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2024/12/23

バーナム効果とは?プラシーボ効果との違いやビジネスでの活用例と高める方法について分かりやすく解説

目次

バーナム効果とは、一般的かつ曖昧で誰にでもあてはまることが、自分だけに特化しているように感じる心理現象を指し、顧客との信頼関係を深めたり、広告を打ち出す際に効力を高めたり、ビジネスのさまざまな場面で役立ちます。

一方で、バーナム効果には注意すべき点も多くあります。

この記事では、バーナム効果の意味、バーナム効果とプラシーボ効果や認証バイアスとの違い、バーナム効果の活用例、バーナム効果を高めるポイント、バーナム効果を活用する際の注意点について、分かりやすく解説します。

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バーナム効果とは

バーナム効果とは、一般的かつ曖昧で誰にでもあてはまることが、自分だけに特化しているように感じる心理現象を指します。

バーナム効果は、性格診断や占い、マーケティングなどで活用されます。

また、バーナム効果によって「自分のことを言い当てられている」「自分に向かって言われている」と感じると、人は当該対象に対して信頼感や好意を寄せやすくなると考えられています。

バーナム効果は、アメリカの心理学者であるポール・E・ミール(Paul Everett Meehl)氏によって提言され、イベントビジネスを成功させたアメリカの興行師であるフィニアス・テイラー・バーナム氏の言葉、「We've got something for everyone(誰にでも当てはまる要点がある)」が、由来であると言われています。

また、心理実験によってバーナム効果を検証したアメリカの心理学者である、バートラム・フォア(Bertram Forer)氏にちなんで、バーナム効果は「フォアラー効果」とも呼ばれます。

バーナム効果と似た言葉との違い

バーナム効果は、特定の情報が自分に向けられている、自分に合っていると感じる心理現象です。

バーナム効果と意味合いの似た言葉に、「プラシーボ効果(プラセボ効果)」と「確証バイアス」があります。

バーナム効果と「プラシーボ効果(プラセボ効果)」「確証バイアス」には、どのような違いがあるのか、それぞれの意味について確認してみましょう。

プラシーボ効果(プラセボ効果)

プラシーボ効果(プラセボ効果)とは、医療現場で、特に新薬の認可に必要な臨床試験の場で多く使われてきた言葉です。

実際には効果がない治療や薬であるにも関わらず、有効であるとあらかじめ説明されることによって、症状の改善などが見られる現象をプラシーボ効果と言います。

バーナム効果が単なる認知の錯覚であるのに対し、プラシーボ効果は認知の錯覚によって実際に心身に変化が見られる点が、違いと言えます。

確証バイアス

確証バイアスの「バイアス」という単語には、「偏り」という意味があります。

確証バイアスとは、自分が持つ信念や信じる仮説に合致する情報のみを入手しようとし、信念や仮説と矛盾する情報については無視することを指します。

確証バイアスの例

  • 初対面の相手について「話がおもしろい人」という情報を事前に得ていた場合、相手の話の中でも「話がおもしろい」という事前情報と一致する部分に、より着目しがちになる。

  • 病気の診断をする際、患者の症状が特定の病気の初期症状と一致していた場合に、その病気であると強く疑い、他の要因の可能性を十分に検討しなくなる。

バーナム効果と確証バイアスは同時に働くことが多く、確証バイアスが働くことによって、バーナム効果がより強くなる場合があります。

バーナム効果と認証バイアスの関係性とは、同時に働きながら、互いに相乗効果を持つ点であると言えます。

バーナム効果の活用例

バーナム効果は、確証バイアスなどの他の心理現象と関連し合っているとも考えられ、個人の信念や考え方によって作用の方向性や度合いが異なる現象です。

では、ビジネスの場でバーナム効果はどのように活用されているのか、バーナム効果が多く活用されている場面について確認してみましょう。

顧客との信頼関係の構築

顧客との関係構築の際にも、バーナム効果が役立ちます。

例えば、顧客に製品やサービスを売り込む営業活動の場面があげられます。

あらかじめ顧客が抱える課題や悩みについてリサーチしておき、製品やサービスの商品説明を始める前にその話題を出すと、顧客は「自社のことを理解してくれている」「自社の課題に共感してくれている」と感じるでしょう。

そして、提案された製品やサービスが自社の課題解決や改善につながると感じ、購入や契約の意欲が高まることが期待できます。

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ターゲット層に向けた広告施策

近年、企業広告は、リスティング広告やSNS広告など、種類が多様化していますが、広告施策でも、バーナム効果が多く活用されています。

広告の文言が、「みなさん」ではなく、「あなた」や「お客様」といった二人称の単語で語りかけている場面がよく見られるように、広告を打ち出す際は、広告を見た人が、大勢ではなく自分に語りかけられていると感じることが重要とされます。

例えば、サプリメントの広告に、「体にはビタミンが大切です」という文言と、「あなたの体は、より多くのビタミンを必要としています」という文言があるとします。

「あなたの体は、より多くのビタミンを必要としています」という文言の方が、広告を見た人が自分もビタミンをもっと摂るべきなのではないかと考え、当該製品が自分に必要であるように感じやすいでしょう。

自分に向けられた特別なメッセージのように感じさせることが、広告でのバーナム効果を高めるポイントと言えます。

コンサルティングの質の向上

コンサルティングでは、顧客がコンサルタントを信頼していないと、改善や提案などのアドバイスを素直に受け入れることができません。

コンサルティングを円滑に進める観点からも、バーナム効果によって、顧客との信頼関係を強化することが望ましいと言えます。

バーナム効果を活用することで、顧客の志向や思い描いている理想の姿、コンサルティングによって自社をどのようにしていきたいのかなど、顧客の本音をより深く引き出すことができると考えられます。

顧客の本音や隠れている課題などを理解することができれば、コンサルティングの精度や質が向上していくことが期待できます。

1on1ミーティングでのコミュニケーション

上司と部下が1対1で面談を行う1on1ミーティングでも、バーナム効果が活用されることがあります。

1on1ミーティングでは、上司が部下の普段の様子について声掛けを行う場面が多くあります。

声掛けの例として、「周囲をよく見ていますね」「他の人が気付かない所によく気付いて、さりげなくサポートしてくれていますね」など、多くの人にあてはまるような一般的な内容である場合も多いでしょう。

声掛けの内容が他の人にもあてはまるようなごく一般的な内容であっても、部下にとっては、上司が自分のことを日頃からよく見てくれているように感じられることがあります。

評価者である上司が注意深く自分のことを見ていると感じられることは、仕事に対するモチベーションや、上司に対する信頼感が高まることにつながるでしょう。

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バーナム効果を高めるポイント

バーナム効果は、企業と顧客などの間での信頼関係の構築や広告施策など、さまざまな場面で活用されます。

バーナム効果を高めるためには、どのような点に注意すれば良いのか、バーナム効果を高めるポイントについて確認してみましょう。

バーナム効果を高めるポイント

  • 主語を二人称にする

  • 商品やサービスへの信頼感を高める

  • ポジティブな言葉を使う

  • 柔軟な解釈ができる言葉を使う

主語を二人称にする

バーナム効果が十分に発揮されるためには、文言の主語を「あなた」などの二人称にすることが大切です。

「みなさん」など多くの人を対象にした主語と異なり、「あなた」という主語には、受け手のひとりひとりが、自分に語りかけられているように感じられる効果があります。

メールマーケティングやターゲティング広告などで見られる「あなたのための特別なオファー」といった文言では、特に効果が強く感じられるでしょう。

主語を二人称にすることは、受け手の注意を引き、反応を引き出す重要なポイントです。

商品やサービスへの信頼感を高める

バーナム効果は、話し相手や広告の宣伝文などが自分自身に向けられた言葉であると感じることによって発揮されるものです。

一方で、対象となる商品やサービスが信頼できないものであれば、どれほど魅力的な言葉を掛けられても、バーナム効果は発揮されにくいでしょう。

商品やサービスに対する信頼感を高めるためには、商談や広告の宣伝文言の中に、受け手が安心して話を聞くことができる要素を入れることが大切です。

例えば、商品やサービスの効果の根拠となる具体的な情報や、その分野の権威である人物の言葉を添えるなどの工夫が効果的です。

ポジティブな言葉を使う

人は、自分にとってプラスであると感じる言葉や情報の方が、より印象に残りやすいものです。

バーナム効果を最大限発揮させるためには、商談や宣伝文言などの中にポジティブな言葉を使うことが重要です。

営業や広告では、正確な情報を伝えることが最優先ですが、バーナム効果の観点から、相手にとってポジティブな内容をできる限り多く、マイナスに感じられやすい情報をできる限り少なくすると良いでしょう。

一方で、あまりに楽観的な表現をしたり、事実を誇張する言い回しになったりしないよう、注意することも必要です。

柔軟な解釈ができる言葉を使う

バーナム効果で重要なのは、文言や言い回しが受け手にとって「自分に向けて言われている」と感じられることです。

文中に、特定の分野に精通した人にしか理解できない単語や専門用語が使われていると、バーナム効果の対象が狭められる可能性があります。

商談や広告文言などでは、多くの人が自分に当てはまると感じられるような言葉を使うよう心掛けることが大切です。

たとえば、「資産を外貨預金や投資信託で増やしてみませんか」と言われたとしても、外貨預金や投資信託といった分野に詳しくなければ、何のことを言われているのか分からず、話に興味を持つことができないでしょう。

一方、「資産を今後どのように運用するか迷っていませんか」という言い方になると、より多くの人に該当し、関心を持ちやすい内容になり、バーナム効果の対象が広がることが期待できます。

バーナム効果を活用する際の注意点

バーナム効果をより強く発揮させるためにはどのような点に注意すべきか、バーナム効果を活用する際の注意点について確認してみましょう。

バーナム効果を活用する際の注意点

  • 情報を収集して相手に適した言葉を見極める

  • バーナム効果に期待し過ぎない

  • 無意識での悪用に注意する

情報を収集して相手に適した言葉を見極める

バーナム効果は、幅広い範囲の人に当てはまるような言葉や言い回しをすることで、効果を高めることができますが、多くの人に該当すると想定して発言した内容が、相手には合致しない場合もあります。

例えば、独身の人に子どもがいる前提の話をしてしまう、専業主婦の人に仕事をしている前提の話をしてしまうなどの場合があります。

特に、商談やコンサルティングなどの場で相手に合致しない話をしてしまうと、相手が気分を害したり、その後の話を信頼してもらえなかったりする可能性があります。

相手の信頼を失う状況を避ける観点からも、バーナム効果を活用する際は、事前に相手についての情報収集を十分に行うことが大切です。

事前に得た情報から、相手に適切な言葉や話題を見極めたうえで、バーナム効果を活用することが重要です。

バーナム効果に期待し過ぎない

バーナム効果は、コンサルティングの質を高めたり、1on1ミーティングでのコミュニケーションを深めたりするなど、ビジネスでも多くの場面で効果が期待できますが、効果に期待し過ぎると、バーナム効果を多用しすぎてしまう可能性があります。

特に、同じ相手に対して何度もバーナム効果を意識した話し方をすると、いつも似たような話をしてくる、誰にでも当てはまるようなことをうまく言われていると、相手が感じることもあり、状況によっては、相手からの信頼を失うこともあります。

バーナム効果は、多用するよりも、使用回数は少なく、使用する際の効果を最大化するように意識することが重要です。

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無意識での悪用に注意する

バーナム効果は、特にマーケティングや商談などの場で活用できる心理現象ですが、効果を狙うあまりに、宣伝文言や言い回しが誇大表現のようになってしまうと、後々、受け手が騙されたと感じてしまう可能性もあります。

例えば、広告については近年、景品表示法などの規制が強くなっています。

景品表示法とは、消費者がより良い商品やサービスを合理的に選択できることを目的とした法律です。

広告を打ち出す際は、バーナム効果の利点を意識しながらも、正確な情報の提供を最優先することが重要です。

また、宣伝文言が煽り口調であったり高圧的であったりすると、受け手が不快に感じることもあり、トラブルに発展する可能性もあるため、宣伝文言などの言い回しは、バーナム効果を狙うことに重点を置き過ぎず、受け手の目線に立ったものになるように注意することが大切です。

バーナム効果は正しく活用し最大化することが大切

バーナム効果とは、一般的かつ曖昧で誰にでもあてはまることが、自分だけに特化しているように感じる心理現象を指します。

バーナム効果は、顧客との信頼関係を深めたり、広告を打ち出す際に効力を高めたり、ビジネスのさまざまな場面で役立ちます。

バーナム効果を十分に発揮させるためには、主語を二人称にする、柔軟に解釈できる言葉を使うなどのポイントがあります。

一方で、バーナム効果を狙うあまり、相手の信頼を失うことがないよう、相手の情報を十分に収集したうえで言葉掛けをする、無意識にバーナム効果を悪用しないなどの点に、注意することが大切です。

自社のマーケティングやコンサルティングをより有意義なものにし、事業成長につなげていくためにも、バーナム効果は正しく活用するように心掛けましょう。

「HRBrain タレントマネジメント」は、バーナム効果を活用した1on1を実施するために、従業員ひとりひとりのスキルやキャリアプラン、業務の進捗状況などを、カンタンかつシンプルに見える化します。

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運用途中で項目の見直しが発生しても柔軟に対応できるので安心です。

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従業員、上司、管理者それぞれで項目単位の権限設定が可能なので、大切な情報を、最適な状態で管理できます。

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株式会社HRBrain 中野 太朗
中野 太朗
  • ISO30414リードコンサルタント/アセッサー

  • ビジネス統括本部 エンタープライズセールス

新卒で大手総合人材サービス会社にて新卒採用のコンサルティング営業に従事し、スタートアップ〜ナショナルクライアントまで数百社を担当。2023年にHRBrainに入社。上場企業中心に組織診断サーベイ、タレントマネジメント等を提案。

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