#人材育成
2024/07/30

マルチタスクとは? シングルタスクとの違い、デメリットややり方を紹介

目次

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マルチタスクとは

マルチタスクという言葉はもともとコンピュータ用語でした。

ひとつのコンピュータが同時に違う情報処理をすることを指していました。それがビジネスシーンでも使われるようになり、複数のタスクを同時進行することをマルチタスクと呼ぶようになりました。

ここではマルチタスクの意味やシングルタスクとの違い、脳の構造の観点からマルチタスクに向いている人を解説していきます。

マルチタスクを簡単に解説

マルチタスクとは短時間で切り替えながら、複数の作業を行なっていくことです。

ビジネスシーンでは特に意識をせずに使っている方も多いでしょう。電話を受けながら、メールの処理をする、会議中に議論に参加しながら議事録を作成するなど、2つ以上の作業を行っていればそれはマルチタスクです。

特にスマートフォンの普及で、パソコンで作業しながら複数のデバイスを同時に使うことも一般的になりました。

シングルタスクとの違い

マルチタスクの対義語にシングルタスクがあります。

シングルタスクとは、ひとつの作業に集中することです。マルチタスクできる人の方が、能力が高いとは言い切れません。向き不向きであったり、仕事内容によってマルチタスクとの相性が変わってきたりするためです。

業務内容によっては、シングルタスクを行う方が、トータルでの生産性があがる場合もあります。

女性が得意だと言われる訳は脳にある?

実はマルチタスクが得意なのは脳の構造に寄与していると言われています。

2002年に国内200万部、世界で600万部のベストセラーになった「話を聞かない男、地図が読めない女」で男脳、女脳が取り上げられ話題になりました。この本では、大昔の狩猟時代に獲物に静かに近づき、一点集中で狩りをする必要があった男性は、脳の構造的にマルチタスクが苦手だと論じています。

冷蔵庫を開けているのに、視野が狭く少し視線を逸らした先にあるバターが発見できないというのは、筆者もパートナーに感じていることです。

一方で、狩猟中はパートナーを待ちながら、他の女性と協力して果物を取ったり子育てをしながら、他のメンバーとコミュニケーションを取ったりする必要があった女性は、脳の構造的にマルチタスクがしやすいと言われています。

発表当時賛否両論あった理論ですが、2017年に英国王立協会のオープンアクセス誌<Royal Society Open Science>が発表した研究結果では、脳内で作用している女性の性ホルモンが、女性のマルチタスク能力を裏付けている可能性があることを指摘し、再度話題になりました。前脳のエストロゲンが関係している可能性があるとのことで、マルチタスクの遂行で明確な男女差が認められたそうです。

また脳は実際には1つのことしかできず、マルチタスクに見えるのは2つの脳内部分の切り替えが早いことで同時進行に見えていることも分かってきています。この切り替えが下手だとマルチタスクが苦手だと感じるようです。

マルチタスクが苦手!できない人の特徴

マルチタスクができない苦手な人の特徴を解説する

マルチタスクができない、苦手なだと感じている人も多いかと思います。ここでは苦手だと感じる人の特徴を解説します。

完璧主義者

先の「男性脳」にも関係しているかもしれませんが、特に男性に多い傾向があるのが「完璧主義者」です。

完璧主義である分、作業中に話しかけられるなど、少し違う要素が入ったり、他の業務を頼まれたりなどのイレギュラーに対応することが、大変なストレスに感じるようです。

目の前の作業に集中できるという特性もありますが、その分短時間で作業を切り替えるのが難しくなります。

スケジュール管理が苦手

マルチタスクの苦手な人の特徴として、スケジュール管理が苦手な人だと感じる人が多いようです。

今あるシングルタスクに集中することはできても、複数の業務を同タイミングで渡されると、作業が止まってしまうというケースです。どこから手をつけていいかわからなくなる、納期が混乱してしまうなど、スケジュール化にとまどってしまうようです。

マルチタスクのメリット

ビジネスにおけるマルチタスクのメリットとデメリットを解説

仕事においてマルチタスクができることには、以下のようなメリットがあります。

同時進行で複数の仕事ができる

マルチタスクでは同時に複数のタスクをこなすことができるため、納期や締め切りが同じ業務を請け負うことができます。

突発的な依頼にも対応しやすいため、上司としても仕事を振りやすく、より仕事が任されるようになるというメリットがあります。逆に上司が他の仕事をしている最中を考えてみましょう。マルチタスクが得意な上司であることが分かっていれば、部下はいつでも上司に相談しやすくなります。部下は上司とコミュニケーションが取りやすく、チーム全体が円滑に動きやすくなります。

全体像が確認できる

同時進行で複数の作業を進めることで、より全体像が把握しやすくなります。

たとえば販売計画を考える時に、目の前の資料ばかりに集中して書く作業に集中するのではなく、思いついたアイデアをすぐに問い合わせたり、調査も並行で行ったりすることで、より深みのある資料を作ることができるでしょう。

マルチタスクのデメリット

先述の通り、マルチタスクはいくつかのタスクを同時進行させるため、メリットが多いイメージですが、少なからずデメリットもあります。

続いてデメリットも紹介していきます。

マルチタスクは生産性が下がる

マルチタスクは一見効率がよいように見えますが、しかし実際はひとつの物事に集中する方が作業効率はあがると言われています。

ひとつの作業途中で電話を受けてしまった場合、前の作業に戻るにはどこまで考えたか再度思い出す必要があります。これが積み重なることを考えると、思い出している時間がそれぞれのロスタイムとも言えます。トータルの生産性で考えると、実際は下がっているのです。

また「時間がない・慌ただしい・間に合わない」といった焦りは脳に強いストレスを与えます。

結果生産性が落ちてしまい、予定よりも遅れてしまった仕事によって、更に「時間がない」という思いを強めるという悪循環に陥ります。脳への強いストレスで、時間が細切れになった感覚になるこの現象は「時間汚染」とも呼ばれています。社会学者のジョン・ロビンソンによって提唱されました。

キャパシティーオーバーを起こしやすい

シングルタスクであれば、作業の終了時間の目安も見積もりやすくなります。

しかしマルチタスクの場合は、それぞれのシングルタスクの感覚で工数見積もりをして仕事を受けてしまうと、前述のロス時間が加味されて、結果キャパオーバーを起こしやすくなります。また同時並行に納期があるため、ひとつ滞ると複数の業務の納期が一度に停滞するために、焦りやすくなるというデメリットがあります。

マルチタスクができるようになるには?

マルチタスクができるようになるための方法を3ステップで紹介

マルチタスクが得意な人は、脳内での切り替えが早い人だと前述しました。しかしマルチタスクが苦手な方でも、考え方を変えるだけでできるようになるコツがあります。

ここではマルチタスクができるようになるための方法を3ステップで紹介します。

シングルタスクをたくさん終わらせると考える

コロンビア大学が考案した「タスクシフト」というテクニックがあります。

事前に複数のタスクを切り替えるタイミングを決めておくというものです。外部からの要因で作業が中断されるのではなく、あらかじめ設定したタイミングで作業シフトするほうが効率はあがることが分かっています。このテクニックをベースにします。

まず現状の手持ちのシングルタスクをすべて書き出します。長期タスクも、短期的タスクも洗い出し、その中で翌週の1週間以内にすべきことをピックアップします。拾い上げたタスクに時間と重要度で優先順位をつけ、自分のもつ業務を可視化します。

マルチタスクも多くのシングルタスクの集まりです。マルチタスクを行うために、まずは全部をシングルタスクに分解するというイメージです。シングルタスクの各々のかたまりで管理していきます。

また能動的にタスクシフトすることで、脳内の切り替えやマルチタスクが苦手な方も切り替えることができるようになります。

先に120分ごとに時間を区切ってタスクを割り振っておく

次に1週間のタイムスケジュールに2時間、120分ごとのタイムボックスを設定します。

たとえば午前中の2時間、10時から12時までを1ボックス、午後は13時から15時まで、15時半から17時半までなどを2ボックスに設定します。1週間、5日勤務であれば、勤務時間にもよりますが、15〜20個程度のタイムボックスができるでしょう。そこに1で洗い出したタスクを優先順位にそって埋めていきます。

最近はポモドーロテクニックという25分間作業をして、5分間の休憩をとるというテクニックも出ています。

しかし、筆者個人的には大きなタスクを終了させるには25分ではやや短いように感じます。また人間は2時間が集中できる最大時間といわれているため、筆者が最初に勤めたコンサルティング会社では時間管理ノウハウを販売する際は、2時間を推奨していました。もし2時間が長いように感じる場合は、ご自身の集中時間を計測してみて、効率のよい集中時間にあわせてみるといいでしょう。

1週間の業務が15〜20個の大きなタスクボックスで終わらないと感じるなら、すでに翌週は業務がキャパシティーオーバーしている可能性があります。

優先順位の低いもので、取り組むことをやめたり、延期したりできるものがないかの調整が必要だということです。

関連する業務をまとめてこなす

業務を事前に洗い出すことで、翌週にすることが明確になります。また電話をかける、メールを確認するなど共通するタスクはまとめて処理するとよいでしょう。

2時間のタスク時間の合間に30分間のオフタイムをとり、スモールタスクの時間を作ります。そこで共通するタスクはまとめてこなしてしまいます。マルチタスクが苦手な方は、目の前のことには集中できても、何か邪魔が入ると、同時にあれこれ考えられないという方が多いのですが、邪魔はまとめてしまうことで邪魔にならなくなります。あらかじめ決めた目の前のことに集中することができます。

また大きなタスクボックスで作業中に思いついたアイデアや、細かい業務はメモをしておき、あとで時間を決めて確認します。

2時間の作業中はできるだけ集中できるような環境を作り、まわりに2時間後に戻る旨伝えて場所を変えて作業をする、2時間は電話を取り継がないように依頼するなど集中している時間であることを伝えると効率があがります。その後の30分間に電話やチャット、メールの確認をするようにし、部下にもその時間に相談をしてもらうように依頼することで作業は中断しません。

1日で並行して3つから4つのタスクを走らせることができるため、作業効率があがるだけでなく、毎日マルチタスクで業務遂行ができるようになります。

【まとめ】マルチタスクは1on1と同時導入で従業員のスキルアップを

マルチタスクに関して、マルチタスクのメリット・デメリットから、マルチタスクが苦手な方ができるようになるコツまで紹介してきました。マルチタスクは少しの工夫でできるようになり、業務効率があがるためおすすめです。

またマルチタスクは仕事術にもつながりますが、新人の仕事術を含めた教育は人事がまとめて行うものの他に、上司が人事評価とあわせたフィードバック時に行うのが通常でしょう。

上司と部下の効果的なフィードバックは「1on1のアプローチ」がおすすめです。最近はクラウド型の人事評価システムにすることで、1on1のアプローチも簡単にコストもおさえて導入することが可能になりました。

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HR大学編集部
HR大学 編集部

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