を打つことはできません。
そのため、今あるデータを整備・分析することができるツールや、新たな制度や施策を効果的に展開させるためのツールが必要だと考えて、HRBrainの導入を決めました。
ー他システムと比べ、HRBrainで印象に残っていることを教えてください。
佐々木様:
営業担当の方がとても印象に残っています。
システム要件などを記した提案依頼書を作成する段階で、当社の目的や方針を的確に理解し、将来的に実現したいことまで見据えた提案をしてくれました。
客観的な立場でありながら、組織の一員として同じ景色を見ているかのように相談に乗ってくれたことは非常に印象的でした。
ーHRBrainを選んだ決め手を教えてください。
佐々木様:
現時点で当社が必要としている機能を備えつつ、新しい機能のリリース状況や開発スピードなど、今後のアップデートにも期待できそうだと感じたからです。
既に完成したシステムよりも「のびしろ」を感じたことが決め手になりました。
評価データが整備され、課題の抽出や傾向分析に時間を掛けられるように
ー導入前に抱えていた課題の解決状況はいかがですか。
佐々木様:
評価データをもとに課題を抽出したり、傾向を分析したりすることができるようになったのは、大きな進歩だと感じています。
例えば、社員一人一人が策定した目標について、
HRBrainによって集約したデータを分析してみたところ、等級基準に合っていない目標を立てているケースや、事業部の方針とは異なる目標を立てているケースも少なからず見受けられました。これはつまり、組織としての役割期待や、事業部の方針がまだまだ浸透していないということです。
HRBrainによってデータが整理されたことで、「なぜ浸透していないのか」「解決に向けて何をすべきか」など、具体的な課題が抽出され、深い議論が展開できるようになりました。
また、HRBrainの運用によって、人事の作業工数も削減することができました。
エクセルで管理していたころよりも、評価シートを確認するスピードが早くなったのがその証拠です。「メールに数十件のエクセルファイルを添付して送る」といった作業も必要なくなったので、効率は格段に良くなりましたね。
そのほか、所定の評価期間内にプロジェクトが終わらないケースに関しては、「行動をもとに評価する」という基準を定めました。これによって、目標策定の意義を見出しづらかった状態が、少しずつ改善されると良いなと思っています。
「形骸化した目標」から「意義のある目標」に変われば、目標達成に向けた行動量も増えるため、社員の成果や実績にもつながりやすくなるのではないかと期待しています。
これまでは、約1,200個のエクセルファイルを管理することに手一杯で、課題を分析したり、改善策を練ったりすることができていませんでした。
評価データが整備され、分析に時間をかけることができるようになったのは、HRBrainを導入して良かったと思うポイントです。
また、経営層に対してエビデンスを提示しながら課題状況を説明できるようになったことも、HRBrainの導入においてメリットを感じているポイントです。
ー経営層から、どのような反響がありましたか。また、「もっとこういうことをやりたい」といった話はございますか。
佐々木様:
「ようやく、“世の中の当たり前”の入り口まできた」という反応でした。
今後は、社員情報やキャリア情報も順次登録し、役職や部署に応じた情報が閲覧できるようにする予定です。また、現状は複数のシステムに情報が点在していますが、ゆくゆくはHRBrainに情報を集約し、システムを一本化したいと考えています。
当社の場合は、社員のほとんどがエンジニアです。
そのため、社員一人一人の実績やスキルを把握することが非常に重要です。プロジェクト編成の際も、お客様に提案する際にも、エンジニアの実績とスキルが把握できているということは非常に重要ですので、これらがスムーズにできるようなデータ環境を整備したいと考えています。
ー各機能の活用方法について、具体的に教えてください。
佐々木様:
現在は、主に評価機能とワークフロー機能を活用しています。
現段階では、目標を設定して、それをもとに評価をするということと、HRBrainの社員名簿機能を活用して、研修の申し込みができる仕組み作りも行っています。
現状は、昇格に必要な講座を申し込めるようにしているため、必然的に全社員がHRBrainを定期的に使うようになりましたし、それにより、さまざまな期待や要望も上がってくるようになっていますので、今後もサービスを拡大させていきたいと思っています。
今後は人的資本の情報開示や人材配置など、戦略的な人事施策を打ち出していく
ー数年で従業員数が倍増するなど急成長を遂げているかと思いますが、急成長する組織ならではの課題はございますか。
佐々木様:
ミドルマネジメント層の育成は課題の一つです。
当社の場合、課長クラスもマネージャークラスも、マネジメントしている部下の数が多くなっており、ここに課題があります。
管理する部下の数が増えれば、その分一人一人の能力やスキルを把握することも難しくなるため、ミドルマネジメント層を育成・採用し、増員する必要があると考えています。
しかしその一方で、「そもそもマネジメント職を希望する人材が相対的に少ない」といった実情もあります。昨年度は171名採用しましたが、ミドルマネジメント層は10%にも満たない割合です。「いかに採用し育成するのか」は課題だと言えます。
そのほか、経営層のメッセージや向かうべき方向性が、組織の隅々まで浸透しづらいといった課題もあります。
組織が大きくなればなるほど、経営層と社員の距離は遠くなりがちです。そのため、社員の心を引き付ける「求心力」や、エンゲージメントをいかに向上させるかということも重要な課題だと捉えています。
ー今後の展望として、HRBrainを活用してどのようなことを実現していきたいとお考えですか。
佐々木様:
HRBrainを活用して、人的資本の情報開示や人材配置など、戦略的な人事施策を打ち出していきたいと考えています。
企業として成長し続けるには、自社の人材についてしっかり把握し、攻めるための土壌を整えることが重要です。
そのため、まずは点在している情報をHRBrainに集約することから始めたいと思います。そして、ロールに応じた情報提供を行うことで、各現場で情報を有効活用できるような環境を築いていきたいと考えています。
※掲載内容は、記事公開の2023年5月時点のものです。